吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Enrico_Rava

【Disc Review】“Easy Living” (2003) Enrico Rava

“Easy Living” (2003) Enrico Rava
Enrico Rava (trumpet)
Gianluca Petrella (trombone) Stefano Bollani (piano) Rosario Bonaccorso (bass) Roberto Gatto (drums) 

Easy Living
Enrico Rava
Ecm Records
エンリコ ラバ


 Enrico Rava、ECM復帰作。
 “Volver” (1986)以来、十数年振りのECMでの録音。
 メンバーは当時のイタリアン・レギュラーバンドなのでしょう。
 端正なジャズ、バラードを中心としたアルバム。
 もちろんECM的な空気感ですが、オーソドックスなジャズにも近い色合い。
 以降もレギュラーバンドと少し変わった編成の作品を概ね交互に録音していく形。
 どれもいい作品です。
 本作、スタンダードはタイトル曲のみ、他は全てオリジナル。
 いかにもイタリアンなEnrio Ravaのメロディ。
 クールながら甘美なメロディ揃い。
 冒頭からこぼれ落ちるような美しいピアノ。
 漂うような音使い。
 全体を通じた不思議系の音使い、特にStefano Bollaniのピアノが意図的にコードからずれた音を使っているイメージが、いかにもECMっぽい感じ。
 が、フォーマット自体は伝統的なジャズのスタイル。
 過度にフリーに動くわけでもなく、過激な音を使うわけでもありません。
 Enrico Ravaも昔ながらの過激なようで落ち着いた音。
 少しくすんだ真鍮の色合い、ハードボイルドな音。
 トロンボーンは少しやんちゃ系のようですが、それでも過激には振れません。
 ECMにしては落ち着き過ぎのジャズなのかもしれませんが、このくらいのバランスが一番安心して聞けることも確か。
 歳は重ねど相変わらずスタイリッシュなEnrico Rava。




posted by H.A.

【Disc Review】“Shades of Chet” (1999) Enrico Rava / Stefano Bollani / Paolo Fresu / Roberto Gatto / Enzo Pietropaoli

“Shades of Chet” (1999) Enrico Rava / Stefano Bollani / Paolo Fresu / Roberto Gatto / Enzo Pietropaoli
Enrico Rava (Trumpet) Stefano Bollani (Piano) Paolo Fresu (Trumpet) Roberto Gatto (Drums) Enzo Pietropaoli (bass)

Shades of Chet
Paolo Fresu & Enrico Rav
Content
エンリコ ラバ 
パオロ フレス


 Enrico Rava、Paolo Fresu二人のイタリアントランぺッターがChet Baker所縁の曲を演奏する企画。
 バンドもStefano Bollaniを含むイタリアン。
 意外にもオーソドックスなジャズ。
 妙な仕掛けも何もなく、もろあの時代のWest Coast Jazzな音。
 Enrico Rava、Paolo Fresuの全ての作品を聞いているわけではありませんが、私が知る限りもっともモダンジャズしている作品。
 Stefano Bollaniもモダンジャズピアノです。
 律儀にもバース交換までやってたりして・・・この人脈で聞くのは初めてだと思うなあ・・・
 ともあれ、Enrico Rava、Paolo Fresuの対比が面白いところ。
 音に艶があり情感が乗るEnrico Ravaに対して、クールで淡々としたPaolo Fresu。
 どちらもChet Baker的だとは思わないけども、近いのはもちろんPaolo Fresu。
 ま、この手の作品、分析的に聞くのは野暮ですね。
 コンテンポラリー系の人たちもみんなモダンジャズが好きなんでしょう。
 Chet Bakerはもっとサラッとしてたんじゃなかったかなあ、違ったかなあ・・・
 ・・・とか思い出せそうで思い出せない。
 Chet Baker聞き直そうっと。




posted by H.A.

【Disc Review】“Vento” (1999) Barbara Casini, Enrico Rava

“Vento” (1999) Barbara Casini, Enrico Rava
Enrico Rava (Trumpet) Barbara Casini (Voice, Guitar)
Stefano Bollani (Piano) Giovanni Tommaso, Nicola Jannalfo (Double Bass) Roberto Gatto (Drums) Franco Fiolini (Bass Clarinet) Moreno Foschi (Bassoon) Tatiana Patella, Valentina Turati (Cello) Mauro Negri (Clarinet) Claudio Allifranchini (Flute) Giovanni Pompeo (French Horn) Domenico Laracchia (Oboe) Bruno Pucci, Florinda Ravagnani (Viola) Angela Koukou, Arturo Del Vecchio, Cinzia Pagliani, Filippo Gianinetti, Ivana Sparacio, Luciano Saladino, Luisiana Lorusso, Maurizio Azzarello (Violin)

Vento
Label Bleu
バーバラ カシーニ 
エンリコ ラバ


 Enrico Rava、イタリア在住ブラジル人?ボーカリストBarbara Casiniとの共同リーダー作。
 オーケストラも交えたとても豪華で優雅な作品。
 Enrico Rava、あるいはジャケットのイメージからは想像しにくいのですが、ブラジリアンジャズを中心としたアルバム。
 ピアノはもちろんブラジル大好きStefano Bollani。
 Barbara Casiniは透明度の高い美しい声、柔らかな素晴らしい歌。
 “Vira Vida”(2003) Nicola Stilo / Toninho Hortaにも参加しています。
 イタリアではブラジル系音楽の第一人者なのかもしれません。
 あくまでBarbara Casiniの音楽が中心。
 全体のムードにEnrico Ravaの色合いはありませんが、作曲含めて渋いサポート。
 Enrico Ravaのブラジル音楽はあまり馴染がないのですが、これがピッタリ。
 哀愁が漂うクールな音使い~時折の激情はいつも通りですが、それがそのままブラジル的な郷愁漂う色合いとマッチしてます。
 楽曲はリーダー二人に加えてメンバーのオリジナル曲中心。
 これはブラジル人の曲かな、と思った曲がEnrico Rava作だったり・・・
 ブラジル風味の曲からコンテンポラリージャズ的な曲まで、イタリア的な哀愁も漂ういい曲ばかり。
 とても優雅です。
 Barbara Casini、他にもいい作品がありそうなので、探してみよ。




posted by H.A.

【Disc Review】“La Dolce Vita” (1999) Tommaso/Rava Quartet

“La Dolce Vita” (1999) Tommaso/Rava Quartet
Enrico Rava (trumpet) Giovanni Tommaso (bass)
Roberto Gatto (drum) Stefano Bollani (piano)

La Dolce Vita
Giovanni Tommaso
Camjazz

ジョバンニ トマッソ エンリコ ラバ

 Enrico Rava 番外編。
 イタリアンバンドでイタリア映画音楽?集。
 こんなはまり役は他にはない。
 冒頭曲”Profumo di donna”。
 こんなにカッコいいバラードはMilesの”’Round about Midnight”以外知らない。
 まさにハードボイルド。

(※本当投稿は2016/02/10から移動しました。)



posted by H.A.

【Disc Review】”Italian Ballads” (1996) Enrico Rava

”Italian Ballads” (1996) Enrico Rava
Enrico Rava (Trumpet)
Richard Galliano (Accordion) Giovanni Maier (Double Bass) U.T. Ghandi (Drums, Percussion) Domenico Caliri, Roberto Cecchetto (Guitar) Barbara Casini (Vocals)

Italian Ballads
Venus Records, Inc.
エンリコ ラバ


 Enrico Rava、イタリアンバラードを演奏する企画。
 あのRichard Galliano、ブラジル人ボーカリストBarbara Casiniまで参加した豪華アルバム。
 が、Enrico Ravaはロックなギターをフィーチャーした自身のバンドElectric Fiveで活動中。
 ディストーションをかけたロックギターには合わない企画。
 そんなミスマッチな演奏もありますが、さまざまなテイストの音使い。
 曲ごとに変わるムード。
 朗々としたカンツォーネ風Nino Rotaだったり、アコースティックギターを絡めたルバートで演奏されるMadam Butterflyだったり、帰れソレントへだったり、ボーカル曲はブラジル・ミナス的だったり、サンバだったり・・・
 ちょっと強引な企画かなあ・・・、いろいろやり過ぎだなあ・・・
 ・・・と、思いつつも、一曲一曲を見るとカッコいい演奏がたくさん。
 背景がどうであれ、何はともあれ、Enrico Ravaのクールなトランペットはカッコいいもんね。





posted by H.A.

【Disc Review】“Noir” (1996) Enrico Rava

“Noir” (1996) Enrico Rava
Enrico Rava (Trumpet)
Maier Giovanni Girolamo (Double Bass) Umberto Trombetta (Drums) Domenico Caliri, Roberto Cecchetto (Electric Guitar) Stefano di Battista (Saxophone)

Noir
Enrico Rava
Label Bleu
エンリコ ラバ



 Enrico Rava、二人のギタリストをフィーチャーしたバンドElectric Fiveでの作品。
 4ビート中心ですが、ギタリストはロック系なのでしょう。
 編成からすれば”Agartha”(1975)辺りのエレクトリックマイルスをイメージしているのかもしれませんが、雰囲気は全く異なります。
 ロック~ファンクではなく、やんちゃなムードのジャズ。
 タイトルのNoir:暗黒から想像すれば、Film Noirなどの沈痛なムードかと思ってしまいますが、内容はあっけらかんとした音楽。
 ジャケットのマンガ含めてFilm Noirの仮想のサントラ、あるいはパロディなのかもしれません。
 ギターを除いたとすれば、いつものEnrico Ravaの哀愁あふれるジャズになりそうなのだけど、変幻自在、過激系のギターがそうはさせてくれません。
 歪んだギターでの激しいフリー的な演奏があったと思えば、粋な感じの素直な4ビートだったり、強い浮遊感のルバートでのスローバラードがあったり、バンド自体も変幻自在。
 それを面白いととらえるか、ちょっとやり過ぎなんじゃない、ととらえるか。
 楽曲はいつものEnrico Ravaの哀愁系のカッコいい曲揃い。
 トランペットもいつも通りのクールでハードボイルド、時折の激情が混ざるEnrico Rava節。
 他にはあまりない音なのは間違いありません。




posted by H.A.

【Disc Review】“Chanson” (1994) Enrico Rava

“Chanson” (1994) Enrico Rava
Enrico Rava (Trumpet)
Rita Marcotulli (Piano) Richard Galliano (Accordion) Enzo Pietropaoli (Double Bass)

Chanson
Duck Record
エンリコ ラバ


 Enrico Rava、ドラムレス、豪華な鍵盤奏者二名を迎えてのバラードアルバム。
 いわゆるシャンソン集なのだと思います。
 とても優雅な音。
 全てが名曲、名演。
 いかにも南欧的なほのかな哀感と、暗くはならない穏やかな空気。
 コンパクトに3分程度に収められた演奏が多く、次々と景色が変わっていくような展開。
 その分インプロビゼーションのスペースは小さくなっていますが、いずれの曲も面白いアレンジが施されており、退屈はしません。
 主役はもちろんEnrico Rava。
 いつも通りの鈍く光る艶やかな音、小細工なし、王道ど真ん中の豊かな表現力。
 他の名手たちはサポート、カウンターの役回りが多いのですが、それでも前面に出るときは、さすがな音使い。
 Richard Gallianoは強いタメと急加速の繰り返し。
 いかにもこの人ならではのスリリングな音使い。
 Rita Marcotulliの走り出すと止まらないピアノの場面はわずかですが、“I wish you Love”の斬新な音使いなどなど、いい感じの隠し味。
 最初から最後まで、哀愁漂うメロディと決してうるさくはならない小粋な演奏。
 これはオシャレです。




posted by H.A.

【Disc Review】“Rava L'Opera Va” (1993) Enrico Rava

“Rava L'Opera Va” (1993) Enrico Rava
Enrico Rava (Trumpet)
Palle Danielsson (Double Bass) Jon Christensen (Drums) Battista Lena (Guitar) Richard Galliano (Accordion) Bruno Thommaso (Double Bass) Luca Peverini (Cello) Francesco Fiore (Viola) Giorgio Sasso, Lorenzo Colitto (Violin)

Rava L'opera Va
Enrico Rava
Label Bleu
エンリコ ラバ

 Enrico Rava、プッチーニ、他のオペラ作品を中心としたアルバム、ジャズコンボ+ストリングス。
 ストリングスが全面にフィーチャーされ、ビートも穏やかですが、全体的にはクラシックよりも、コンテンポラリージャズのムード。
 Enrico Rava、Richard Gallianoが前面に出てインプロビゼーションを展開する場面が多いからでしょうかね。
 Palle Danielsson、Jon Christensenコンビの緩急交えたジャズ的ビート、ギターのスペーシーな音もしっかり効いています。
 緩やかなビートとストリングスが醸し出す浮遊感がとてもいい感じ。
 そんな音を背景に、Enrico Ravaはミュートを多用しMiles的な繊細な音使い。
 それにカウンターを当てるRichard Gallianoの明るい質感のアコーディオン。
 これまた強い浮遊感。
 全体を通じてとても優雅。
 それでもクールでハードボイルド、スタイリッシュなEnrico Ravaの世界。





posted by H.A.

【Disc Review】“Nausicaa” (1993) Enrico Rava / Enrico Pieranunzi

“Nausicaa” (1993) Enrico Rava / Enrico Pieranunzi
Enrico Rava (Trumpet) Enrico Pieranunzi (Piano)

Enrico Rava - Enrico Pieranunzi / Nausicaa [輸入盤]
Enrico Pieranunzi
EGEA
エンリコ ピエラヌンツィ 
エンリコ ラバ

 Enrico Rava、Enrico Pieranunzi、イタリアンの大御所のDuo。
 全編に寂寥感の漂う静謐なジャズ。
 イタリア的な明るさは抑えられ、少し沈んだ、いかにもヨーロピアンなムード。
 クラシックの香りが強い美しいピアノ。
 音の輪郭が明確、硬質でシャープな印象。
 加速と減速の絶妙なバランスの音使い。
 スローテンポではタメが入り、テンポが上がるとどこまでも加速していくピアノ。
 この種のDuoでよくある舞い落ちる音使い、というよりも、敷き詰める音使い。
 端正さが際立つ音。
 端正ながら少し芯をずらしたよう不思議感のあるフレージング。
 トランペットはいつもの強い感情表現を抑え、クールに徹する演奏。
 ピアノの作る背景に合わせたて、端正な音使い。
 哀愁感漂うクールネス。
 楽曲は全て二人のオリジナル、哀愁感、寂寥感が漂うメロディ揃い。
 ハイテンション、少々妖しげで不思議なラインも使うEnrico Pieranunziの曲に対して、イタリア的な香りが漂う素直でメロディアスなEnrico Ravaの曲。
 この対比がアルバムのイメージの幅を広げているのでしょう。
 どこか遠いところを眺めているような、懐かしいような音。
 強い郷愁感、そしてとても優雅です。





posted by H.A.

【Disc Review】“Volver” (1986) Enrico Rava, Dino Saluzzi

“Volver” (1986) Enrico Rava, Dino Saluzzi
Enrico Rava (trumpet) Dino Saluzzi (bandoneon)
Harry Pepl (guitar) Furio Di Castri (bass) Bruce Ditmas (drums)

Volver
Enrico Rava
Ecm Import
2001-06-19
エンリコ ラバ
ディノ サルーシ


 新作“Wild Dance” (2015)から30年前、Enrico Ravaとアルゼンチンのバンドネオン奏者Dino Saluzziの双頭リーダー作。
 Enrico Ravaのスタイリッシュな哀愁、Dino Saluzziの素朴な哀愁がいい感じの絡み具合。
 冒頭曲、浮遊感のあるギターをバックに、遠くから聞こえてくるように入ってくるDino Saluzziのバンドネオン。
 郷愁感たっぷりの音から始まり、Enrico Ravaが優しい音、美しいメロディで加わります。
 止まりそうなゆったりとしたリズムの中で、バンドネオンとトランペットが絡み合いながら静かに消えていきます。
 New Cinema Paradisoな世界。
 さらにはガラッと変わってグルーヴィーなジャズ、バンドネオンソロ、等々、さまざまなバリエーションの楽曲、演奏。
 いずれも哀愁、郷愁が漂う素敵な楽曲。
 強い浮遊感の柔らかな演奏から、ハードでテンションの高い演奏まで。
 スタイリッシュかつ郷愁漂ういい音楽。
 いつの時代もクールなEnrico Rava、いつも優しいDino Saluzziの音。

(※本当投稿は2016/02/09から移動しました。)



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