吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Enrico_Rava

【Disc Review】“Wild Dance” (2015) Enrico Rava

“Wild Dance” (2015) Enrico Rava
Enrico Rava (trumpet)
Gianluca Petrella (trombone) Francesco Diodati (guitar) Gabriele Evangelista (bass) Enrico Morello  (drums)

Wild Dance
Enrico Rava
Ecm Records
2015-08-28
エンリコ ラバ

 イタリアの大御所トランペッター、Enrico Rava最新作。
 近年のリズム隊はピアノトリオでしたが、本作はギタートリオ。
 その分、クールさが前面に出たアルバム。
 ギターは正統派ジャズギターではなく、少しやんちゃ系、クリエイティブ系。
 といっても激しい系ではなくて、あくまでクリーントーンを中心に妖しげな雰囲気を醸し出していくタイプ。
 今の若手らしくジャズジャズしていない現代的な音使い。
 でも基本的には上品でしっとりとした感じ。
 一曲目からRavaさんの真骨頂、漂うようなイタリアンバラード。
 ニヒルでハードボイルドな感じ全開。
 コードを出すのがピアノではなくギターの分、浮遊感と妖しさ倍増。
 トランペットはいつもながら、時折の激情を交えながらの素晴らしい表現力、グルーブ、安定感。
 他のメンバーも手練れた演奏。
 私にとってのRavaさんは、アバンギャルドとオーソドックスの中間点からかなりオーソドックス寄り。
 アバンギャルドが強いと聞いていてしんどいし、オーソドックスだけだと飽きてしまう。
 オーソドックス寄りのいいバランス、気軽に聞ける位置。
 本作も音楽的にはオーソドックス。
 でもギターの音がいい感じで穏やかな妖しさ、そして現代性をプラス。
 結果、やはり定位置に戻る。
 うまくできています。
 いつも通りに、美しく端正だけども、妖しいジャズ。
 とてもクール。

(※本投稿は2016/02/08から移動しました。)




 少しやんちゃでロックも混ざる1970年代~イタリアのレーベル時代、さらにはクラシックとのフュージョン、素直なモダンジャズ等々。 
 ECMに復帰してからはバラードを中心としたしっとり路線。 
 変幻自在なようで、本人のトランぺットは若い時から変わっていませんねえ。
 超一流の人はみんなそんな感じですね。 クールでニヒル、ハードボイルド。 
 フリーのイメージも強い人なのかもしれませんが、たまに過激な音を使うものの、豊かな表現力の範疇、むしろ端正なトランペッターのように思います。 
 ダークなようで、イタリアンな粋さ、明るさがある人だなあ、とも思います。 

(1972)  “Il Giro Del Giorno in 80 Mondi” 
(1973)  “Quotation Marks” 
(1973)  “Katcharpari” 
(1975)  “The Pilgrim and the Stars” 
(1976)  “The Plot” 
(1978)  “Enrico Rava Quartet” 
(1979)  “<<Ah>>” 
(1981)  “Opening Night” 
(1983)  “Andanada”
(1984)  “String Band” 
(1985)  “Nexus Meets Enrico Rava” 
(1986)  “Secrets” 
(1986)  “Volver” with Dino Saluzzi 
(1987)  “Animals”
(1990)  “Bella”
(1993)  “Nausicaa” 
(1993)  “Rava, L'Opera Va” 
(1994)  “For Bix and Pops 
(1994)  “Electric Five” 
(1994)  “Chanson” 
(1996)  “Noir” 
(1996)  “Italian Ballads” 
(1997)  “Carmen” 
(1998)  “Certi Angoli Segreti” 
(1999)  “Vento”  with Barbara Casini
(1999)  “Shades of Chet. ” 
(1999)  “Rava Plays Rava” 
(2000)  “Live at Birdland Neuberg” 
(2000)  “Duo en Noir” 
(2002)  “Beyond Fellini” 
(2003)  “Renaissance” 
(2003)  “Happiness Is... ” 
(2003)  “Full of Life” 
(2003)  “Easy Living” 
(2004)  “Montreal Diary/A: Plays Miles Davis” 
(2004)  “Montréal Diary/B” 
(2004)  “Tati” 
(2006)  “What a Day” 
(2006)  “Quatre” 
(2007)  “The Words and the Days
(2007)  “The Third Man” 
(2007)  “Live at JazzBo '90” 
(2009)  “New York Days” 
(2010)  “Tribe” 
(2012)  “Rava on the Dance Floor” 
(2013)  “The Monash Sessions” 
(2015)  “Wild Dance” 

posted by H.A.

【Disc review】“Tribe” (2011) Enrico Rava

“Tribe”(2011)Enrico Rava
Enrico Rava(Trumpet)
Gianluca Petrella (trombone) Giovanni Guidi (piano) Gabriele Evangelista (bass) Fabrizio Sferra (drums) Giacomo Ancillotto (guitar)
 
Tribe
Enrico Rava
Imports
2011-11-01
エンリコ・ラバ

 イタリアのベテラントランぺッターの2011年作。
 この人、1970年代からコンスタントにアルバムを発表しており、表情はさまざま。
 マイルスっぽかったり、ロックだったり、クラシックぽかったり、フリーぽかったり、映画のサントラぽかったり。
 それでもトランペットは一貫、マイルス的なクールさに加えて、いかにもイタリアンの粋な感じ。
 さらに時折の激情感がカッコよく、スタイリッシュ。
 どのアルバムもよいのですが、近年ではこれが一番お気に入り。
 編成はピアノトリオにトロンボーンを加えたクインテットが中心。
 イタリアの若手中心なのだと思いますが、トロンボーンのGianluca Petrella、ピアノのGiovanni Guidiなどは非凡なものを感じさせますし、リズムも変幻自在でグルーブ感もバッチリ、いいバンドです。
 特に数曲で聞かれるバラードでのルバート的な展開の飽きさせることのない自然な演奏は出色もの。
 冒頭は止まりそうになるくらいに、ゆったりした美しいバラード。
 いかにもRavaさんの演りそうなイタリア映画のサントラっぽい曲。
 シンプルで肩に力が入っていない演奏ですがドラマチック。
 フィルムルノアールか恋愛ものかは、聞く人の自由で想像するとして、ほの暗く切ないストーリーや映像が浮かんできます。
 さらに二曲目も同様の質感。
 三曲目でやっと強めのリズムが入りって来ますが、あくまでクール。
 エキサイティングなトランペットソロを展開しますが、これも熱いようであくまでクール。
 さらには、怪しい系のバラード曲が続き、ここまでRavaさんの面目躍如な展開。
 数曲アップテンポな曲も入りますが、あくまでメロディアスなバラードが中心。
 どこかで息切れする曲があるだろうと思いきや、このアルバムでは最後まで映画のサントラのような、ドラマチック、あるいはロマンチックな佳曲、演奏がこれでもかこれでもかと、てんこ盛り。
 ほの暗かったり、ミステリアスであったりするだけでなく、穏やかであったり、牧歌的であったり明るいイメージも含め、さまざまな表情の音楽。
 さまざまな情景を呼び起こしてくれます。
 とても素敵な映像的な音楽。

(※本投稿は2014/03/20から移動しました。)


posted by H.A.

【Disc Review】“New York Days” (2008) Enrico Rava

“New York Days” (2008) Enrico Rava
Enrico Rava (trumpet)
Mark Turner (tenor saxophone) Stefano Bollani (piano) Larry Grenadier (bass) Paul Motian (drums)

New York Days (Ocrd)
Enrico Rava
Ecm Records
エンリコ ラバ


 Enrico Rava、ニューヨーク系コンテンポラリー人脈を加えたアルバム。
 相棒のStefano Bollani以外はアメリカン。
 Mark Turnerの参加が意外なところ。 ECMの次のスターとして売り出そうとしていたのかもしれません。
 本作は静謐ながらダークで妖しさが強いEnrico Rava。 全てオリジナル曲。
 冒頭は美しいピアノに導かれる優雅なワルツ。
 が、なんだか妖しいムード。
 ドラムがPaul Motian、ビートを落として明確に定めないこと、Stefano Bollaniが自由度の高いピアノを弾いていることが大きいのかもしれません。
 強烈な浮遊感と不思議な音のズレ。
 さらにMark Turnerのクールながら抽象的なサックスも効いているのでしょう。
 続くは静かなフリーインプロビゼーション、強烈な疾走感の4ビートでの辛口ジャズ、ルバートでのスローバラード、などなど。
 全体を眺めれば、いつものEnrico Ravaのバリエーションではあるものの、明度が低く沈んだ印象。
 これがカッコいい。
 イタリアンな人にとっては、Gloomy “New York Days”だったのかな?
 それでも沈痛~深刻系まではいかないのがこの人の音楽のいいところ。
 Enrico Ravaはいつもながらの表現力、堂々とした吹きっぷり。
 Mark Turnerのサックスのカウンターがカッコいい。
 最後はルバートでのバラードで締め。
 ニヒルでクール、さらにダークな名作。 




posted by H.A.

【Disc Review】“The Third Man” (2006) Enrico Rava / Stefano Bollani

“The Third Man” (2006) Enrico Rava / Stefano Bollani
Enrico Rava (Trumpet) Stefano Bollani (Piano)

Third Man (Ocrd)
Enrico Rava
Ecm Records
エンリコ ラバ


 Enrico Rava、Stefano Bollani のDuo。
 ドラムが入った“Tati” (2004)は素晴らしい作品でしたが、こちらも同等かそれ以上。
 舞い落ちるような美しいピアノを背景にしたハードボイルドなトランペット。
 ドラムがいない分、ビートの自由度はこちらの方が上。
 終始漂うようなビート感。
 縦横無尽、変幻自在、不思議感の強いピアノに対して、むしろオーソドックな印象のトランペット。
 トランペットからピアノへインプロビゼーションが渡され、自由に飛び回る音を再び定常に引き戻すトランペット、そんな流れ。
 過激な印象もあるEnrico Ravaですが、このコンビの場合は概ねそんな役回り。
 いい感じでバランスが維持される素晴らしいコンビネーション。
 私が知る限り、Stefano Bollaniの一番カッコいい演奏はこのアルバムのようにも思います。 
 いつものオリジナル曲に加えて、Stefano Bollaniの選曲でしょうか、ブラジル曲が何曲か入っていますが、ブラジル曲独特の郷愁感とEnrico Ravaのハードボイルドな哀愁が交錯する素敵な音。
 多くを占めるオリジナル曲もいつも通りにイタリア的な哀愁の漂うクールなメロディ揃い。
 オーソドックスなコンボ編成のいいアルバムがたくさんありますので、これがEnrico Ravaの最高傑作、と書いてしまうには少々抵抗もありますが、静かなEnrico Ravaを聞きたい場合は迷わずこれ。




posted by H.A.

【Disc Review】“The Words and the Days” (2005) Enrico Rava

“The Words and the Days” (2005) Enrico Rava
Enrico Rava (trumpet)
Gianluca Petrella (trombone) Andrea Pozza (piano) Rosario Bonaccorso (bass) Roberto Gatto (drums)

Words &amp; The Days
Enrico Rava
Ecm Records
エンリコ ラバ


 Enrico Rava、“Easy Living” (2003)に続くコンボでの作品。
 前作からピアニストのみを変更。
 レギュラーだったStefano Bollaniとの連携はこの後も続いていきますので事情はわかりませんが、Andrea Pozzaも素晴らしいピアニスト。
 冒頭から超スローテンポ、ルバートでのバラード。
 このピアノがカッコいい。
 これをやるためにこのピアニスト・・・かどうかはわかりませんが、そう思わせるような素晴らしい演奏。舞い落ちるような美しいピアノ。
 二曲目前半までそんな演奏が続き、ビートが加わりゆったりとした雄大なイメージの演奏。
 以降もメロディアス。
 いかにもイタリアンなバラード中心の演奏。
 過激な演奏、難解な場面はありません。
 独特の浮遊感、そして哀愁漂う素晴らしい演奏の連続。
 普通にジャズなEnrico Ravaを聞くには、本作と “Easy Living” (2003)が一番よいのでしょうね。
 もちろんECM、少々の毒気はありますが、アレンジ、演奏、録音含めて、超高レベル、素晴らしい完成度です。




posted by H.A.
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