“Elis (Vento de Maio)” (1980) Elis Regina
Elis Regina (vocal)
Lô Borges, Adoniran Barbosa, Milton Nascimento, Os Borges (vocal, etc.) and others
Elis Regina、1980年、遺作。
今流通しているのは、曲が追加された“Vento de Maio” (1980)がメインなのかもしれません。
“Elis, Essa Mulher” (1979)で完成をみたと思われるサウンド、洗練されたブラジリアンポップス。
ゲストを交えつつの多彩な余裕のサウンド。
鳴り響くパーカッションに弾むバンド、激しいブレークとキメのファンクな音、そんなかつてな感じのサウンドも含めつつの落ち着いた音。
もうかつてのような目立ったシャウトはありません。
かといって落ち着いてばかりいるわけではなく、ときおりの強い熱を発散しながらも、自然にサラサラと流れていくような音。
自然に体が揺れるグルーヴに多彩な表情の声。
ネイティブなサンバな色合いも含めたボーナストラックも素晴らしいのだけども、オリジナルアルバムの曲をピックアップし並び変えると、これまた別の表情。
キャッチーな楽曲が揃い、カッコいいギターのカッティングから始まるA面に、ファンクなベースで始まるB面、各面共に起承転結をつけながら後半に向けて盛り上がっていく構成。
完成度の高いブラジリアンポップスアルバム。
稀代のカリスマ、最後までたくさんのエバーグリーンを残しつつ、1982年、逝去。
posted by H.A.