”Human” (2020) Shai Maestro
Shai Maestro (paino)
Jorge Roeder (bass) Ofri Nehemya (drums)
Philip Dizack (trumpet)
前作“The Dream Thief” (2018)のトリオにアメリカントランペッターが加わるオーソドックスなワンホーンカルテット編成。
前作と同様、とても繊細でメロディアスなコンテンポラリージャズ。
浮遊と疾走の交錯。
軽快で明るい色合いのピアノはMarcin Wasilewski的。
紗が掛かったような音のトランペットが加わり、ECMでのTomasz Stanko諸作、それらから深刻さ気難しさを排除し明るくしたようなイメージ。
さりげなく流れるフォーキーな空気感がKeith Jarrettっぽい感じがしないでもない。
が、複雑ながらも軽快で浮遊感たっぷりなビート感がとても現代的。
ECMでのお約束、漂うようなフリービート、ルバートでのスローバラードがちりばめられ、アップテンポになってもあくまで抑制的。
とても上品。
そんな中に、終盤に向けてテンションとスピードを上げていく超絶疾走が何曲か。
とてもドラマチック。
とてもドラマチック。
徹底的に熱くなっているようで、埃っぽさや脂っこさはなし。
痛快、爽快。
前作と同様、ジャズスタンダードを一曲収めるのはこの人の流儀なのでしょうか、本作では”In a Sentimental Mood”。
痛快、爽快。
前作と同様、ジャズスタンダードを一曲収めるのはこの人の流儀なのでしょうか、本作では”In a Sentimental Mood”。
複雑怪奇に変化したビート、メロディも、これまた極めて今風なジャズ。
全編に流れるほのかな哀感、懐かしい感じ、ほんの少しの違和感はイスラエルなエキゾチシズムでしょうか。
全部合わせて今風Saudade。
複雑にしてさまざまな表情。
全部合わせて今風Saudade。
複雑にしてさまざまな表情。
が、気難しさなし、あくまでメロディアスでノーブルなコンテンポラリージャズ。
名演。

posted by H.A.