吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Duke_Ellington

【Disc Review】“This One's for Blanton” (Dec.1972) Duke Ellington

“This One's for Blanton” (Dec.1972) Duke Ellington

Duke Ellington (Piano) Ray Brown (Double Bass)

This One's for Blanton
Duke Ellington / Ray Brown
Ojc
1994-04-30


 神様お二人のDuo。
 ベーシストJimmy Blantonへのトリビュート作品。
 といったこともあってでしょう、ベースが主役、たっぷり前面にフィーチャーされます。
 また、ホーン、ドラムがいない分、ベースの音がハッキリと手に取るように聞こえてきます。
 美しい音、グングン前へ進むノリ。
 何のことは無いウォーキング、普通のジャズベースがなんだか別物のように響いてきます。
 訥々とした感じ、離散的にも聞こえるピアノ、たっぷりとあるその音が止まった空間に入るベースのオブリガードがカッコいい。
 急に加速し飛翔する音。
 はたまた転がり落ちる音。
 再び後ろに回ってグングンと前に進むウォーキング。
 音数が抑えられたピアノとの組み合わせが最高のバランス。
 LPレコードA面は名人芸による名曲の演奏集。
 LPレコードB面は新曲?の組曲、もちろん名曲、名人芸。
 いずれもこれは他の人ではできそうもないカッコいいジャズ。
 心地よさ最高。
 おっと、名人芸ではなく神業でしたね。


 

posted by H.A.

【Disc Review】“Live at the Whitney” (Apl.1972) Duke Ellington

“Live at the Whitney” (Apl.1972) Duke Ellington

Duke Ellington (piano)
Joe Benjamin (bass) Rufus Jones (drums)

Live at the Whitney
Duke Ellington
Grp Records
1995-10-24


 Duke Ellingtonのソロピアノ演奏、ライブ録音。
 一部でベースとドラムが加わりますが、ソロ演奏中心。
 メドレーを含めて全19曲、各曲ともにコンパクトにまとめられ、次々と奏でられていく名曲の数々。
 ソロ演奏ゆえに揺れ動くビート。
 少し硬質な太い音。
 たっぷりのタメを効かせたり、疾走したり、ゴンゴンガンガンやってみたり。
 装飾たっぷりに提示されるテーマのメロディ、それと一体化したように切れ間なく続くインプロビゼーション。
 いつもテーマが流れているようでもあるし、気がつけばあの曲だったなあ、ってな感じの展開でもあるし。
 カクテルピアノ的にリラックスした感じでもあるし、揺れ動くメロディ、音の流れは緊張感の塊のようでもあるし。
 わかりやすいようで複雑な展開。
 のほほんと聞き流してもよし、ガッツリ対峙して聞いてもよし。
 名人のなせる技。




posted by H.A.


【Disc Review】“Money Jungle” (Sep.1962) Duke Ellington

“Money Jungle” (Sep.1962) Duke Ellington 

Duke Ellington (piano)
Charles Mingus (double bass) Max Roach (drums)

Money Jungle
Duke Ellington
Blue Note Records
2002-06-13


 Duke Ellington、ピアノトリオでの1962年作。
 聖典。
 Ellingtonさんの音楽には、粋とかエレガントってな言葉が似合うと思っているのですが、さて、これはどうでしょう。
 冒頭“Money Jungle”、弦が切れるんじゃないの、ってなベースの唸りとともに戦闘開始。
 情け容赦無用のどつき合い。
 ゴンゴンガンガンするゴツゴツピアノに、ブンブンベース、バコバコドラム。
 丁々発止のせめぎ合い。
 続く“African Flower”で戦線は妖し気な様相に変わり、さらに”Very Special”なブルースでドスを効かせたせめぎ合いから、 LPレコードA面は“Warm Valley”で小休止。
 B面に入っても抗争は続き、”Caravan”で全員がボコボコになりつつ、締めの “Solitude”でようやく手打ち。
 今日はこのくらいで許してやろう、ってな感じ。
 やはりとてもエレガント。
 とてもモダンなジャズ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Duke Ellington Meets Coleman Hawkins” (Aug.1962) Duke Ellington

“Duke Ellington Meets Coleman Hawkins” (Aug.1962) Duke Ellington

Duke Ellington (piano) Coleman Hawkins (tenor saxophone)
Aaron Bell (double bass) Sam Woodyard (drums)
Johnny Hodges (alto saxophone) Harry Carney (baritone saxophone, bass clarinet) Lawrence Brown (trombone) Ray Nance (cornet, violin)

デューク・エリントン・ミーツ・コールマン・ホーキンス
デューク・エリントン
ユニバーサル ミュージック クラシック
2001-08-01


 神Duke Ellington、スモールコンボでの1962年作。
 時代はそろそろモード期なのだと思いますが、どこ吹く風の優雅なジャズ。
 キッチリとアレンジされたホーンのアンサンブルと、これまたキッチリとオーダーされた名人たちのソロ。
 ゆったりとしたブルージーな演奏がたっぷり。
 なんだかとても平和です。
 タイトル通り、もう一人の主役はColeman Hawkins 。
 他のホーン奏者とソロを分け合っていますが、一番いい場所を任されている感じでしょうか。
 大親分と舎弟たちが場所を整えた後に登場する、ブッとい音、ビブラートたっぷり、サブトーンたっぷり、黒々としたテナーサックス。
 全部まとめて粋の塊。
 ほぼ同時期、類似企画の名作“Duke Ellington & John Coltrane” (Sep.1962)とはまた違った粋。 
 繊細なそちらに対して、余裕たっぷり男臭さたっぷりな粋。
 あの時代、というよりはもう少し前、1940~50年代の香りが、明瞭でノイズの少ない美しい音で流れていきます。
 パラダイス。




posted by H.A.


【Disc Review】“Duke Ellington & John Coltrane” (Sep.1962) Duke Ellington, John Coltrane

“Duke Ellington & John Coltrane” (Sep.1962) Duke Ellington, John Coltrane
Duke Ellington (piano) John Coltrane (tenor, soprano saxophones)
Jimmy Garrison, Aaron Bell (bass) Elvin Jones, Sam Woodyard (drums)
 
ELLINGTON & COLTRANE + 4 BONUS TRACKS
DUKE ELLINGTON & JOHN COLTRANE
デューク・エリントン
ジョン・コルトレーン


 John ColtraneとDuke Ellingtonによるこの上もなく優雅なジャズ。
 McCoy Tynerは最高のピアニストの一人だし、この期のJohn Coltraneカルテットは古今東西最高のジャズバンドのひとつだと思いますが、この作品の魅力に勝てるかどうか・・・?
 ってなぐらいの名作だと、私は思います。
 Ellingtonianの吹込みも多いImpulseですが、私が知る限りの同レーベルのDuke Ellington関係者の作品ではこれがベストではないかと思います。
 もちろん普通のモダンジャズから一歩踏み出たJohn Coltraneの存在感が大きいのでしょうが、とてもさり気ない演奏がなぜここまで優雅なサウンドになるのか、よくわかりません。
 静謐なムードとそこはかとなく漂う緊張感。
 冒頭、”In a sentimental mood”。
 ピアノがピコピコピコン・・・と数回鳴った後にスウっとテナーが立ち上がる瞬間のカッコいいこと。
 決して饒舌ではない演奏。
 零れ落ちるようなピアノソロもなんのことはなさそうで、他の人では出来ない音の使い方なんだろうなあ。
 いやはやなんとも、これは優雅です。
 この曲のベストの演奏は、このバージョン、っていうのは大げさですかね?
 テンポが上がると1940-50年代っぽさも出てきますが、これまた優雅。
 なんだかんだでColtraneはいつもの調子で吹いていますが、抑制された音数の少ないピアノとのバランスが絶妙で、いつものColtraneのアルバムとは違ったムード。
 あまり多くはないピアノのソロが始まると、おっ来たな・・・ってな感じで、極上の時間。
 それが奥ゆかしくてカッコいいのでしょうかね?
 もちろん全曲捨て曲なし、何のことは無いブルースがこの上もなく素敵に上品に響きます。
 なんとなく緊張があるようなないような、のほほんとした空気感。
 リラックスして聞き流しても良し、じっくり対峙しても良し。
 全編とてもさり気ない演奏ですが、それが最高の作品。
 こんな感じのアルバムって他にあったかなあ?




posted by H.A.


【Disc Review】“Indigos” (1955) Duke Ellington and His Orchestra

“Indigos” (1955) Duke Ellington and His Orchestra
Duke Ellington (Piano)
Jimmy Wood (Bass) Sam Woodyard (Drums) Harry Carney, Jimmy Hamilton, Johnny Hodges, Paul Gonsalves, Russell Procope (Saxophone) Britt Woodman, John Sanders, Quentin Jackson (Trombone) "Cat" Anderson, Clark Terry, "Shorty" Baker, Ray Nance, Willie Cook (Trumpet)

Indigos
Duke Ellington
Impex Records

デューク エリントン

 大御所Ellingtonのバラードを中心としたアルバム。
 ロマンチック&ノスタルジック。
 粋の極み。
 ビッグバンドには疎く、EllingtonさんもBasieさんもあまり聞いていないフトドキものですが、このアルバムはお気に入り。
 アンサンブルは控えめ、各人のソロ楽器を前面に出しつつバンドがつつましく上品にサポートするイメージ。
 落ち着いた演奏揃い。
 バックがおとなしい分、各人のソロ演奏が際立ち、ピアノはもちろん、とろけるようなPaul Gonsalvesのサブトーンの塊テナー、これまたとろけるようなJohnny Hodgesの艶々アルト、Shorty Bakerの小粋なトランペットなどなど、名人芸がこの上もなく心地よく響きます。
 ”Solitude”、”Mood Indigo”、”Prelude to a Kiss”、あるいは、”Night and Day”、”All the Things You Are”、などなど、耳タコな曲、他の人のカバーだと敬遠してしまいそうな曲が、これしかないよねえ、と思うような音。
 艶やかでセクシー、聞けば40~50年代のニューヨークあたりの粋人になったような心地よい錯覚。
 ジャズのカッコいいところがてんこ盛り。
 無人島に持っていくアルバムに確実に入る一枚。




posted by H.A.
Profile

jazzsyndicate

【吉祥寺JazzSyndicate】
吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。
コンテンポラリー ジャズを中心に、音楽、映画、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

記事検索
タグ絞り込み検索
最新記事
  • ライブドアブログ