“The Study of Touch” (2017) Django Bates' Beloved
Django Bates (piano)
Petter Eldh (double bass) Peter Bruun (drums)
イギリスのフリージャズ系ピアニストDjango Bates、ECMでのリーダー作。
ECMでは客演で“So I Write” (1990), “Exile” (1993) Sidsel Endresen, “Eréndira”(1985), “Cantilena”(1989) First Houseなどがありますが、リーダー作としては初めてでしょう。
ECMとDjango Bates、ソロ、変則コンボ・・・何でもありそうないかにも危険な組み合わせですが、本作はオーソドックスな編成のピアノトリオ、“Confirmation” (2012)など、超弩級に激しく過激なジャズバンドDjango Bates' Belovedでのアルバム。
1970年代ECMならいざ知らず、その激烈なジャズが現代のECMに合うのかなあ・・・と思いながら・・・
さすがECM、厳しいご指導があったのでしょうかね?
ほどほど静かなDjango Bates' Beloved。
トレードマークの変幻自在、予測不能、複雑怪奇なジャズの色合いははそのまま。
が、激烈さは影を潜め、穏やかなサウンド。
激しくは弾かれないピアノと、それに合わせるような暴れないバンド。
このバンドの流儀と思しきジャズスタンダードをグチャグチャに解体するのではなく、何となくジャズっぽい感じのオリジナル曲。
メカニカルでピキピキパキパキとしつつも、ECMのお約束、ルバートでのスローバラードなども交え、近年のECM的な淡いサウンドに近づけようとしているようにも聞こえます。
それでもフワフワとした感じにならず、なんだかんだでDjango Batesのパキパキした感じ、ECM諸作の中ではジャズ寄りのサウンドでしょうかね。
直近の客演“Blue Maqams” (2017) Anouar Brahemでは、もう少しフワフワしていて、ECMっぽかったようにも思うのですが・・・?
なんだかんだで過激ではない、上品で上質なピアノトリオジャズ。
ECM移籍第一作目は淡い色合いになる、の法則は、鬼のようなベテラン激烈ピアニストにも当てはまる・・・かな?
posted by H.A.