吉祥寺JazzSyndicate

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David_Virelles

【Disc Review】“Gnosis” (2016) David Virelles

“Gnosis” (2016) David Virelles

David Virelles (piano, marímbula, voice)
Román Díaz (voice, percussion)
Thomas Morgan (double bass) Allison Loggins-Hull(piccolo, flute) Rane Moore(clarinet, bass clarinet) Adam Cruz (steel pan, claves) Alex Lipowski (orchestral bass drum, temple blocks, bongos, gong) Matthew Gold(marimba, glockenspiel) Mauricio Herrera (ekón, nkomos, erikundi, claves)
Yunior Lopez (viola) Christine Chen, Samuel DeCaprio (cello) Melvis Santa, Mauricio Herrera(voice)

Gnosis
David Virelles
Ecm Records
2017-09-15


 キューバ出身、ニューヨーク在住のピアニストDavid Virelles、摩訶不思議なフリー混じりエスニックコンテンポラリージャズ、ECMレコード制作。
 ピアノトリオとパーカッション、ヴォイスを中心に、何曲かにストリングスが加わる構成。
 ECMのChris Potter, Tomasz Stankoの作品に参加していた人。
 そちらではジャズ色の強い演奏でしたが、本作ではアヴァンギャルド系。
 陽気ながらちょっと哀しいキューバンミュージックでも、超絶技巧演奏集でも、Kip Hanrahan的なダークで都会的なアフロキューバンでもありません。
 敬虔、沈痛、陰鬱、静かで摩訶不思議な音楽。
 クラシックとジャズ、ラテンが交錯するピアノ、それが叩く不協和音と山奥パーカッション、呪術的なヴォイス、ジャズなベース。
 ときおりラテンな感じ、あるいは超絶疾走ピアノも表出し、多くの場面でキューバンなグルーヴが流れているように感じるのですが、気がつけば明後日の方向に動いていきます。
 連打されるパーカッションとプリミティヴな祝祭ヴォイスが押し寄せてくると、周りの景色はここがどこだか・・・
 そして度々訪れる思索的な静かな時間、断片的に鳴る美しいピアノの音、呪術ヴォイス・・・
 静かながら強烈なトリップミュージック、エスニック、プリミティヴ、シリアス系。
 この非日常感を怖いと感じるか、心が洗われると感じるかは、その人次第。
 なお、タイトルは“神秘的直観、霊知”のような意のようです。
 なるほど。




posted by H.A.


【Disc Review】 “Wislawa” (2012) Tomasz Stanko New York Quartet

“Wislawa”(2012)Tomasz Stanko
TomaszStanko(Trumpet)
David Virelles (piano) Thomas Morgan (bass)Gerald Cleaver (drums)

Wislawa
Tomasz New York Quartet Stanko
Ecm Records
2013-03-19
トーマス スタンコ




 2012年、アメリカ系ピアノトリオとの組んだ最近作。
 この人、東欧の香り、ほの暗さ、メランコリックな質感、正気と狂気の狭間のようなアグレッシブさが身上だと思いますので、さてどんな音になるのか。
 冒頭曲、いきなり美しく妖しいピアノで始まるメランコリックなバラード。
 なんだ、いつもの通りで安心の滑り出し。
 二曲目、ジャズの香りが強いテーマからいきなり全開のトランペットソロ。
 これもお約束の展開かなと思いきや、激しい系のトラペットはさておき、意外にも健全に整った音楽。
 ピアノトリオがオーソドックスな演奏だからでしょうか。
 Stankoさんのトランペットはいつも通り狂気混ざりの激しい音。
 しかし、それを支えるピアノトリオはあくまでクール。
 全篇がオーソドックスなジャズではないものの、妖しさ、激しさは希釈されて聞き易くなっているようにも思います。
 Stankoさんのアルバムはどれもほの暗さが漂っているのだけども、このアルバムの全体の印象は、ジャケットの暗いイメージではなく、むしろ昼下がり、白い壁の部屋のイメージ。
 モダンで整ったクールな空間。この雰囲気が大きな変化。
 この辺りがアメリカ系バンドと一緒に演った理由かな?
 近年、若手中心に潮流になってきているとも思えるクールな音と、かつての闘士のド熱い音との微妙なマッチング感というか、アンマッチ感というか、そのバランスがいい感じ。
 時代背景の変遷を感じるTomasz Stankoシリーズ、とりあえず完。


 

posted by H.A.
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