“Cello Blue” (2000) David Darling
David Darling (Cello, Electric Cello, MIDI Programming, Piano, Synthesizer, Vocals)
アメリカのチェリストDavid Darling、ソロ作品。
ECMでたくさんの制作をしていた人。
ソロ作品も“Cello” (1991,1992) などたくさんのアルバムがあります。
が、本作はそれらECMのハイテンションで深刻ムードとは全く違うテイストの優しい表情。
ジャズでもクラシックでもなく、ポップインスツルメンタル、あるいはヒーリングミュージックといった面持ち。
ピアノ、シンセサイザーなどで背景を作り、ときおり鳥のさえずりなどの効果音をはさみながら、少々センチメンタルで美しいメロディをチェロが奏でていく構成。
もちろん“Cello” (1991,1992) などに近いムードはあるのですが、さらに穏やかで優し気、ポップな音。
“Cycles” (1981) のタイトル曲のような美メロの片鱗があちこちにちりばめながら、フワフワとした時間が続きます。
あのSteve Kuhnの名演を想い出す、タメが効きつつも零れ落ちるようなピアノや、ときおりの幻想的なスキャットを交えながら、美しく静謐な音の流れ。
ノリのいいビートはありませんが、十二分にポップです。
David Darling、本音ではこんな作品を作りたかったのかな?
なんだかんだでECM諸作は気難しくてねえ・・・
ま、そちらはそれがカッコいいんだけど・・・
タイトルやジャケットもなんだかなあ・・・ですが、中身は安っぽさなど皆無、極めて上質な音。
気難しさゼロ、心地よさ最高。
お目覚めのひと時に流れていると一日幸せになりそうな、そんな音。
posted by H.A.