吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Dave_Liebman

【Disc Review】“Natural Selection” (Jun.1988) Quest

“Natural Selection” (Jun.1988) Quest
Dave Liebman (Soprano Sax) Richie Beirach (Piano) Ron McClure (Bass) Billy Hart (Drums)

Natural Selection
Quest
Evidence
クエスト
リッチー・バイラーク
デイブ・リーブマン 


 Dave Liebman、Richie Beirachのバンド、Quest、スタンダード集“N.Y. Nites: Standards” (Mar.1988)の三か月後の録音。
 こちらはオリジナル曲集。
 クールな質感はそのままに、穏やかで淡い色合いの演奏集。
 難解だったり極度に激しかったりする演奏は本アルバムにはありません。
 このバンドのいつものパターン通り各人が持ち寄った楽曲ですが、似たような色合いの楽曲が並びます。
 美しいピアノの音と漂うようなソプラノサックスの絡み合い。
とても緩やかでフワフワしたような時間が続きます。
 かといって抽象的ではなくあくまであわくて穏やかな音の流れ。
 さらに時折のハイテンションな音が全体を引き締める感じ。
 フュージョン色もほとんどなく、あくまでジャズ。
 いい感じにコンテポラリージャズな音。
 が、悲しいかな、親しみやすいメロディが・・・
 何曲かそれさえあれば名盤になっていたようにも思います。
 環境音楽としては、あるいはフリージャズとしては輪郭が明解すぎて、普通のジャズとして聞くには曖昧すぎて・・・
 このバンドの特有のクールな色合いに加えて、淡くて暖かな音。
 そんな微妙なバランスの音。
 それがちょうどいいんじゃない、と言われればその通りかもしれません。
 心地いいもんね。




posted by H.A.


【Disc Review】“N.Y. Nites: Standards” (Mar.1988) Quest

“N.Y. Nites: Standards” (Mar.1988) Quest
Dave Liebman (Soprano, Tenor Sax) Richie Beirach (Piano) Ron McClure (Bass) Billy Hart (Drums)

DSC_0161
クエスト
NECアベニュー
1989-04-21

 Dave Liebman、Richie Beirachのバンドのスタンダード集。
 “Quest” (1981)からメンバーも変更され、間に何作か挟んで、満を持した?スタンダード演奏。
 思わず避けてしまいそうになるような聞き古した楽曲が並びますが、これが素晴らしい出来。
 元々演奏力は一線を越えた人たちのバンドなので、素敵なメロディ、コードの曲を自然体で演奏するだけで凄いものが出来てしまいそうなのですが、まさにそんなアルバム。
 Billy Hartが叩きまくり、クールなウォーキングベースが全体を引き締め、ピアノはガンガンゴンゴン、サックスは切れまくり。
 クールでハイテンションなジャズ演奏がとても馴染みやすく仕上がっています。
 気難し気なオリジナル曲よりもこちらの方がこのバンドのカッコよさがかえってよく見えてくるようにも思います。
 Ivan Linsの“The Island”なんてベタベタなメロディが、知的にクールに聞こえてきます。
 “You Don't Know What Love Is”然り、“You and the Night and the Music”然り。
 あまり軽妙になりすぎると違和感が無きにしも非ずですが、それはご愛敬。
 ま、アーティストとしてはもっとクリエイティブなことをやりたいのでしょうが、聞く方としてはこのくらいの方が・・・

※近年のステージから。


posted by H.A.


【Disc Review】“A Tribute to John Coltrane” (1987) David Liebman/Wayne Shorter

“A Tribute to John Coltrane” (1987) David Liebman/Wayne Shorter
Dave Liebman, Wayne Shorter (Soprano Sax)
Richie Beirach (piano) Eddie Gomez (bass) Jack De Johnette (drums)
 


 Dave Liebman, Wayne Shorter、ツインソプラノサックスでJohn Coltraneにトリビュートしようという懐かしのLive under the Skyでの録音。
 サックスの二人とJack De JohnetteはMiles所縁の人でもあり、Eddie Gomez、Jack De Johnetteは名作“Batik” (1978) Ralph TownerなどでのECM所縁、あるいはBill Evans所縁の名コンビ。
 Dave Liebman、Richie Beirachは“Lookout Farm” (Oct.1973)などでのこれまたECM所縁の名コンビ。
 Richie Beirach、Jack DeJohnetteはECMでの名作“Elm” (1979)で共演済。
といったことで、Miles Davisなのか、Bill Evansなのか、ECMなのか、いろんな所縁の人たちのバンドが演奏するJohn Coltraneのトリビュート。
 要するにクリエイティブ系ジャズの超一線級の人たちが集まった日本でのライブ。
 おりしも日本はバブルの宴の最中。
 どうせならピアノにKeith Jarrett、さらにMiles DavisとJaco Pastriusも呼んでしまえば歴史に残る・・・
 とかなんとかはさておいて、豪華メンバーでのごっつい演奏。
 冒頭の”Mr.PC”から突っ走るバンド。
 軽快に疾走するDave Liebmanに対して、同じく激しくブチ切れたような演奏ながら明後日の方向に向いているような不思議感の強いいつもながらのWayne Shorter。
 激しいけどもオーソドックスなDave Liebmanに対して、よくわからない不思議感満載のフレーズを紡ぐWayne Shorter。
 極めてわかりやすい対比の二人。
 何曲かはJohn ColtraneEric Dolphyの鬼のようなコンビのライブ演奏が”Impressions”(1961) John Coltraneなどに残されていますが、似たいような対比。
 本作の方がスッキリした演奏かもしれません。
 私の好みはWayne Shorterですが、Dave Liebmanの凄みが前面に出た演奏。
 続くはバラード、Dave Liebman, Richie BeirachのDuoでの“After the rain”~“Naima”。
 最後はこれまた激しい”Indiana”~”Impressions”の長尺メドレー。
 CDに収められたのは抜粋なのだと思うのだけども、なんともこれだけではもったいないような演奏。
 また、激しい演奏ですが、想定の範囲の展開、あるいは、激烈フリーに突入する場面もないのは少々寂しいかな?
 この期においては、それは前時代的だったのでしょうね。
 あの時代の素晴らしいジャズ、激しい系。




posted by H.A.


【Disc Review】“Quest” (1981) Quest

“Quest” (1981) Quest
Dave Liebman (Soprano Sax, Alto flute) Richie Beirach (Piano) George Mraz (Bass) Al Foster (Drums)
 
クエスト
クエスト
リッチー・バイラーク
デイブ・リーブマン 


 Dave Liebman、Richie Beirachが作ったクールでハイテンションなジャズバンド。
 最初に聞いた印象はECMっぽいバンドなあ・・・
 この二人とECMの因縁は知りませんでした。
 ECMっぽくもある知的でクールな音だと思うのですが、これをやろうとしてManfred Eicherさんに却下されたのかな?
 グングン前に進むベースとビシバシドラム。
 Al FosterはMiles Davisが長期休養から復帰する時期と重なりますが、カッコいいジャズドラムを叩いています。
 Milesバンドのファンクの演奏では、オープンなハイハットをバシャバシャ叩くスタイルでしたが、本作ではJack DeJohnette?と間違えてしまいそうなフレキシブルで激しい「ジャズ」ドラマーぶり。
 終盤の”Napanoch”なんて最初から最後まで、ピアノソロの後ろに回ってもドラムソロ状態。
 こちらの方が似合っていると思うけどなあ。
 そんなハイテンションなジャズビートを背景にして、モーダルで激しいインプロビゼーションを展開するフロントの二人。
 どちらもブチ切れたような激しい演奏が続きますが、それでも全体のムードはどことなくクール。
 このクールな色合いを醸し出しているのはRichie Beirachの硬質なピアノでしょうか。たぶん。
 このバンドが演奏すると聞き飽きたはずのスタンダードナンバーまでが、新しく聞こえてきます。
 さらに透明度の高い美しい音。
 本作のスタンダード曲は”Softly, As in a Morning Sunrise”のみ、他はオリジナルですが、当時は相当新鮮な感じだったのでしょう。
 もし、ECMで制作していたら、もっと美しく、緊張感が高く、タイトな作品になったのかな?
 ここまでジャズっぽくはならなかったのでしょうねえ・・・
 以降、断続的にバンドは続きますが、このメンバーでのアルバムは本作のみ。
 なかなかうまく行きません。

 
 

posted by H.A.


【Disc Review】“Omerta” (1978) Richard Beirach, David Liebman

“Omerta” (1978) Richard Beirach, David Liebman
Richard Beirach (Piano) David Liebman (Tenor, Soprano Sax, Alto Flute)
 
Omerta
TRIO RECORDS
リッチー・バイラーク
デイブ・リーブマン

 Richard Beirach, David LiebmanのDuo作品。
 “Lookout Farm” (1973)あたりからの共演が続く盟友。
 他にもいくつものDuoアルバムがあり、“Quest” (1981)といったバンドでの作品も何作かあります。
 どちらもモーダルでハイテンションな演奏が得意なタイプだと思いますので、似たタイプとして相性がよさそうな二人。
 二人ともジャズを演奏したくてECM総帥Manfred Eicherとぶつかり、ECMを脱し、この時期の名作もいまだに再発売されない、といった話を読んだ気もしますが、別レーベルでの「ジャズ」作品。
 ジャズではありますが、もちろんモダンジャズではなく、少々妖しいムードのコンテンポラリージャズ。
 確かにECMから出ると違和感があるオーソドックスな色合いなのかもしれません。
 ピアノがヨーロッパ的ではなくてMcCoy Tynerっぽいなあ、とかサックスも普通っぽいなあとか思ったりはします。
 スタンダード曲が数曲に、それぞれのオリジナル曲が数曲で概ね三等分。
 硬質で美しいピアノと饒舌なサックス。
 Duoゆえに揺れるビートが心地いいのですが、フリーな局面はなし。
 楽曲も小難し気なものはなく、ほぼ全編通じてオーソドックス、名人芸なジャズ演奏。
 ピアノの時折のクラシックな音使いがちょっと変わった感を醸し出しているかもしれませんが、あくまでオーソドックスなジャズ。
 テナーでの“In a Sentimental Mood”独奏で締め。
 ま、確かにEicherさんは許してくれそうにはありませんね。
 さりげないいい演奏だとは思いますが・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Drum Ode” (May.1974) Dave Liebman

“Drum Ode” (May.1974) Dave Liebman
Dave Liebman (soprano, tenor sax, alto flute)
John Abercrombie (electric guitar, guitar) Richard Beirach (electric piano) Gene Perla (bass, electric bass) Bob Moses, Jeff Williams (drums)
Patato Valdez (congas) Barry Altschul, Steve Sattan (percussion) Badal Roy, Collin Walcott (table) Ray Armando (bongos, percussion) Eleana Sternberg (vocals)

Drum Ode
David Liebman
Ecm
デイブ・リーブマン


 Dave Liebman、“Lookout Farm” (Oct.1973)に続くECM第二弾にして最終作。
 “Dark Magus”(Mar.1974) Miles Davisの直後の録音。
 前作のような重々しい感じの曲はなく、パーカッションが唸るラテンでハイテンションなコンテポラリージャズ。
 突っ走るビートに乗って、これまた突っ走る激烈なサックスと美しいエレピ。
 もちろん“Dark Magus”のようなロック~ファンクな感じではなく、あくまでラテン掛かったジャズフュージョン。 
 テナーは相変わらず激烈ですが、ソプラノサックスは洗練された響き。
 Richie Beirachもエレピを弾くと重厚な感じではなくなって、これはこれでいい感じ。
 一曲入ったColtraneナンバーも、エレピとソプラノサックス、パーカッションの絡み合いが軽快な感じ。
 本作でも一曲入るボーカルも、前作のようにスキャットだけではなく、歌詞が乗って漂うような妖しい歌。
 John Abercrombieのフィーチャーは少々のみですが、この期の彼のJohn McLaughlin風のサイケなギターがいい感じで効いています。
 中にはエレクリックMiles風だったり、“Head Hunters” (Sep.1973) Herbie Hancock風だったりする場面も・・・ 
 諸々含めて、いろんな要素てんこ盛り状態ですが、いい感じでアルバム全体の流れの中に溶け込んでいて、全体眺めて統一感もあるカッコいいラテンフュージョン~コンテンポラリージャズ。
 このアルバムも前作同様、いい感じの1970年代ECM的、ハイテンションコンテンポラリージャズだと思います。私は。
 ヨーロッパっぽさ、深刻さ、あるいは深遠な感じはあまりないのだけども・・・
 だからこれでDave LiebmanのECM制作は終わったのかなあ・・・




posted by H.A.  

【Disc Review】“Lookout Farm” (Oct.1973) Dave Liebman

“Lookout Farm” (Oct.1973) Dave Liebman
Dave Liebman (soprano, tenor sax, alto flute)
John Abercrombie (guitar) Richard Beirach (piano, electric piano) Frank Tusa (bass, electric bass) Jeff Williams (drums)
Armen Halburian (percussion) Don Alias (conga, bongos) Badal Roy (table) Steve Sattan (cowbell, tambourine) Eleana Sternberg (vocals)
 


 Dave Liebman、いわく付き、いまだに廃盤のECM作品。
 Richie BeirachがManfred Eicherと喧嘩して云々・・・の話を聞きますが、同じようなメンバーの“Drum Ode” (May.1974)は流通していて、実相は分かりません。
 いずれにしても凄いメンバーが集まった凄いアルバム。
 Dave Liebmanは“Dark Magus”(Mar.1974) Miles Davisの少々前、Milesバンド在籍中。
 若き日のJohn Abercrombieもさることながら、”On The Corner” (Jun.1972) Miles Davisに参加していたタブラのBadal Royなんて、Miles Davisのファンすらも覚えていないであろう名前が気になります。
 タブラとサックスが交錯する幻想的な場面はありますが、ポリリズミックなファンクの感じはありません。
 John Abercrombieもそれらしくなかったりもしますが、それらはさておき、いかにも1970年代ECMなハイテンションコンテンポラリージャズ。

 スパニッシュなギターとフルートの絡み合いからスタート。
 さらにラテンなビートにエレピの響き。
 “Return to Forever” (Feb.1972) Chick Coreaっぽいかもしれないけども、それとは違う激しいパーカッションが交錯する不思議なハイテンションラテンナンバー。
 さらには妖し気なボイスとサイケなギター、フルート、サックスが交錯するファンクナンバー。
 エレキベースの響き、変化していくファンクビートを含めてエレクトリックMilesっぽいかもしれません。
 にしても、激しいというか妖しいというか、不思議な演奏。

 LPレコードB面は、美しくも重厚なピアノとテナーサックスの絡み合い、ゆったりとしたテンポから始まる長尺な組曲風のタイトル曲。
 Coltrane的な展開、緊張感の高いサックスと激しいピアノが中心となったハイテンションな演奏。
 中盤にパーカッションが唸るエスニックなファンク、さらにはタブラとサックスの幻想的な絡みなどを経て、再びColtrane的な重厚なインタルード~ハイテンション、ハイスピードな4ビート。
 McCoy TynerっぽいピアノとColtrane風激烈テナーでドカーンと盛り上がって幕。

 悪い演奏であるはずもなく、ECM的でないわけでもなく、何故廃盤なんだろ?
 いずれにしても1970年代ECM的コンテンポラリージャズ、ハイテンションな一作。
 
 

posted by H.A.  


【Disc Review】“Back on the Corner” (2006) David Liebman

“Back on the Corner” (2006) David Liebman
David Liebman (Soprano, Tenor Sax, Flute, Piano, Synthesizer)
Mike Stern, Vic Juris (Guitars) Anthony Jackson, Tony Marino (acoustic, electric,  stick bass) Marko Marcinko (Drums, Keyboard Programming, Percussion)
 
Back on the Corner
Dave Liebman
Tone Center
2007-01-30
デイブ・リーブマン

 Miles Davisシリーズ番外編。
 Dave Liebman、レギュラーメンバーにMike Sternを迎えた“On The Corner” (Jun.1.6,Jul.7.1972) Miles Davisへのオマージュ作品。
 自身も参加した“On The Corner”にどこまで本気取り組もうとしていたのか、あるいはリバイバルに合わせてやらされたのか、実相はわかりませんが、“Ife”,”Black Satin”をカバーし、“J.B. Meets Sly”なんてオリジナル曲からするとそこそこ本気だったのでしょう。
 が、パーカッションが入らないと、あるいはツインドラムにしないと、“On The Corner”の世界にはなかなか・・・
 といったとことで、“On The Corner”的ではなく、あくまで2006年時点の彼のレギュラーバンドの音でのコンテンポラリージャズ~フュージョンミュージック with Mike Stern。
 と割り切ってしまえば結構いい作品です。
 冒頭からちょっと妖し気なムード。
 ファンクなベースとサックス、ギターが絡み合うミディアムテンポチューン。
 相変わらずの饒舌なサックスと、とてもスムースなロックなようなジャズのようなあのMike Sternのギター。
 さすがの表現力、演奏力。
 続くMilesチューン“Ife”あるいは”Black Satin”もオリジナルのイメージとは違ったあくまで2006年型 Dave Liebmanバンド型の音。
 ポリリズミックではなく、素直にバウンドする、あるいは突っ走るファンクナンバー。
 ”Black Satin”にしても「あの」ビートではなく、Al Foster的な揃った突っ走りドラムに加えてさまざまなビート展開、ジャンピーな高速ファンクナンバーにアレンジ。
 その上でのMike Sternの高速ギターと高速ソプラノサックス。
 これはこれで悪くないかな。
 その他諸々、各楽器のソロでの短いインタールドをはさみながら、スペーシーなナンバーやら、グルーヴィーな素直なフュージョン、妖し気なファンクなどなど。
 と思っていら、最後に収められた“J.B. Meets Sly”が新しい感じのファンクビートがカッコいい、Milesがやっていてもおかしくないようなハイテンションなナンバー。
 “On The Corner”的ではなく、Miles復帰後、“You're Under Arrest” (Jan.1984-Jan.1985) Miles Davisっぽい感じではありますが、そのタイトル曲のようななかなか希少なカッコいい演奏。
 考えてみれば、自身が参加した“On the Corner/New York Girl/Thinking of One Thing and Doing Another”をカバーしないのも面白いなあ。
 John McLaughlinの代わりをMike Sternがやるとなると興味津々なのですがね・・・
 ま、“On The Corner”のことは気にせずに、リズム隊もカッコいいし、素直にDave Liebman、Mike Stern、Vic Juris、名人芸のインプロビゼーションを楽しむのが吉。
 この手のエレクトリックMilesオマージュ的作品、たくさん出ていて、最近では“Everything's Beautiful” (2015) Miles Davis & Robert Glasperなどありますが、私の知る限りのベストは“Animation - Imagination” (1999) Tim Hagansかなあ。
 

※音源が無いのでMilesバンドでの雄姿を。


posted by H.A.

【Disc Review】“Home” (1979) Steve Swallow

“Home” (1979) Steve Swallow
Steve Swallow (bass)
Sheila Jordan (voice) Steve Kuhn (piano) David Liebman (saxophones) Lyle Mays (synthesizer) Bob Moses (drums)

Home
Universal Music LLC
2009-02-25
スティーブ スワロー

 Steve Swallow、最近作“Into the Wood” (2011) より30年以上前、1970年代のコンテンポラリージャズ。
 こちらは、モダンジャズではなく、フュージョンでも無く、あくまでコンテンポラリージャズ。
 カッコいい演奏揃い。
 リーダー含めてオールスターのメンバー。
 シンプルなようで不思議系、ちょっとすっとぼけたようでエキサイティング、推進力の強い音のイメージを決めているのはもちろんリーダーでしょう。
 が、このアルバムの主役はSteve KuhnDave Liebmanかな?
 微妙にタメを入れながらドラマチックな音の流れを作るSteve Kuhn
 対して、あくまで自然に流麗に音を組み立てていくDave Liebman
 どちらにも感じられる微かな狂気。
 こりゃ相性バッチリですね。
 聞き慣れたDave LiebmanRichie Beirachとのコンビネーションに勝るとも劣らず。
 ほぼ全曲でフィーチャーされるSheila Jordanのボーカルも妖しげでいい感じ。
 決定的な名曲がないのが残念ですが、どの曲も悪くない。
 明るくて元気いっぱい。
 でもどことなく妖しげ。
 なぜか前に進む不思議なグルーヴ。
 聞き易くて、当たり前のようで、妖しくて、カッコいい音楽。




posted by H.A.
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