“Nosso Brazil” (2019) Danilo Brito, André Mehmari
Danilo Brito (bandolim) André Mehmari (piano)
ブラジル、バンドリン奏者Danilo Brito、ピアニストAndré MehmariのDuo。
クラシカルな色合い、ショーロの楽曲、作法に則った演奏集のようです。
バンドリンとピアノのDuo、André Mehmariでは“Continuous Friendship” (2007), “Gimontipascoal” (2009, 2010)、他にも“O Que Será” (2012) Stefano Bollani / Hamilton de Holandaなどもありますが、それらよりもさらにクラシカル。
Ernesto Nazareth, Anacleto de Medeiros, Garotoなど、ブラジリアンの巨匠たちの楽曲にオリジナル曲を少々。
ピアノの音が遠くから聞こえてくるようなクラシカルな音作り。
必要以上には突っ走らない、転げまわらないクラシックモードのMehmariさん。
相方のDanilo Brito、突っ走る感じではありません。
さらさらと流れるような、優雅に漂うような音使い。
穏やかに加速と減速、そしてときおりの停止を繰り返しながら、奏でられる優美なメロディ。
極めて透明度の高い、それでいて少し靄がかかったようにも感じる優美な音。
周囲の埃が無くなっていくような、湿度を下げるような、でも過度には乾燥しないほどよい湿り気。
スピードを上げ、激しく高揚する場面もそこかしこにありますが、そんな場面もなぜか上品。
とてもノーブルでエレガント、高貴で優雅・・・って同じ言葉が並びますが、そんな音。
危なさや妖しさは微塵も感じないのですが、これまたトリップミュージック。
たぶんショーロの時代、遠い昔からそうだったのでしょう。
とても豊かな時間・・・ってなコピーは安くなってしまった感もありますが、こちらはホントに豊かで優美な音。
posted by H.A.