“Jack of Clubs” (1984) Paul Motian
Paul Motian (drums)
Bill Frisell (electric guitar) Ed Schuller (bass)
Joe Lovano (tenor saxophone) Jim Pepper (tenor, soprano saxophones)
今は亡き名手Paul Motian、1980年代、アヴァンギャルドジャズ、イタリアSoul Noteレーベルでの連作。
近い時期にECMレコードでの“It Should've Happened a Long Time Ago” (1984)でBill Frisell, Joe Lovanoとのトリオ編成もありますが、こちらは前作 “The Story of Maryam” (1983)と同じくサックス二管、ベース入り。
同編成は次作“Misterioso” (1986)まで続きます。
これまた激しい系。
端正なJoe Lovanoと狂気なJim Pepper。
一人で両極端、どちらにでも振れていくBill Frisell。
もちろん質感は前作と近く、沈痛で危機感煽り系のムードも同様。
が、少しだけ穏やかになった感もあります。
バラードっぽかったり、ミニマル的展開があったり、静かなギターのみの演奏があったり、サックス二本のみが絡み合う時間がたっぷりあってみたり。
結果、不思議感も増大。
天才的スタイリストのみなさま方がやることはわけわからず、予測不可能。
それがカッコいい。
それにしてもシンプルながらカッコいいジャケットのポートレート。
まったく爽やかではなく、毒気たっぷりですが、やるせなくて男っぽい感じそのまま。
まだここでは優しさよりも狂気強め。
そのバランスがこの期のこのバンド。