吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Christian_Wallumrød

【Disc Review】“Outstairs” ‎(2013) Christian Wallumrød Ensemble

“Outstairs” ‎(2013) Christian Wallumrød Ensemble
Christian Wallumrød (piano, harmonium, toy piano)
Per Oddvar Johansen (drums, vibraphone) Gjermund Larsen (violin, hardanger fiddle, viola) Tove Törngren (cello) 
Eivind Lønning (trumpet) Espen Reinertsen (tenor saxophone)

Outstairs
Christian Ensemble Wallumrod
Ecm Records
2013-08-06


 ノルウェーのピアニストChristian Wallumrødの変則編成のコンボ作品。
 Christian Wallumrød Ensemble でのECM初作“Sofienberg Variations” (2001)、“The Zoo Is Far” (2006)なとと同様、とても静かで魔訶不思議なコンテンポラリージャズ。
 が、それらから時間が経過し、雰囲気は異なります。
 静かで限られた音数、ゆったりとしたテンポはそのままですが、ルバートでの美しいスローバラードは影を潜め、不穏な中断を繰り返す定常なビート。
 さらにメロディというよりも、スケールの断片?のように不思議な楽曲。
 また、集団で同じメロディを奏でているようで少しずつズレていくような不思議で不安な音の流れ・・・
 ミニマルミュージック的・・・とは違うのでしょうが、不思議で実験的な音。
 変わらないのはレクイエム集のようなムード。
 本作ではそれをさらに抽象的にさらに陰鬱にした感じの、アヴァンギャルドで哀しい音が最初から最後まで続きます。
 哀しげな表情、定まった8ビート的なリズムになると、同じくノルウェー、同世代のECMのピアニストTord Gustavsenに近い空気感はあるのですが、その甘美さはなく、異次元から聞こえてくるような不思議で哀しい音。
 やはりレクイエム・・・なのでしょうかねえ・・・?
 とても静かで、とても哀しい迷宮ミュージック。


※別メンバーでのライブ映像から。


posted by H.A.


【Disc Review】“The Zoo Is Far” (2006) Christian Wallumrod Ensemble

“The Zoo Is Far” (2006) Christian Wallumrod Ensemble
Christian Wallumrod (piano, harmonium, toy piano)
Gjermund Larsen (violin, Hardanger fiddle, viola) Tanja Orning (violoncello) Giovanna Pessi (Baroque harp) Per Oddvar Johansen (drums, percussion, glockenspiel)
Arve Henrkisen (trumpet)

[CD]CHRISTIAN WALLUMROD ENSEMBLE クリスティアン・ヴァルムルー・アンサンブル/ZOO IS TOO FAR【輸入盤】
[CD]CHRISTIAN WALLUMROD ENSEMBLE クリスティアン・ヴァルムルー・アンサンブル/ZOO IS TOO FAR【輸入盤】

 ノルウェーのピアニストChristian Wallumrødのとても静かな北欧コンテンポラリージャズ、あるいは室内楽風アンサンブル。
 “Sofienberg Variations” (2001)からメンバーが変わり、チェロ、ハープが加わっています。
 間々に挿入される一分前後のインタバールのような演奏を含めて全24曲。
 低く響くチェロによって、音楽の重心が下がったように、あるいはクラシック色が強くなったようにも感じます。
 ビートが定まり、メロディが明確な曲も多い分、“Sofienberg Variations” (2001)よりも音楽の輪郭は明確なのかもしれません。
 が、やはり不思議感120%の迷宮。
 さまざまな楽器が入れ代わり立ち代わりに現れては消え、哀し気で意外な方向に動くメロディを奏でる、妖しいアンサンブル。
 インプロビゼーションのスペースは限られ、フリージャズ的な不可解な音の流れ、後の“Outstairs” ‎(2013)のようなミニマル的なシンプルなフレーズの繰り返しもときおり登場します。
 繊細なガラス細工のような音の流れは、計算しつくされたアンサンブルなのでしょう。
 ときおり同じくノルウェーのMathias Eick諸作のようなキャッチ―なメロディが出るのは、伝統音楽からの流れなのでしょうか?
 が、その時間は短く、徐々に時空が歪み、気がつけばまた迷宮へ・・・
 これまた不思議で非日常的な時間へのトリップミュージック。
 “動物園は遠い”・・・?
 一体何なのでしょう?
 不思議です・・・?




 posted by H.A.

【Disc Review】“Sofienberg Variations” (2001) Christian Wallumrød Ensemble

“Sofienberg Variations” (2001) Christian Wallumrød Ensemble
Christian Wallumrød (Piano, Harmonium)
Nils Økland (Violin, Hardanger Fiddle) Per Oddvar Johansen (Drums) Arve Henriksen (Trumpet)

Sofienberg Variations
Wallumrodchristian
Ecm Import
2003-04-08


 冬のノルウェーシリーズ・・・といったわけではないのですが、なんとなくノルウェーのアーティストが続きます。

 ピアニストChristian Wallumrødの変則編成のカルテット作品。
 とても静かな北欧コンテンポラリージャズ。
 “The Source and Different Cikadas” (2000) Trygve Seim / The Sourceに参加していた人。
 同じくノルウェーの大御所Jon Balkeの次の世代になるのだと思いますが、空気感は彼のコンボMagnetic North Orchestraに似た感じでしょう。
 それをさらに沈痛に陰鬱に、そしてクラシカルにしたような音。
 冒頭からルバートでのスローバラードが続きます。
 定まらないビート、ベースレスでフワフワと音の断片が漂うような音の流れ。
 哀し気な表情のバイオリン、過剰なサブトーン混じりの寂寥感の塊のようなトランペット、静かにフリーなアクセントをつけるドラム、美しく抽象的な音を散りばめるピアノ・・・
 ときおり美しいメロディが現れながら、また静かな抽象の世界に戻っていく不思議な時間。
 全編通じた沈痛な音はまるでレクイエム。
 ノルウェーの欝な部分はこんな感じなのかもしれません。
 とても美しい欝。

※別メンバーでのライブ映像から。


posted by H.A.


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