吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Charles_Lloyd

【Disc Review】”Hagar's Song” (2012) Charles Lloyd

”Hagar's Song” (2012) Charles Lloyd
Charles Lloyd (tenor, alto sax, bass, alto flute)
Jason Moran (piano, tambourine)

Hagar's Song
Universal Music LLC
チャールス ロイド


 Charles Lloyd、Jason MoranとのDuo。
 二人なので自由度の高い演奏かと思いきや、意外にもオーソドックスなジャズ。
 半数ぐらいのスタンダード演奏は、漂うようなバラード演奏から、いかにもアメリカンなオーソドックスでスウィンギーなジャズまで。
 ある意味ビックリするぐらいの無難な「モダン・ジャズ」演奏。
 最先端のジャズピアニストJason Moranもやはりこの手の「モダン・ジャズ」が好きなんでしょうねえ。
 ともあれ、アルバムとしては中盤のオリジナル組曲がメインなのでしょう。
 こちらは少々瞑想的で妖しげな雰囲気。
 民族音楽的なメロディライン、フリーな展開まで、さまざまな表情。
 そして最後はBob Dylan~The Bandの“I Shall Be Released”、さらにはThe Beach Boys。
 かなり崩した漂うような演奏ですが、なんだか懐かしいような、意外なような、フィットしているような、不思議な感じ。
 この二人のコンビ、あるいはGeri Allenとのコンビは最後までECMっぽい演奏になりそうでなりませんでしたかね・・・
 とても穏やかで優しげ、大らかな「ジャズ」アルバムです。





 Charles Lloyd のECM作品 “Fish Out of Water”から3作が凄みのあるバラードアルバム、以降は諸々。
 サポートのピアニストが変わる度にイメージが変化。
 静謐で端正、微かな狂気のBobo Stensson共演作、 妖しいギターのJohn Abercrombieを絡めつつ、 オーソドックスなジャズ色の強いBrad Mehldau共演作、 スタイリッシュなGeri Allen に加えて、ドラマーEric Harlandの今日的ビート、 そのビート感を維持しながら、いかにも現代のコンテンポラリージャズピアニストJason Moranとの共演へ。
 大きくは静謐から躍動に、素直に時代の流れに合わせて20世紀型ジャズから今日的ジャズへいってみよう・・・、ってな感じ。
 でも最後はオーソドックスに・・・
 背景は変われど、本人のサックスは全く変わらないのはすごいことなのでしょう。
 私の好みはBobo Stensonとのコラボレーションですが、懐古趣味なのですかね。

(1989) “Fish Out of Water”  with Bobo Stenson
(1992) “Notes from Big Sur”  with Bobo Stenson
(1993) “The Call”  with Bobo Stenson
(1994) “All My Relations”  with Bobo Stenson
(1996) “Canto”  with Bobo Stenson
(1999) “Voice in the Night”  with John Abercrombie, Billy Higgins
(1999) “The Water Is Wide”  with John Abercrombie, Brad Mehldau, Billy Higgins
(1999) “Hyperion with Higgins”  with John Abercrombie, Brad Mehldau, Billy Higgins
(2002) “Lift Every Voice”  with John Abercrombie, Geri Allen
(2004) “Which Way is East”  with Billy Higgins
(2005) “Jumping the Creek”  with Geri Allen, Eric Harland
(2006) “Sangam”  with Eric Harland, Zakir Hussain
(2008) “Rabo de Nube”  with Jason Moran, Eric Harland
(2009) ”Mirror”  with Jason Moran, Eric Harland
(2011) “Athens Concert”  with Maria Farantouri
(2012) ”Hagar's Song”  with Jason Moran

posted by H.A.

【Disc Review】”Mirror” (2009) Charles Lloyd

”Mirror” (2009) Charles Lloyd
Charles Lloyd (tenor saxophone, alto saxophone, voice)
Jason Moran (piano) Reuben Rogers (bass) Eric Harland (drums)

Mirror
Universal Music LLC
チャールス ロイド


 Charles Lloyd、Eric Harland、Jason Moranとのコラボレーション。
 元気な“Rabo de Nube” (2007)に比べるとバラードの印象が強いアルバム。
 が、やはり“Fish Out of Water” (1989)などとは全く異なる質感。
 しっとりと、連綿と・・・ではなく、ビートが効いた演奏を交えながら、変化に富んだ内容。
 オリジナル曲、ジャズスタンダード曲、トラディショナル曲がほぼ等分。
 オリジナル曲はかつてのイメージ、Charles Lloydは変わらないのですが、リズム隊は軽快にグングン前に進む演奏。暴れたりはありませんが・・・
 それを躍動感があるととらえるか、せわしなくて落ち着かないととらえるか。
 あるいは、新しい感覚でスリリングととらえるか、 寛げないととらえるか・・・
 新しいかどうかはさておき、静謐な凄みが無くなった分、ちょっと聞きではスウィンギーさも含めてオーソドックスなジャズっぽくて取っつきやすい音楽になっているのでしょう。
 終盤に少し変わった感覚のルバートでのバラードが何曲かあり、それがカッコいいのですが、こちらは隠し味にしときましょう、ってな感じ。
 オーソドックな印象ながら、かつての人とは少し違うビート感、ドラム、ピアノの現代的な感覚、変わらないCharles Lloydのバランスが面白い佳作。




posted by H.A.

【Disc Review】“Rabo de Nube” (2007) Charles Lloyd

“Rabo de Nube” (2007) Charles Lloyd
Charles Lloyd (tenor saxophone, alto flute, tarogato)
Jason Moran (piano) Reuben Rogers (bass) Eric Harland (drums)

Rabo De Nube
Universal Music LLC
チャールス ロイド


 Charles Lloyd、今度のパートナーは何作か続くドラマーEric Harland に加えて、ピアニストJason Moran、ライブ録音。
 ハイテンションながら現代的でクールなイメージの音。
 軽快に飛ばすCharles Lloyd を含めて、“Fish Out of Water” (1989)以降のしっとりとしたバラード路線のイメージはすっかりなくなりました。
 いきなりピアノトリオでのハイテンションなインタープレー。
 自在に変化するビート、フリーな色合い含めて攻撃的な演奏ながら、重々しくないし暗くはならないのが、いかにも現代の若手の演奏。
 Bobo Stensonだと重くて湿っぽくなりそうだし、Brad Mehldau、Geri Allenにしてもここまでの軽快感は出ないのでしょうね。
 Jason Moran、ビート感は新鮮ですが、フレージングはジャズピアノな感じ、乾いていて軽快な印象。
 ベースもドラムも同様、乾いた質感、軽快な疾走感。
 現代的です。
 が、二曲目はルバートでのイントロ、例の漂うCharles Lloyd。
 それでもリズムが入るとカラッとしたイメージ。
 連綿とした哀感・・・のイメージは薄い・・・
 そんな演奏が続きます。
 ま、プレーヤーの個性に加えてライブ録音といった事もあるのでしょう。
 でも、ここまで来ると変わったなあ、ってな感じ。
 21世紀型現代的クールネスへの転換、その2。
 Charles Lloyd御大自体はそのままですが。




posted by H.A.

【Disc Review】“Jumping the Creek” (2005) Charles Lloyd

“Jumping the Creek” (2005) Charles Lloyd
Charles Lloyd (tenor, soprano sax, tarogato)
Geri Allen (piano) Robert Hurst (double bass) Eric Harland (drums)

Jumping the Creek
Charles Lloyd
Ecm Records
チャールス ロイド


 Charles Lloyd、Geri Allenとの共演作。
 Bobo Stensonとのバンドの後、John Abercrombie、Brad Mehldau、Billy Higginsとの共演を経て、Geri Allenとは“Lift Every Voice” (2002)以来。
 この作品も二曲を除いてオリジナル曲。
 が、ここまで中心だったバラード路線ではありません。
 現代的スタイリッシュジャズの香りが濃厚。
 もちろんバラードもありますが、現代的なクールで複雑な楽曲のイメージが印象に残ります。
 演奏もテンション高め、攻撃的なイメージも。
 ドラムが今を時めくEric Harland。
 普通にジャズな演奏もありますが、いかにも彼らしい現代的な乾いたビート。
 しばらく共演が続きますのでそれに可能性を見出していたのかな?
 Geri Allenは “Lift Every Voice” (2002)では抑制気味にも聞こえた彼女らしさを解放。
 決して派手ではないし、甘口ではない玄人好みのクールなピアノ。独特の浮遊感。
 メリハリを効かせるタイプではなくて、音を敷き詰めながら突っ走るタイプ。
 そんなピアノを前面にしたエキサイティングな演奏、現代的な変拍子でのドラムとのDuo、ベースとのDuo、あるいはベースレスでの演奏、伸び縮みするリズム、フリージャズ的展開、などなど・・・、さまざまな試み。
 タメを効かせたバラードのCharles Lloydは少し前の作品あたりで終わっていたのでしょうね。
 20世紀的なクールネスから脱し、21世紀、現代的なクールネスに向けた試行、その1、かな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Lift Every Voice” (2002) Charles Lloyd

“Lift Every Voice” (2002) Charles Lloyd
Charles Lloyd (tenor saxophone, flute, tarogato)
Geri Allen (piano) John Abercrombie (guitar) Marc Johnson, Larry Grenadier (double bass ) Billy Hart (drums)

Lift Every Voice
Charles Lloyd
Ecm Import
チャールス ロイド


 Charles Lloyd、前作“The Water is Wide” (Dec.1999)からJohn Abercrombieだけを残し、ピアノトリオを総入れ替え。
 復帰以降、静謐なオリジナル曲中心で強烈な印象のアルバムを残していますが、本作は前作と同様にスタンダード、ポップチューンが半数程度。
 オーソドックスなジャズの香り、そして黒人霊歌、アメリカ南部の香りが濃厚。
 Charles Lloydの作品群、メンバーもさることながら、曲選びがアルバムのイメージを決めているように思えます。
 ハードなイメージのGeri Allenも完全に抑制モードで堅実なサポート。
 前任のBrad Mehldauとは全く違う質感、浮遊感が強いのですが、それでもあまり強く自分の色を出そうとはしていないように感じます。
 John Abercrombieも同様。
 前作のセッションでは登場場面が限られ、かなり多めにフィーチャーされる本作でも、音色こそ彼の個性的な音ですが、抑制された演奏に終始。
 Geri AllenとJohn Abercrombieの共演場面は限られ、強烈なインタープレー、なんて場面は、残念ながらありません。
 といったことで、強烈で高テンションなジャズではなく、リラックス聞けるオーソドックスなジャズとして楽しむのがよさそうですね。
 それにしてもサポートメンバーがどうあれCharles Lloydは変わりません。
 1960年代から全く変わっていないのでしょう。
 その凄み。




posted by H.A.
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