“Caoimhín Ó Raghallaigh & Thomas Bartlett” (2019) Caoimhín Ó Raghallaigh, Thomas Bartlett
Caoimhín Ó Raghallaigh (Hardingfele) Thomas Bartlett (Piano)
アイルランドのフィドル奏者Caoimhín Ó RaghallaighとアメリカのピアニストThomas BartlettのDuo作品。
アイリッシュ~ケルトミュージックなのか、ニューエイジミュージック(死語?)なのか、ポストクラシカルなのか、コンテンポラリージャズでいいのかよくわかりませんが、そんな感じの静かで穏やか、美しい音。
ジャズっぽさはなくクラシック寄り、近年のECMレコードにありそうな感じでもありますが、もっと優しい雰囲気。
少し遠くで鳴っているようなクラシック寄りの音で、ゆったりと置かれていくピアノ、寄り添うような物悲しいフィドルの擦過音との繊細な絡み合い。
穏やかな起伏を伴いながら揺れるビート。
たっぷりの余白。日常の法則を無視するかのように揺れ、ゆったりと流れていく時間。
終始明るい感じながらも、ほのかなセンチメンタリズムが漂うメロディ、リフ。
ときおりビートを崩し漂いながら、また元のゆったりとしたテンポへ。
ときおりビートを崩し漂いながら、また元のゆったりとしたテンポへ。
その繰り返し。
ときおりいかにもケルティッシュな躍動感も表出しますが、その時間は長くはなく、気がつけばまた穏やかな表情。
緩やかな風のようでもあるし、穏やかな波のようでもあるし。
この種の音楽、繊細なガラス細工のような質感が多いのですが、本作はもっと柔らかくしなやか。
さわると壊れるのではなく、緩やかに形が変わっていきそうな、そんな感じ。
どこか遠くを眺めるような懐かしい感じは、これまたSaudadeな音。
とても心穏やか、安らぎます。
とても心穏やか、安らぎます。
posted by H.A.