“When Will The Blues Leave” (1999) Paul Bley, Gary Peacock, Paul Motian
Paul Bley (piano) Gary Peacock (double bass) Paul Motian (drums)
マスターたちのピアノトリオ、未発表ライブ音源、2019年発表。
鬼のような“Not Two, Not One”(1998)制作後のステージ。
鬼のような“Not Two, Not One”(1998)制作後のステージ。
そちらとは少々違って、ダークネスとアバンギャルドな色合いはほどほどに抑制されたジャズ。
楽曲はPaul Bleyを中心に、Gary Peacock、Ornette Coleman、ジャズスタンダードなど。
冒頭は意外にも明るい色合い、Ornette Colemanが見え隠れする、ぶっ飛んだフリーが入り混じるジャズ。
自由です。
オモチャ箱をひっくり返したような音の洪水、それでいてグチャグチャな感じはなく、スッキリとまとまった、さすがの名人芸。
続くはPaul Bleyのトレードマーク、全編ルバートでの美バラード。
タメにタメにタメて置かれていく美しい音、センチメンタルなメロディ。
感傷を纏いながら突然崩れていく儚さと狂気。
感傷を纏いながら突然崩れていく儚さと狂気。
そのピアノどう合わせるのか思案のベースとドラム、危ういバランスの美しさ。
同様の演奏は、上掲アルバムから”Dialogue Amour”、さらにソロピアノの演奏も。
どこかで聞いた超美メロの断片が、まるで記憶を想い起こすように現れ、そして崩れていきます。
「耽美」ってな言葉が一番似合う、いかにもPaul Bleyさんの音。
「耽美」ってな言葉が一番似合う、いかにもPaul Bleyさんの音。
そんな感傷と自由が変幻自在に交錯するピアノに、動きまくるベース、虚空に響くシンバル。
ぶっ飛びながらもスッキリしたアヴァンギャルドとベタベタの感傷が交錯、錯綜するステージ。
同じく超名人たちのKeith Jarrett Standardsよりも明暗、動静の落差、変化が大きく、その分ぶっ飛んだ感じがするのかもしれません。
未発表だった理由はジャズな成分が少々強めなことぐらい?・・・ってなのも変ですが、普通にジャズとして「も」聞ける名演奏集。
なお、お三方のうち、既に二人が鬼籍に入ってしまっているのが何とも・・・
posted by H.A.