吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

British

【Disc Review】“A Long Time Ago” (1997,1998) Kenny Wheeler

“A Long Time Ago” (1997,1998) Kenny Wheeler

Kenny Wheeler (Flugelhorn)
John Parricelli (Guitar) John Taylor (Piano)
Derek Watkins, Henry Lowther, Ian Hamer, John Barclay (trumpet) Mark Nightingale, Pete Beachill, Richard Edwards (Trombone) Dave Stewart, Sarah Williams (Bass Trombone)

Long Time Ago
Kenny Wheeler
Ecm Import
1999-10-19


 Kenny Wheelerのラージアンサンブルでのコンテンポラリージャズ。
 たくさんの作品を制作していた時期のようで、ECMでは”Angel Song” (1996)に続く作品。
 盟友John Taylorにギターを加えたトリオに、大人数のブラスアンサンブル。
 ドラムとベースの参加はなく、いわゆるビッグバンドのジャズとは異なります。
 フロントに立つのはフリューゲルホーン、ピアノ、ギターのみ。
 そのトリオのみの静かな場面も多く、ブラスのアンサンブルが彩りを付けていく形。
 冒頭のタイトル曲は30分を超える組曲。
 いつものちょっと悲し気で勇壮なメロディに、柔らかい音のブラスのアンサンブルから、フリューゲルホーンとギターとピアノの静かなジャズへ。
 それらが交錯する構成。
 鋭く美しいピアノに、現代的ながらあくまでジャズなギター。
 低音楽器を中心とした重厚で格調高いブラスアンサンブル。
 ドラムとベースがいない分、不思議な質感で淡々と進む音。
 ギター、ピアノが後ろに下がった場面では、よりクラシック的に聞こえます。
 現世の日常とは違う、中世のヨーロッパ的な、静かだけども不思議な重厚感。
 Kenny Wheelerらしく勇壮で高貴、上品、大人、そして静かなジャズ。

※別のアルバムから。


posted by H.A.

【Disc Review】“Obsidian” (2017) Kit Downes

“Obsidian” (2017) Kit Downes

Kit Downes (church organs) Tom Challenger(tenor sax)

Obsidian
Kit Downes
Ecm Records
2018-01-19


 イギリスのピアニストKit Downes、パイプオルガンのソロ演奏。
 “Time Is A Blind Guide” (2015) Thomas Strønenでカッコいいピアノを弾いていた人。
 ECMからの初リーダー作は、その疾走するピアノではなく、ちょっとビックリのパイプオルガン演奏。
 一曲のみサックスが加わりますが、オルガンの独奏。
 とても静かで淡い音。
 宗教的な雰囲気やクラシックな感じが強いわけではなく、シンセサイザーで奏でる幻想的なフューチャージャズ、あるいはフリーインプロビゼーションにも聞こえます。
 次々と音色を変えていくゆったりと漂うような音と、淡くて幻想的な音の流れ。
 抽象的なメロディと、変幻自在な先が読めない展開が続きます。
 そんな中に置かれたスタンダード“Black Is the Color of My True Love's Hair”の懐かしいメロディ。
 不思議感120%。
 最高のピアノニストが弾くパイプオルガンは、近年のECMの定番?、時代、場所が曖昧なトリップミュージック。
 楽器と音楽が全く予想外で、他の人とは違うパターンではありますが、ECM移籍第一弾は淡い色合いになる、の法則がこの人にも・・・かな?




posted by H.A.

【Disc Review】“The Study of Touch” (2017) Django Bates' Beloved

“The Study of Touch” (2017) Django Bates' Beloved
Django Bates (piano)
Petter Eldh (double bass) Peter Bruun (drums)

The Study of Touch
Django Bates
Ecm Records
2017-11-10


 イギリスのフリージャズ系ピアニストDjango Bates、ECMでのリーダー作。
 ECMでは客演で“So I Write” (1990), “Exile” (1993) Sidsel Endresen, “Eréndira”(1985), “Cantilena”(1989) First Houseなどがありますが、リーダー作としては初めてでしょう。
 ECMとDjango Bates、ソロ、変則コンボ・・・何でもありそうないかにも危険な組み合わせですが、本作はオーソドックスな編成のピアノトリオ、“Confirmation” (2012)など、超弩級に激しく過激なジャズバンドDjango Bates' Belovedでのアルバム。
 1970年代ECMならいざ知らず、その激烈なジャズが現代のECMに合うのかなあ・・・と思いながら・・・
 さすがECM、厳しいご指導があったのでしょうかね?
 ほどほど静かなDjango Bates' Beloved。
 トレードマークの変幻自在、予測不能、複雑怪奇なジャズの色合いははそのまま。
 が、激烈さは影を潜め、穏やかなサウンド。
 激しくは弾かれないピアノと、それに合わせるような暴れないバンド。
 このバンドの流儀と思しきジャズスタンダードをグチャグチャに解体するのではなく、何となくジャズっぽい感じのオリジナル曲。
 メカニカルでピキピキパキパキとしつつも、ECMのお約束、ルバートでのスローバラードなども交え、近年のECM的な淡いサウンドに近づけようとしているようにも聞こえます。
 それでもフワフワとした感じにならず、なんだかんだでDjango Batesのパキパキした感じ、ECM諸作の中ではジャズ寄りのサウンドでしょうかね。
 直近の客演“Blue Maqams” (2017) Anouar Brahemでは、もう少しフワフワしていて、ECMっぽかったようにも思うのですが・・・?
 なんだかんだで過激ではない、上品で上質なピアノトリオジャズ。
 ECM移籍第一作目は淡い色合いになる、の法則は、鬼のようなベテラン激烈ピアニストにも当てはまる・・・かな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Nightfall” (2015) Quercus

“Nightfall” (2015) Quercus
June Tabor (voice) Iain Ballamy (tenor, soprano saxophones) Huw Warren (piano)

NIGHTFALL
QUERCUS
ECM
2017-04-28


 イギリスのボーカリストJune Tabor率いるQuercusのECM作品。
 前作は“Quercus” (2006)。
 その作品名をバンド名とし、他のレーベルはチェックしていませんが、ECMでは10年ぶりの制作。
 メンバーも音の雰囲気も変わりません。
 静謐に、透明に、ジャジーに、ECMコーティングされたブリティッシュフォーク。
 美しいピアノと、“Ballads”(Dec.1961,Sep.1962,Nov.1962)なColtrane、あるいはCharles Lloydなサックス。
 淡々と語るクールで乾いたボイス。
 全編スローなテンポ、おそらくブリティッシュ周辺の曲であろうトラディショナル曲が半数。
 遠い所を眺めるような、どこか懐かし気な音・・・・
 ってな感じで、”Quercus” (2006)と同じ形容になってしまう、一貫性のある音。
 さり気なく収められたジャズスタンダード”You Don't Know What Love Is”, “Somewhere”、あるいはBob Dylanナンバーも、すっかりその空気感の中に取り込まれ、全編通じて遠い所を眺めるような音。
 前作と比べると、少々勇まし気な音の流れのトラディショナル曲が目立つかもしれません。
 ブリティッシュエスニックなんてのがあるとすれば、そんな感じなのかもしれません。
 そんな曲は映画” Braveheart”な雰囲気。
 ま、不勉強な私は、スコットランド、イングランド、ブリティッシュの関係がきちんと整理ができていないのですが・・・
 ともかくにも、全編淡々としている分、気持ち穏か、じわじわときます。
 タイトル通りに”夕暮れ時”な空気感。
 これを聞きながら、静かに歴史のお勉強でもしてみましょうかね・・・


※別アルバム収録のBob Dylanナンバー。
 本アルバム収録バージョンはサックスが載ってくる分、もう少しジャジー。
 それもECMマジックですかね?


posted by H.A.



【Disc Review】“Quercus” (2006) June Tabor, Iain Ballamy, Huw Warren

“Quercus” (2006) June Tabor, Iain Ballamy, Huw Warren
June Tabor (voice) Iain Ballamy (tenor, soprano saxophones) Huw Warren (piano) 

Quercus
Tabor
Ecm Records
2013-06-04
ジューン・テイバー

 イギリスのボーカリストJune TaborのECM初作品。
 詳細についての情報は持っていませんが、1960年代から活動している大ベテランのフォーク?の人でしょうか?
 ピアノ、管とのトリオの編成、ECMでのそれ系の人といえば、同じくイギリスのNorma Winstonの諸作、あるいは近年ではSusanne Abbuehl諸作を想起します。
 それらに近いテイスト、妖しさを少々薄めて、ストレートにフォーク寄りの音の作り、といったところでしょうか。
 ピアノ、サックスの人もイギリスの人。
 派手な演奏はありませんが、ECMならではの美しい音。
 ピアノはクラシックの香り、ヨーロッパっぽさは濃厚ですが、明るい質感は少々アメリカ的でもあり、カッチリと律儀に弾く感じ。
 サックスはコンテンポラリー系に多いクール系、こちらも素直にサラリと吹くタイプ。
 Thomas Strønenとのバンド”Food”でECM制作しており、フリー系の志向もある人なのかもしれませんが、オーソドックスな質感。
 “Ballads” (Dec.1961,Sep.1962,Nov.1962)なColtrane、あるいはECMのCharles Lloydをもう少しバイタルにした感じでしょうか。
 そんなECM的ではあるものの、カッチリとした音を背景にして、ボイスは低く沈んだハスキー系、確かに英米のフォークシンガーにいそうな感じの声と節回し。
 ヨーロッパとアメリカの中間の雰囲気、それがイギリスっぽいといえばその通り。
 同じフォーク系でも北欧系だとエキゾチシズムを感じますが、さすがにポップミュージック、フォークミュージックの総本山のイギリス系、耳慣れた音流れは自然に耳に馴染みます。
 そこに緩やかなECMマジック、静謐さ透明感が加わると、やはり特別な質感です。
 ECMの真骨頂、ルバートっぽいスローバラード“Near But Far Away”なんて最高です。
 わかりやすいのだけども、どこか遠くを眺めているような、遠い所から聞こえてくるような、懐かしいような、切ないような・・・
 最初から最後まで、寂寥感と郷愁感が漂う美しい音。
 本作、発表は2013年ですが、録音は2006年。
 なぜ止まっていたのかはわかりませんが、十分にECMサウンド、仕上がりも上々です。




posted by H.A.


【Disc Review】“Night-Birds” (1982) Shakatak

“Night-Birds” (1982) Shakatak
Bill Sharpe (Arp Odyssey, Fender Rhodes, Oberheim Synthesizer, Piano, Prophet Synthesizer) Nigel Wright (Fender Rhodes, Oberheim Synthesizer, Prophet Synthesizer, Trombone) Keith Winter (Guitars) George Anderson (Bass) Roger Odell (Cymbals, Drums) Stuart Brooks (Trumpet) Dick Morrissey (Saxophone) Simon Morton (Percussion, Vocals) Jackie Rawe, Lorna Bannon, Jill Saward (Vocals)

Night Birds
Shakatak
Imports
シャカタク


 このアルバムをこんなマニアックなブログで取り上げるのは、何となく気が引けてしまいますが、カッコいいので仕方ありません。
 “Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognitoの10年前、“Diamond Life” (1984) Sadeの2年前、The Style Councilデビューの1年前でしたか・・・
 それらに先駆けたBritish Soul~Funk,Fusionの決定版。
 と書いてしまうとその筋の人に怒られるのかもしれませんが、その筋の素人からするとそんな印象のアルバムです。
 クールでファンキー、センチメンタル、オシャレ。
 ポップでナンパでわかり易い。
 ソフトでメロウ。
 ・・・・・・
 最高ですね。
 売れすぎたのでしょうし、夜のTV番組のテーマ曲だったし、スーパーでよく流れていたし、好感度系の人はシカトしてた気もするし、蕎麦屋の出前持ちも・・・・・・
 などなど、先入観はさておき、中身は極めてカッコいい、上品、上質なファンク・フュージョン。
 美しいピアノとファンキーなベース、ギターのカッティング。
 図らずとも体が揺れてしまう、静かなグルーヴ。
 さりげないボイス。
 さらにこれまたさりげないラテンテイストが隠し味。
 ピアノもギターもサックスも短いながらの計算しつくされたような、かつ手練れたインプロビゼーション。
 アメリカ系のフュージョンの派手だったり、カチッとし過ぎた感じではなく、抑制されたスッキリとした音。
 あの時代っぽいキメ、ブレイクはたくさんありますが、あくまでさりげなくていい感じ。
 んー、心地いい。
 確かに出来すぎてるような気がしないでもないですが、やはり音は最高です。
 が、下の絵のチャーリーズエンジェル(※1970年代オリジナル)な、あるいはマイアミバイス(※1980年代オリジナル)な髪形とファッション、ちょっとアレな演出には、苦笑いを禁じ得ません・・・






.posted by H.A.

【Disc Review】“Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognito

“Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognito
Bluey (Guitar, Keyboards) Randy Hope-Taylor (Bass) Andy Gangadeen (Drums) Richard Bull (Drums, Percussion, Keyboards, Guitar) Graham Harvey, Peter Hinds (Keyboards) Thomas Dyani-Akuru (Percussion) Patrick 'Bebop' Clahar (Saxophone) Fayyaz Virji (Trombone) Kevin Robinson (Trumpet, Flugelhorn) Maysa Leak (Vocals) and others



 懐かしのBritish Soul。
 ノリが良くてファンキー。
 でも、全体の空気はクールでオシャレ。
 とてもカッコいいギターのカッティング。
 シンプルながらものすごいベースライン。
 ブンブンうなりながらのグルーヴが最初から最後まで続きます。
 でも下品にはならない絶妙な音使い。
 さりげないタイミングで入ってくる、これまた絶妙なホーンアンサンブル。
 ベタつかない哀愁感の漂うメロディライン。
 軽さを押さえるちょっとコッテリ気味のボイス・・・・・・
 全編通じて、アメリカ系のソウル、フュージョンにはあまりない、軽快でスッキリした音作り。
 ノリノリなようで、穏やかにジワジワと、ヒタヒタと迫ってくるようなグルーヴ。
 それでいてしっとり感も十分。
 洗練の極みですねえ。
 聞き慣れたStevie Wonderナンバーまでもとても斬新に聞こえます。
 これは懐かしい・・・になってしまうのでしょうか?
 今の耳で聞いてもカッコいいなあ。
 最高のブリティッシュ・ファンク、ソウル、フュージョン、・・・だと思います。




.posted by H.A.

【Disc Review】"No Reason to Cry" (1975, 1976) Eric Clapton

"No Reason to Cry" (1975, 1976) Eric Clapton
Eric Clapton (guitars, vocals)
Bob Dylan, Ron Wood, Rick Danko, Richard Manuel, Robbie Robertson, Georgie Fame, Ed Anderson, Aggie, Brains Bradley, Jesse Ed Davis, Terry Danko, Bob Ellis, Connie, Konrad Kramer, Yvonne Elliman, Geoffrey Harrison, Levon Helm, Garth Hudson, Marcy Levy, Nello, Jamie Oldaker, Albhy Galuten, Dick Simms, Nat Jeffery, Ralph Moss, Dick La Palm, Dread Lever, Billy Preston, Chris Jagger, Carl Radle, Sergio Pastora Rodriguez, Wilton Spears, Dominic Lumetta, Sandy Castle, George Terry, Rob Fraboni, Larry Samuals, Mick Turner, Wah Wah Watson, Pete & All at Shangri-La

ノー・リーズン・トゥ・クライ
エリック・クラプトン
USMジャパン
2011-11-09


 Eric Clapton、もともとThe BandにあこがれてDerek and the Dominos?を結成した?と聞いたような気もするけども、その人脈を一堂に集めた超豪華アルバム。
 ブルース、カントリー、ソウル、その他諸々が混ざり合う、これがアメリカンロック、サザンロックの典型だなあ・・・と思います。
 もちろんBritishな色も入っているのかもしれませんが、これだけのメンバーが集まってしまうと、どう演奏してもアメリカン。

 冒頭、"Beautiful Thing"、The Bandっぽいなあと思うとRick Dankoの曲。
 The Bandのベストチューンというとその筋から怒られるのでしょうが、のっけから極め付けにソウルフルなスローバラード。
 続く"461 Ocean Boulevard" (1974)っぽい"Carnival"はもちろんEric Claptonの曲。
 そして本物の極め付け、Bob Dylan "Sign Language"。
 これは説明するだけ野暮。
 いやはやなんとも言葉もありません・・・
 Ron Woodのヒット曲”Seven Days”も確かこのセッション向けの曲のはず。
 もしこのメンバーでやっていたら・・・
 続く"County Jail Blues"はいつになくゴージャズなブルース。
 さらに”Wondeful Tonight”の原型のような"All Our Past Times"。
 当然Eric Claptonの曲だと思っていたけど、Rick Dankoのクレジットもあるなあ・・・

 アナログB面に移って、可愛らしいヒット曲"Hello Old Friend"経て、久々のヘビーなブルース、泣きのギター炸裂の"Double Trouble"。
 そしてこれまた極め付けのソウルバラード"Innocent Times"、歌うはMarcy Levy。
 シンプルながら、凄いインパクト。
 最初に聞いた時はこの曲が一番頭に残っていたなあ。
 さらにいかにもRon Wood的(違ってたりして・・)スライドギターが唸るロックナンバー"Hungry"に続いて、これまた極め付けのAOR的バラード"Black Summer Rain"。
 これは泣けます。
 "There's One in Every Crowd" (1974,1975)の"Opposites"のようなアレンジの流れ。
 最後にドカーンと来るかと身構え(期待し)ていると、まずまず穏やかに終わって一安心。
 Eric ClaptonとRobbie Robertson(ですよね・・・)のギターの穏やかな絡みがカッコいい、素晴らしいエンディングです。
 CDには一曲スローブルースが追加。
 邪魔になるのかな?と思っていましたが、これもアンコールっぽくていい感じ。

 ということで、いくつもの極め付けが揃ったとてつもないアルバム。
 私的Eric Clapton の一押しは"There's One in Every Crowd" (1974,1975)ですが、私的アメリカンロックベストアルバムはこれです。
 これまた少数派であることに異論はありませんが・・・




posted by H.A.

【Disc Review】"There's One in Every Crowd" (1974,1975) Eric Clapton

"There's One in Every Crowd" (1974,1975) Eric Clapton
Eric Clapton (vocals, guitars)
George Terry (guitars, vocals) Jamie Oldaker (drums, percussion) Dick Sims (organ, piano, electric piano) Carl Radle (bass, guitar) Yvonne Elliman (vocals) Marcy Levy (vocals)

安息の地を求めて
エリック・クラプトン
USMジャパン



 Eric Claptonで一番好きなアルバムを挙げるならこれ。
 少数派なのかもしれません。
 たぶん一番レイドバックしているように感じるから。
 ロックロックした曲が入っていないこと、渋いボーカルスタイルが確立した?こともあるのでしょうかね。
 そしてエンディングのこの上もないカッコよさ・・・

 冒頭の"We've Been Told"からゆるゆるな感じ炸裂。
 これまた、瑞々しいアコースティックギターのイントロが流れるとワクワクします。
 ドブロギターのルーズな響きと、コーラスのワイワイした中から出てくる力が抜けたボーカルのカッコいいこと。
 続く可愛げなレゲエ"Swing Low, Sweet Chariot"、ちょっとロックな"Little Rachel"も、あくまで沈んだ感じの渋いボーカル。
 またまたレゲエな"Don't Blame Me"ときて、スローブルース"The Sky Is Crying"。
 これまた声を大きくは出さないボーカルがなんとも渋いし、ワウとディストーション掛けたシンプルこの上ないスライドギターがカッコいい。
 "Singin' the Blues"はソウル~ソウルナンバー。
 Eric Claptonの渋いボーカルと華やかでソウルフルなコーラスの絡みは、この頃のこのバンドの典型的な音作り。
 続く"Better Make It Through Today"。
 これが一番好きなEric Claptonのポップス曲。
 “Wondeful Tonight”や”Tears in Heaven”が人気なのはわかるけど、渋いのはこちら。
 渋すぎるといえばその通りなのだけども、さりげないブレイク、コートチェンジにゾクッときます。
 さらにはやっと出ました泣きのギター。
 短いけど。短いからカッコいいのか・・・
 さらには、カリプソかと思っていたらいきなり10ccみたい?なコーラスが入る"Pretty Blue Eyes"もご愛嬌。

 さて、ここからがこのアルバムの凄いところ。
 締めに向かって"461 Ocean Boulevard" (1974) "Mainline Florida"にも似た前向きなロックナンバー"High"。
 インタールードのアーシーなオルガン、ちょっと長めのギターのソロ。
 不自然なフェイドアウトで、これで終わりかな?と思っていると、さりげなくアルペジオで始まる締めのバラード"Opposites"。
 これがとてつもなくカッコいい演奏。
 シンプルこの上ないメロディ、深い歌詞~思わせぶりな間奏~一瞬のLaylaのリフの断片~二コーラスが終わってからのエンディングが鳥肌モノ。
 徐々に音量を上げるオルガンとシンプルな8ビート。
 ドブロギターのシンプルなフレーズのこれでもかこれでもかのリフレイン。
 その周囲を取り巻くような、さまざまな楽器の絡み合い・・・
 ゴスペルチックとは違うのだけど、どことなく宗教的な昂揚感、陶酔感。
 穏やかなようでドカーンと盛り上がって、そのまま昇天するようにエンディング。
 "Layla"の後半~エンディングに近いムードはありますが、その何倍もドラマチック。
 あの“Dark Side Of The Moon” (1973) Pink Floydのエンディングに匹敵するような凄み。
 おっと、その発表の次の年の録音。
 まさか、意識はしていないよねえ・・・
 これもひさびさに聞きましたが、ホントに鳥肌が・・・




posted by H.A.

【Disc Review】"461 Ocean Boulevard" (1974) Eric Clapton

"461 Ocean Boulevard" (1974) Eric Clapton
Eric Clapton (vocals, guitars)
Yvonne Elliman (vocals) Dick Sims (keyboards) George Terry (guitar, vocals) Carl Radle (bass) Jamie Oldaker (drums, percussion) Al Jackson, Jr. (drums) Albhy Galuten (synthesizer, piano, clavichord) Tom Bernfield (vocals) Marcy Levy (harmonica, vocals)

461オーシャン・ブールヴァード
エリック・クラプトン
USMジャパン
2011-11-09


 晩夏に似合う音シリーズ。
 思いついたのが突然ですが、Eric Clapton。
 好みのアルバムを三枚挙げると、"461 Ocean Boulevard" (1974)、"There's One in Every Crowd" (1974,1975)、"No Reason to Cry" (1975, 1976)。
 不思議なもので同時期、連続する三作品。
 たぶんアナログレコード時代の作品は全部聞いていると思うのだけど、CDに買い直したのはその三作品と"Layla and Other Assorted Love Songs"(1970)のみ。
 マニアではない普通のアメリカンロック好きだったらそんなものなのかな?
 Derek and the Dominosのライブアルバムとかも久々に聞きたいなあ、と思って、ン十年・・・


 "Motherless Children"のスライドギターが鳴ると今でもワクワクします。
 典型的な1970年代アメリカンロック。
 ギターソロ、やらないんだ・・・と思ったのは昔のこと。
 このくらいが一番いい頃合い。
 続く"Give Me Strength"のレイドバック(懐かしい!)した音。
 涙腺をくすぐるオルガンとドブロの響き。
 ぬるめの風が緩く吹いてくるような心地よさ。
 さらに、ボ・ディドリービートがそうは聞こえないスッキリとした"Willie and the Hand Jive"から、ソウルっぽい"Get Ready"のファンキーさ。
 Rolling Stonesがこれに似たことやってたのは何だったっけ?・・・
 ”Hot Stuff”?何か他の混ざってるなあ・・・”Fingerprint File”?・・・
 最後に一瞬だけの歪んだギターと笑い声、間髪入れずに始まるのがあの"I Shot the Sheriff"。
 ギターのカッティング、オルガン、ピアノの完璧な絡み合い。
 さりげないギター、ピアノのオブリガードのカッコいいこと。
 なんともカッコいいアナログA面。

 B面はdullなブギーのブルース、短いスライドギターソロがカッコいい"I Can't Hold Out"からスタート。
 続くバラード二曲。
 ドブロギターとコーラスが切なく響く"Please Be with Me"。
 ビートルズチック?でドラマチックな"Let It Grow"。
 ”Let It Be”には似てないよね・・・
 ん?・・・
 さておき、間奏のドブロの響きとアウトロのアルペジオの泣けること泣けること。
 これも普通にギターソロとか入れないのがカッコいいんだろうなあ。
 さらには思わず体が揺れるファンキーなアレンジの実はどブルース"Steady Rollin' Man"。
 ここでやっとそれらしいギターソロが出てきますねえ。エフェクターたっぷりですが。
 締めはシンプルなリフ、前向きにドカーンと盛り上がるアメリカンロックな"Mainline Florida"。
 大声出さないボーカルとソウルソウルしたコーラスの絡みのカッコいいこと。
 Yvonne Elliman、Marcy Levyのサザンロック最強女性コンビ。
 いやはやなんとも・・・

 何年振りかに聞きましたが、こりゃ最高ですね。
 泥臭そうなことをやっても、ほんの少しだけ洗練されてしまうのが、この頃のEric Claptonサウンドのカッコよさ、なのかな?




posted by H.A.
Profile

jazzsyndicate

【吉祥寺JazzSyndicate】
吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。
コンテンポラリー ジャズを中心に、音楽、映画、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

記事検索
タグ絞り込み検索
最新記事
  • ライブドアブログ