吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Bossa_Nova

【Disc Review】“In Tokyo” (2003) Joao Gilberto

“In Tokyo” (2003) Joao Gilberto

João Gilberto (guitar, vocals)

イン・トーキョー
ジョアン・ジルベルト
ユニバーサル ミュージック
2018-06-13


 Joao Gilberto、東京でのライブ録音。
 囁くような“KonBanWa”・・・で沸いた後、おもむろに始まる静謐な世界。
 大きなホールの広大な空間に響く、淡々と刻まれるギターのビートと、いつもにも増して小さな声。
 同じ弾き語りのライブでも“Live in Montreux” (1985)、“Eu Sei que Vou Te Amar" (1994)、"Live at Umbria Jazz" (1996)とも、あるいはスタジオ録音の作品“João Voz e Violão” (2000)とも違います。
 もっと静謐で幽玄な音。
 只事ではない緊張感、静かな凄み。
 とても柔らかで低くて遠いところから響いてくるようなギターと、力が抜けた沈んだ声。
 詫び錆び・・・なんて言葉が似合うかどうかはわかりませんが、そんな空気感。
 日本に似合うアート。
 そんな感じを勝手にささやかに楽しむことができる一日本人としては、とても幸せです。





※神様Joao Gilberto、実際にどのくらいの音源があるのかは把握していません。
 私が知る限りは以下ぐらい。
 稀代の天才スタイリストですが、時代の変化に翻弄されたというか、迎合できなかったというか、するつもりはなかったというか、だからカッコいいというか・・・
 終始変わりまくったもうひとりの神様Miles Davisとは対照的なカッコよさ。
 いずれにしても全て名作です。

Chega de Saudade” (1959)
O amor, o sorriso e a flor” (1960)
Joao Gilberto” (1961)
(“The Warm World of João Gilberto” (1958-1961))
  “Getz/Gilberto” (18,19,Mar.1963)
  “Getz/Gilberto Vol. 2” (Oct.1964) 
  "Herbie Mann & João Gilberto with Antônio Carlos Jobim" (1965)
João Gilberto” (1972-1973)
  “The Best of Two Worlds”(May.1975) 
  “Getz/Gilberto'76” (May.1976)
Amoroso” (1976)
 "João Gilberto Prado Pereira de Oliveira" (1980) 
Brasil” (1981)
 “Live in Montreux” (1985)
João” (1991)
 "Eu Sei que Vou Te Amar" (1994)
 "Live at Umbria Jazz" (2002)
João Voz e Violão” (2000)
 “In Tokyo” (2003)


posted by H.A.


【Disc Review】“João Voz e Violão” (2000) Joao Gilberto

“João Voz e Violão” (2000) Joao Gilberto

João Gilberto (guitar, vocals)

JOAO VOZ E VIOLAO
Joao Gilberto
Polygram Records
2000-06-13


 João Gilberto、ギター弾き語り作品。
 ひとつ前のスタジオ録音“João” (1991)と同じくVerveからですが、ブラジルでの録音のようです。
 淡々と爪弾かれるギターと沈んだヴォイス。
 他には何もない混じりっけなしのJoão Gilberto。
 ひたすら静か。
 同じくスタジオ録音でのほとんど弾き語りの作品に“João Gilberto” (1972-1973)がありますが、そちらよりは柔らかな感じ。
 低く後ろに下がった感じのギターに耳元で囁かれているような生々しいヴォイス。
 静かで柔らかで優しい音は、さながら催眠術の呪文のようにも響きます。
 次々と紡がれる優しくて寂しげ、Saudadeなブラジル曲。
 最後に収められたボサノバの生誕曲“Chega De Saudade”は、40年を経て21世紀になってもギターとヴォイスはそのまま、よりシンプルになったサウンド。
 プロデュースはCaetano Veloso。
 アメリカ人だとここまでシンプルにはできないんだろうなあ。
 他の楽器が入った方が、愛想があって普通に聞きやすいんだろうけども、これは別次元のカッコよさ。
 アートですねえ・・・




posted by H.A.


【Disc Review】"Live at Umbria Jazz" (1996) João Gilberto

"Live at Umbria Jazz" (1996) João Gilberto

João Gilberto (guitar, vocals)

live at umbria jazz
Joao Gilberto
Egea
2013-04-18


 João Gilberto、イタリアのジャズフェスティバルでのライブ録音。
 スタジオ録音では“João” (1991)と““João Voz e Violão” (2000)との間の時期。
 大観衆なのだと思いますが、とても静かなライブ。
 曲間の拍手以外はノイズなし。
 “Live in Montreux” (1985)はもとより、“Eu Sei que Vou Te Amar" (1994)よりも静かでシャープ。 
 淡々と刻まれるギターと吐息のようなピアニシモな声まで聞こえてくる静謐な空間。
 さらにハイテンションで、躍動感の強いギター。
 そのビート、テンポを無視するかように漂い揺らぐ声。
 それぞれが別次元から出ているような不思議なバランス感は、同じ人が出している音とは思えません。
 それでいてもちろんピッタリな音。
 そんな神業の細部までとらえられたライブ録音。
 いつもの定番曲から、締めは定番中の定番”Chega De Saudade”,”Garota De Ipanema”二連発、期待を裏切らない構成。
 さて、弾き語りのライブ作品群、どれがいいでしょう?
  “Live in Montreux” (1985) 華やか
  “Eu Sei que Vou Te Amar" (1994) リラックス
  "Live at Umbria Jazz" (2002) ハイテンション
  “In Tokyo” (2003) 幽玄


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Eu Sei Que Vou Te Amar" (1994) João Gilberto

“Eu Sei Que Vou Te Amar" (1994) João Gilberto

João Gilberto (guitar, vocals)

Eu Sei Que Vou Te Amar
Joao Gilberto
Sony U.S. Latin
1995-03-07


 João Gilberto、ブラジルでのライブ録音。
 "Live at Umbria Jazz" (1996)の少し前、スタジオ録音では“João” (1991)と“João Voz e Violão” (2000)との間の時期。
 サンバのライブっぽく大盛り上がりかと思いきや、観客の音は曲間の拍手のみの静かなライブ。
 同じ弾き語りでも、賑やかな“Live in Montreux” (1985)、シャープな"Live at Umbria Jazz" (1996)、幽玄な“In Tokyo” (2003)とは印象が異なります。
 落ち着いた感じですが、明瞭な声と躍動感の強いギター。
 音が前に出てくる感じなので、"Live at Umbria Jazz" (1996)、“In Tokyo” (2003)ほど緊張して聞かなくてもいい感じのほどよいゆるさ。
 上記二作にも収められていた”Pra Que Discutir Com Madame”を聞き比べると、それぞれニュアンスが違って面白いなあ。
 あるいは、本作と”In Tokyo” (2003)に収められた”Rosa Morena”、”Aos Pés Da Cruz”は、朗々とした感じの本作に対して、ふれると崩れてしまいそうなほど繊細な”In Tokyo” (2003)・・・
 ・・・とかなんとかマニアックなことはさておき、オーソドックスで自然なバランス、リラックスした感じにも聞こえるJoão Gilbertoのライブを聞きましょう。




posted by H.A.


【Disc Review】“João” (1991) Joao Gilberto

“João” (1991) Joao Gilberto

Joao Gilberto (voice, guitar)
Clare Fischer (keyboards) Jim Hughart (acoustic bass) Joe Correro (drums) Michito Sanchez (percussion) and Orchestra

Joao (I Really Samba)
Joao Gilberto
Polygram Records
1991-07-23


 Joao Gilbertoのジャズスタンダード、ポップスを交えた演奏集。
 ギターとピアノトリオにパーカッション、オーケストラ。
 録音はLos Angels、アレンジ、オーケストラを仕切ったのはジャズメンClare Fischerのようです。
 いかにもVerve、あるいはCTI的。
 “Amoroso” (1976)に近い感じですが、バックがもっと躍動的。
 優雅でノスタルジックな感じもあるのですが、これでもかこれでもかと入ってくるようなオーケストラのオブリガードがとてもモダン?で攻撃的?な感じ。
 そんなアメリカンで攻めのサウンドをバックに、御大のギターと歌はいつも通り。
 というよりも、動きの激しいバックのサウンドを抑制するようにも聞こえる柔らかなギターと、いつもにも増して力が抜けてたような沈んだ声。
 その囁き声が大きめの音でミックスされ、目の前から聞こえてくるような、何とも言えない不思議なバランス。
 この躍動と静謐、優雅さとクールネスの対比、絶妙なバランスが最高にカッコいい。
 凄いバランスの凄いアート。
 楽曲はブラジルの楽曲にCole Porterなどなど、この期のいつもの選択。
 そして最後に恥ずかしそうに収められた ベタなシャンソン”I Wish You Love"。
 私はとても素敵だと思います。




posted by H.A.


【Disc Review】“Live in Montreux” (1985) Joao Gilberto

“Live in Montreux” (1985) Joao Gilberto

João Gilberto (voice, guitar)

Live in Montreux
Joao Gilberto
Nonesuch
1990-10-25


 João Gilberto のライブアルバム。
 “Getz/Gilberto Vol. 2” (Oct.1964)ではトリオ、ジャズコンボ“Getz/Gilberto'76” (May.1976)、他にもオーケストラとの共演でのライブなどもアルバムになっているのだと思いますが、本作は定番のギターの弾き語り。
 ざわつくオーディエンスと、あくまで冷静に淡々と音を綴る神様João Gilberto。
 場をなだめ鎮静化しようとしているようにも聞こえるし、一緒に盛り上がってしまおうとする気持ちを抑えているようにも聞こえるし・・・
 演じられるのは定番のブラジルの名曲たち。
 ・・・“Garota De Ipanema”, “Estate”, “A Felicidade”, “Rosa Morena”・・・。
 そして締めは“Aquarela Do Brasil”。
 “A Felicidade”では、サンバのライブのような合唱が始まりますが、うーん、どうでしょう?
 とにもかくにも、ジャケットのアートと同じく明るくにぎやかな感じのJoão Gilberto。
 オーケストラ入りの"João Gilberto Prado Pereira de Oliveira" (1980)はさておき、それぞれ表情が異なります。
 同じく弾き語りでも対照的なのが静かな空間の中で張り詰めたような"Live at Umbria Jazz" (1996)とさらに柔らかで幽玄な“In Tokyo” (2003)。
 それらと本作の中間な感じ、ギターと声が前に出てくる“Eu Sei que Vou Te Amar" (1994)。
 どれがいいかはお好み次第。




posted by H.A.


【Disc Review】“Brasil” (1981) Joao Gilberto

“Brasil” (1981) Joao Gilberto

João Gilberto (voice, guitar)
Caetano Veloso, Gilberto Gil, Maria Bethânia and others

海の奇蹟
ジョアン・ジルベルト
マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
1998-11-26


 João Gilberto、スタジオ録音としては“Amoroso” (1976)に続く作品になるのだと思います。
 ブラジルでの制作、アメリカの有名どころのサポートはないのかもしれませんが、ブラジルのアーティストたちを集めて制作されたアルバム。
 ギターとゲストを含めた声、ジャジーなピアノとホーンに、オーケストラ。
 “Amoroso” (1976)と同じテイストですが、ビートの躍動感が増しつつも伴奏はギターがメイン、バンド、オーケストラは後ろに下がったイメージでしょうか。
 こちらが“The Warm World of João Gilberto” (1958-1961)の頃からの自然なボサノバのスタイルなのでしょう。
 いろんな形で絡み合うボーカリスト四者四様の声は兄弟姉妹のよう。
 みんな優しくて穏やか。
 楽曲はこの期の定番、アメリカンスタンダードも交えた名曲たち。
  "Aquarela do Brasil (Brasil)"
  "Disse Alguém (All of Me)"
  "Bahia com H"
  "No Tabuleiro da Baiana"
  "Milagre"
  "Cordeiro de Nanã"
 なお、近年メインで流通(?)しているCDは、“Amoroso” (1976)とセット一枚に収められているようです。
 なんともありがたいというか、畏れ多いというか・・・
 いずれ劣らぬ名作、定番作品の中、とりわけ優雅なのがこの二作、かな?




posted by H.A.


【Disc Review】"João Gilberto Prado Pereira de Oliveira" (1980) João Gilberto

"João Gilberto Prado Pereira de Oliveira" (1980) João Gilberto

João Gilberto (guitar, vocals)
Bebel Gilberto, Rita Lee (vocal) and Orchetra

ライヴ
ジョアン・ジルベルト
ダブリューイーエー・ジャパン
1998-09-05


 João Gilberto、ブラジルでのライブ録音。
 いずれ劣らぬ優雅な“Amoroso” (1976)と”Brasil” (1981)との間の時期。
 それらと同様、定番の弾き語りに半分ほどでオーケストラが加わる構成。
 テレビ放映用?にショーアップされたステージだったのでしょう。
 耳馴染みのある定番のブラジル曲が揃って、クールな弾き語りとオーケストラが絡む優雅な演奏が交錯するステージ。
 クールで孤高なイメージの人ですが、まだ幼いBebel GilbertoとのDuoでの“Chega De Saudade”が微笑ましいというか、何と申しましょうか。
 歌だけでなく、さりげない間奏、速いテンポで刻まれるギターと優雅なストリングス、管楽器の絡みが、上品ながらドラマチックでカッコいい。
 ステージの締めだったのであろう“Canta Brasil”、その他、ボーナストラックを含めてそんな場面がたくさん。
 João Gilbertoのライブ録音、弾き語り中心で同じ曲の演奏が多いのですが、一作ごとに表情が異なります。
 まずは本作、豪華な編成、構成の優雅なステージ。
 躍動感の強いJoão Gilbertoのライブならばこれ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Amoroso” (1976) Joao Gilberto

“Amoroso” (1976) Joao Gilberto

João Gilberto (guitar, vocals)
Claire Fisher, Ralph Grierson (keyboards) Milcho Leviev, Michael Boddicker (synthesizer) Jim Hughart (bass) Grady Tate, Joe Correro (drums) Paulinho Da Costa (percussion) Bud Shank, Glenn Garrett, Eddie Cain (flute) and Orchestra

AMOROSO(イマージュの部屋) <BRASIL SUPERSTAR 1200>
ジョアン・ジルベルト
ワーナーミュージック・ジャパン
2016-06-22


 João Gilberto、アメリカ制作の一作。
 Claus Ogermanの柔らかなオーケストラ、ストリングスを背景にした、これまた柔らかなギターと囁く声。
 優雅の極み。
 “The Warm World of João Gilberto” (1958-1961)などの時代と音作りそのものは変わらないのかもしれませんが、徹底された洗練。
 楽曲はJobim, Gershwin、その他各所のいずれ劣らぬ名曲、人気曲群。
  "'S’Wonderful"
  "Estate"
  "Tin Tin Por Tin Tin"
  "Besame Mucho"
  "Wave"
  "Caminhos Cruzados"
  "Triste"
  "Zingaro"
 “Getz/Gilberto” (1963)と同様、アメリカ制作のアルバムでは、なぜかギターが刻むビートがわずかに遅れてくるように感じます。
 それが沈んだ感じの声と相まって、寂寥感を増幅。
 それが特別なカッコよさ。
 現代、それを実践しているのがRosa Pasossただ一人、たぶん。
 が、次作のブラジル録音“Brasil” (1981)ではそれが無くて・・・ってなのは、気のせいなのでしょうかね・・・?
 そんなマニアックな事はさておいて、とにもかくにも心地よさ最高。
 最高の楽曲の最高のアレンジ、最高のギターと歌。
 ボサノバとあの時代の優雅系欧米ポップミュージックが最もいい形で近づき、フュージョンした一作。
 ソフトでスムースなJoão Gilbertoなら、これ。




posted by H.A.


【Disc Review】“João Gilberto en México” (1974) Joao Gilberto

“João Gilberto en México” (1974) Joao Gilberto

João Gilberto (vocals, guitar) and others

João Gilberto en Mexico
Joao Gilberto
PolyGram
1974-01-01


 João Gilberto、1970年代前半のメキシコでの録音。
 ギターと声と少々のパーカッションをベースに、コンボ、穏やかなオーケストラが優しい彩を付けるこの期のボサノバのオーソドックスな編成。
 “Getz/Gilberto” (1963)はもとより、他のアルバムと比べると知名度は低いのかもしれませんが、同じく名作。
 ま、この人の場合、すべてが名作なのですが・・・
 オーソドックスでほどほどの彩りがある分、あるいは明るくて柔らかな分、これが一番いいという向きがあっても納得の名演、名曲揃い。
 "Bésame Mucho"はさておき、有名曲はあまりないのですが、小粋なメロディが上品なアレンジで紡がれていきます。
 後の“Amoroso” (1976)ほどの洗練はないにせよ、かえって慎ましやかでほどほど素朴な感じがとてもいい感じ。
 いずれ劣らぬ名作の中、一番気楽に聞けるのはこれ、かな?



posted by H.A.


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