吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Bobo_Stenson

【Disc Review】“Underwear” (1971) Bobo Stenson

“Underwear” (1971) Bobo Stenson
Bobo Stenson (piano)
Arild Andersen (bass) Jon Christensen (drums)

Underwear
Universal Music LLC
ボボ ステンソン


 スウェーデンのピアニストBobo Stenson、おそらくデビュー作。
 同じく北欧の後のスーパーアーティストとのトリオ作。
 極めてハイテンションなピアノトリオ。
 透明度の高い美しいピアノの音。
 いかにもヨーロピアンなクラシックの香りを感じさせつつ突っ走るピアノ。
 凄まじいスピード感。
 この時点で十分に一大スタイリスト。
 Arild Andersenもこの時点であのド派手な演奏、今も続くいつものフレーズ。
 Jon Christensenも縦横無尽な激しいドラム。
 全員がブチ切れて演奏しているようで、きちんとビートはキープされていて、強烈な推進力、グルーヴ。
 そんなハイテンションな4ビートから、いかにもECMなルバートっぽいバラードも。
 さらには激しいどフリーも短く一曲だけ、完全にブチ切れた凄まじい演奏。
 などなど含めて、今の耳で聞いてもすごいピアノトリオ。
 Bobo Stenson、この後、Jan Garbarekとの双頭バンドなどでECMにも演奏は残していますが、同レーベルでの単独リーダー作は“Reflections” (1993)までなし。
 Manfred Eicherさんはきっと相当期待していたのしょうが・・・
 私にとっては”Fish Out of Water” (1989) Charles Lloydで初めて聞いて、遡って聞いてみた人。
 Keith Jarrettに似た人いないかなと思って見つけた人。
 本作はKeith Jarrettの“Facing You” (1971)と同年の録音。
 全く違う音楽なので比べるのは無意味でしょうが、どちらが凄いか聞いてみてください。
 ・・・ってもCDは廃盤かあ・・・




posted by H.A.

【Disc Review】”Dansere” (1975) Jan Garbarek, Bobo Stenson Quartet

”Dansere” (1975) Jan Garbarek, Bobo Stenson Quartet
Jan Garbarek (saxophones) Bobo Stenson (piano)
Palle Danielsson (bass) Jon Christensen (drums)

Dansere
Universal Music LLC
ヤン ガルバレク 
ボボ ステンソン


 Jan Garbarek, Bobo Stenson Quartet二作目にして最終作。
 Keith Jarrettのバンドと並行して動くもう一つのヨーロピアンカルテット、純北欧版。 
 本作も”Witchi-Tai-To” (Nov.1973)と同様にメランコリックでハイテンションな音。
 冒頭曲からただ事ではないムードのメロディライン、極度の緊張感。
 美しくも鋭いピアノ、氷のように透明で冷たい質感ながら張り裂けるようなテナー。
 本作、曲は全てJan Garbarekのオリジナル、不思議系、ちょっと怖い系。
 前作はカバー中心でしたが、ここからはJan Garbarek全開ってなところでしょうか。
 この寛げない緊張感の塊のようなメロディ、質感が、このバンド、この頃のJan Garbarekの真骨頂でしょう。
 前作同様、慣れてしまえばいいのですが、このアルバムの方が少し時間がかかるかも。
 私もかかりました。十年以上も・・・。
 いや、本作にはまだ慣れていないかも・・・
 さておき、Bobo Stensonのピアノの美しいこと。
 Keith Jarrttをかなりジャズ寄りに振ったイメージ。
 アップでは転がりながら突っ走り、スローでは漂うような美しいピアノ・・・。
 と、安心して聞いているといきなりJan Garbarekの雄叫び、あるいは金切声・・・
 いくつかあるルバートでのバラードもかなり沈痛。
 全編静謐なムードながら、怖さも漂うハイテンションな音楽。




posted by H.A.

【Disc Review】”Witchi-Tai-To” (Nov.1973) Jan Garbarek, Bobo Stenson Quartet

”Witchi-Tai-To” (Nov.1973) Jan Garbarek, Bobo Stenson Quartet
Jan Garbarek (tenor saxophone, soprano saxophone) Bobo Stenson (piano)
Palle Danielsson (bass) Jon Christensen (drums)

Witchi-Tai-To
Jan Garbarek
Ecm Records
ヤン ガルバレク 
ボボ ステンソン

 ノルウェーのサックス奏者Jan Garbarek。
 正直、苦手な人。
 ちょっとテンションが高すぎて・・・、メロディライン、フレージングも怖い感じだし・・・ 
 が、ECMを聞いていると避けては通れない人。気が付けばほぼコンプリート。
 すごい人であることは間違いありません。
 1980年代後半から少し丸くもなっています。
 きついなあ・・・、とか思いながらも聞いていると慣れてきたかな?
 ・・・そうでもないか・・・


 Jan Garbarek、スウェーデンのピアニストBobo Stensonとの双頭カルテット。
 ドラマチックな名アルバム。
 さて、メンバーを見て気づくことがある人はそこそこのマニア。
 ピアノが変わるとあのKeith Jarrettヨーロピアンカルテットになります。
 “Belonging” (April, 1974) Keith Jarrettの数カ月前の録音。
 タイトル曲などはKeith Jarrttアメリカンカルテット”Treasure Island” (Feb.1974)あたり、あるいはヨーロピアンカルテットのムードも濃厚。
 ってもこっちの方が録音は早いのよね・・・
 さて、本アルバム、いきなり聞き慣れないメロディラインと、超高テンションのソプラノサックス。
 これに惹かれる人もいれば、引いてしまう人もいるのでしょう。
 さらにはこれまた聞き慣れないキューバ曲、テナーになっても全く寛げない高テンションなサックス・・・
 違和感の連続。
 が、アナログB面に移ると前向きなメロディ、現代ジャズなムードのタイトル曲。
 美しい音で突っ走るピアノ、ソプラノサックスは相変わらずの高テンションですが、この前向きな曲ならばそれも悪くない。
 さらに続くは美しくも沈痛でドラマチック、20分を超えるDon Cherryの曲。
 こちらはKeithというより、John Coltraneを感じるのだけども、妙な仕掛けはなし。
 シンプルにエキサイティングなインプロビゼーション。
 長尺でも退屈なしのカッコよさ。
 ってな感じで、B面で慣れてしまえば、前半の違和感もかえって心地よさに。
 そうなればすっかりBobo Stenson はもちろん、Jan Garbarekのファンになれるかも。
 さらに1970年代の録音なのにこの美しい音。
 氷のように透明なサックスとピアノ。完璧なバランス。 ベースも当時流行りのエレキっぽい音は微塵もなし。
 さすがECM。
 なんだかんだとありますが、とても素晴らしいアルバムだと思います。




posted by H.A.

【Disc Review】“Canto” (1996) Charles Lloyd

“Canto” (1996) Charles Lloyd
Charles Lloyd (tenor saxophone, Tibetan oboe)
Bobo Stenson (piano) Anders Jormin (double bass) Billy Hart (drums)

Canto
Charles Lloyd
Ecm Import
チャールス ロイド


 Charles Lloyd、バンドを固定しての三作目、最終作。
 これまた全てオリジナル曲。
 冒頭は長尺なベースソロ、さらに何やら妖しげなアラビア的な音階でスタート。
 長尺でエキサイティングな演奏、少々のアバンギャルド風味。
 今回はこの線か、と思いきや、続くはいつものコルトレーン”Ballad”(1962)的バラード。
 インプロビゼーション含めて、まだまだメロディの源泉は尽きません。
 さらには前作でも使っていたチベットのオーボエ?を使ったエスニックなムード、コルトレーン的なモダールな演奏などなど。
 締めは短くも絶品なコルトレーン的なルバートでのバラード。
 全体を眺めるとここまでのバラード路線を踏襲しつつ、新しい路線を模索しているといったイメージでしょうか。
 Bobo Stensonとのコラボレーションはこのアルバムが最後。
 以降、John Abercrombieとの“Voice in the Night” (May.1998)、さらにはBrad Mehldau、Geri Allen、Jason Moranとの共演へとつながっていきます。
 まずは“Fish Out of Water”(1989)以降のECMのCharles Lloyd、第一部完、といったところなのでしょう。




posted by H.A.

【Disc Review】“All My Relations” (1994) Charles Lloyd

“All My Relations” (1994) Charles Lloyd
Charles Lloyd (tenor saxophone, flute, Tibetan oboe)
Bobo Stenson (piano) Anders Jormin (double bass) Billy Hart (drums)

All My Relations
Charles Lloyd
Ecm Import
チャールス ロイド


 Charles Lloyd、ECMでの四作目にしてジャズ。
 ここまでスローテンポでのバラードが中心でしたが、冒頭からジャンピーでスウィングするジャズ。
 考えてみれば、他含めてBobo Stenson、Anders Jorminのコンビでこの種のオーソドックスなジャズはあまり無かったかなあ・・・ウォーキングベースにコンピングかあ・・・。
 Charles Lloydも元気いっぱい。
 さすがにビヒャーとは吹きませんが、高テンションなサックス。
 二曲目などはブルーノートかと思うようなミディアムテンポのジャズ、さらにはThelonious Monkへのオマージュ?。
 ってな感じが続きますが、中盤からはECMのCharles Lloyd の音楽。
 漂うようなバラード演奏。
 やはりこっちだよなあ・・・でも心なしかサックスの音がちょっと明るいかな?
 と思っていたらやはりビートが明確に・・・。
 Charles Lloyd としてもECMとしても極めて異質、健全なジャズアルバム。
 ジャケットも全然ECMしてませんね。
 当たり前かもしれないけども、これは悪くない、というか普通のジャズファンでも全く抵抗なく聞けるアルバムだと思います。




posted by H.A.

【Disc Review】“The Call” (1993) Charles Lloyd

“The Call” (1993) Charles Lloyd
Charles Lloyd (tenor saxophone)
Bobo Stenson (piano) Anders Jormin (double bass) Billy Hart (drums)

Call: Touchstones Series (Dig)
Charles Lloyd
Ecm Records
チャールス ロイド


 Charles Lloyd、ECMでの三作目。
 スーパードラマー三人目にしてこれからしばらくメンバーが固定されますので、やっとお気に入りの音になったのでしょうか。
 本作も全曲オリジナル、素晴らしいアルバム。
 一曲目からスロールバートでのバラード。
 以降は定常なビートを中心とした演奏ですが、確かにルバートでやるとなるとBilly Hartがいいのかもしれません。ルバートは一曲だけなのが残念ですが。
 全体としては、前作“Notes from Big Sur” (1992) と同じムード。
 “Fish Out of Water” (1989) よりもビート感が強く、アップテンポも多め。
 私としてはECM復帰からここまでの三作が一番好み。
 Bobo Stensonとのコラボレーションはまだ続きますし、メンバーが変わった作品も悪くはないのですが、徐々にビートが強くなって、静謐な凄みが薄くなっていくように思うから。
 むしろECMに復帰後、ここまでの三作が特別だったともいえるのでしょう。
 さておき、本作も漂うようなバラードが印象に残る素晴らしいアルバム。
 とても静謐で穏やか。
 が、凄みのあるバラード集。




posted by H.A.

【Disc Review】“Notes from Big Sur” (1992) Charles Lloyd

“Notes from Big Sur” (1992) Charles Lloyd
Charles Lloyd (tenor saxophone)
Bobo Stenson (piano) Anders Jormin (double bass) Ralph Peterson (drums)

Notes From Big Sur
Charles Lloyd
Ecm Import
チャールス ロイド


 Charles Lloyd、ECMでの二作目。
 メンバーを少し変えながらも本作もBobo Stensonを中心としたピアノトリオのサポートによるアルバム。
 前作に劣らぬ名演。全てオリジナル曲、全てが佳曲。
 ベースはBobo Stensonの盟友Anders Jormin。やはりこのコンビが一番しっくりくるんでしょうね。
 ドラムは暴れん坊のイメージが強いRalph Peterson。その色も多少ありますが、基本的には堅実なサポート。
 アップテンポの曲も入り、全てスローバラードだった前作に比べれば凄みは薄れるものの、その反面の躍動感、スイング感。
 冒頭からBobo Stensonの美しいピアノ、素晴らしいソロ、続くサックスのクールネス。
 それにしてもBobo Stensonのピアノがカッコいい。
 Keith Jarrettをオーソドックスにしたような感じ、切れ味。Steve Kuhn、Richie Beirachよりもマイルドな感じ。
 1970年代、Keith Jarrettと同じようにプッシュしようとしていたと思われるEicherさんの気持ちがよくわかります。この作品の時点で20年経っちゃってますが・・・。
 この頃からECMで“Reflections”(1993)をはじめとするトリオでの佳作を連発。
 “Leosia”(1996)Tomasz Stankoなどの好サポートもたくさん。
 本アルバム、これまたオーソドックスのようで他にはあまりない、優しく穏やかなようでテンションが高い、素晴らしいジャズ。




posted by H.A.

【Disc Review】“Fish Out of Water” (1989) Charles Lloyd

“Fish Out of Water” (1989) Charles Lloyd
Charles Lloyd (tenor saxophone, flute)
Bobo Stenson (piano) Palle Danielsson (double bass) Jon Christensen (drums)

Fish Out of Water
Charles Lloyd
Ecm Import
チャールス ロイド


 Charles Lloyd、ECMでの一作目。
 メンバーを見てKeith Jarrettのヨーロピアンカルテット、あるいは同じピアノトリオのJan Garbarekの最初のカルテット、はたまたあのKeith Jarrett入りの”Forest Flower”を再度・・・
 ・・・とか言った邪推は、始まって一分もしないうちに忘れてしまいます。
 史上最高、かどうかはわからないけども、最高のジャズバラード集。
 あのJohn Coltrane”Ballad”(1962)や“Crescent” (1964)でイメージされるムードではあるものの、それに並ぶような・・・と書くと適当ではないのかな?
 でも、そんな質感、そんな完成度のアルバム。
 柔らかな、決して強くは吹かないテナー、透明度が高い音、美しくリリカルなピアノ。
 漂うようなビート感、浮遊感。
 サラリとした、決してベタついたり、しつこかったりしない質感。
 全曲オリジナルの全てが名曲、名演奏。
 静謐でクールな印象だけども、穏やかでほんのり温かい。
 決して異次元の別世界ではなく、現実的なそんな世界へトリップさせてくれる音楽。
 ECMにしては平和すぎる、ジャズすぎるのかな?
 それでも文句なしの名アルバム。




posted by H.A.

【Disc Review】“Dona Nostra” (1993) Don Cherry, Lennart Åberg, Bobo Stenson

“Dona Nostra” (1993) Don Cherry, Lennart Åberg, Bobo Stenson
Don Cherry (trumpet) Lennart Åberg (soprano saxophone, tenor saxophone, alto flute) Bobo Stenson (piano)
Anders Jormin (bass) Anders Kjellberg (drums) Okay Temiz (percussion)

ドン チェリー 
ボボ ステンソン


 大御所Don Cherry+スウェーデン勢2名の共同名義?の作品。
 多様な楽曲、インプロビゼーションの要素も強い演奏。
 メンバー全員のクレジット曲にOrnette Colemanナンバー+α。
 Don Cherryも元気ですが、全体的にはバンドのメンバーの色合い、ヨーロピアンジャズの雰囲気が強い作品。
 白眉は冒頭曲、Lennart Åbergのバラード。
 シンプルで悲しいメロディ。
 揺れながら、漂いながら、止まりそうで止まらない、超スローバラード。
 こんなに胸を締め付けられるような演奏は滅多にありません。
 Lennart Åbergの強烈なサックス、艶やかで張り裂けそうな音、強烈な抑揚、表現力、Bobo Stensonの透明度の高い音、切れ味、スピード感。
 両者とも生涯最高かもしれないインプロビゼーション。
 この曲だけでも凡百の作品の何百倍もの価値あり。

※冒頭曲” In Memoriam”ではありません・・・ 


posted by H.A.

【Disc Review】 “Leosia”(1996)Tomasz Stanko

“Leosia”(1996)Tomasz Stanko
Tomasz Stanko(trumpet)
Bobo Stenson (piano)、Anders Jormin (bass)、Tony Oxley (drums)
 
Leosia
Tomasz Stanko
Ecm Import
2000-05-23
トーマス スタンコ

 1996年作。
 “Bosonossa and other ballads”(1993)と同メンバーなのですが大転換。
 かつての闘魂一直線から、静謐なハードボイルドネス。
 ECMでの近作ではバラード集がほとんどですが、これもその一枚。
 但し、決して甘口のバラードではなく、あくまで硬派。
 かつての激しい演奏を血と硝煙の香りのする音楽と形容しましたが、このアルバムは、さながら引退した兵士の哀感。よく映画に出てくるあの感じ。
 もの静かで優しげなのだけども背後に漂う凄味とクールネス。
 冒頭曲から漂うようなバラード。止まりそうな緩やかなリズムの流れの上で、ハードボイルドなトラペットと美しいメロディ。少ししゃがれた音、ゆったりとしたタメの効いたフレージング、時折発する叫びのような音。
 文字にしてしまうとハードな音楽をやっていた時代のままなのですが、かつてのトゲが丸くなり、雰囲気は優しくなっているように感じます。
 サポートする美しいピアノ、Bobo Stensonも内に秘めた狂気を感じるミュージシャンで、Stankoさんとの相性はピッタリ。
 さらにAnders Jorminのベース。一見控えめですが、上品なグルーブ感、深い質感の音、フレージング。
 曲の多くは漂うような浮遊感のあるバラード。
 あくまで辛口、ロマンチックさには欠けるのかもしれませんが、凄味のある美しさ、妖しさはこの人、このバンドならでは。



posted by H.A.
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