“Playing The Room” (2018) Avishai Cohen, Avishai Yonathan

Avishai Cohen (Trumpet) Avishai Yonathan (Piano)

Playing the Room
Avishai Cohen
Ecm Records
2019-09-06


 イスラエルのトランペッターAvishai Cohen、同じくピアニストAvishai YonathanのDuo。
 静かで落ち着いたコンテンポラリージャズ。
 Avishai Yonathan はAvishai Cohenバンドのメンバー、“Into The Silence” (2015)、“Cross My Palm With Silver” (2016)にも参加。
 二人とも近年のECMの看板選手になりつつあるのだと思いますが、エスニックには寄らない、またヨーロピアンとも違う、むしろアメリカ的な印象もちらほら。
 演奏の色合いというよりも、二人のオリジナル曲に加えて、John Coltrane, Abdullah Ibrahim, Ornette Coleman, Duke Ellington, Milt Jackson, さらにはStevie Wonderまで取り上げた楽曲のイメージが大きいのでしょう。
 冒頭は美しいピアノと朗々としたトランペットが奏でるバラード。
 スローテンポでのDuoゆえに、揺らぐようなビート感。
 沈痛ではなく、穏やかで懐かし気なセンチメンタリズム。
 続くあちこちに跳ぶオリジナル曲、ゆったりとしたバラードで演奏される”Cresent”も同様の空気感。
 揺らぐ空間の中で鳴り続けるキリッとしたトランペット。
 Duke EllingtonOrnette ColemanMilt Jacksonも同様、穏やかに優しく、そして端正に奏でられていきます。
 ピアノ中心の“Sir Duke”はコミカルな感じですかね。
 などなど合わせて、ハイテンション先端系ジャズにはなりません。
 締めには懐かしいムードのイスラエルの楽曲。
 アメリカンではなくて、イスラエリーなSaudadeはこんな感じなのでしょうかね。
 ともあれ、圧倒的な演奏力に支えられた穏やかなコンテンポラリージャズ。


 

posted by H.A.