吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

American

【Disc Review】“Tap: Book of Angels Volume 20” (2013) Pat Metheny

“Tap: Book of Angels Volume 20” (2013) Pat Metheny

Pat Metheny (acoustic guitar, electric guitar, bandoneon, sitar guitar, baritone guitar, orchestra bells, orchestrionic marimba, keyboards, piano, bass guitar, tiples, percussion, electronics, flugelhorn)
Antonio Sánchez (drums) Willow Metheny (vocals)



 Pat MethenyによるJohn Zorn楽曲集。
 “The Orchestrion Project” (2010)の後、”Unity Band” (2012)の後の時期の制作。
 盟友Antonio Sánchezのドラムをサポートに迎えたソロ演奏。
 メロディ自体はいつもの作品と違ってJohn Zornのそれ、サウンドもここまでは無かった色合いが中心。
 ズルズルのロックギターと電子音の絡み合いの激しい音からスタート。
 フリージャズの演奏、あるいは ”Imaginary Day”(1997)にこんな感じもあったように思いますが、この人のここまでハードロックなギターは珍しいなあ。
 他にもいくつかのそんなロックな演奏がありますが、これがまたピッタリはまった凄い演奏。
 ロックギタリストPat Metheny、畏るべし。
 他の楽曲ではフリージャズピアニストPat Metheny、畏るべし、の場面もあります。
 また、Antonio Sánchezのジャズっぽくないロックなドラムがタイトでグルーヴィーで、これまたカッコいい。
 アコースティックギターになっても中近東系?の不思議感。
 ギターソロになると徐々にいつもの雰囲気が出てきたかな・・・と思っていたら、いつの間にかまたエスニックな別世界に・・・
 ギターシンセサイザーが鳴り出してもまた同じ。
 ハードロックあり、フリージャズあり、エスニックあり。
 Pat Methenyとしてはやはり異色な作品。
 異質だけども、カッコいいなあ。






(録音or発表年)  Group/ Solo/ Suport
(Jun.1974)   Jaco” with Jaco Pastorius
(Jul.1974)    Ring” Gary Burton 
(Dec.1975)  Bright Size Life” 
(Dec.1975)  Dreams So Real” Gary Burton 
(1976)    Passengers” Gary Burton 
(1977)    Watercolors” 
(Jan.1978) ”Pat Metheny Group” 
(Aug.1978)  New Chautauqua
(Jun.1979) ”American Garage
(Sep.1979)  Shadows and Light” Joni Mitchell
(May.1980)  80/81” 
(Sep.1980)  As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls” Lyle Mays, Pat Metheny 
(1980)    Toninho Horta” Toninho Horta
(Sep.1981)  “The Song Is You” Chick Corea
(Oct.1981) ”Offramp” 
(1982)   ”Travels” 
(1983)  Rejoicing” 
(1983)  ”All The Things You Are” with The Heath Brothers
(1983)  “Move To The Groove” with The Heath Brothers
(1984)  ”First Circle” 
(1985)  The Falcon and the Snowman” 
(1985)  “Contemplacion” Pedro Aznar
(1985)  "Encontros e Despedidas" Milton Nascimento
(1986)  Day In-Night Out” Mike Metheny
(1985)  Song X” with Ornette Coleman
(1987)    ”Still Life (Talking) ” 
(1987)  “Story Of Moses” Bob Moses
(1987)  Michael Brecker” Michael Brecker
(1989)    ”Letter from Home” 
(1989)  Question and Answer” 
(1989)  “Electric Counterpoint” Steve Reich
(1989)  Reunion” Gary Burton 
(1989)  Moonstone” Toninho Horta
(1989)  ”WELCOME BACK” 矢野顕子
(1990)  Parallel Realities” Jack DeJohnette
(1990)  Parallel Realities Live...” Jack DeJohnette
(1990)  “Tell Me Where You're Going” Silje Nergaard
(1991)      ”The Road to You” 
(1991-2) Secret Story” 
(1992)  Till We Have Faces” Gary Thomas
(1992)  ”Zero Tolerance for Silence” 
(1993)  Wish” Joshua Redman
(1993)  I Can See Your House from Here” with John Scofield
(1994)  “Noa” Achinoam Nini
(1994)  “Te-Vou !” Roy Haynes
(1994)  "Angelus"  Milton Nascimento
(1995)     ”We Live Here” 
(1996)     ”Quartet
(1996)  Passaggio per il paradiso” 
(1996)  “Sign of 4” with Derek Bailey
(1996)  Pursuance” Kenny Garrett
(1996)  Beyond the Missouri Sky” with Charlie Haden
(1996)  "Tales from the Hudson" Michael Brecker
(1997)  ”The Elements : Water” David Liebman 
(1997)    ”Imaginary Day
(1997)  The Sound of Summer Running” Marc Johnson 
(Dec.1997)  Like Minds” Gary Burton 
(Jul,Aug.1998) Jim Hall & Pat Metheny” 
(1999)  A Map of the World” 
(1999)  “Dreams” Philip Bailey
(1999)  Time Is of the Essence” Michael Brecker
(Aug.1999)   ”Trio 99 → 00” 
(1999-2000)    ”Trio → Live” 
(2000)    Nearness of You: The Ballad Book” Michael Brecker
(2001)    ”Reverence” Richard Bona 
(2001)    ”Speaking of Now” 
(2002)     ”Upojenie” 
(2001,3)   One Quiet Night” 
(2003-4)   ”The Way Up” 
(Dec.2004)  Tokyo Day Trip” 
(Oct.2005)  Day Trip” 
(Dec.2005)  Metheny/Mehldau Quartet” 
(Aug.2006)  Pilgrimage” Michael Brecker
(Dec.2006)  Metheny/Mehldau” 
(2007)    Quartet Live" Gary Burton  
(2009)    Orchestrion” 
(2010)    The Orchestrion Project” 
(2011)    What's It All About” 
(2012)    Unity Band” 
(2013)    Tap: John Zorn's Book of Angels, Vol. 20” 
(2013)    “SHIFT” Logan Richardson
(2013)    KIN (←→)
(2014)    The Unity Sessions
(2015)    Hommage A Eberhard Weber”  
(2016)    Cuong Vu Trio Meets Pat Metheny” Cuong Vu


posted by H.A.


【Disc Review】“The Orchestrion Project” (2010) Pat Metheny

“The Orchestrion Project” (2010) Pat Metheny

Pat Metheny (guitar, orchestrionics)

The Orchestrion Project
Pat Metheny
Nonesuch
2013-02-12


 Pat Metheny、orchestrionicsによるソロ演奏、“Orchestrion” (2009)に次ぐ第二弾、映像作品制作を主とした教会での無人のライブ演奏音源。
 “Orchestrion” (2009)五曲全てを演奏し、さらに過去の楽曲のセルフカバーに即興演奏を二編、全13曲。
 音の作りも前作と同様に、マリンバの響きがエスニックで、自動演奏の生楽器のサウンドがどことなくノスタルジックながら、複雑に動きまくる音、それでいてポップで聞きやすい音。
 懐かしい曲から即興演奏まで、激しい系からバラードまで、凄い演奏が揃っていますが、とりわけなのは前作のタイトル曲の再現“Orchestrion”、ハイテンションで疾走する”We Live Here” (1995)収録の”Stranger in Town”でしょうか。
 自動演奏でよくここまでグルーヴし、疾走し、高揚感を出せるものだと呆れるやら、感動的やら・・・
 即興演奏の二曲はドラムとのDuoに加えて、その場で楽器を選択したうえで、ギターとシンクロした様々な楽器で短いフレーズを作りながらそれらを重ね、ループさせながら全体の音を作っていくスタイル。
 おのずと同じフレーズの繰り返しが中心となるミニマルミュージック的になるのですが、徐々に音量とテンションが上がっていく構成はこれまたとてもドラマチック。
 などなど含めて本作も凄い「ソロ」演奏が並びます。
 が、なんだかんだでPat Metheny Groupのサウンドっぽいのが何とも趣き深いというか、何と申しましょうか・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“The Orchestrion” (2009) Pat Metheny

“The Orchestrion” (2009) Pat Metheny

Pat Metheny (guitar, orchestrionics)

Orchestrion
Pat Metheny
Nonesuch
2010-01-26


 Pat Metheny、orchestrionicsによるソロ演奏。
 ピアノ、ドラム、ベース、マリンバ、ビブラフォン、ギター、オルガン的な楽器などの自動演奏とギターとの共演。
 プログラミングした自動演奏ながらあくまで生楽器の音。
 デジタル臭はなく、極めて自然にグルーヴし、疾走し、漂う音。
 ヒタヒタと迫ってくるようなビート感と、極めて複雑ながらメロディアスでときに幻想的、ドラマチックな展開はまさに一人Pat Metheny Group状態。
 全五曲の各曲長尺な演奏。
 冒頭の組曲“Orchestrion”は超弩級にドラマチックな一人”The Way Up” (2003-4)状態。
 静かに始まり複雑な展開、目くるめくようなリズムブレイクにすさまじいユニゾン・・・などなどを経て、ラテンな疾走と高揚~沈静まで、15分を超えるなんともすさまじい演奏。
 こりゃスゲーや。
 バンドでの演奏であれば凄いなあ・・・ってな感じでいいのだけども、フレキシブルな楽器の絡み合い、自然なグルーヴや疾走、強烈な高揚感までを計算尽くでプログラミングし、事実上、独りで同時に演奏しているのだろうから、もはや言葉がありません。
 これでもかのドラマチックさに加えて、マリンバ系の音がしっかり効いていてエスニックな感じもするし、どことなくある時計仕掛け感がノスタルジックな感じなど含めてなんとも複雑な質感。
 それらを背景に弾きまくられる、いつも通りの丸い音のギターのインプロビゼーションもすさまじい限り。
 名曲揃いなだけにPat Metheny Groupとしてやっていればまた違った大名作に・・・なんてことは愚かな考えなのでしょう。
 おそらくは前人未到の凄い音楽、しかもそこそこポップでサラリとも聞ける音。
 こりゃスゲーや。




posted by H.A.


【Disc Review】“A Map of the World” (1999) Pat Metheny

“A Map of the World” (1999) Pat Metheny

Pat Metheny (acoustic guitars, piano, keyboards) 
Gil Goldstein (orchestrator, conductor, organ) Steve Rodby (acoustic bass) Dave Samuels (percussion) and Orchestra

A Map of the World (1999 Film)
Warner Bros / Wea
1999-11-15


 Pat Methenyによる映画のサウンドトラック?。
 ”Imaginary Day” (1997)と”Speaking of Now” (2001)の間の時期の制作。      
 中心となるのはアコースティックギターとGil Goldsteinが率いる優雅で美しいオーケストラとの共演。
 センチメンタルな空気感は近い時期のサントラ作品“Passaggio per Il paradiso” (1996)にも共通しますが、質感は異なります。
 ナチュラルでアコースティックな一貫性のある音作り。
 バラード中心ですが、後の“One Quiet Night” (2001,3)シリーズのように沈んだ感じ、静的な感じではなく、ほどよい風が吹くアメリカの大草原的な爽やか系。
 “Beyond the Missouri Sky”(1996)に近い感じかもしれませんが、もっと明度、透明度が高く、優雅かつさり気ない音。
 全編でアコースティックギターのシングルトーンが前面に出て、メロディもあのPat Metheny節。
 他の作品と比べてマニアックな成分が薄くて、いい感じで普通な雰囲気。
 優雅で洗練されたGil Goldsteinのオーケストラの音ゆえでしょうか?
 アルゼンチン系、現代フォルクローレ系の作品にこの種の空気感の作品が多いのですが、共通するのは全体を漂う郷愁感。
 本作はさながらAmerican Saudadeってな感じ。
 景色が次々と変わっていくような音の流れ、細かく刻まれた全28曲ですが、サントラ臭はなく純音楽作品として極めて上質で心地よい音。
 隠れた名作。
 聞き流しても気持ちよさそうなさり気なさは、CaféのBGMに最高の音なんだろうなあ・・・
 和みます。




posted by H.A.


【Disc Review】“Passaggio per Il paradiso” (1996) Pat Metheny

“Passaggio per Il paradiso” (1996) Pat Metheny

Pat Metheny (Instruments)

Passaggio Per Il Paradiso
Pat Metheny
Geffen Import
1998-10-20


 Pat Methenyによる映画のサウンドトラック。
  ”Quartet” (1996)、”Beyond the Missouri Sky” (1996)と同じ年の制作。
 ギター、ピアノ、シンセサイザー、その他、一人での演奏、制作。
 中心となるのはストリングス、シンセサイザーのサウンドを前面に出したスローバラード。
 その合間々に挟まれるアコースティックギターで繰り返し奏でられる何曲かの美しいメロディ。
 長い演奏はありませんが、それらはどれも絶品です。
 それらがアクセントとなりつつ、幻想的で物悲しい音の流れが続きます。
 いつものサウンドとは異なりますが、メロディ自体はいつものどことなく懐かしさが漂うPat Methenyのバラード。
 ここで描かれるParadisoは明るくてのほほんとした感じではなく、物悲しくて幻想的。
 静かで沈んだ感じですが、あくまで前向き。
 きっとそんなSaudadeな映画なのでしょう。
 違うのかな?




posted by H.A.


【Disc Review】“The Falcon And The Snowman” (1984) Pat Metheny Group

“The Falcon And The Snowman” (1984) Pat Metheny Group

Pat Metheny (Guitar Synthesizer, Acoustic Guitar, Electric Guitar)
Lyle Mays (Synthesizer, Piano) Steve Rodby (Acoustic Bass, Electric Bass) Paul Wertico (Drums, Percussion) Pedro Aznar (Voice)
David Bowie (voice) 
National Philharmonic Orchestra, Ambrosian Choir

 Pat Metheny Groupによる映画のサウンドトラック。
 名作連発期、“First Circle” (1984)と”Still Life (Talking)” (1987)の間、Pat Metheny Group名義。
 あくまでサントラ、いきなり聖歌隊で始まるし、この期の色合いの南米度はほどほど、Pat MethenyよりもLyle Maysの色合いが強い感じ、ビート感も重め、ジャケットもいつもの雰囲気ではないし・・・
 が、メロディ、コードの動きはなんだかんだでPat Metheny Groupの音楽。
 ポストECMの時期、近い時期の“Lyle Mays” (1985)に近いのかもしれませんが・・・
 スキャットとシンセサイザーが作る幻想的な空気感にリリカルなピアノ、掻き鳴らされるアコースティックギター。
 あの丸っこいクリーントーンのエレキギターが出て来ないのが寂しいのですが、その分Pedro Aznarのヴォイスが映える場面、あるいはシンセサイザーが作る宇宙的、幻想的な場面が多い構成。
 ポップスからシンセサイザーミュージック、クラシック的な音までさまざまな表情。
 David Bowieとの共演も含めて、このポップでてんこ盛りな感じはECMでは作らせてもらえないんだろうなあ・・・
 この後、Geffen RecordsでのPat Metheny Groupの快進撃が始まります。




posted by H.A.


【Disc Review】“Partners” (1989) Paul Bley, Gary Peacock

“Partners” (1989) Paul Bley, Gary Peacock

Paul Bley (piano) Gary Peacock (bass) 


Partner
Paul Bley
Sunny Side
2003-07-29


 Paul Bley, Gary PeacockのDuo作品。
 イタリアSoul Note、あるいはドイツECMからではなく、フランスのOwlレーベルから。
 同じくDuo、Soul Noteの“Mindset” (1992)と同様に、Duo、各々のソロを概ね三分の一ずつ。
 構成は似ているものの、そちらと比べると激しく動く音。
 Gary Peacockはどちらも激しい演奏ですが、こちらはPaul Bleyも激しい演奏。
 この人にしては珍しくしっかりと空間が埋まったRichie BeirachSteve Kuhnのようなピアノ。
 二人あわせてKeith Jarrett Standardsな場面もしばしば。
 いつものたっぷりのタメを効かせた美しいバラード演奏も何曲かあります。
 理不尽なまでのスケールアウトもいつも通りなのだと思いますが、音数が多い分、それが目立ちません。
 録音もなんだかきらびやか。
 太い音で音量も大きいベースと、たっぷりのエコーが効いた高音が強い派手な音のピアノ。
 ECMの音に慣れてしまった耳には新鮮に聞こえます。
 が、こちらの方が普通なのかな?
 クールでアーティスチックなPaul Bleyではなく、Gary Peacockの名人芸と、その熱に合わせるような何でも弾けるジャズピアニストPaul Bley。
 ま、普通のジャズピアノではないのですが・・・
 やはり名人は何をやってもカッコいい。




posted by H.A.


【Disc Review】“Notes” (1987) Paul Bley, Paul Motian

“Notes” (1987) Paul Bley, Paul Motian

Paul Bley (piano) Paul Motian (drums)

Notes
Paul Bley
Soul Note Records
2007-10-30


 Paul Bley、Paul MotianのDuo作品。
 ECMではなく、イタリアのSoul Noteレーベルから。
 同レーベルでジャケットも似ている“Mindset”(1992) Gary Peacock, Paul Bleyと類似する企画。
 本作のご両人、どちらもモダンジャズの名手ながら、耽美的、離散的な演奏を得意とする稀代のスタイリスト。
 その通りの静かで穏やか、ほんの少し抽象的な演奏。
 二人ともECMではないレーベルの場合、普通にジャズの演奏も多いのですが、本作は極めてECM的な静謐で妖しいサウンド。
 多くが今にも止まりそうなスローバラード。
 たっぷりのタメを効かせて置かれていくピアノの音。
 突然のスケールアウト、突然の疾走、突然の鎮静、突然のスウィング、ブルース・・・いつものPaul Bleyワールド。
 それに呼応するように、時に無視するように刻まれる静かなビート。
 静かだけども落ち着かない、絶妙のアンバランスの妖しく危ない音楽。
 繊細で美しいバラードの連続に、ときおりのOrnette Coleman風フリージャズ。
 最後に収められた唯一のジャズスタンダード、“Diane” (1985) Chet Baker & Paul Bley のタイトル曲は、絶品の美しさ。
 Paul Bley、Paul Motianの演奏するバラードはいつもそう。
 さすが、稀代のスタイリストの創る音。
 名作だと思います。

※“Diane” (1985) Chet Baker & Paul Bleyから。


posted by H.A.


【Disc Review】“Diane” (1985) Chet Baker & Paul Bley

“Diane” (1985) Chet Baker & Paul Bley

Chet Baker (Trumpet, Vocal) Paul Bley (piano)

Diane
Chet Baker
SteepleChase
1994-05-24


 Chet Baker, Paul Bley、二人の大御所のDuo作品、デンマークのSteepleChaseから。
 お二人、近い世代のようですが、ECMのPaul BleyからはChet Bakerとの共演は想像できません。
 さらに超妖しい“Fragments” (1986)に近い時期の録音。
 が、絶妙な相性、全くオーソドックスな静かなジャズ。
 スタンダードのスローバラード中心。
 ピアノはタメにタメてタメまくりながらスケールアウトした音を置いていくPaul Bleyではなく、オーソドックスに美しくジャズを弾くPaul Bley。
 晩年に近づきつつある時期のChet Bakerですが、クールなトランペットは往年のイメージのまま、一曲のみのボーカルも格別のクールネス。
 速いフレーズをバリバリと吹くことはありませんが、丁寧に置かれていく音、端々の抑揚は、やはり稀代のスタイリスト。
 淡々と美しいメロディが流れていく静謐な時間・・・
 美しく端正な晩年のChet BakerとジャズなPaul Bley。
 全くオーソドックスで極めて静かなジャズから漂う凄み。
 さすが、稀代のスタイリストたち。




posted by H.A.


【Disc Review】“Crescent moon Waning” (2015,2016) Kip Hanrahan

“Crescent moon Waning” (2015,2016) Kip Hanrahan

Kip Hanrahan (direction, percussion)
Michael Chambers (guitar, vocal) Brandon Ross (vocal, guitar, banjo) Steve Swallow, Yunior Terry, Andy Gonzalez, Giacomo Merega (bass) Fernando Aunders (bass, vocal, cello, guitar)
Robby Ameen (drums, percussion) Luisito Quintero (percussion) Milton Cardona, Anthony Carrillo, Richie Flores, Ignacio Berroa, Giovanni Hidalgo, Steve Berrios (conga)
Jack Bruce (vocal, bass) Lucia Ameen, Roberto Poveda, Lucy Penabaz, Grayson Hugh, Senti Toy, Xiomara Laugart (vocal)
Charles Neville, J.D. Allen, Craig Handy, Chico Freeman (tenor sax) Mario Rivera, Josh Sinton (baritone sax) Alfredo Triff (violin) David Rodriguez (sound effects)

クレッセント・ムーン
キップ・ハンラハン
MUZAK/american clavé
2018-03-16

 Kip Hanrahan、“At Home in Anger” (2007-2011)以来、久々のアルバム。
 鳴り続けるコンガに囁き声、やるせないメロディにジャズなサックス。
 あのメンバーでの、あのKip Hanrahanのサウンド。
 かつての諸作のいろんな要素が混ざり合う質感は、近作“Beautiful Scars” (2004-2007)、“At Home in Anger” (2007-2011)と同様。
 ダルなムード、コンガと囁くボイスで始まり、妖し気なサックス、ギターとの絡み合い。
 あの都会の裏側の地下室の危ない空気感。
 ピアノレスを中心のクールな質感は初期の“Coup De Tête” (1979-1981)などのソリッドでロックな感じでもあるし、合間に挿入される語り、あるいは狂気を秘めたバイオリンは”A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996)を想い起こし、コンガが鳴れば強烈なキューバングルーヴ、キューバンポップス、さらには唐突に現れる静かだけども突き刺さってくるようなアカペラボイス・・・
 多くの一分前後のインタールード的な演奏を挟みつつ進む全19曲+ライブ音源一曲。
 それらの短い演奏も含めて、キッチリ計算されているのであろうKip Hanrahanワールドがてんこ盛り。
 ピークは中ほど、強烈なグルーヴで疾走する11曲目”She and He Describe the Exact Same Intimate Moment”でしょうか。
 “Tenderness” (1988-1990)あたりのブチ切れたハイテンションさを想い起こす演奏ですが、埃っぽさと脂分が落ちてスッキリした感じ。
 全体的にもそんな感じ。
 最後は静かなロック調のバラード、ギターと囁き声とサックスの絡み合いで締め、さらに追加でライブ音源、“Desire Develops an Edge” (1983)収録の”Working Class Boy”、故Jack Bruceのボイスと強烈なコンガ、ブチ切れたサックスの饗宴で幕。
 猥雑で妖しくて危なくてダーク、そしてオシャレなKip Hanrahanはまだまだ健在です。

※ライブ映像から。



Coup De Tête” (1979-1981)
Vertical's Currency” (1984)

Tenderness” (1988-1990)
Exotica” (1993)

This Night Becomes a Rumba” (1998) Deep Rumba
A Calm in the Fire of Dances” (2000) Deep Rumba
“Bad Mouth” (2006) Conjure
Beautiful Scars” (2004-2007)
At Home in Anger” (2007-2011)
Crescent moon Waning” (2015,2016) 

 posted by H.A.
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