“Di Meola Plays Piazzolla” (1990-1996) Al di Meola
Al di Meola (guitar) Dino Salussi (bandoneon) and others

Plays Piazzolla
Al Di Meola
Mesa / Bluemoon
1996-11-05
アル ディ メオラ 
ディノ サルーシ 


 

 Dino Saluzzi番外編。
 Al di MeolaのAstor Piazzolla曲集、World Sinfonia諸作からのオムニバス盤。
 安直な企画に見えがちですが、これが素敵なジャズ~タンゴ~フュージョン。
 Al di Meola、エレキギターで重々しいフュージョンか、ド派手なスパニッシュギターといった印象が強いのかもしれませんが、このアルバムではほどよく抑制されたアコースティックギターが中心。
 基本的には淡々と美しい曲を素直に演奏。
 終始落ち着いた演奏、エコーがいい感じで効いた録音も手伝ってとても優雅。
 バンドネオンは名手Dino Salussi。
 少し素朴でいい意味で線が細いというか、熱くなりすぎない上品なバンドネオン。
 なぜか遠くから聞こえてくるような彼独特の雰囲気がこのアルバムでも。
 全体の質感はクールで都会的。タンゴよりもフュージョン。
 カッチリと作り込まれた雰囲気が感じられるのだけども、全体的には柔らかなムード。
 タンゴでもなく、フュージョンでもなく、ひんやりとした熱くならない音。
 Piazzollaの楽曲の強烈な哀愁、激烈な部分をほどよく緩和し、クールな質感。
 Al di Meola、Astor Piazzolla、Dino Salussiの強烈な個性がうまく緩和され、結果的にはバランスが取れた、あるいは各人のトゲの部分がうまく丸められた、好演奏集だと思います。




posted by H.A.