吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Airto_Moreira

【Disc Review】“Samba de Flora” (1989) Airto Moreira

“Samba de Flora” (1989) Airto Moreira
Airto Moreira (Congas, Drums, Flute, Percussion, Vocals)
Jorge Dalto (Keyboards, Piano) Bruce Bigenho, Dominic Camardella (Keyboards) Kei Akagi (Synthesizer) Roland Bautista, Larry Nass (Guitar)
Alphonso Johnson, Keith Jones, Michael Shapiro, Randy Tico (Bass) Tony Moreno (Drums)
Giovanni Hidalgo (Bongos, Percussion) Angel "Cachete" Maldonado (Congas, Percussion) Frank Colon (Berimbau, Percussion) Don Alias, Laudir DeOliveira, Luis Muñoz (Percussion)
Flora Purim, Rafael Jose, Jill Avery (Vocals)
Jeff Elliott (Flugelhorn, Horn, Trumpet) Rolando Gingras (Trumpet) Raul de Souza (Trombone) David Tolegian (Flute, Saxophone) Joe Farrell (Piccolo)
 
Samba De Flora
Airto Moreira
Montuno Records
アイアート・モレイラ


 Airto Moreira、アルゼンチン出身、フュージョン系ピアニストJorge Daltoを迎えた作品。
 ボーカルを前面に出したブラジリアンフュージョン~MPB。
 Joe Farrell、Jorge Daltoが1986-1987に亡くなっているようですので、録音は1980年代前半なのでしょう。
 洗練されたラテンフュージョンのイメージのJorge Dalto諸作よりも少々ラフでざっくりした感じでしょうか?
 冒頭からビリンボウが響くのどかな感じのボーカル曲。
 二曲目の激しいサンバフュージョンの“Samba de Flora”。
 哀愁のメロディと怒涛のビート。
 いかにもAirtoっぽいなあ、と思っていたら、Jorge Daltoの曲。
 やはりお国は違っても、南米の人は共通点があるんだろうなあ。
 この曲、この演奏が白眉。
 本作はブラジルブラジルしてるなあ・・・と思っていたら、あれれ?のピアノのみをバックにしたAOR風ボーカルのバラード。
 さらにはFlora Purimが歌う洗練されたラテンフュージョンやら、カッチリとしたラテンフュージョンやら、ふわふわとしたスキャット入りラテンフュージョンやら。
 ちょっとキッチリ作り込まれている感じのフュージョンの部分はこの人の作品っぽく無いけども、やはり、いろんな色合いに振れて、いろんな色が入り混じるのがこの人の作品の特徴のようです。
 なんだかんだで全体を流れているのはブラジリアンな柔らかなビート感なんだけど・・・
 いずれにしても楽し気なラテンフュージョン、アメリカンでブラジリアンなポップスの一作。



【Disc Review】“Latino / Aqui Se Puede” (1984) Airto Moreira

“Latino / Aqui Se Puede” (1984) Airto Moreira

Airto Moreira (Vocals, Percussion, Drums, Other)
Jorge Dalto (Electric Piano) Kei Akagi (Synthesizer, Keyboards) Oscar Castro Neves (Electric Piano, Guitar) Larry Nass (Guitar) Alphonso Johnson, Keith Jones (Bass) Tony Moreno (Drums)
Cachete Maldonado, Donald Alias, Frank Colon, Giovanni, Laudir De Oliveira (Percussion)
Joe Farrell (Flute) Raul De Souza (Trombone) Jeff Elliot (Trumpet, Flugelhorn)
Geni Da Silva (Lead Vocals) Rafael José, Tite Curet Alonzo (Backing Vocals) Flora Purim (Vocals)
 
Aqui Se Puede-Latino
Airto Moreira
Montuno
アイアート・モレイラ


 Airto Moreira、サイケなMPB全盛期、フュージョン全盛期を経て、落ち着いたラテンミュージックな一作。
 エレピ、歪んだギターの音はありますが、1970年代の熱は落ち、強烈なファンクも、サイケも、デジタルっぽさもなくなり、落ち着いた大人のムード。
 ブラジリアンビートにアメリカンテイスト混じり、洗練された色合いですが、AORってな感じでもなく、アコースティックな質感、ナチュラルなMPB~フュージョン。
 終始、肩に力が入らないゆったりとした音。
 ブラジルネイティブな音、ポップな音、穏やかなフュージョン、例によって幅のあるテイスト、いろんな音楽が交錯する構成。
 などなど、それぞれいい演奏が揃っているのですが、やはりブラジルナショナルサッカーチームの応援歌“Tombo”の再演に耳が行ってしまいます。
 “Fingers” (Apl.1973)でサイケなギター、エレピ、ワイルドな歌、少々ロックなバージョン、“I'm Fine. How Are You?” (1977)では洗練されたフュージョンなバージョンもありましたが、本作ではあくまでナチュラルなブラジリアンテイスト。
 パーカッション、アコースティック楽器中心に素直なサンバテイスト。
 クィーカーの音とともにゆったりとしたテンポ、いきなりサビのメロディからスタート。
 そのメロディもそこそこに、いきなりこれこそサンバな怒涛のパーカッションと奇声の饗宴開始。
 続くこと数分間。
 クラクラしてきたところで、最後に例の陶酔感を誘うサビのリフレイン。
 やはりブラジル音楽はこんな感じでないとね。
 ・・・などなど含めて、洗練とナチュラルさ、熱狂とクールネス、諸々の要素が混ざり合い、いい感じのバランス。
 これ、素晴らしいアルバムです。
 
 


posted by H.A.  

【Disc Review】“I'm Fine. How Are You?” (1977) Airto

“I'm Fine. How Are You?” (1977) Airto

Airto (Percussion, Vocals)
Hugo Fattoruso (Keyboards) Charles Johnson, Oscar Castro-Neves (Guitar)
Abraham Laboriel, Byron Miller, Jaco Pastorius (Bass)
Airto Moreira, Laudir de Oliveira, Manolo Badrena (Percussion)
Tom Scott (Flute, Sax) Raul de Souza (Trombone)
Flora Purim, Ruben Rada, Hugo Fattoruso (Vocals)
 
アイム・ファイン、ハウ・アー・ユー?
アイアート・モレイラ
ダブリューイーエー・ジャパン



 Airto Moreira、アメリカン&ブラジリアンなMPB作品。
 Flora Purimの“Nothing Will Be as It Was... Tomorrow” (1977)、“Everyday Everynight” (1978)に近い時期、それらにも近い音。
 この人のいつものいろんな色合いが混在するアルバム。
 もちろんパーカションが強め、サンバな曲もいくつか。
 ブラジリアン色も強いのですが、Tom Scottの印象も強く、ファンク混ざりの健全なフュージョンに、Alphonso Johnson 時代のWeather Report色も混ざったようなボーカル入り中心のアルバム、ってな感じ。
 チョッパーベースが唸り、楽し気な歌声とメローなサックスが絡み合う、元気いっぱいな曲からスタートし、ビリンボウとエレピが主導するAOR風の曲、都会的なサンバ、Flora Purimのサイケなスキャットが炸裂するメローな曲?などなど。
 ここでもブラジルナショナルサッカーチームの応援歌“Tombo”が“Celebration Suite”としてカバーされていて、パーカッションと嬌声の饗宴ですが、素直で都会的なスッキリしたサンバの“Tombo”。
 オリジナル?“Fingers” (Apl.1973)バージョンのざらざらしたような質感が無くなり、磨き上げられたような音作り。
 洗練されています。
 最後に収められたJaco Pastorius参加曲はフリーインプロビゼーションでしょう。
 幻想的なスローテンポでスタートし、妖し気なバーカッション、嬌声との共演。
 徐々にビートを上げますが、リズムに乗るのはわずかな時間。
 スペーシーで幻想的なベースの音で締め。
 1970年代初頭のような粗削りな雰囲気、妖しげなムードは無くなりましたが、いつもながらブラジル音楽のいろんな要素てんこ盛り。
 なんだかんだでいかにもなこの人の洗練されたフュージョン系MPB作品。




posted by H.A.  


【Disc Review】“Promises Of The Sun” (1976) Airto Moreira

“Promises Of The Sun” (1976) Airto Moreira
Airto Moreira (Drums, Flute, Percussion Vocals)
Hugo Fattoruso (Keyboards) Novelli (Bass, Guitars, Piano, Electric Piano, Vocals) Toninho Horta (Bass, Guitar, Piano)
Raul de Souza (Trombone) Milton Nascimento (Guitars, Vocals) Maria Fattoruso, Flora Purim (Vocals)
 
プロミセス・オブ・ザ・サン
アイアート・モレイラ
BMG JAPAN
2004-03-24


 Airto Moreira、ここまでのアメリカンな人脈ではなく、ブラジリアンと制作したブラジリアンフュージョン~MPB作品。
 やはりここまでとは少し色合いが異なるアコースティックで素朴、ジャケット通りにワイルドな色合い。
 ボーカル曲が中心で、フュージョンというよりはMPB的。
 冒頭曲はパーカッションと嬌声、ホイッスルの饗宴のみ。
 続く曲も何だかエスニックでワイルドな・・・のは前奏のみで、哀愁が漂う洗練されたフュージョン~MPBへと展開します。
 Milton Nascimentoナンバーもエスニックテイストからファンクへ展開。
 そんな演奏が続きます。
 ブラジルネイティブのリズム、音楽を提示しつつ、現代に繋ぐといったイメージ。
 アメリカでは、エレクトリックMiles、Weather Report、Return to Forever、CTI諸作と、混沌から洗練へと変遷してきましたが、もう一度本筋に戻ってみるか、といったところなのでしょう。
 同時期のEgberto Gismonti、Nana Vasconcelosの“Dança Das Cabeças” (Nov.1976)は妖しさが前面に出ますが、本作含めてAirtoの諸作は明るい色合い。
 特に本作は素朴な色合いが強い分、のどかで楽しそう。
 Toninho Hortaが参加していますが、少々サイケな色もあるエレキギターが彼なのでしょう。
 この時点ではまだデビュー作"Terra dos Pássaros" (1979)は制作されていませんが、いずれにしても後の彼の浮遊感の強い色合いはここでは出ていません。
 さておき、最後は”Georgiana”は、奥様の妖しいスキャットが前面に出た洗練されたブラジリアンフュージョン。
 哀愁のメロディの隠れた名曲。
 次作はまたまたアメリカンに渡ってアメリカンなフュージョン、それも洗練された明るいフュージョンの“I'm Fine. How Are You?” (1977)へと続きます。




 

【Disc Review】“Identity” (1975) Airto

“Identity” (1975) Airto
Airto (Drums, Percussion, Vocals)
Egberto Gismonti (Piano, Electric Piano, Synthesizer, Flute, Acoustic Guitar)
David Amaro (Guitar, 12string Guitar )
Herbie Hancock (Synthesizer) Ted Lo (Organ)
John Heard, John Williams, Louis Johnson (Bass)
Wayne Shorter (Soprano Sax) Raul Desouza (Trombone) Flora Purim (Vocals)
 
アイデンティティー(期間生産限定盤)
アイアート・モレイラ
SMJ
2016-05-25


 Airto Moreira、スーパーミュージシャンにサポートされた、ブラジリアンフュージョン~MPB作品。
 Egberto Gismontiが半数の楽曲を提供し、全編に参加。
 プロデューサーはHerbie HancockWayne Shorterも参加。
 このお三方が揃うのはこの作品だけでしょうかね?
 三人、あるいは四人の音が融合した・・・といった感じではないし、近い時期の“Native Dancer” (1974) Wayne Shorter with Milton Nascimentoのようなスムースな感じでもありません。
 ちょっとワイルドなブラジリアンフュージョン~ポップスに寄った演奏が並びます。
 Egberto GismontiはECM参加前、ブラジルで諸作を発表していた時期。
 その色合いが強いのでしょうね。
 冒頭から飛び跳ねるようなピアノとポリリズミックな激しいビート。
 “Return to Forever” (Feb.1972) Chick Coreaと同じく、凄い「ドラマー」Airtoの本領発揮。
 ボーカルが乗ってくるといかにもこの人の少しのどかな感じになりますが、Egberto Gismonti風のハイテンションフュージョンがベースです。
 ビリンボウなどのブラジルネイティブ楽器とエレピとの絡み合いが目立ちます。
 ちょっとサイケなエレキギターなどが入ってくるのも、この期のこの人の作品の色なのでご愛敬。
 もちろん近い時期のFlora Purim“Stories To Tell” (1974)に近いムードもあります。
 そんなファンクフュージョンから、Egberto Gismontiのギターとパーカッション、嬌声が絡み合う想像通りの音から、Herbie Hancock?のシンセサイザーが唸るドラマチックで激しいサンバフュージョン~Wayne Shoeterのソプラノサックスが奏でるGismontiの名曲”Cafe”へのメドレー。
 あるいは、“Return to Forever” (Feb.1972)のようなエレピが映えるボーカル曲・・・と思ったら、やはりHermeto Pascoalの曲。
 遠いようで近い関係、と思っていますが、そのエレピを弾いているのはEgberto Gismonti?・・・といったレアな演奏まで。
 楽曲の幅が広くなってしまうのもこの人の作品の特徴。
 などなど、全編に鳴り響くパーカッションとブラジリアンならではの郷愁感も含めて、Airtoの関わった音楽(除くエレクトリックMiles)をギュッと集めた一作かもしれません。
 楽曲もさすがのGismontiナンバー中心、いいメロディが揃っています。
 次は若き日のToninho Horta が参加する“Promises Of The Sun” (1976)、さらにはアメリカンなフュージョンの“I'm Fine. How Are You?” (1977)へと続きます。





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