“Mare Nostrum III” (2016) Paolo Fresu, Richard Galliano, Jan Lundgren
Paolo Fresu (trumpet, fluegelhorn) Richard Galliano (accordion, bandoneon, accordina) Jan Lundgren (piano)
ヨーロッパのスタイリストたちのトリオ、三作目、2016年録音。
メンバーそれぞれの母国で録音する趣旨だったらしく、イタリア“Mare Nostrum” (2007)、フランス“Mare Nostrum II” (2014)ときて、本作はスウェーデン録音。
メンバーそれぞれの母国で録音する趣旨だったらしく、イタリア“Mare Nostrum” (2007)、フランス“Mare Nostrum II” (2014)ときて、本作はスウェーデン録音。
場所は違えど、三作とも穏やかで上品、スタイリッシュな音。
ゆったりとテンポ。
ドラム、ベースレスゆえの緩やかな浮遊感。
美しいピアノ、洒落たムードと哀愁を醸し出すアコーディオン、クールなトランペット。
過剰ではない、控えめでもない、絶妙なバランスのアンサンブル。
過剰ではない、控えめでもない、絶妙なバランスのアンサンブル。
オリジナル曲を中心としつつも、間に挟まれたMichel Legrandやイタリアの哀愁曲が中に溶け込んでしまう、美しい哀愁メロディの連続。
ECMレコード的な毒気はなく、ひたすら美しくほのかに哀しい、そしてわかりやすい音。
ベタかなあ・・・とか思ってもいても、はからずとも気持ちが穏やかになる、そんな音の流れ。
ミュートされたトランペットやときおりのアコーディオンの疾走にジャズだなあ・・・と思いつつも、埃っぽさや汗臭さ、気難しさなしの徹底された洗練。
さりげないのだけども、これでもかこれでもかと続くほのかな哀愁サウンド。
紛れもなくスタイリッシュなのに、暖かで懐かしい感じがするのは、このバンドの色合いなのでしょう。
三作、どれをとってもどこを切り取っても金太郎飴、穏やかで上品、優しくて暖かな音。
posted by H.A.