“Bridges” (2015) Adam Baldych
Adam Bałdych (Violin)
Helge Lien (Piano) Frode Berg (Bass) Per Oddvar Johansen (Drums)
ポーランドのバイオリニストAdam Bałdych、カルテットでのコンテンポラリージャズ。
サポートはノルウェーの名手のピアノトリオ。
オーソドックスな編成ですが、普通のジャズ~コンテンポラリージャズとは少々質感が異なります。
基調はジャズですが、クラシック、ヨーロピアントラディショナルの強い香りが漂う、繊細かつドラマチックな音。
中心となるオリジナル曲は、エキゾチシズムを漂わせながらの憂いを含んだメロディ。
後ろ髪を引かれるようにタメを効かせて置かれていく繊細なピアノと変幻自在に動き回るバイオリン。
どこかに飛んで行ってしまいそうなバイオリンを現実に引き戻すかのようなピアノ。
美しく繊細なピアノの音に導かれて静かに始まり、徐々にテンションを上げ、楽曲の終盤にはドカーンとくるドラマチックな構成の楽曲がたくさん。
全編通じてハイテンションです。
インプロビゼーションだけでなく、それらの抑揚感を含めて計算し尽くされたような完成度。
全体を漂う非日常的なエキゾチシズムと哀しい音の流れは、どこか遠い時代の遠い所から聞こえてくるようにも感じるし、ドラムを中心とする乾いたビート感はいかにも現代の音のようにも聞こえます。
哀しく、どこか懐かし気で、ドラマチックな東欧コンテンポラリージャズ。
