吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2010-2019

【Disc Review】“Absence” (2017) Kristjan Randalu

“Absence” (2017) Kristjan Randalu


Kristjan Randalu (piano)
Ben Monder (guitar) Markku Ounaskari (drums)

ABSENCE
KRISTJAN RANDALU
ECM
2018-04-06


 エストニアのピアニストKristjan RandaluのECMでの第一作。たぶん。
 ギターはアメリカのとんがった系、ドラムはフィンランドの人のようです。 
 メンバーの出自の通り、東欧、北欧、西欧、米国、諸々の空気感がフュージョンする不思議系コンテンポラリージャズ。
 ピアノはクラシック色が強い典型的なヨーロッパ系、端正で明度が高い音使い。
 Ben Monder はあの毒気を抑えて丸いクリーントーンでジャズなギター。
 ドラムは硬軟織り交ぜたうるさくない系。
 ベースレスゆえの強い浮遊感。
 そんなトリオで抑制的ながら複雑なビートと、不思議系のメロディ、リフの繰り返しが目立つ、少々ミニマル掛かったいかにも現代的な楽曲と演奏。
 美しいピアノに絡み合う丸い音のエレキギターのシングルトーン、寄り添うようにヒタヒタとした静かなビートを刻み、時に激しく煽るドラム。
 ビートを作っているのはリーダーのピアノが中心ですが、それが後ろに下がると漂うようなフリービートでのギターとドラムの絡み合い、ギターが下がると突然疾走を始めるピアノとドラム、あるいは三者揃っての今にも止まりそうなスローな浮遊から、気がつけば疾走・・・
 ・・・ってな感じの浮遊と疾走の交錯、三者の変幻自在の絡み合い。
 Pat Metheny & Lyle Maysコンビな感じもあるのだけども、そこまでキャッチーではなく、その分クールでスタイリッシュ。
 これでベタな美曲、ジワジワ~ドカーンとくる展開が二、三曲あれば一気に人気作になりそうですが、そうはしないのもいかにもクールな現代の音。
 とてもクールで少し不思議な現代ジャズ。
 このトリオ、近々ブレークするのではないかな?
 さて・・・?




posted by H.A.


【Disc Review】“Eight Winds” (2015) Sokratis Sinopoulos

“Eight Winds” (2015) Sokratis Sinopoulos

Sokratis Sinopoulos (lyra)
Yann Keerim (piano) Dimitris Tsekouras (bass) Dimitris Emanouil (drums)


Eight Winds
Sokratis Sinopoulos
Ecm Records
2016-01-15


 ギリシャの古楽器?lyra奏者Sokratis SinopoulosのECM作品。
 Lyraはおそらくたて琴とバイオリンの中間のような古楽器。
 ピチカートではなくアルコで弾かれる音はバイオリンを軽く歪ませたような幽玄な音。
 近年のECMの古楽~地中海~中近東シリーズ、“Siwan” (2007,2008)、“Nahnou Houm” (2017) Jon Balke、Savina YannatouAmina Alaouiなどの流れを汲む作品なのだと思います。
 が、上記とは違って現代的な音、オーソドックスなヨーロピアンコンテンポラリージャズの色合いも強い本作。
 弦の音は古楽風、楽曲はメロディアスでセンチメンタルなクラシック系、ピアノトリオはジャズ系。
 哀しくやるせない空気感、エスニック色、中世ヨーロッパ~中近東的な弦の響きを現代に引き戻すかのようなピアノトリオ。
 アーティスティックでひねった作品の多いこのレーベルにしてはまずまずオーソドックスなサウンド。
 さり気ない哀感と懐かしさ、強い違和感はないほどほどの非日常感。
 中世ヨーロッパと現代ヨーロッパのフュージョン、そんな音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Mette Henriette” (2015) Mette Henriette

“Mette Henriette” (2015) Mette Henriette

Mette Henriette (sax)
Johan Lindvall (piano) Katrine Schiott (cello)
Per Zanussi (bass) Per Oddvar Johansen (drums, saw) Eivind Lonning (trumpet) Henrik Norstebo (trombone) Andreas Rokseth (bandoneon) Sara Ovinge, Karin Hellqvist, Odd Hannisdal (violin) Bendik Bjornstad Foss (viola) Ingvild Nesdal Sandnes (cello)

Mette Henriette
Mette Henriette
Ecm Records
2015-11-20

 ノルウェーの女性サックス奏者Mette HenrietteのECM制作、デビュー作。
 ピアノとチェロとの変則トリオと、オーソドックスなピアノトリオにホーンとストリングスの大編成の二バンド、二枚組。
 リーダーのキャリア等々の情報はもっていませんが、フワフワと漂うような、ときに凶悪な、普通のジャズとは異なる音使い。
 クラシック畑の人なのかもしれませんし、音響系といった括りがあるとすれば、そんな感じのイメージが合うのかもしれません。
 トリオが15曲にコンボが20曲。
 いずれのバンドも一分前後の短いインタールド的な演奏を交えながら進む不思議な音の流れ。
 トリオでの演奏は風と木々が揺れ擦り合うようなサウンド。
 ときおりアルバム全体のモチーフなのであろう優し気なメロディ、コードが穏やかなうねりとともに現れますが、気がつけば消え入っているような音の流れ。
 電子音で演奏するといわゆるアンビエントミュージックになりそうですが、生楽器の自然な揺れが、なんとも不思議な感じ。
 特にピークを作るわけでもなく、終始とても静かで穏やか、淡々とした音の流れが続きます。
 誰もいない静かな草原とかに似合うサウンド。
 コンボでは躍動感と音量が上がり明確な音楽になりますが、短く目まぐるしく景色が変わっていきます。
 優雅なストリングスあり、断片的な音のコラージュあり、さらには意外にもJohn Coltrane的な陰鬱・絶叫サウンド、などなど、さまざまな表情。
 全編通じて不思議感たっぷり、聞く側の感性が要求される作品でもあるのでしょう。
 ジャズなオヤジもビックリ、とてもアーティスティックな一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Music IS” (2017) Bill Frisell

“Music IS” (2017) Bill Frisell

Bill Frisell (guitars)

Music Is
Bill Frisell ビルフリーゼル
Okeh/sony Masterwork
2018-03-15

 

Bill Frisell、ソロギター作品。
 前作はECM復帰のライブ録音“Small Town” (2016)だと思いますが、本作は別のレーベルから。
 完全なソロ作品は“Ghost Town” (2000)以来でしょうか?
 短めの演奏で構成された全16曲のオリジナル曲。
 とても静かで穏やか。 
 かつての深刻系や強烈な違和感のメロディはなく、ハードロックなギターもほんの少々のみ。
 また、たっぷりのリバーブを効かせてボリュームペダルを多用してフワフワと・・・といった感じも薄らぎ、ソリッドでシンプルになった音。
 淡々と進む音。
 ジャズでもロックでもブルースでもフォークでもカントリーでもない、それらが交錯する音。
 個々のジャンルの色合いが薄くなり、長い年月をかけて溶け合い熟成されたようにも感じます。
 かつてECMで録音された“In Line”、”Rambler”、”Monica Jane”といった楽曲たちも表情を変え、熟成、あるいは枯淡の味わい。
 全編に流れる懐かし気で穏やかな空気感はAmerican Saudade。

 




 リーダー作、私が知る限り。
 Paul Motianバンドを始め、サポートをの名演は数知れず。
 なんでもやってしまう人ですが、なんだかんだでRy Cooderのように、アメリカンルーツミュージックがお好きなのでしょうねえ。

In Line” (1983)
Rambler” (1984)
Lookout for Hope” (1987)
Before We Were Born” (1989)
“Is That You?” (1990)
“Where in the World?” (1991)
“Have a Little Faith” (1992)
“This Land” (1994)
“The High Sign/One Week|The High Sign/One Week: Music for the Films of Buster Keaton” (1995)
“Live” (1995)
Quartet” (1996)
Nashville” (1997)
Good Dog, Happy Man” (1999)
Ghost Town” (2000)
“Blues Dream” (2001)
“The Willies” (2002)
“Unspeakable” (2004)
“Richter 858” (2005)
East/West” (2005)
“Further East/Further West” (2005)
“Floratone” (2007)
“History, Mystery” (2008)
“Disfarmer” (2009)
Beautiful Dreamers” (2010)
Lagrimas Mexicanas” (2011)
“Sign Of Life” (2011)
“All We Are Saying” (2011)
“Big Sur” (2013)
“Guitar in the Space Age!” (2014)
“When You Wish Upon a Star” (2016)
Small Town” (2017)
Music IS” (2018)


posted by H.A.




【Disc Review】“Lagrimas Mexicanas” (2010) Vinicius Cantuaria & Bill Frisell

“Lagrimas Mexicanas” (2010) Vinicius Cantuaria & Bill Frisell

Vinicius Cantuária (vocals, percussion, acoustic guitar) Bill Frisell (acoustic guitar, electric guitar, loops)

Lagrimas Mexicanas
Vinicius Cantuaria
Imports
2011-03-22


 ブラジルのシンガーソングライターVinicius CantuáriaとBill FrisellのDuo作品。
 Bill Frisellがゲスト参加したジャジーなMPB“Samba Carioca” (2010) Vinicius Cantuariaと同時期の制作。
 Vinicius Cantuáriaのいつもの作品とは少々印象が異なります。
 静かなMPBではなく、アメリカ南西部~メキシコが入り混じる、少しざらついた空気感、フォークロックな音。
 タイトルは”メキシコの涙”。
 ギターのDuoにいくらかのオーバーダビングを加えた静かなサウンド。
 中米、南米が交錯するような哀愁のメロディに、Bill Frisellのソリッドながら一風変わったギター、クールで甘い囁きヴォイスが乗ってきます。
 柔らかで沈み込むVinicius Cantuáriaの音楽に、ソリッドな芯を作りつつあちこちに動き回るBill Frisell。
 甘すぎず辛すぎない、落ち着きすぎず暴れすぎない、そんなバランスの中で、さりげなく複雑に絡み合うギターのアンサンブル。
 強い浮遊感、何曲かではハワイなムードさえ漂う楽園ムード。
 Ry Cooder流Tex-Mex“Chicken Skin Music” (1976)、あるいはブラジルMinasな“Antigas Cantigas” (1999) Renato Motha, Patricia Lobatoにもそんな感じがありましたが、どこか繋がっているのでしょうねえ。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Beautiful Dreamers” (2010) Bill Frisell

“Beautiful Dreamers” (2010) Bill Frisell

Bill Frisell (guitar)
Eyvind Kang (viola) Rudy Royston (drums)

Beautiful Dreamers
Bill Frisell
Savoy Jazz
2010-08-31


 Bill Frisellの変則トリオでのアルバム。
 “Quartet” (1996)あたりから共演が続く弦奏者とドラム。
 それ、あるいは“Lookout for Hope” (Mar.1987)、“Before We Were Born” (1988)あたりの流れを汲むのであろう、とても妖しく不思議なコンテンポラリージャズ。
 が、とても静かになった音。
 ビオラがサックスに変わるとPaul Motianトリオになそうな編成なのですが、不思議さはこちらの方が上。
 例のカントリーとブルースが入り混じるようなマカロニウエスタン風、摩訶不思議な展開のオリジナル曲、あるいはアメリカンスタンダードのメロディに、すっとぼけたような摩訶不思議なアンサンブル。
 ビートはステディですが、フロントの二人がどちらが前に立つでもない、コレクティブインプロビゼーションのような絡み合いがひたすら続きます。
 懐かし気なようで、ポップなようで、歪んだ時空のこの人の音楽。
 美しい夢が見えるか、摩訶不思議な悪夢にうなされるかは聞く人次第。




posted by H.A.


【Disc Review】“Congo” (2017) Rodrigo Tavares

“Congo” (2017) Rodrigo Tavares

Rodrigo Tavares (guitars)
Pedro Santana (bass) Felipe Continentino (drums) 
Fred Selva (vibes, congas) Marcus Abjaud (Fender Rhodes) Thiago Nunnes (guitar) Felipe Bastos (percussion) Breno Mendonça (tenor sax)

CONGO [12 inch Analog]
RODRIGO TAVARES
HIVEM
2018-03-09


 ブラジル、ミナスのギタリストRodrigo Tavaresの現代フュージョンミュージック。
 Bill FrisellJakob Bro、あるいはいわゆる音響系的なギターを中心とした、ジャズともロックともつかない不思議感たっぷりな音。
 ロックがベースなのだと思いますが、静かで複雑な現代的なビート感のギタートリオを中心として、ゲストの音が彩りを付けていく構成。
 たっぷりのリバーブ、ディレイ?で揺らぐ音ながら芯が明確なギターと、静かで乾いた音のリズム隊。
 多くの場面で鳴っているビブラフォン、あるいはエレピがクールで幻想的な空気を作る心地よい空間。
 オーソドックスなシングルーンのインプロビゼーションの場面は少なく、アルペジオあるいはシンプルなフレーズ、コードの繰り返しを中心とした音作り。
 瞑想的なフレーズの繰り返し、次々と緩やかに景色が変わっていくような音の流れは、ジャズというよりもソフトなミニマルミュージック+αってな感じでしょうか。
 メロディアスなような曖昧なような淡い空気感、懐かしいような先端的なような不思議な音の流れ、薄い乳濁色のような曖昧な時空。
 整っているようで不思議感たっぷり。
 どことなく哀し気で懐かし気、やはりSaudadeな空気感が流れているのでしょう。
 が、この界隈では珍しく、少々ダークな質感。
 伝統やジャンル、フォームにこだわらない、今の時代のブラジルの音。
 ジャケットのアート、そのままな音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Returnings” (2018) Jakob Bro

“Returnings” (2018) Jakob Bro

Jakob Bro (guitar)
Thomas Morgan (double bass) Jon Christensen (drums)
Palle Mikkelborg (trmpet, flugel horn)

Returnings
Universal Music LLC
2018-03-23


 デンマークのギタリストJakob Bro、“Streams” (2015)に続くECM制作。
 ドラムが前々作“Gefion” (2013)のJon Christensenに戻り、ベースは不動のThomas Morgan。
 さらに同じくデンマークのベテラントランペッターPalle Mikkelborgが加わります。
  前二作と同じく、淡くて漂うようなマイルドな音、薄く乳濁色が掛かったような幻想的な空気感。
 トランペットが加わることで音の輪郭がシャープになり、哀し気なミュートの音が寂寥感を助長しますが、空気感は変わりません。
 全編ゆったりと漂うようなテンポ。
 ふわふわとしたギターに、静かにグルーヴするベース、フリーにアクセントをつけるドラム。
 その穏やかであいまいな時間に寄り添うようなトランペット。
  “Gefion” (2013)にも収められていた哀し気なバラード"Oktoberから始まる、淡くて不思議な時間の流れ。
 強いビートはなく、強い音もフリージャズ混じりのタイトル曲”Returnings”のみ。
 淀んだ時間、迷宮に迷い込んだような、どこかわからない世界にいるような時間が続きます。
 とても穏やかで温かですが、なぜか強い寂寥感。
 その最後に収められた前向きな短いバラード”Youth”。
 全体を通して聞けば、少し抽象的で哀しい映画のようなさり気ないドラマチックさ。
 そんな構成がこの人のアルバムのカッコよさ。
 こんな空気感がDanish Saudadeなのかもしれません。




posted by H.A.


【Disc Review】“Erudito opular e Vice Versa” (2014) Teco Cardoso & Tiago Costa

“Erudito opular e Vice Versa” (2014) Teco Cardoso & Tiago Costa

Teco Cardoso (Sax, Flute) Tiago Costa (Piano)

Erudito Popular E Vice-Versa
Teco Cardoso & Tiago Costa
Maritaca
2017-03-24


 ブラジリアン二人、ピアノと管によるクラシック寄りコンテンポラリージャズ。
 二人ともブラジル系アーティストのアルバムでしょっちゅう見かける名前。
 Teco Cardoso はJoyce、Tiago CostaはMaria Ritaのハンドメンバー。
 そんな押しも押されもせぬファーストコールな名人二人による、クラシックの香りも漂う上品で上質なブラジリアンジャズ。
 MPBがカッコいい理由は、そんな名手がキッチリ背景を固めているからなのでしょう。
 オリジナル曲を中心にブラジルの伝統曲。
 ジャズ~ラテンだけではなく、クラシック~ヨーロッパの香りがするピアノに、これまたクラシックな感じも散りばめた上品な管楽器。
 二人だけゆえに、加速と減速を繰り返すビートが伸び縮みするような演奏が中心ですが、決して奇をてらわない、穏やかで上質な時間。
 たくさんありそうであまりないジャズ系のピアノと管のDuo作品。
 アメリカンな“1975: The Duets” (1975) Dave Brubeck, Paul Desmond, “Songs of Mirth and Melancholy” (2011) Branford Marsalis, Joey Calderazzo、
 アフロキューバンな“And the Cuban Piano Masters” (1996) Jane Bunnett、
 フリージャズな“Double Time” (1993) Paul Bley / Jane Bunnett、
 ヨーロピアンな“On the Edge of a Perfect Moment” (2005) Rita Marcotulli, Andy Sheppard、“Hagar's Song” (2012) Charles Lloyd(アメリカ人ですが・・・)・・・
 本作はクラシック寄りのブラジリアンジャズ。
 さてお好みは・・・?




posted by H.A.


【Disc Review】‎“Angelus” (2012) André Mehmari

‎“Angelus” (2012) André Mehmari

André Mehmari (piano)
Betina Stegmann, Nelson Rios (violin) Marcelo Jaffé (viola) Robert Suetholz (cello)
Sérgio Burgani, Diogo Maia, Luca Raele (clarinets) Luis Eugênio Afonso Montanha, Nivaldo Orsi (clarones)
Davi Sartori (piano) Antonio Loureiro (vibraphone) Gabriel Schwartz, Sebastião Interlandi Jr (flute) Raiff Dantas Barreto (cello) Vinícius Lacerda (pandeiro)

Angelus
Andre Mehmari アンドレメーマリ
Tratore
2013-10-28


 ブラジルのスーパーピアニストAndré Mehmari、クラシック寄りの作品。
 “Orquestra À Base De Sopro De Curitiba & André Mehmari” (2011)はホーン中心でしたが、本作はストリングスカルテットとのアンサンブル、クラリネットとのアンサンブル、コンボの三部構成。
 元々クラシック色の強い音使いが多い人ですが、本作はジャズ色、MPB色を排したクラシックなアルバム。
 ここまでクラシック色が強いのは“Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014)と本作ぐらいでしょうか?
 全編クラシックなアルバムですが、ヨーロッパ系の洗練された感じのクラシックとは少し違う、より古典的?な感じと現代音楽が混ざったような、いかにもこの人のクラシック。
 一部は少し沈んで敬虔な感じ、哀しげなメロディ、変幻自在のストリングスとピアノが絡み合う”Angelus”組曲。
 二部はクラリネット群を従え、妖しげに徘徊するような”A Vida das Moscas”。
 ストリングスを絡めた楽曲を挟んで、三部はチェロ、ビブラフォン、フルートが絡み合うクラシカルブラジリアンジャズフュージョン”Pequena Suíte Popular Brasileira”。
 好みからすれば少々のジャズの香りがするコンボの演奏がいいのですが、クラシックを好んでは聞かない耳には前半の演奏も新鮮に聞こえます。
 ジャズやポップスに疲れた耳と脳への清涼剤・・・にしてはちょっと激しいのかな?
 とにもかくにも、優雅で上品、ちょっと激しいAndré Mehmariの音楽、そのクラシック版。




posted by H.A.



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