吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2010-2019

【Disc Review】“Corpo de Baile” (2014) Monica Salmaso

“Corpo de Baile” (2014) Monica Salmaso
Monica Salmaso (voice) 
Nelson Ayres (piano, acordeon) Paulo Aragão (guitar) Neymar Dias (viola, bass)
Teco Cardoso (sax, fluete) Nailor Proveta (clarinete) 
Quarteto de Cordas Carlos Gomes, formado por Cláudio Cruz, Adonhiran Reis (violin) Gabriel Marin (viola) Alceu Reis (cello) and others

Corpo De Baile
Monica Salmaso
Imports
2014-08-19


 ブラジル、サンパウロのボーカリストMonica SalmasoのGuinga作品集。
 現時点では最新作?、Guinga本人との共演作“Porto Da Madama” (2015) の少し前の制作でしょうか。
 ハスキーな声で沈み込むように歌うクラシカルなボイスと、妖し気なほどにムーディでセンチメンタル、さらに少々厭世的、幻想的にも聞こえるGuingaのメロディとの組み合わせ。
 サポートは少人数のコンボにストリングス。
 想像通りの静謐で優雅、少々妖し気な音。
 ここまでくるとMPBと分類してしまうのことに違和感があるかもしれないクラシカルな音の流れ。
 ストリングスがサポートの主役、フルート、クラリネットもクラシックのそれのように聞こえてきます。
 Guingaさん本人のギターとボイスだとどこか遠い所に連れていかれそうになる感じですが、このアレンジ、ボイスだとほどよく現世に踏みとどまっている感じでしょうか。
 それでも時折さり気なくつま弾かれる普通のギターの音が、なぜか別の時空から聞こえてくるようにも感じられるのは、Guingaさんのメロディゆえ、あるいはMonica Salmasoのボイスゆえでしょうか?
 メロディ、ボイス、バンド、ストリングスが一体となって醸し出す強烈な浮遊感。
 何気なく流していると、どこの国のいつの時代なのか、意識が曖昧になってくる、ほどほどの非現実感。
 現代のヒーリングミュージック、あるいは新手のトリップミュージック・・・になるかな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Guris” (2016) Jovino Santos Neto, Andre Mehmari

“Guris” (2016) Jovino Santos Neto, Andre Mehmari
Jovino Santos Neto (piano, melodica, flute) Andre Mehmari (piano, harmonium, rhodes, bandolim)
Hermeto Pascoal (teakettle, melodica)

Guris
Jovino Santos Neto
Adventure Music
2017-07-21


 ブラジル人ピアニストJovino Santos Netoと、同じくAndre MehmariのDuo。
 Hermeto Pascoalの作品集。
 ブラジル系のアーティストにとって、Jobim、Joao Gilbertは言わずもがな、Egberto GismontiHermeto Pascoalも神のような人なのでしょう。
 ピアノ二台の音を基本として、フルート、メロディアなどで彩りを加える形。
 Hermetoさん本人も三曲ほどに参加し、得意の不思議な音を出してます。
 意外なのが二人のピアノの色合いが似ていること。
 大先輩方に敬意を払ってかどうか、Andre Mehmariが抑え気味なこともあるのでしょうが、随分落ち着いた演奏。
 実はJovino Santos Netoからの影響も小さくないのでしょうかね?
 子弟か兄弟のような、ぶつかることのない、自然な二台のピアノの絡み合い。
 でも、たまに高音でぶっ飛んだ音が聞こえるのは、いつものMehmariさんなのでしょうね・・・?
 ん・・・?
 基本的にはHermeto Pascoalの色合いのブラジリアンフュージョンというか、インスツルメンタルMPBなのだけども、全編を通じたジャジーなムード、要所でのクラシック香りは、Jovino Santos Neto、Andre Mehmariそれぞれの得意な色合いが出ている演奏、場面なのでしょう。
 Hermeto Pascoalのメロディの中でそれらが交錯する音の流れ。
 端正で上品、いろんな要素が交錯するピアノミュージック。
 ボッサやサンバとは違うけども、全体を漂う郷愁感。
 もちろんブラジル風味120%。





 Andre Mehmari参加作品、私が今知る限り。
 他にもたくさんあるのでしょう。
 ジャズだろうがクラシックだろうが、何でも凄いピアノを弾いてしまう人。
 当然、駄作なし。
 徐々にジャズ色が薄くなり、クラシックっぽさ、またタッチが強くなってきているようにも聞こえます。
 私的にはオムニバス盤“Veredas”あたりまでの柔らかい音楽、ピアノが一番好み。
 もちろん近作も格調高くて素晴らしいのですが。

edição comemorativa: 10 anos de lançamento” (1998) with Celio Barros
Forcas D'Alma” (1999) Tutty Moreno 
nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso
“Canto” (2002)
Áfrico” (2002) Sérgio Santos
Lachrimae” (2003) 
Piano e Voz” (2004) with Ná Ozzetti
“Ia Ia” (2004) Monica Salmaso
Sergio Santos” (2004) Sergio Santos
Continuous Friendship” (2007) with Hamilton de Holanda
Io So” (2007) Sergio Santos
de arvores e Valsas” (2008)
Veredas” (2006-2008) Omnibus
Miramari” (2008) with Gabriele Mirabassi 
“Nonada” (2008) with Rodolfo Stoeter, Tutty Moreno, Nailor Proveta, Teco Cardoso
Litoral e interior” (2009) Sérgio Santos
Gimontipascoal” (2009, 2010) with Hamilton de Holanda
Antonio Loureiro” (2010) Antonio Loureiro (一曲のみ)
Canteiro” (2010, 2011)
Naissance” (2012) François Morin
Afetuoso” (2011)
Triz” (2012) with Chico Pinheiro, Sérgio Santos 
“Orquestra A Base De Sopro De Curitiba e André Mehmari” (2012)
"Macaxeira Fields" (2012)  Alexandre Andrés
Arapora” (2013) with Francois Morin
Tokyo Solo” (2013)
“Angelus” (2013)
“Ao Vivo No Auditorio” (2013) with Mario Laginha
Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014)
”Caprichos" (2014) Hamilton de Holanda (一曲のみ)
As Estacoes Na Cantareira” (2015)
Partir” (2015) Fabiana Cozza (一曲のみ)
"MehmariLoureiro duo" (2016) with Antonio Loureiro
Três no Samba” (2016) with Eliane Faria, Gordinho do Surdo
Guris” (2017) with Jovino Santos Neto

posted by H.A.




【Disc Review】“Agora e Sempre” (2016) Zeli Silva

“Agora e Sempre” (2016) Zeli Silva
Zeli Silva (bass)
Moises Alves (piano) Fernamdo Correa (guitar) Edu Ribeiro (drums) Vitor Alcantara (sax, flute)
Cleber Almeida (Percussion, drums) Lulinha Alencar (sanfona) 
Vinicius Gomes, Thiago do Espirito Santo (guitar) Antonio Baeker (piano) Paulo Malheiros (trombone) Lea Freire (flute) Dado Magnelli (Clarinet) Daniel D'ALcantara (Flugelhorn, trumpet) Samuel Pompeu (clarone) Fabio Peron (Bandlim)
Arismar do Espirito Santo (Piano, voice) Sergio Santos (voice, guitar) Ana Luiza, Vanessa Moreno, Livia Nestrovski, Filo Machado, Simone Guimaraes (Voice)

Agora E Sempre
Zeli Silva
Tratore
2016-09-18


 ブラジル人ベーシストのMPB作品。
 音作りはブラジリアンジャズフュージョンなのですが、全曲ボーカル入りなので、ジャジーなMPBな色合い。
 ピアノトリオ+ギターのブラジリアンフュージョンバンドのオーソックスな編成に、アコーディオンやホーン陣などが彩りを添え、男女のゲストボーカリストが代わる代わるフロントを取る形態。
 Edu Ribeiroをはじめ、どこかで名前を見たことのあるような、ないようなメンバー、いずれも手練れた演奏。
 派手な演奏やエキサイトな場面があるわけではないのですが、穏やかで上品。
 上質なブラジリアンジャズフュージョン。
 柔らかでしなやかな質感、不要い浮遊感の中、色々なタイミングで色々な音が零れ落ちてくるような流れは、ブラジリアンならではの音作り。
 その洗練された都会的な色合いの系。
 これまた洗練されたメロディの楽曲含めて、インスツルメンタルだけでも結構な名作になりそうなのですが、さらに素晴らしいボーカルが載ってきます。
 ボーカリストの有名どころはSergio Santosぐらいでしょうか?
 が、例外なく全員素晴らしいボーカリスト。
 中でもAna Luizaが出色でしょうか。
 現代最高のボーカリストだと思うGisele De Santiをもう少し軽く、スモーキーにした感じ。
 フワフワと漂うようなシルキーボイス。
 果たしてブラジルにはどれだけとんでもないボーカリストがいるのでしょうかね?
 この人の二曲だけでも買い。
 もちろんその他の曲も素晴らしい、全曲外れなしのジャジーMPBアルバム。




posted by H.A.

【Disc Review】“Alma Lirica Brasileira” (2011) Monica Salmaso

“Alma Lirica Brasileira” (2011) Monica Salmaso
Monica Salmaso (voice) 
Nelson Ayres (piano) Teco Cardoso (flute, sax)

Alma Lirica Brasileira
Monica Salmaso
BISCOITO FINO
2011-06-10


 ブラジルのボーカリストMonica Salmasoのしっとり系MPB、2011年作。
 ベース、ドラムを排して、ピアノと管楽器のみのサポートでのバラード集。
 ボッサ、サンバではなく、ミナス~フォルクローレ、さらにクラシックの空気感も強い、静かで上品な作品。
 もともと沈みがちなハスキーな低音ボイスの人、内省的というよりも、それを通り越したような神秘的な声。
 バンドは少し前の作品“Noites de Gala - Samba Na Rua” (2006)と同様、”Pau Brasil”なるバンド?ムーブメント?のメンバーの二人。
 静かで上品、Andre Mehmariを想わせるクラシカルなピアノに、彩を加える優しい管の音。
 それらを背景に慈しむようなボイスが漂います。
 穏やかで静謐、ゆったりと流れる時間。
 ヒーリングミュージック、なんて言葉はあまり聞かなくなったけれども、まさにそんな音。
 楽曲はブラジルの伝統曲に、Jobimをはじめとした大御所たちのメロディが中心。
 但し、有名どころの曲を選んででいるわけではないし、空気感も単なるカバーとは異なります。
 かといって奇をてらったことをしているわけでもなく、なんだか不思議です。
 全編を通じてどこか懐かし気な空気感が立ち込めていて、ジャケットなどの作りも含めてクラシカルなのですが、決して古い感じではなく、なぜか現代的・・・なのか、どうなのか不思議な質感。
 ネオ・クラシカル・ブラジリアン・・・なんて言葉があるとすれば、それがぴったりとくるムード。
 さらに、見えてくる景色は広大な大地か、ゆったり流れる大河か、静かで穏やかな海のようでもあるし、さり気なく流れるせせらぎのようでもあるし・・・
 サンパウロにはたくさんの若手のクリエイティブな人たちが集まっているようで、すでに大御所?のAndre Mehmariはもとより、女性ボーカリストもDani Gurgel, Tatiana Parraなどがカッコいい音をたくさん作っています。
 その二人は元気系でスキャットを中心に飛び跳ねるタイプですが、この人はあくまでもしっとり系。
 幻想的で神秘的なムードは巫女さんみたいですね。
 現代ブラジル最高の女性ボーカリストとして、Gisele De SantiRosa Passosをツートップと書いたような気がするけれども、この人も加えてスリートップとしますかね?
 ボッサではない、静謐で奥深いブラジル、代表作・・・かな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Gisele De Santi” (2011) Gisele De Santi

“Gisele De Santi” (2011) Gisele De Santi
Gisele De Santi (voice) 
Alexandre Vianna (piano) Leonardo Boff (Rhodes) Fabricio Gambogi (Guitars) Gilberto Ribeiro Jr. (Guitar, Sampler, Percussion) Ianes Coelho (guitar)
Carlos D’Elia, Ever Velaz, Clovis Boca Freire (bass) Diego Silveira (drums, Percussion) Fernando Sesse (percussion)
Huberto “Boquinha” (trombone) Rodrigo Siervo (Tenor sax) Tuzinho Trompete (trumpet) Mateus Mapa (flute, voice)
Vagner Cunha (Violin, Viola) Alexandre Diel, Milene Aliverti (cello)
Matheus Kleber (Accordion) Marcelo Delacroix (voice)

Gisele De Santi
Gisele De Santi
Tratore Music Brasil
2006-09-30


 現代サンバのGisele De Santiのデビュー作。
 サンバ寄りのMPB、かなりポップス寄り。
 次作“Vermelhos e Demais Matizes” (2013)は名作ですが、本作も同じテイスト。
 透明度の高い美しいボイスと、微妙に裏声と表声が行き来するとても素敵なボイスコントロール。
 もちろん肩に力が入っていない(ように聞こえてしまう)フワフワとした典型的なブラジリアンテイスト。
 現代ブラジル最高のボーカリスト・・・と書いてしまうと最高が何人にもなってしまって困るのだけども、何度聞いてもそう思えてしまう素晴らしい声と歌。
 私的にはRosa Passosとこの人がツートップ。
 さらに素晴らしいのが、本人が書いたオリジナル曲。
 根底にはサンバ、ブラジリアンテイストが流れているのでしょうが、フレンチポップスのようだったり、歌謡曲のようだったりする、少々センチメンタルで小粋なメロディ。
 アレンジは、穏やかながらタイトなビートに、ストリングスやら、エレキギターやら、ホーンやらが交錯する、いかにも今風のポップス然とした作り。
 もちろん、時にはいかにもサンバなパーカッションや、アコーディオン、さらにはジャジーなピアノやギターも交錯します。
 現代的なようで、ちょっとノスタルジック感もあったり。
 少々前のJ-Pop風だったり、オーガニック系のポップスだったりする場面もあるので、それに耳慣れた日本人にとってもとても心地よいのではないのかな?
 トラディショナル系のサンバとは距離のある、また、ナチュラル系とも少々違う感じのポップテイスト。
 ポップス色の強いMPBは苦手ですが、本作、この人の作品は別。
 この声とメロディには勝てません。
 次作“Vermelhos e Demais Matizes” (2013)、しっとり系に大きく振った次次作“Casa” (2016)、いずれも名作です。



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