吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2000-2009

【Disc Review】“New Morning” (2008) Sabrina Malheiros

“New Morning” (2008) Sabrina Malheiros
Sabrina Malheiros (Vocals)
José Roberto Bertrami (Organ, Piano, Synthesizer) Fernando Moraes (Clavier, Clavinet, Fender Rhodes, Organ, Piano, Synthesizer) Zé Carlos (Guitar)
Alex Malheiros (Bass, Guitar, Vocals) Saulo Bezerra De Melo (Bass)
Paulo Braga, Ivan Conti (Drums) João Hermeto, Zero (Percussion)
Idriss Boudrioua (Alto Sax) Paulo Guimarães (Flute, Piccolo) Eduardo Neves, Fernando Neves (Flute, Sax) Jessé Sadoc (Trumpet) Vittor Santos (Trombone)
Leticia Dias, Valéria Lobão, Márcio Lott (Vocals)
Arthur Verocai (Guitar, Tenor Sax) 
Daniel Maunick (Programming, Sound Effects, Synthesizer)
and Strings

ニュー・モーニング
サブリナ・マリェイロス
ビクターエンタテインメント
2008-06-25


 ブラジルのボーカリストSabrina Malheirosのセカンド?アルバム。
 MPBの重鎮Arthur Verocaiも参加していますが、先の“Equilibria” (2005)と同様にプロデューサーはIncognitoのファミリーのDaniel Maunick。
 ブラジル的Incognitoサウンドというか、イタリアンなクラブジャズサウンドボッサというか・・・
 基本的には前作と同じテイストですが、少人数で作ったのであろう前作に比べるとデジタルっぽさが薄くなり、シンセサイザーではない本物のストリングス、ホーンなども加わりゴージャスな音作り。
 よりクールなのは前作かもしれませんが、いかにも気合入ってます、な音作り。
 リーダーのボイスは、サラリとナチュラルに歌うスタイルが板についてきたようにも感じます。
 ガッチリ作りこまれたアレンジ、厚めでゴージャスなバックサウンドと、サラリとクールな歌の好対照。
 楽曲は本人に加えて、父上Alex Malheiros、Arthur Verocai、などのオリジナルを中心として、Carole Kingの”It's Too Late”など。
 本作も前作に引き続きそこはかとない哀愁が漂うキャッチーなメロディ揃い。
 前作に引き続き、捨て曲なしのカッコいいメロディ、アレンジの楽曲が並びます。
 私的にはもっと薄くて軽いサウンドの方が好みなのですが、こちらの方が一般受けはするのでしょうかね?
 オシャレで、ポップでダンサブル。
 おまけにゴージャスなブラジリアンファンクな一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Equilibria” (2005) Sabrina Malheiros

“Equilibria” (2005) Sabrina Malheiros
Sabrina Malheiros (Vocals)
Zé Carlos Santos, Jean-Paul "Bluey" Maunick (Guitar) Kiko Continentino (Piano, Electric Piano, Organ) Alex Malheiros (Bass, Guitar, Keyboard, Backing Vocals) Chico Batera (Drums, Percussion) and others

Equilibria
Sabrina Malheiros
Far Out UK
2005-08-02


 ブラジルのボーカリストSabrina Malheirosのデビュー作。
 あのブラジリアンフュージョンバンドAzymuthのベーシストの娘さん。
 ボイスは、ウイスパー系ではない透明度の高い可憐系。
 お父上も参加してAzymuthサウンドか?と思いきや、少々空気感は異なります。
 エレピよりもギターが前面に出ることもあるのですが、ビート感が少々堅め、懐かしい感じのフュージョンサウンドと現代的なクラブ系ボッサがフュージョンした音。
 クレジットを見てみると、レーベルはイギリスのFar Out Recordings、プロデューサーはあのIncognitoのJean-Paul 'Bluey' Maunickのお子さんDaniel Maunick。
 なるほど・・・な1980~90年代ブリティッシュファンク~フュージョンな感じも混ざった音。
 メンバーはブラジル系中心で、ビートはボサノバ中心ですが、ブラジルなのかイギリスなのかイタリアなのかよくわかりません。
 とにもかくにもオシャレでスタイリッシュ、カッチリした感じのビート感強めのボサノバサウンド。
 ちょっと前のクラブあたりで流行ったような感じがありあり。
 さらにいかにも"Bluey"なギター(もちろん本人)のカッティングと、最近あまり効かなくなった感じのシンセの響きが要所にフィーチャーされます。
 そんなポップでオシャレな感じ。
 楽曲は本人に加えて、父上Alex Malheiros、Daniel Maunickなどのオリジナル曲中心。
 これまた都会的で洗練されたオシャレな感じの楽曲が揃っています。
 さすがの完成度とポピュラリティ。
 ときおりの少々のデジタル臭はご愛敬。
 クールでキャッチーなブラジリアンファンク~ポップス。
 ・・・最近はあまり聞かれなくなったサウンドではあるのかな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Melange Bleu” (2006) Lars Danielsson

“Melange Bleu” (2006) Lars Danielsson
Lars Danielsson (cello, acoustic bass, Fender bass, piano, Fender Rhodes)
Bugge Wesseltoft (piano) Eivind Aarset (guitar) Gustaf Ljunggren (steel guitar, syntheziser) Jon Christensen (drums, percussion) Anders Engen (drums)
Jan Bang (samples, livesampling) Pål ''Strangefruit'' Nyhus (vinyl channeling) Vytas & Mario Basanov (beats & samples) Xavier Desandre Navarre (percussion)
Nils Petter Molvaer (trumpet) Cæcilie Norby (voices)
Copenhagen Concert Orchestra

Melange Bleu
Lars Danielsson
Act
2006-10-24


 Lars Danielsson の静かでクールなフューチャージャズ的作品。
 メンバーには“Libera Me” (2004)にも参加していたノルウェーのNils Petter Molvaer人脈の面々の名前。
 Nils Petter Molvaerの諸作ほど暗くて激しい場面があるわけはありませんが、いかにもそれらしいビート、展開もしばしば。
 が、全体の音の流れはあくまで静謐です。
 Bugge Wesseltoftの色合いが最も強く出ているのかもしれませんが、いずれにしてもノルウェー系のクリエイティブ系ジャズ、あるいはラウンジ系ミュージックの色合い。
 そんな電子音を含めたクールで淡々とした色合いと、Lars Danielssonの昭和的?哀愁ジャズのフュージョンミュージック。
 悲し気なメロディとクールで電子的なビートを背景にして、寂寥感の塊のようなトランペットやら、美しいピアノやら、チェロやら・・・
 私が知る限りのLars Danielsson諸作ではほとんどなかった無機質な感じが強く、とてもクール。
 ちょっと聞いただけでは彼の作品とは思わないかもしれません。
 ひんやりとした質感と淡々と進むリズム、少々のデジタル臭~人工感。
 彼の作品としては異色で、ジャズ的な色合いも薄いのですが、とても心地よい音。
 ジャズジャズした他の作品よりもポップに聞こえるかもしれません。
 この作品のピアノはノルウェーのBugge Wesseltoft
 近作の若手ピアニストのように突っ走ることはありませんが、電気楽器の使い方を含めて、とてもクールでかつ悲し気な表情。
 Lars Danielssonバンドのピアニスト、古くはスウェーデンの大御所Bobo Stenson、先の“Libera Me” (2004) ではデンマークのCarsten Dahl
 さらに本作と並行して、あるいはこの後、ポーランドのLeszek Możdżerとのコラボレーション“The Time” (2005)、“Between Us & The Light” (2006)、”Pasodoble” (2006,2007)、“Tarantella” (2009)・・・・ ‎が始まり、次いでアルメニアのTigran Hamasyanを迎えて“Liberetto” (2012)、“Liberetto II” (2014)、最近作の“Liberetto III” (2017)ではフランス領カリブ系のGrégory Privatと、凄いピアニストが並びます。
 どの人もスーパーピアニスト、本作含めて、どれも名作です。




posted by H.A.


【Disc Review】“Nik Bärtsch's Ronin Live” (2009-11) Nik Bärtsch's Ronin

“Nik Bärtsch's Ronin Live” (2009-11) Nik Bärtsch's Ronin
Nik Bärtsch (piano, electric piano)
Sha (alto saxophone, bass clarinet, contrabass clarinet) Thomy Jordi, Björn Meyer (bass) Kasper Rast (drums) Andi Pupato (percussion)

Nik Bartsch's Ronin: Live
Nik Ronin Bartsch
Ecm Records
2012-10-02


 スイスのピアニストNik Bärtschのライブアルバム。
 ECMで “Stoa” (2005), “Holon” (2007), “Llyria” (2010)といった作品を制作したバンドNik Bärtsch's Roninの集大成的な意味合い、それらのアルバムからのベストな選曲、各国でのステージからのベストな演奏のチョイスなのでしょう。
 もちろんファンクなビートと徹底したリフの繰り返しを中心とした、少々ダークなミニマル・ファンク・ジャズ。
 どこに入るか全く予想できないブレークを含めた複雑でポリリズミックなファンクビートと、これまた複雑なアンサンブル。
 音の構成はスタジオ録音諸作と同様なのですが、それらのどこか電子的で硬質なビート感と比べると、柔らかで、よりナチュラルなグルーヴが強調されているようにも感じます。
 さらにスタジオ録音作品ではあまりないジャズ的なインプロビゼーションの場面もそこそこの時間。
 ベースのソロから始まり、うねうねと動き回るそれと、静かだけども変幻自在のドラムを背景にかき回されるピアノ・・・
 前作"Llyria" (2010)はジャズ色も強い静かな感じでしたが、“Stoa” (2005), “Holon” (2007)のデジタル世代、現代のトランスミュージックっぽい雰囲気は薄くなっているようにも。
 それらここまでの三作の色合いを集約したようにも思われます。
 もちろん不思議感、徹底されたリフレインによる陶酔感と、じわじわと盛り上がっていく高揚感はそのままなのですが、微妙な空気感の違いが面白いところ。
 作品が新しくなるにつれ柔らかくなってきているようにも感じられ、この時点での最近作“Llyria” (2010)の流れがそのまままLiveで・・・といった感じでしょうか。
 このバンドの特徴であろう硬質でクールな質感がより強い方がよければ、“Stoa” (2005), “Holon” (2007)の方がよいのでしょうかね?
 そのあたりはお好み次第。
 クールな現代的トリップ&グルーヴミュージック、そのナチュラル&しなやかバージョン・・・かな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Stoa” (2005) Nik Bärtsch's Ronin

“Stoa” (2005) Nik Bärtsch's Ronin
Nik Bärtsch (piano, electric piano)
Sha (bass clarinet, contrabass clarinet) Björn Meyer (6-string bass) Kasper Rast (drums) Andi Pupato (percussion)

Stoa
Nik Bartsch
Ecm Records
2006-05-02


 スイスのピアニストNik BärtschのECM第一作。
 ミニマル・ファンク・ジャズとでも呼ばれているのでしょうか?
 Ronin(浪人)もさることながら、“Zen(禅)Funk”なる呼び方もあるようで、日本的なイメージも強く持っているのでしょう。
 果たして日本的な音かどうかはさておき、少々妖し気、不思議系で悲し気なリフと、ファンクなビートの組み合わせ。
 それを徹底的に繰り返すのがこの人の音楽。
 ファンクやエレクトリックMiles諸作と構造的には近い感じもする・・・ってなのは古い感覚で、全く違う複雑なビートとクールで無機質な空気感。
 映画"エクソシスト"を時代の流れの中で経験した世代としては、そのテーマ"Tubular Bells" (1973) Mike Oldfieldを想い起こします。
 その方向には明るくありませんが、その流れ、ミニマル、テクノの色合いを強く取り入れたジャズ、といったところなのでしょう。
 複雑なビートはなぜか硬質で電子ビートっぽくも聞こえるし、全体のムードはプログレッシブロックっぽくも聞こえるのだけども、あくまでアコースティックな静謐系ジャズ。
 そんな微妙なバランスの組み立て。
 インプロビゼーションの場面は少なく、アンサンブル中心。
 フロントのピアノやバスクラではなく、むしろウネウネと動くファンクなエレキベースと、定常なようで微妙に変化し続け、意外なところに入るアクセントが入る変幻自在のドラムの方が印象に残る不思議なバランス。
 そんな組み立てでの徹底的なリフの繰り返し。
 単調なようで少しずつ景色が変わっていくような不思議な楽器の絡み合い。
 あくまでクールな音の流れ。
 が、徹底したリフレインは、ファンクやゴスペル、エレクトリックMiles、あるいはサンバと同様に陶酔感を誘い、徐々に盛り上がっていく高揚感、疾走感。
 それがジャズとは異質な心地よさ。
 デジタル世代、クラブ世代、ゲームミュージック世代、現代のトランス&グルーヴミュージック。
 その界隈で人気なのもさもありなん。
 次作“Holon” (2007)へと続きます。




posted by H.A.
Profile
記事検索
タグ絞り込み検索
最新記事
  • ライブドアブログ