吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

1990-1999

【Disc Review】“Sagn” (1990) Arild Andersen

“Sagn” (1990) Arild Andersen

Arild Andersen (Bass)
Frode Alnæs (Guitar) Bugge Wesseltoft (Keyboards) Nana Vasconcelos (Percussion, Vocals) Bendik Hofseth (Tenor, Soprano Sax) Kirsten Bråten Berg (Vocals)

Sagn
Andersen, Arild
Ecm Import
2000-07-25


 ノルウェーのスーパーベーシストArild Andersen、1990年、ECMレコードでの制作。
 1970年代ECM作品“Green Shading Into Blue” (1978)のようなコンテンポラリージャズフュージョンでもなく、例の激烈ハイテンションコンテンポラリージャズでもありません。
 北欧民族音楽も強い、ほどほど幻想的、ほどほど優しく、ほどほど激しい無国籍コンテンポラリージャズ。
 メンバーはノルウェーの先端系の人達、さらには近くの“If You Look Far Enough” (1988,1991,1992) と同じくNana Vasconcelosも加わった多国籍、多ジャンルの面々。
 聞き慣れない音階の旋律、聞き慣れない言語の響き、朗々とした女声、静かで妖しいパーカッションに奇声、薄く流れる電子音にシンセサイザー、沈痛な色合いのハイテンションサックス、アコースティックからハードロックまで変幻自在なギター。
 基本的にはアコースティックな質感、北欧エスニックで勇壮なメロディ、敬虔な歌・・・、と思っているとシンセサイザーとシャープなビートのジャズフュージョン風・・・、その合間々にNanaさんのケッケッケッケッケー・・・・
 ってな感じで、いろんな要素、てんこ盛り。
 さすがECMな混ざり具合。
 全部合わせてとてもドラマチック。
 とても妖しく、重々しい場面もあるのですが、あまり気難しさ、沈痛さは感じません。
 マニアックですが優しい音。
 どこか流れている懐かしい感じがそう感じさせるのかもしれません。




posted by H.A.


【Disc Review】”Small Labyrinths” (Aug.1994) Marilyn Mazur's Future Song

”Small Labyrinths” (Aug.1994) Marilyn Mazur's Future Song

Marilyn Mazur (Percussion)
Elvira Plenar (Piano, Keyboards) Eivind Aarset (Guitar) Klavs Hovman (Bass) Audun Kleive (Drums)
Hans Ulrik (Saxophone) Nils Petter Molvær (Trumpet) Aina Kemanis (Voice)

Small Labyrinths
ECM Records
1997-03-03


 Marilyn Mazur、ユニットFuture SongでのECMレコードでの制作。
 とても静かなフリー寄り・アンビエント寄り・無国籍ミュージック。
 Miles Davis逝去後(?)、ECMで”Twelve Moons” (Sep.1992) などでJan Garbarekと共演していた時期。
 “Marilyn Mazur's Future Song” ‎(1990)のメンバー、ECMとの縁も浅くない北欧先端系+αの人たち。
 妖しいながらも普通にジャズフュージョンの色合い、音楽の輪郭が明確なそちらに対して、さすがECM、無国籍、ジャンルレス、不思議感たっぷり、静かな本作。
 静かなパーカッションやら、囁き声やら、突然の凶悪なエレキギターのグシャーングチョグチョやら・・・に導かれながら進む音。
 全編を漂う哀し気なムード、強い浮遊感。
 定まらないビートに、本来の(?)色合いなのであろう美しいピアノと美しいホーンのヨーロピアンジャズフュージョンの色合い、幻想的なスキャットの南米風味なども混ざり合いつつ、さらに電子音が醸し出す未来的なムードが交錯。
 静かに響く金属の打撃音、繰り返されるリフが引き起こす陶酔感と、その中、遠くから聞こえてくるときおりの美しいメロディ、呪術的にも響くヴォイスの危ないムード。
 それらが織り成す何が何だかわからない摩訶不思議な時間。
 パキーンとした感じの“Marilyn Mazur's Future Song” ‎(1990)他の諸作とは違った、不思議さ妖しさ200%。
 タイトル通りの迷宮、どこかわからない場所、時代へのトリップミュージック。
 淡くてフワフワした感じながら、それがとても危ない感じだったり、心地よかったり・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Circular Chant” (Mar.1994) Marilyn Mazur & Pulse Unit

“Circular Chant” (Mar.1994) Marilyn Mazur & Pulse Unit

Marilyn Mazur (Drums, Percussion, Voice)
Bugge Wesseltoft (Piano, Keyboards) Mikkel Nordsø (Guitar) Klavs Hovman (Acoustic Bass, Electric Bass) Jacob Andersen (Drums, Percussion)
Michael Riessler (Bass Clarinet, Clarinet) Hans Ulrik (Soprano, Saxophone, Flute) Nils Petter Molvær (Trumpet, Flute) Per Jørgensen (Vocals, Trumpet)

Circular Chant
Marilyn Mazur & Pulse Unit
Storyville Records
1995-03-14


 Marilyn Mazur、Future Song とは別バンドでの1994年作。
 基本的にはFuture Songと同じく、妖しいヨーロピアン・コンテンポラリー・ジャズフュージョン。
 強いけども柔らかなビート、ハイテンションで哀し気なムードも同様。
 北欧勢を中心に共通するメンバーも多いのですが、分厚いホーンのアンサンブルがビッグバンドのように響き、ホーン陣の強烈なインプロビゼーション、エスニック&プリミティブな男声が前面に出るのが大きな違いでしょうか。
 Future Songの女声スキャットが醸し出す南米風味の幻想的なムードが、アフリカンなのか北欧伝統系なのか勇壮な雄叫び系に代わって、また別の色合いの妖しさ120%。
 フリーで静かなパーカッションとホーンの絡み合いやら、ホーンの妖しいコレクティブインプロビゼーションやら、ディストーションなロックギターの陰鬱リフやら、電子音の飛び交うフリーな場面やら・・・
 エレキベースが弾み、シンセサイザーが絡み疾走を始めると、Weather Reportの初期と後期が混ざり合うような感じだったり・・・
 いろんな要素てんこ盛り。
 これだけ混ざると散漫だったり、難解だったりになりそうなのが、ひとつにキッチリフュージョンしまとまっていることの凄さ。
 これまた三十年近く前の音ながら古くなっていない、新感覚のジャズフュージョン。




posted by H.A.


【Disc Review】“Marilyn Mazur's Future Song” ‎(1990) Marilyn Mazur's Future Song

“Marilyn Mazur's Future Song” ‎(1990) Marilyn Mazur's Future Song 

Marilyn Mazur (Percussion, Drums, Voice)
Elvira Plenar (Piano, Keyboards) Klavs Hovman (Bass) Audun Kleive (Drums)
Nils Petter Molvær (Trumpet) Aina Kemanis (Vocals)



 Marilyn Mazur、1990年のコンテンポラリージャズフュージョン。
 かつてMiles Davisを支えた人。
 それと前後しながら動いていたのがこのバンドでしょうか。
 拠点はデンマークのようで、北欧含めてその周辺のメンバーを集めたユニット。
 リーダー作としては初なのかもしれません。
 複雑なビートとシンセサイザーな音があの時代を感じさせつつも、1980年代のガッチリしたアメリカンなフュージョンとは違う柔らかさ。
 “Time Unit” (1984) Lars Danielsson、“Motility” (1977) Steve Kuhn、“The Colours Of Chloë” (1973) Eberhard Weberあたりのヨーロピアンなジャズフュージョンに近い色合いでしょうか。
 それらにエスニックな色合いも混ぜつつ、妖しくした感じ。
 そんな音の中を漂う、ときに南米的、ときに呪術的、ときにAOR的、ときにフォーキーに聞こえる柔らかなスキャットボイス。
 とても幻想的。
 さらに寂寥トランペット、いかにもヨーロピアンな美しいピアノ、ときおりおとずれる強烈な疾走、フリージャズな混沌。
 てんでバラバラなような要素が、全部まとめて洗練されたジャズフュージョンとして積み上げられています。
 三十年経過した今の耳で聞いても古くは感じません。
 妖しくて柔らかでエキサイティング、そして美しい。
 名作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Points of View” (1997) Dave Holland

“Points of View” (1997) Dave Holland

Dave Holland (double bass)
Steve Nelson (marimba, vibraphone) Billy Kilson (drums)
Robin Eubanks (trombone) Steve Wilson (alto, soprano sax)

Points of View
Billy Kilson
Ecm Records
1998-09-15


 Dave Holland、1997年作。
 ヴィブラフォントリオ+二管のクインテット、Steve Nelsonのみが残り、めまぐるしくメンバーは変わります。
 ドラムは前作の鬼のようなGene Jacksonからこれまた鬼、この後長く共演するBilly Kilson、管はM-Base閥。
 後にビッグバンドまで拡大していきますが、“The Razor's Edge” (1987)あたりまでの分厚い感じとは少し違ったスッキリ系。
 ヴィブラフォンのクールで甘い響きゆえなのか、計算されたアンサンブルゆえなのか。
 いずれにしてもテーマ一発、順にソロを回して・・・ってなシンプルな感じよりも、複雑なテーマを複雑なアンサンブルでキッチリ決めつつ、ドカーンとくる各人のソロ、コレクティブなインプロビゼーションへと繋いでいく凝った編曲。
 ヴィブラフォンが前に出る場面も本作ではたっぷり。
 さらに乾いたスネアの音が目立つ激しいドラム。
 そして締めはマリンバの音がすっとぼけてるんだか、妖しいんだか、長閑なラテン調のトリオ演奏で締め。
 これまた珍味でよろしいのでは。
 この後音量とテンションをさらに上げていくバンド、ヴィブラフォンが目立つアルバムはこれが最後でしょうか。
 そんなバランスのDave Hollandバンド。




posted by H.A.


【Disc Review】“Dream of the Elders” (1995) Dave Holland

“Dream of the Elders” (1995) Dave Holland

Dave Holland (bass)
Steve Nelson (vibraphone) Gene Jackson (drums)
Eric Person (alto, soprano sax) Cassandra Wilson (vocals)

Dream of the Elders
Holland, Dave
Ecm Records
1996-03-26


 Dave Holland、1995年作。
 後々まで共演が続くビブラフォンが加わり、長くフロントを務めたSteve Colemanが交代、ドラムはこれまたスタイリストGene Jacksonに交代。
 形としてはワンホーンカルテット。
 さらにこれまたM-Base閥、後の女王Cassandra Wilsonが一曲に参加。
 例のドスの効いたビート、無骨で愛想のない楽曲に、ビブラフォンの涼しげな音が加わります。
 音の感じは変わりました。
 サックスはよりシャープな印象、全体的には少し軽くなった感じがします。
 後の二管作品と比べるとヴィブラフォンの出番、存在感がたっぷり。
 サックスが達人であることは言わずもがななのですが、それが引いてヴィブラフォントリオになる場面もカッコいい。
 突っ走るヴィブラフォン。
 “Extensions” (1989)のギターとは違う印象の疾走感。
 涼し気なようでハイテンションな怒涛のような演奏。
 爽やか・・・とはニュアンスが違った、後々までも続く独特のクールネスと激しい演奏のバランスが定まった感じでしょうか。
 なおCassandraさんはこの期にして既に貫禄たっぷり、例の異次元から響いてくるようなドスの効いた声、妖しいムード。
 全部含めてカッコいいコンテンポラリージャズ、クールかつ激しい系。
 Dave Holland諸作、分厚い音がよければ二管以上、スッキリ系がよければ本作か“Extensions” (1989)って感じでよろしいのでは。




posted by H.A.


【Disc Review】"Colors: Live from Leipzig” (1997) Ornette Coleman, Joachim Kühn

"Colors: Live from Leipzig” (1997) Ornette Coleman, Joachim Kühn

Ornette Coleman (Alto Saxophone, Trumpet, Violin) Joachim Kühn (Piano)


Colors
Kuhn, Joachim
Polygram Records
1997-08-19


 Ornette Coleman、Joachim KühnとのDuo、ライブ録音。
 強面スタイリストのお二人。
 名前だけで考えるとどこまでぶっ飛んでいくのか想像がつきませんが、意外にもまずまず落ち着いた感じ。
 素っ頓狂なテーマ一発、後はあちらこちらにぶっとんでいくあの音の動きですが、ドラムとベースがいない分、相方がピアノの分、諸作とは随分印象が異なります。
 Ornette Colemanの色合いをクラシカルな空気感で包んだような感じ。
 御大の音の動きに合わせるかのように転げまわり疾走する、クラシカルな色合いも纏ったピアノ。
 疾走と浮遊の交錯、どこに落ちつていていくか読めない展開。
 ルバートなスローバラードがグシャグシャと崩れていき、哀感を湛えたジャズバラードが気が付けば超高速に疾走しています。
 やはり変幻自在。
 が、いつもの流れに沿ってビートが伸び縮みする感じではなく、むしろ定常なビート感続きつつ徐々に崩れていくような、逆に常に漂っているような、何とも言えない不思議な質感。
 もちろん普通のジャズではなく、わかりやすい甘さはありませんが、難解さ気難しさもなし。
 ちょっと苦め、でもちょっと上品でカッコいいジャズ。





Something Else!!!!” (1958)
Tomorrow Is the Question!” (1959)
The Shape of Jazz to Come” (1959)
Change of the Century” (1959)
This Is Our Music” (1960)
Free Jazz” (1960)
“To Whom Who Keeps a Record” (1959-60)
Ornette!” (1961)
Ornette on Tenor” (1961)
“The Art of the Improvisers” (1959-61)
“Twins” (1961)
“Town Hall, 1962” (1962)
Chappaqua Suite” (1965)
“An Evening with Ornette Coleman” (1965)
“Who's Crazy Vol. 1 & 2” (1965)
“The Paris Concert” (1965)
“Live at the Tivoli” (1965)
At the "Golden Circle" Vol. 1& 2” (Blue Note, 1965)
“Croydon Concert” (1965)
"The Empty Foxhole” (Blue Note, 1966)
“The Music of Ornette Coleman - Forms & Sounds” (1967)
“The Unprecedented Music of Ornette Coleman” (1968)
“Live in Milano 1968” (1968)
New York Is Now!” (1968)
Love Call” (1968)
“Ornette at 12” (1968)
“Crisis” (1969)
“Friends and Neighbors: Live at Prince Street” (1970)
Broken Shadows” (1971)
Science Fiction” (1971)
“European Concert” (1971)
“The Belgrade Concert” (1971)
“Live in Paris 1971” (1971)
“Skies of America” (1972)
Dancingin Your Head” (1976)
“Body Meta” (1976)
“Soapsuds, Soapsuds” (1977)
“Of Human Feelings” (1982)
“Opening the Caravan of Dreams” (1983)
“Prime Design/Time Design” (1983)
Song X” (1986)
“In All Languages” (1987)
“The 1987 Hamburg Concert” (1987)
“Live at Jazzbuehne Berlin” (1988)
Virgin Beauty” (1988)
“Naked Lunch” (1991)
“Tone Dialing” (1995)
Sound Museum: Hidden Man” (1996)
Sound Museum: Three Women” (1996)
Colors: Live from Leipzig” (1997)
“Sound Grammar” (2006)

posted by H.A.

【Disc Review】“Sound Museum: Three Women” (1996) Ornette Coleman

“Sound Museum: Three Women” (1996) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone, trumpet, violin)
Geri Allen (piano) Charnett Moffett (bass) Denardo Coleman (drums)
Lauren Kinhan, Chris Walker (vocals)

Sound Museum (Three Women)
Ornette Coleman
Polygram Records
1996-08-13


 Ornette Coleman、1996年のセッション。
 “Sound Museum: Hidden Man” (1996)と同セッション。
 一部にボーカルが加わりますが、メンバーはもとより、楽曲、その並びまでほぼ同じ。
 アレンジもほぼ同じですが、本作の方が少々過激度が高いかもしれません。
 いずれかがアウトテイクなのか、元々二作として制作したのか、その違いを含めた何かを感じ取るべきなのか、何かを狙ったのかはわかりません。
 ジャケットのアート、タイトルの「隠された男」「三人の女」の意味するところも何とも・・・
 本作でも漂い、突っ走り、暴れまくるピアノ。
 過激なアルコに超高速に動きまくるべース、パタパタしながらドカーンとくるドラム。
 ピアノレスのバンドはクールな感じがしますが、本シリーズ二作は華やか。
 華やかでハイテンション、過激なジャズ。
 一曲収められたボーカル曲はソウル~ゴスペル色が強いドラマチックなバラード。
 楽器の音量を抑えたアカペラチックな処理がカッコいい。
 何はともあれ、本作もハードでハイテンションなサックスジャズカルテット。
 “Sound Museum: Hidden Man” (1996)とどちらがいいかはお好み次第。
 私的にはより軽快で繊細、かつ、より過激な色合いが強いような気がするこちらですかねえ・・・
 さて、これら二作に隠された秘密は何か?
 うーん・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Sound Museum: Hidden Man” (1996) Ornette Coleman

“Sound Museum: Hidden Man” (1996) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone, trumpet, violin)
Geri Allen (piano) Charnett Moffett (bass) Denardo Coleman (drums)

Sound Museum (Hidden Man)
Ornette Coleman
Polygram Records
1996-08-13


 Ornette Coleman、1996年のセッション。
 “Sound Museum: Three Women” (1996)と対になる、というか、ほぼ同じ楽曲をほぼ同じメンバーで演奏した二作。
 エレクトリック、エスニックなエスニックなファンク、その他諸々を経て、この人にとっては珍しくピアノが加わったオーソドックスなカルテット編成のジャズ。
 中堅~ベテランに入った期のGeri Allenに、かつての盟友のご子息のベース、自身のご子息のドラム。
 硬軟織り交ぜたぶっ飛びピアノに、重厚なCharlie Hadenとは違って軽快に動きまくるベース、叩きまくりドラム。
 アルトサックスに合わせて変化していくというよりも、ピアノが主導して背景を作っているようにも聞こえます。
 ぶっ飛んでいく音楽を引き戻しているようにも、率先してぶっ飛んでいっているようにも聞こえる素晴らしいピアノトリオ。
 充分に過激ですが、ピアノが入った分華やいだ感じ、展開もつかみやすく、普通のジャズとして聞き易いのかも。
 さすがつわものGeri Allen。
 その上を自在に飛び回るアルトサックス。
 コンパクトにまとめられた全14編。
 シリアスな激烈系ばかりではなく、漂うようなバラード、ラテン、すっとぼけたような不思議曲、賛美歌、などなど、さまざまな色合い。
 20世紀の終末近く、その世紀のジャズのいろんな要素を織り込んだハイテンションなアコースティックジャズの一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Cheio De Dedos” (1996) Guinga

“Cheio De Dedos” (1996) Guinga

Guinga (Guitar, Voice)
Chano Dominguez, Itamar Assiere (Piano) Lula Galvão, Rogério Souza (guitar)
Armando Marçal, José Eladio Amat, Celsinho Silva (Percussion) Marcos Esguleba (Pandeiro) Pirulito (Ganzá) Rodrigo Lessa (Bandolim) Papito Mello (Bass)
Gilson Peranzzetta (Acordeon) Mário Sève (Flute, Soprano Sax) Carlos Malta (Soprano, Alto,Tenor, Baritone Sax, Flutes, Bass Flute) Sérgio Galvão (Soprano Sax) Paulo Sérgio Santos (Soprao, Alto Sax, Clarinette, Clarone) Paulinho Trompete (Flugelhorn)
Jorge Helder, Serafin Rubens Petion, Dener de Castro Campolina, Serafin Rubens Petion (ContraBass) Daniel Pezzotti, Cássia Menezes Passaroto, Marcus Ribeiro Oliveira, Romany Luis Cana Flores (Cello) Lula Galvão, Eduardo Roberto Pereira, Jairo Diniz Silva, Herbert Peréz Jones, Lesster Mejias Ercia (Viola) Angelo Dell'Orto, Antonella Lima Pareschi, Carlos Eduardo Hack, Glauco Fernandes, Léo Fabrício Ortiz, Luiz Carlos Campos Marques, Armando Garcia Fernandez, Antonella Lima Pareschi, Herbert Peréz Jones (Violin)
Chico Buarque, Ed Motta (Voice)

Cheio De Dedos
Caravelas
1996-01-01


 ブラジルのギタリストGuinga、1996年作。
 ボサノバでもサンバでもなく、ミナスでもショーロでもなく、ジャズっぽくもない、ポップスには渋すぎる・・・
 そんな要素が入り混じる、とても優雅で不思議なブラジリアンミュージック。
 たくさんの名前がクレジットされていますが、基本的にはギターを中心として、楽曲ごとにさまざまな編成、ストリング、ホーンのアンサンブルが加わる構成。
 ボーカル入りは数曲、インスツルメンタル中心。
 メロディアスで奇をてらったアレンジもないのですが、なぜか不思議感、幻想感たっぷり。
 わかりやすいセンチメンタリズムやキャッチーさはありませんが、全編に淡い儚さが充満。
 テンポが落ちてくるとどこかいけないところに引き込まれそうな感、たっぷり。
 基本的には都会的、現代的な感じなのだと思うのだけども、山奥的な感じがちらほらしたり、やっぱり夜の静寂な感じだったり、生暖かい空気感だったり、ベタついてみたり、涼しげだったり、ノスタルジックだったり。
 後の諸作の静謐、耽美って感じばかりではなくて、普通っぽいのになぜか妖しい。
 そして、21世紀直前の音にしてなぜかノスタルジック。
 不思議なメロディとサラサラと流れていく演奏の織り成す複雑な綾なのでしょう。
 さすがのスタイリスト、平和なようで深みに嵌められてしまいそうな音。




posted by H.A.

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