“Once upon a Time - Live in Avignon” (1994) Eberhard Weber
Eberhard Weber (Bass)
レジェンドEberhard Weber、1994年、ベースソロでのライブ録音、2021年発表。
近い時期のベースソロ作品“Pendulum” (1993)、一つ前のこれもソロ中心の作品“Orchestra” (1988)の楽曲を中心にピックアップされています。
ちょうどそれら、躍動感の強い“Orchestra” (1988)、穏やかな“Pendulum” (1993)を織り交ぜたイメージ。
スタジオ録音作品と近い質感なのですが、楽曲ごとのアレンジ、構成は異なります。
他の楽曲の断片が見え隠れしたり、違うテンションだったり。
再アレンジしたのか、思いついた展開を即興で演奏しているのかはわかりません。
いずれにしても全編メロディアス。
珍しくスタンダートも演奏されていますが、その力を借りるまでもなく、全編とてもメロディアス。
ベースのみの音ながら、退屈はありません。
オーバーダビングなのかループシステムなのか何なのか不明ですが、ときおり複数のベースの音が絡み合いながら進むステージ、
柔らかなビート感。
柔らかい音のエレクトリック・アップライト・ベースが奏でるもの悲しいメロディ。
未来的なようでもあるし、懐かしいようでもあり。
緩急、硬軟織り交ぜながらも、とても穏やか。
そしてセンチメンタル。
柔らかなモノに包み込まれているような心地よい時間。
とてもSaudade。