吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

1990-1999

【Disc Review】“Shakill's II” (1993) David Murray

“Shakill's II” (1993) David Murray
David Murray (tenor saxophone)
Don Pullen (organ) Bill White (guitar) J.T. Lewis (drums)

 David Murrayのオルガンファンクジャズ、“Shakill's Warrior” (1991)に続く第二弾。
 ってもDon Pullenだけ残って他のメンバーは交代。
 音の感じはさらにスッキリ、洗練された感じでしょうか。
 前作ほどポップではありませんが、むしろスムースな印象。
 グルーヴィーなビートに、テナーもオルガンも激しいインプロビゼーションながら、とても洗練されています。
 どブルースもなんだかスムース。
 昭和歌謡な哀愁曲(これがカッコいい!)も交えつつの少々のポップネス。
 っても当時の流行りの軟弱系スムースジャズ(私はそれも好物なのですが・・・)とは完全に一線を画した硬派なジャズ。
 さらに録音が素晴らしくキレイ。
 ビロードのように艶のあるオルガンの音が敷かれた上を、転げまわり跳びはねるこれまた艶々と黒光りするようなテナーと、いいタイミングでバシッとくるスネアドラム・・・
 いつものフリーキーな音使いも大人な余裕とハードボイルドなカッコよさ。
 こりゃ気持ちいいや。




posted by H.A.


【Disc Review】“Shakill's Warrior” (1991) David Murray

“Shakill's Warrior” (1991) David Murray
David Murray (tenor saxophone)
Don Pullen (organ) Stanley Franks (guitar) Andrew Cyrille (drums)

 David Murrayのオルガンファンクジャズ。
 Don Pullenは名作エスニックジャズ“Kele Mou Bana” (1991)、Kip Hanrahanの“Tenderness” (1988-1990)、”Exotica” (1993)への参加と近い時期。
 David MurrayもKip Hanrahan諸作に参加していた人。
 ってもKip Hanrahanっぽくもエスニックっぽくもない、コテコテのジャズファンク。
 ジャケットやタイトルはとても怖いのですが、同じくDon Pullenとギターが参加した“Children” (1985)よりもロックっぽくはなく、スッキリした?コテコテ・・・というよりも、むしろ現代的なポップなジャズ。
 冒頭のブルースは1960年代Blue Noteの香りも濃厚な感じですが、ポップでキャッチ―なメロディの楽曲がたくさん。
 Don Pullen の"Song From The Old Country"、"At The Cafe Central"、"Milano Strut"は、他のバージョンでも有名な哀愁曲。 
 David Murrayの勇ましいタイトルの"Shakill's Warrior"も明るくて爽やかなフュージョン系。
 ってな感じで、メンバーやタイトルからすれば少し拍子抜けするかもしれないポップなジャズ。
 ま、サックスやオルガンは十分に激しいのですが・・・
 1990年代、モダンジャズはもとより、キメキメフュージョンの時代も終わり、激烈系がすっかり影を潜めてしまったのであろう時代のジャズ。
 洗練されていそうでトゲやザラツキを隠せない、かつての闘士のジャズ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Kele Mou Bana” (1991) Don Pullen & The African Brazilian Connection

“Kele Mou Bana” (1991) Don Pullen & The African Brazilian Connection
Don Pullen (Piano)
Nilson Matta (Bass) Guilherme Franco (Berimbau, Percussion, Timba, Timbales) Mor Thiam (Chimes, Djembe, Rainstick, Sound Effects, Vocals) Keith Pullen, Tameka Pullen (Vocals) Carlos Ward (Bass, Alto Sax)

Kele Mou Bana
Don Pullen
Blue Note Records
1992-02-25

 
 Don Pullen、Blue Noteでの名作エスニックジャズ。
 バンド名通りにAfrican & Brazilian。
 1970~80年代のフリージャズ、ハードなジャズを経た、少々ポップなエスニックなジャズ。
 歴史的にはアフリカ、ブラジル、ヨーロッパ、北アメリカの結節点がキューバだろうし、同じ時期に共演しているKip Hanrahanの影響もあったのでしょうかね?
 とにもかくにもアフリカンなパーカッションとサンバ混じりビート。
 キャッチ―なメロディ。
 それでいて硬派なジャズ。
 まずまずおとなしく始まりますが、音楽が進み、興が乗ってくると徐々に正体を露わにし、気がつけばド激しい系。
 グーの手でグリグリグリグリ、鍵盤をいたぶりまくり。
 まー、激しいやらカッコいいやら。
 Kip Hanrahan諸作を含めて、あまりフリーにはいかないこのくらいのDon Pullenがいいなあ。
 フリーな作品の中にもそんな楽曲がさり気なく置かれていましたが、この期の作品はそれを集めたアルバム揃い。
 とてもわかりやすくて、それでいて十二分にマニアックでカッコいい、エスニックジャズ。
 20年以上経った今聞いても大名作だと思うのだけど、世評はどうなのでしょう・・・?




posted by H.A.


【Disc Review】“Re-Enter” (1990) Masqualero

“Re-Enter” (1990) Masqualero
Arild Andersen (bass)
Tore Brunborg (saxophones) Nils Petter Molvaer (trumpet) Jon Christensen (drums)

Re-Enter
Masqualero
Ecm Records
2001-02-27


 ノルウェーのスーパーアーティストを集めたバンドMasqualeroの最終作?。
 美しいピアノのJon Balkeが参加していた“Bande a Part” (1986)、ピアノがクリエイティブ系ギターに交代した“Aero” (1988)から、和声楽器を排した本作。
 Ornette Coleman所縁のピアノレス二管のフォーマット。
 編成から想像される自由度の高い激しい音。
 甘さを排した不思議感、クールネス全開の北欧的フリー混じりジャズ。
美しいJon Balkeのピアノが加わった方が、より上品になってECMっぽいのかもしれないけども、激しい系をやるならばこの編成の方がいいのかもしれません。
 自由に叩きまくるドラムと、強烈なグルーヴを作る激情ベース。
 クールに寂寥感の塊のような音を出すNils Petter Molvaerも、このバンドではあるいはこの期では激情を交えつつのバリバリ系。
 Tore BrunborgはJohn Coltrane、同胞のJan Garbarekスタイルの重い情念ほとばしり系サックス。
 哀しげな表情、ノルウェーの民族音楽が混ざった感じながら、愛想が無い楽曲はこの系の音楽のお約束。
 緊張感と切迫感、激しい叫びのような音の塊。
 Ornette Coleman的であり、バンド名所縁の1960年代Miles Davis的でもあり、1970年代ECM的でもあり。
 1990年代、ECMでは同編成の“Old and New Dreams” (1979)から十年。
 ドロドロとした1960~70年代フリージャズの復活とみるか、次の新しい音を目指した試行とみるか。
 いずれにしても穏やかな21世紀になってからは、なかなか聞けないハイテンションな音ではあります。

※少し前の演奏から。


posted by H.A.


【Disc Review】“Skywards” (1996) Terje Rypdal

“Skywards” (1996) Terje Rypdal
Terje Rypdal (electric guitar)
Christian Eggen (piano, keyboards) Paolo Vinaccia (drums, percussion) Jon Christensen (drums)
Palle Mikkelborg (trumpet) Terje Tønnesen (violin) David Darling (cello)

Skywards
Terje Rypdal
Ecm Import
2001-01-30


 ノルウェーのギタリストTerje Rypdalのコンテンポラリージャズ作品。
 強いディストーションが掛かったギターは、ジャズの耳からするとちょっと引いてしまうのですが、全体の雰囲気はコンテンポラリージャズの色合い。
 ギター自体はズルズルグチョグチョのハードロックなのですが、サポートのメンバーがジャズの人、20年も前の“Wave” (1977)に近い顔ぶれ。
 さらにいかにもECMな妖しい音を出すチェリストDavid Darlingが加わります。
 本作のメンバー三人が参加した“The Sea” (1994)、“The Sea II” (1996) Ketil Bjørnstadが近い時期で、その流れなのでしょうかね?
 全曲オリジナル曲、イメージ通りにドラマチックなプログレッシブロック調な曲もありますが、ポップな曲が印象に残ります。
 冒頭はクール&センチメンタルな印象のマイナーチューン。
 ギターはギュインギュイン鳴っていますが、トランペットがクールなMiles風。
 4ビートではありませんが、ロック、フュージョンというよりもコンテンポラリージャズ、少々ポップ寄り。
 年月は前後しますが、Manu Katché?とか思ってしまうようなムード。
 さらにはバイオリンやチェロが静かに鳴っていたり、いかにもECMなクラシックの香りが強いピアノが美しい背景を作っていたり。
 静謐・・・ってところまではいきませんが、まずまず落ち着いたヨーロッパ系コンテンポラリージャズな音が続きます。
 ハードロックなギターが苦手で積極的には聞いてこなかった人ではあるのですが、きっと知らないところに名作がたくさんあるのでしょう。
 本作もそんな一作。




posted by H.A.


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