吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

1980-1989

【Disc Review】“Virgin Beauty” (1988) Ornette Coleman with Prime Time

“Virgin Beauty” (1988) Ornette Coleman with Prime Time

Ornette Coleman (saxophone, trumpet, violin)
Charles Ellerbie, Jerry Garcia, Bern Nix (guitar) Albert MacDowell (double bass) Chris Walker (bass) Denardo Coleman (drums, keyboards, percussion) Calvin Weston (drums)

ヴァージン・ビューティー
オーネット・コールマン・アンド・プライム・タイム
SMJ
2013-10-09


 Ornette Coleman、1980年代のファンクフュージョン。
 基本的な色合いは、“Dancing in Your Head” (1973-1975)あたりに同じくエスニック風味も散りばめられたファンク。
 但し、演奏はコンパクトにまとめられ、変化もたっぷり、さまざまな表情。
 いつものリフ一発、後は怒涛のインプロビゼーション・・・な感じも少なくはないのですが、長尺にはならずベース、ギター(Jerry Garcia!)その他諸々の音がカラフルな彩りを加えていきます。
 素っ頓狂なテーマもいつも通りながら、現代的でポップな感じ。
 ベースがブンブン唸りながらファンクなグルーヴを作り、ドラムがパタパタ、サイケなギターがシャカシャカ、キュインキュイン。
 ファンキーでスッキリしたビート、この期では解散していたのであろうWeather Reportあたりのムードも含めて、当時のディスコで聞こえていても違和感はなかったかもしれません。
 そんな中で軽やかに鳴るサックス。
 1960年代の4ビートとはムードが変わりましたが、コードもストーリー展開も我関せぬような、但しビートは定常のOrnette Colemanサウンド。
 音色も明後日の方向に動く自由自在なフレージングも、かつてのままなのでしょう。
 でも、とても明るくて楽し気。
 ジャケットはちょっと怖いですが、中身はポップ。
 そんなOrnette Coleman。




posted by H.A.

【Disc Review】“Codona 3” (1982) Collin Walcott, Don Cherry, Naná Vasconcelos

“Codona 3” (1982) Collin Walcott, Don Cherry, Naná Vasconcelos

Collin Walcott (sitar, tabla, hammered dulcimer, sanza, voice) Don Cherry (trumpet, organ, doussn' gouni, voice) Naná Vasconcelos (percussion, berimbau, voice)



 エスニックフュージョングループCodonaの第三作。
 Collin Walcottが1984年に逝去しますので、これが最終作になるのでしょう。
 相対的にまとまっていた感もある第一作“Codona” (1978)から、ぶっ飛び度が強くなった感もある“Codona 2” (1980)に続く本作。
 もちろんぶっ飛んだ無国籍ワールド。 
 冒頭、“Goshakabuchi”なる日本の伝統曲?からスタート。
 静謐さを醸し出す鐘の音と雅な旋律を奏でるトランペット。
 さらに古楽器dulcimerの高貴な響きが絡み合う桃源郷サウンド。
 徐々にスピードとテンションを上げ、日本的な空気をまとったままの疾走サウンド。
 続いて、陶酔へと誘うシンプルなリフと儀式的ビートの繰り返し、呪文のような妖しいボイスが延々と続く演奏、摩訶不思議な音階を奏でるトランペットとシタール。
 よじれたような静かな子守歌。
 囁き声の合唱が続く中での荘厳?なバラード。
 静かなビートを背景にして歌やらシタールやら妖し気なパーカッションやらが汽笛のような音の交錯。
 最後は静かに緊張感を煽るように鳴り続けるオルガンを背景に、断片的に飛び交うトランペット、意味不明なボイス、パーカッション。
 もう何がなんだかよくわかりません。
 あくまで静かで抑制された音、繰り返されるリフ、ビート、そして妖しい音の数々が、静かな高揚、陶酔へと誘う時間。
 行き着く先は妖しげな桃源郷。




posted by H.A.


【Disc Review】“Codona 2” (1980) Collin Walcott, Don Cherry, Naná Vasconcelos

“Codona 2” (1980) Collin Walcott, Don Cherry, Naná Vasconcelos

Collin Walcott (sitar, tabla, mbira, timpani, voice) Don Cherry (trumpet, melodica, doussn' gouni, voice) Naná Vasconcelos (percussion, talking drum, berimbau, voice)



 エスニックフュージョングループCodonaの第二作。
 基本的には前作“Codona” (1978)と同様の無国籍・無時代のエスニックフュージョン。
 強烈な浮遊感に覆われた前作と比べると、ビートが明確で定常な演奏、テーマが明確なジャズ的な演奏、また、不可思議なヴォイスが前面に出る場面も多く、若干印象が異なるのかもしれません。
 Naná Vasconcelosさんのパーカッションがたっぷりフィーチャーされ、延々と雄叫びを上げる、なんて時間も。
 ジャズっぽいCollin Walcottの楽曲にしても、トランペットはさておき、シタールや妖し気なパーカッションが背景なだけに、あまり他では聞けないエスニックなんだか、なんなんだかよくわからない、摩訶不思議な世界。
 挙句の果てには、あのNanáさんのケッケッケッケッケなんて音も聞こえてきて、山奥度120%。
 妖しい音を発するパーカッションが延々と鳴り続ける中でのシタール、トランペット、メロディカ、その他の静かでフリーな絡み合い。
 不思議さ、妖しさ200%。
 相対的に整った感もある“Codona” (1978)よりもさらに山奥なのかどこなんだかわからないぶっ飛んだ時間。
 世はフュージョン全盛期のポップでお洒落、あるいはキメキメメカニカル、はたまたシンセでスペーシーな時代。
 そんなことは我関せず、全く明後日の方向、異次元へのトリップミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】"In Performance" (1980) Oregon

"In Performance" (1980) Oregon

Ralph Towner (Guitar, Piano, French Horn, Flugelhorn) Glen Moore (Bass, Flute, Violin, Piano) Collin Walcott (Sitar, Tabla, Timpani) Paul McCandless (Oboe, Flute, English Horn, Soprano Saxophone, Bass Clarinet)

In Performance
Oregon
Bgo Rec
2018-09-14


 無国籍フュージョンバンドOregonの1979年作、Elektraレーベルの最終作、ライブ録音。
 Elektraでは洗練されたジャズフュージョンな感じが強くなった感もありましたが、本作は抽象的な楽曲がある分、フリーを含めたインプロビゼーションがたっぷりある分、硬派なイメージ。
 妖しい弦と笛、パーカッションの絡み合いからスタート、ピアノが加わってもビートが定まることは無く、さまざまな楽器が絡み合う、漂うようなコレクティブインプロビゼーション、10分超。
 ピアノがギターに変わりペースが定まると、木管の強烈な疾走。
 さらには再びピアノに変わり、木管とともに疾走。
 クラシカルで上品な感じながら、強烈なグルーヴを伴ったすさまじい演奏。
 Collin Walcottがビートを作る役回りが多く、妖しさが抑えられた印象にも聞こえるかもしれません。
 その分、シタールに持ち換えた楽曲はたっぷりフリーな演奏。
 名曲“Waterwheel”, “Arion”といったRalph Towner諸作でも演奏される楽曲が並び、締めは同じく“Icarus”でドラマチックな高揚感。
 いずれもハイテンション。
 この後、バンドはRalph Towner, Collin Walcottのソロ作品を制作していた ECMへ移籍、"Oregon" (1983)を制作。
 本作のテンションのままかと思いきや、その諸作は淡い色合い。
 ハイテンションな1970年代、そんな時代のOregonの締めの記録。




posted by H.A.


【Disc Review】“Olu Iwa” (1986) Cecil Taylor

“Olu Iwa” (1986) Cecil Taylor

Cecil Taylor (piano)
William Parker (bass) Steve McCall (drums) 
Thurman Barker (marimba, percussion) Earl McIntyre (trombone) Peter Brötzmann (tenor saxophone, tárogató) Frank Wright (tenor saxophone)

Olu Iwa
Cecil Taylor
Soul Note Records
1994-06-20


 Cecil Taylor、1986年のピアノトリオにマリンバのカルテット、さらに三管を加えた編成の2ステージのライブ録音、イタリアのSoul Noteから。
 まずは管入り編成でのステージ。
 アンサンブルでの陰鬱なテーマ提示、ベースのアルコでのインプロビゼーション、静かに妖しく始まる宴、いや、格闘技戦。
 再びテーマらしきアンサンブルの後、ピアノトリオとマリンバの超高速バトル開始。
 凄まじい、ホントに凄まじい演奏。
 管楽器だと激烈・沈痛・陰鬱になりそうなところ、マリンバの柔らかな響きも相まって静かでクールにも響く、超絶な疾走。
 抜きつ差されつ、どちらが先行するともない凄まじいチェイスが続くこと十数分。
 ピアノがマリンバを力でねじ伏せ独走した後、少し音量とスピードを落としてトロンボーンに選手交代。
 さらに加わる魂の叫び系の激情サックス。
 やはり激烈・沈痛・陰鬱。
 全部まとめて叩き潰してやるぅ、ってなピアノ。
 断末魔のようなサックスの叫び。
 最後はテンポを落として儀式のようなのたうちから、呪文のようなヴォイスの中で静かに幕。
 いやはや何とも・・・
 前日のステージはホーンを排したカルテット。
 ピアノトリオで静かに始まりつつも、あっという間の加速、気がつけば怒涛の中。
 中盤から満を持したようにマリンバとのバトル勃発。
 菅入り編成でのステージにも増して激しいピアノ、必死で対抗するマリンバ。
 いつ果てるとも知れない戦いの後、マリンバが力尽きたか、おとなしくなった最終五分ぐらい、ピアノの雄叫びのカタルシス。
 もー、なんなんでしょ、この人たち。
 畏れ入りました。

※別のバンドでの演奏から。


posted by H.A.

【Disc Review】“For Olim” (1986) Cecil Taylor

“For Olim” (1986) Cecil Taylor

Cecil Taylor (piano)

For Olim
Cecil Taylor
Soul Note Records
1993-09-11


 Cecil Taylor、1986年のソロピアノ、コンボでの“Olu Iwa” (1986)に先立つ日のステージ、ライブ録音、イタリアのSoul Noteから。
 15分を超えるタイトル曲と短めな演奏7曲とクレジットされていますが、少々のブレークを挿みつつも全一曲のように演奏は続いていきます。
 冒頭、静かに断片的に音を置いていくシーンからスタート。
 どの方向に動くか探っているようにも、鍵盤と戯れているようにも聞こえます。
 しばしばの間断を挿みつつの短いパッセージの繰り返し、不規則で断片的に形を変えるパルスのような動き。
 徐々にスピードが上がるにつれて音の断片が集まっていき、気がつけば何かが崩れ落ちてくるような、あるいは舞い上がっていくような高音の嵐。
 激しい動きの高音と叩きつけるような不協和音、低音のアンサンブルで一曲目は幕。
 その流れをそのまま引き継いだ二曲目。
 さらに上がるテンションとスピード・・・
 わずかな時間、哀し気なバラードのメロディが奏でられるパートを経て、再び始まる疾走と連打・・・
 コンボでは他の音と混ざって聞こえてこなかったピアノの動きの詳細がよく見えてきます。
 短い周期での瞬断とフレーズの変化は、不規則に打ち寄せる波のようでもあるし、感情の起伏、あるいは鼓動のようにも聞こえます。
 そして方向を見定めたかのように始まる疾走、怒涛・・・
 コンボでの凄まじいエネルギー放出とはまた違った、生々しいCecil Taylorサウンド。




posted by H.A.

【Disc Review】“Winged Serpent” (1984) Cecil Taylor

“Winged Serpent” (1984) Cecil Taylor

Cecil Taylor (piano, vocals)
William Parker (bass, vocals) Rashid Bakr (drums, vocals) Andre Martinez (drums, percussion, vocals)
Enrico Rava, Tomasz Stanko (trumpet, vocals) Jimmy Lyons (alto saxophone, vocals) Frank Wright (tenor saxophone, vocals) John Tchicai (tenor saxophone, bass clarinet, vocals) Gunter Hampel (baritone saxophone, bass clarinet, vocals) Karen Borca (bassoon, vocals)
 Cecil Taylor、1984年の大型コンボ作品、イタリアのSoul Noteから。
 ピアノトリオにホーン7名。
 トランペットにヨーロッパのスタイリスト、ECMのスターEnrico Rava, Tomasz Stanko
 もちろん音楽はCecil Taylorのそれですが、大人数ゆえ決め事が多かったのでしょう、他の諸作よりもアンサンブルが多い演奏。
 テーマを決めた後もときおり顔を出すホーンのアンサンブル、ドラムとベースも定常なビートを出している場面が多い感じでしょうか。
 キッチリ楽曲を演奏している感は十分、静かな場面もあります。
 が、突っ走り転げまわるピアノはいつも通り、タガが外れるとフロントに立つホーン陣は入りつ混ざりつの凄まじいコレクティブインプロビゼーション。
 キッチリとオーダーに従い、役割分担もされているようですが、ぶっ飛びつつのソロ回し、そして他のメンバーが背後あるいは前面に出ての咆哮、絶叫。
 大人数の分だけ、いつもにも増して大音量。
 沈痛・陰鬱なテーマ、サックスの絶叫などなど含めて、緊張感の塊のような音が怒涛のように押し寄せてきます。
 さらにはアフリカンなパーカッションと妖しい祝祭ヴォイスなどなど、もう何がなんだか・・・
 Enrico RavaTomasz Stankoの掛け合いなんて場面もあり、とてもカッコいいのですが、激しい音に気を取られているうちにあれよあれよと・・・
 ハードです。
 とても。
 もっとフリーなCecil Taylor諸作よりも、こちらの方が怖い。
 この怒涛のようなエネルギー放射を浴び続けると、別の何かに生まれ変われるかも・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Rubberband” (1985,1986) Miles Davis

“Rubberband” (1985,1986) Miles Davis

Miles Davis (trumpet, keyboards)
Randy Hall (guitar, voice, keyboards) Attala Zone Giles(guitar, voice, bass, keyboards) Adam Holzman, Wayne Linsey, Robert Irving, III, Anthony "Mac Nass" Loffman, Neil Larsen (keyboards) Javier Linares (piano) Isiah Sharkey, Mike Stern (guitar) Arthur Haynes, Felton Cruz, Angus Thomas (bass) Vince Wilburn, Jr. (drums, percussion, programing) King Errisson, Steve Reid, Munyungo Jackson, Steve Thornton, Marilyn Mazur (percussion) Michael Paulo (sax, flute) Bob Berg, Glenn Burris (sax) Rick Braun (trumpet, trombone) Ledisi, Medina Johnson, Lalah Hathaway (voice) Kevin Santos (edit, sound design)

Rubberband -Digi-
Miles Davis
Rhino
2019-09-06


 大御大Miles Davisの未発表音源、2019年発表なのでしょう。
 元の音源の録音は“You're Under Arrest” (1984,1985), “Tutu” (1986)の間。
 ベースのサウンドはちょうどその真ん中あたりの感じ、それを甥っ子Vince Wilburn, Jr.はじめとした人たちが、今の音でコーティング。
 あの時代、デジタル色が強いファンクビート、ゴージャスで分厚い感じではあるのですが、ラップやコーラスも絡めつつ、柔らか、かつクールな現代HipHopな感じに色づけられた楽曲もいくらか。
 ディスコ(懐かしい)ってよりもクラブな感じになっていますでしょうかね?
 硬質に弾むビートに、いろんなところから顔を出すギュインギュインなロックギター、グニャグニャした感じのシンセサイザー、。
 そんな音に乗った御大のジャズなトランペット。
 派手で凝ったサウンドの中に響くクールな音。
 バリバリとたっぷり吹く場面もたくさん。
 Hip Hop風あり、濃ーいボーカル入りソウル~AOR風あり、軽めスキャットがお洒落なポップフュージョンあり、スパニッシュ~ラテンあり、ディスコ風あり、1980年代風ド派手フュージョンあり。
 全編通じてポップ。
 なんだか懐かしいような、この手のサウンド久々に聞いたような・・・
 ま、御大がたっぷり吹いているんだから、よろしいのではないでしょうか。
 さておき、時代々のポップ、あるいは粋、スタイリッシュさを極めていこうとしていたように思うMiles御大、もし今ご存命ならRobert Glasper閥、Kendrick Scottあたりと組んでいたのでしょうかね?
 あるいはKurt Rosenwinkel系、はたまたもっともっと先端の人たちとでしょうか?
 さて?




posted by H.A.


【Disc Review】“Togethering” (1984) Kenny Burrell, Grover Washington Jr.

“Togethering” (1984) Kenny Burrell, Grover Washington Jr.

Kenny Burrell (guitars) Grover Washington Jr. (soprano, tenor sax)
Ron Carter (bass) Jack DeJohnette (drums) Ralph MacDonald (percussion)

Togethering
Kenny Burrell
Blue Note Records
1990-10-25


 1980年代、Blue Noteに戻ったKenny Burrell、Grover Washington Jr.との共同リーダー作。
 “Winelight” (1980)の後、Grover Washington Jr.は既にスーパースターなのでしょう。
 メンバーはアグレッシブなジャズとフュージョンの混成バンド。
 全体のサウンドもモダンジャズには寄らず、フュージョンにも寄り過ぎないバランス。
 攻めるベースとドラム。
 スムースな感じながら鋭く切り込むソプラノサックス。
 が、なんだかんだでギターはいつものKenny Burrell節。
 四者のインタープレー炸裂の場面もいつものKenny Burrell節。
 やはりハードボイルド。
 軟弱なフュージョンやら、うるさいハードジャズなんて演んないよ・・・ってな感じ。
 頑固なまでに少し沈んだブルージーなジャズギター。
 それがカッコいいなあ。
 アコースティックギターでのボサノバは・・・さてどうでしょう。
 誰と何を演っても、やはりKennyさんはBurrellさん。
 フュージョンにもボサノバにもハードなジャズにもならない、ジャズ&ブルースがよろしいのでは。




posted by H.A.

【Disc Review】"All Across the City" (1989) Jim Hall

"All Across the City" (1989) Jim Hall

Jim Hall (Guitar)
Gil Goldstein (Keyboards) Steve La Spina (Bass) Terry Clarke (Drums)

All Across the City (Hybr)
Jim Hall Quartet
Concord Records
2003-05-20


 Jim Hall、1989年作。
 ピアノトリオを迎えたオーソドックスな編成のギターカルテット。
 “Circles” (1981)あたりと同様の艶やかで端正なジャズと、フュージョン、不思議系が交錯するアルバム。
 ブラジル曲、ジャズスタンダードにオリジナル曲が入り混じる構成。
 いかにもConcordな美しいピアノが常に聞こえている分、賑やかで華やか。
 さらに少々新しい音の使い方がたくさん。
 シンセサイザーの導入、不思議系フュージョン、アグレッシブなオリジナル曲、ぶっ飛んでいきそうな演奏、などなど。
 ギターはあの艶やかで柔らかなクリーントーン、一番美しいJim Hallさんの音が中心ながら、ときおりエフェクティングも加えつつ新しい音を探っている感じ。
 冒頭のブラジル曲はベタベタの哀愁美メロ。
 ヒタヒタと迫ってくる静かなビートを背景にして、シンセ、ピアノ、ボイスが交錯する様、幻想的な音はPat Metheny Groupのよう。
 あの“Intermodulation” (1966)に収められていた"All Across the City"の再演は、スペーシーな電子音が背景を作る幻想的な音にすっかり様変わり。
 その他、シンセがアグレッシブに疾走したり、やっぱりモダンジャズだったり。
 ジャケットはとても平和ですが、中身は少し攻めた一作。




posted by H.A.


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