吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

1970-1979

【Disc Review】“Light As a Feather” (1979) Azymuth

“Light As a Feather” (1979) Azymuth
José Roberto Bertrami (Keyboards, Percussion, Vocals) Alex Malheiros (Bass, Vocals) Ivan Conte (Drums, Synthesizer) Aleuda (Percussion)

ライト・アズ・ア・フェザー
アジムス
ビクターエンタテインメント
2008-08-20


 ソフトアンドメローなフュージョンシリーズ(ってこともないですが)、さらに七夕にピッタリな、ブラジリアンフュージョンのAzymuthの懐かしの人気作。
 一定の年齢以上の人にとっての聖典・・・かどうかはさておき、当時の多くの人が聞いたことがあるであろう”Fly over the Horizon”を収めた一作。
 ジャズマニアな私からしても、アルバムタイトル曲が大名作“Light as a Feather” (Oct.1972) Chick Corea and Return to Foreverのカバーであることすら忘れてしまっているほどの、その曲の圧倒的な存在感。
 少々時代を感じるシンセサイザーとシンセドラムの音。
 これが聞こえてくると妙に懐かしい気持ちになるのと、目が冴えてくるのはパブロフの犬状態。
 中盤の揺れるエレピのソロの間のシンセドラムには思わず笑ってしまうというか、何と申しましようか・・・
 とにもかくにも、5分強の至福の時間・・・
 冷静に考えると、”Fly over the Horizon”以外はあまり聞いていたかったりするのだけども、あの時代の懐かしいフュージョンの香りがてんこ盛り。
 跳ねまくるチョッパーベースに、やたらキメの多いあの時代のフュージョンビート、あるいはディスコビートな曲もちらほら。
 ノリノリのビートを背景に疾走するエレピ。
 この手の音も、ソフト&メロー、あるいはレアグルーヴな音に入るのかな?
 もろWeather Report風だったり、Return to Forever風だったりする場面がしばしばあるのもご愛敬。 
 ちょっとマニアックな“Mr. Gone”(1978) Weather Report風な場面もあるのは、時代の空気感なのでしょうか?
 “Light as a Feather”はちょっとポップに模様替えした感じのオシャレな演奏。
 さりげなくToninho Hortaのバラードも収録されていて、ブラジリアンフュージョンとしてカッコいい演奏がたくさん。
 全編で揺れ続けるエレピが最高。
 携帯電話もインターネットもSNSもYouTubeも無く、テレビとラジオとカセットテープの時代のノスタルジー。
 Jet Streamってのもありましたが、どんなんだったけ?
 Webを検索してみると、まだやっている・・・というか、JALご難の時期含めて続いていたようですね。
 当のCrossover11も限定復活していたようで・・・




 posted by H.A.


【Disc Review】“Funk Reaction” (1977) Lonnie Smith

“Funk Reaction” (1977) Lonnie Smith
Lonnie Smith (Organ, Synthesizer?)
Eddie Daniels (sax) Richie Hohenburger (guitar) Yaron Gershovsky (piano) and others

ファンク・リアクション
ロニー・スミス
Pヴァイン・レコード
2013-04-17


 Lonnie Smithの1970年代ソウルジャズ。
 Blue Noteでブルージーな演奏のイメージも強い人ですが、この期ではソウルジャズ~フュージョンな音。
 跳ねるベースにタイトなドラム、ファンキーなギターのカッティングとシンセサイザー。
 Herbie Hancockが “Head Hunters” (Sep.1973)、あるいは“Man-Child” (1974-75)あたりで確立した音なのでしょうか? 
 さらにソフト、ポップになって、ボーカルも乗せて・・・
 それでもいかにもなボーカル曲は最後と最後のみで、インプロビゼーションのスペースがたっぷり確保されているのが1970年代なバランス。
 冒頭から心地いいフェイザーが掛かったギターのカッティング。
 タイトな8ビートにフワフワとした音を出すフロント陣のバランスがとてもいい感じ。
 ディスコな感じのビートの演奏も少々ありますが、中心は柔らかで穏やかなグルーヴ。
 さらにちょっと切ないメロディ。
 その結晶が白眉の“It's Changed”。
 レアグルーヴなんて語感がピッタリな音。
 何のことはないミディアムテンポのソウルバラードなのかもしれませんが、これは染みます。
 ジャズなギターが奏でる切ないメロディに、静かに弾みながら後押しするような絶妙のベースライン、ちょっとあざとい感じのコーラスもいい感じの演出。
 さらに中盤からのシンセサイザーのソロのカッコいいこと、切ないこと。
 これだけ音数が少ないのにカッコいいインプロビゼーションはないのでは?
 少し変えると別の曲になってしまうような完成度の素晴らしさ。
 さすが、生粋のジャズメンLonnie Smith・・・かどうかはさておき、1960年代のコテコテな感じからは想像できないような洗練。
 胸がキュンとする、なんて言葉は気持ち悪くて使わないのですが、そんな音。
 その他含めて、心地よいソウルジャズ~フュージョンがたっぷりと。
 “Bitches Brew” (Aug.19-21,1969)を根っこにして、上記のHerbie Hancock諸作で整理され、確立し、本作もその流れの中の一作。
 あるいは、“Big Band Bossa Nova” (1962) Quincy Jonesあたりからあった、ポップなジャズが、時代の流行りの音と融合してできた音。
 さらに発展して、いきついたピークが“Winelight” (1980) Grover Washington Jr.あたり、ってな感じが私的な捉え方。
 ま、そんな野暮な話はさておいて、あの時代のノスタルジーと呼ぶにはあまりにも素敵な音ですねえ。




 posted by H.A.


【Disc Review】“Live At Club Mozambique” (May.1970) Lonnie Smith

“Live At Club Mozambique” (May.1970) Lonnie Smith
Lonnie Smith (Organ)
George Benson (Guitar) Joe Dukes (Drums)
Gary Jones (Congas) Clifford Mack (Tambourine)
Ronnie Cuber (Baritone Saxophone) Dave Hubbard (Tenor Saxophone)

Live at Club Mozambique
Lonnie Smith
Blue Note Records
1995-04-05


 ソウルジャズ、オルガンのLonnie Smithのライブ録音。
 Blue Noteからですが、お蔵に入っていた音源で、リリースは1995年。
 同じ時期ではGrant Greenの”Alive” (1969)、あるいは同じ場所での”Live at the Club Mozambique” (1971)の方が人気なのかもしれませんが、同じ空気感の、熱い、暑苦しいあの時代のソウルジャズ。
 4ビート、8ビート、16ビートなんでもこいのファンクモード。
 少々跳ね気味のファンキーなリズムとアフロでヒップなパーカッション、コッテリしたオルガンとホーン陣。
 Sly & Family Stoneっぽいファンクから始まり、Coltraneっぽいモードジャズから、後はこってりしたファンクのオンパレード。
 サックスはブリブリと脂汗がにじみ出るような暑苦しいインプロビゼーション、George Bensonもしっかりフィーチャーされ、飛ばしています。
 ちょっととぼけたようなリーダー?のボーカルはご愛敬。
 スムースなグルーヴとトロトロな感じのバラードがカッコいい“Heavy soul” (1961) Ike Quebecのような、少々ノスタルジックなオルガンジャズではなく、ましてや“Bitches Brew” (Aug.19-21,1969)や“Emergency!” (May.26,28.1969) The Tony Williams Lifetimeのような過激なジャズファンクでもなく、オーソドックスな黒々としたソウルジャズ。
 Miles Davis一派と同じようにSly & Family StoneやJames Brownを意識しているにしても、あまりにも直球剛球一直線。
 4ビートのモードな演奏が一番スッキリと聞こえてしまうのは気のせいでしょうか?
 ここからこの人脈も、ポップな要素を強調しつつ洗練され、フュージョン、AORへ展開する一歩手前。
 Miles Davis一派のようなぶっ飛んだ人たちの音ではなく、普通の1960年代までの大衆的ジャズが終わった象徴的な音、でしょうかね。
 この先は”Breezin'” (1976) George Bensonは言わずもがな、ちょっとレアなグルーヴで “Funk Reaction” (1977)が有名なのかな?




 posted by H.A.


【Disc Review】“Coup De Tête” (1979-1981) Kip Hanrahan

“Coup De Tête” (1979-1981) Kip Hanrahan
Kip Hanrahan (Percussion, Synthesizer, Vocals)
Carla Bley (Piano, Vocals) Orlando Di Girolamo (Accordion)
Arto Lindsay, Bern Nix, Fred Frith, George Naha (Electric Guitar)
Bill Laswell, Jamaaladeen Tacuma (Electric Bass) Cecil McBee (Bass)
Anton Fier, Ignacio Berroa, Victor Lewis (Drums)
Nicky Marrero (Bongos) Angel Perez, Carlos Mestre, Gene Golden, Jerry Gonzalez Daniel Ponce (Congas, Percussion) Jerry Gonzalez, Daniel Ponce, Nicky Marrero (Percussion) Daniel Ponce, Gene Golden, Jerry Gonzalez (Shekere) Dom Um Romao (Surdo, Agogô)
Chico Freeman (Clarinet, Tenor Sax) Carlos Ward, George Cartwright (Alto Sax) David Liebman (Soprano Sax) Byard Lancaster, John Stubblefield, Teo Macero (Tenor Sax) Michael Mantler (Trumpet) George Cartwright, Byard Lancaster, George Cartwright (Flutes) John Clark (French Horn) Billy Bang (Violin) Lisa Herman (Vocals)

Coup De Tete
Kip Hanrahan
Yellowbird
2010-07-13
キップ・ハンラハン

 ニューヨークアンダーグランド、アフロキューバンなコンテンポラリーミュージックのKip Hanrahan、第一作。
 ジャズ、ファンク、ロック、ブルース、フォーク、アフロ、キューバン、その他諸々、てんこ盛りのフュージョンミュージック。
 人種のるつぼ云々の土地柄通り、全部突っ込んで混ぜ合わせてみました、それも薄暗い地下室に危ない人たちが集まって・・・そんな感じの音。
 発表と同時に聞いたわけではなく、“A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996)のDon Pullenの凄まじい演奏、あるいは後の作品に参加するDavid Murrayからさかのぼって聞いた人。
 もちろんジャズではないのだけども、ジャズ系、ファンク系の恐ろし気なメンバーの名前を眺めるだけどもその凄みが伝わってきます。
 冒頭から乾いたパーカッションの響き、ドスの効いたファンクなベースラインを背景にした、囁くように緩く歌う妖しい男声、女声。
 後にあのCreamのJack Bruce、ジャズボーカリストCarmen Lundyを求めた理由がよくわかります。
 さらに、時にクールに、時にクダを巻くようななサックスに、遠くから響いてくるようなフルート、狂気の漂うギター、バイオリン・・・
 ピアノが入るのはCarla Bleyが参加した一曲のみで、基本的にはピアノレスな音、ギターの多用が、初期の作品のクールな色合い、あるいはロック色、ポップ色の強さにも繋がっているように思います。
 それでもサックスが鳴り出すと一気にハードコアなジャズのムード・・・ 
 もちろん楽曲は、うらぶれた街角のやるせなさが漂う、Kip Hanrahanのメロディ。
 ほどほどポップでほどほどソウル、猥雑な感じながらなぜかオシャレでクールな空気感。
 硬派と軟派が交錯する感じは、アメリカ版あるいはアフロキューバンなThe Style Councilってな感じがしないでもありません。
 が、ポップスと片づけてしまうには、あまりにも凝ったアレンジに、充実したインプロビゼーションとインタープレーに、一部のアバンギャルドで激しい音。
 ここからメンバーが入れ替わりながら完成度を増していきますが、この時点でその世界観は出来上がっています。
 それは約30年後の最近作、“At Home in Anger” (2007-2011)まで変わっていないように思います。
 もし、トゲやザラつきを削ってポップさを前面に出していけば、The Style CouncilやSadeのような存在になったのかもしれません。
 後の“Vertical's Currency” (1984)でそれにチャレンジしたのかもしれません。
 あるいは、プロデューサーとして素晴らしい作品を制作したAstor Piazzollaと長く活動を共にできたならば、または、誰かしら彼に続く才能に出会っていたら、新世代のTeo Macero、あるいはアメリカのManfred Eicherになっていたかもしれません。
 が、なんだかんだでさらにマニアックに、アンダーグラウンドに潜っていくのも、この人のカッコよさ。
 まずはスーパープロデューサーのスーパーアーティストとしてのカッコいいデビュー作。
 とても妖しくて危なくて、クールです。




 posted by H.A.

【Disc Review】“Swimming with a Hole in My Body” (1979) Bill Connors

“Swimming with a Hole in My Body” (1979) Bill Connors
Bill Connors (guitar)

水と感傷
ビル・コナーズ
ユニバーサル ミュージック
2016-10-26


 Bill Connors、“Theme to the Gaurdian” (1974)に続くアコースティックギターソロ作品。
 その間にコンボでの名作 “Of Mist and Melting” (1977)があります。
 基本的には先のソロ作品“Theme to the Gaurdian” (1974)と同じ、淡くて穏やかな空気感。
 ヒタヒタと迫ってくるようなビート感は三作共通ですが、前作“Of Mist and Melting” (1977)のように激しくも冷たくもありません。
 少し悲し気、寂し気な楽曲と、フォーキーな香りとスパニッシュな香りが交錯するメロディアスなシングルトーン。
 ハードフュージョンを演奏していたとはとても思えないような静謐さ。
 “Theme to the Gaurdian” (1974)と比べると、いくぶんテンポアップして、バッキングも厚めの演奏が増えているような感もありますが、1970年代Ralph Towner諸作のようにグサグサくる感じではなく、あくまで線が細めで繊細な音。
 少し温度感低めの音作り、清涼感の塊のようなアコースティックギターの音と柔らかなメロディは“Theme to the Gaurdian”と同様。
 何となく涼し気でこれからの季節にピッタリの音。
 おっと、タイトルもジャケットもそんな感じでしたね。
 趣のあるタイトルのように感傷的な音ですが、ジャケットのポートレートのようにどんよりした感じではなく、とても静かながら、爽やかで湿度感は低め。
 平和で穏やか。
 そんな音です。




posted by H.A.

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