吉祥寺JazzSyndicate

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1970-1979

【Disc Review】“Day Break” (1979) Chet Baker

“Day Break” (1979) Chet Baker

Chet Baker (trumpet, vocals)
Doug Raney (guitar) Niels-Henning Ørsted Pedersen (bass)

デイブレイク Daybreak
チェット・ベイカー・トリオ Chet Baker Trio
THINK! REOCRDS
2017-09-20


 Chet Baker、ドラムレスのトリオでのライブ録音。
 1970年代の終わり、デンマーク。
 静かに淡々と進む音。
 音の張りがどうとか、音程がなんとか、などなど、いろんなご意見はあるのでしょう。
 が、テーマソングのごとき端正なハードパップ"For Minors Only"、CTI時代の代表的な哀愁曲"You Can't Go Home Again"の長尺な演奏が聞ければそれで充分。
 私的Chet Bakerの二曲。
 ヨーロッパに場を移しての再演も、これまたクールで、ハードボイルドで、センチメンタル。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“You Can't Go Home Again”, “The Best Thing For You” (1977) Chet Baker

“You Can't Go Home Again”, “The Best Thing For You” (1977) Chet Baker

Chet Baker (trumpet)
Don Sebesky, Kenny Barron (electric piano) Richie Beirach (electric piano, clavinet) John Scofield (guitar) Gene Bertoncini (acoustic guitar) Ron Carter (bass) Alphonso Johnson (electric bass) Tony Williams (drums) Ralph MacDonald, Arto Tuncboyaciyan (percussion)
Hubert Laws (flute, bass flute, piccolo) Paul Desmond (alto sax) Michael Brecker (tenor sax) John Campo (bassoon) and String

ユー・キャント・ゴー・ホーム・アゲイン(紙ジャケット仕様)
チェット・ベイカー
ユニバーサル ミュージック クラシック
2005-12-14

The Best Thing for You
Chet Baker
I.M.S Records


 Chet Baker、フュージョン寄りのセッションから二作。
 人気作“She Was Too Good to Me” (1974)の続編的作品。
 現在は未発表音源を加えて二作を混ぜてしまったCDも流通しているようです。
 ジャズとファンクが交錯する強いビートとフワフワしたエレピが全体のイメージを作り、ビッグネームなメンバーがソロを奏で、ストリングスが彩りを加える豪華な編成。
 スタンダードを含めてキャッチーな楽曲が揃っていますが、出色はセッションを仕切ったのであろうDon Sebesky のベタベタにセンチメンタルな“You Can't Go Home Again”、似合っているかどうかはさておき怒涛のラテン”El Morro”、Richie Beirachの激しいファンクフュージョン"Out Of Our Hands"でしょうか?
 激しくハイテンションなバンドと、周りに合わせつつもクールなトランペット。
 1970年代フュージョン、ファンク色が強くなってきて、熱とクールネスが交錯する特別な音。
 過激さとちょっと甘酸っぱい感じの懐かしさのアンバランス、それが何ともいい感じ。
 このあたりのおいしそうな所だけを聞きたい時には“Together” (1974-1977) Chet Baker & Paul Desmondなんてとても素晴らしいオムニバスがあります。




posted by H.A.


【Disc Review】“She Was Too Good to Me” (1974) Chet Baker

“She Was Too Good to Me” (1974) Chet Baker

Chet Baker (Trumpet, Vocals)
Bob James (Piano, Keyboard) Milt Jackson, David Friedman (Vibes) Ron Carter (Bass) Steve Gadd, Jack DeJohnette (Drums)
Paul Desmond (Alto Saxophone) Romeo Penque (clarinet) Hubert Laws, George Marge (Flutes) and orchestra

She Was Too Good to Me
Chet Baker
Masterworks
2010-10-05


 Chet Baker、言わずと知れた名作、人気作。
 1970年代CTI、フュージョン~ポップスも混ざり合う音。
 エレピのクールでフワフワした響き、攻撃的でパタパタ、シャカシャカしたドラム、間延びしたようなエレキっぽいウッドベース。
 全部合わせて1970年代のジャズ。
 そんな音を背景にした、クールなトランペット、フルート、激甘アルトサックスの絡み合い。
 さらにときおりの甘いボイスにロマンチックなオーケストラ・・・
 とても優雅。
 心地よさ最高。




posted by H.A.


【Disc Review】“Amoroso” (1976) Joao Gilberto

“Amoroso” (1976) Joao Gilberto

João Gilberto (guitar, vocals)
Claire Fisher, Ralph Grierson (keyboards) Milcho Leviev, Michael Boddicker (synthesizer) Jim Hughart (bass) Grady Tate, Joe Correro (drums) Paulinho Da Costa (percussion) Bud Shank, Glenn Garrett, Eddie Cain (flute) and Orchestra

AMOROSO(イマージュの部屋) <BRASIL SUPERSTAR 1200>
ジョアン・ジルベルト
ワーナーミュージック・ジャパン
2016-06-22


 João Gilberto、アメリカ制作の一作。
 Claus Ogermanの柔らかなオーケストラ、ストリングスを背景にした、これまた柔らかなギターと囁く声。
 優雅の極み。
 “The Warm World of João Gilberto” (1958-1961)などの時代と音作りそのものは変わらないのかもしれませんが、徹底された洗練。
 楽曲はJobim, Gershwin、その他各所のいずれ劣らぬ名曲、人気曲群。
  "'S’Wonderful"
  "Estate"
  "Tin Tin Por Tin Tin"
  "Besame Mucho"
  "Wave"
  "Caminhos Cruzados"
  "Triste"
  "Zingaro"
 “Getz/Gilberto” (1963)と同様、アメリカ制作のアルバムでは、なぜかギターが刻むビートがわずかに遅れてくるように感じます。
 それが沈んだ感じの声と相まって、寂寥感を増幅。
 それが特別なカッコよさ。
 現代、それを実践しているのがRosa Pasossただ一人、たぶん。
 が、次作のブラジル録音“Brasil” (1981)ではそれが無くて・・・ってなのは、気のせいなのでしょうかね・・・?
 そんなマニアックな事はさておいて、とにもかくにも心地よさ最高。
 最高の楽曲の最高のアレンジ、最高のギターと歌。
 ボサノバとあの時代の優雅系欧米ポップミュージックが最もいい形で近づき、フュージョンした一作。
 ソフトでスムースなJoão Gilbertoなら、これ。




posted by H.A.


【Disc Review】“João Gilberto en México” (1974) Joao Gilberto

“João Gilberto en México” (1974) Joao Gilberto

João Gilberto (vocals, guitar) and others

João Gilberto en Mexico
Joao Gilberto
PolyGram
1974-01-01


 João Gilberto、1970年代前半のメキシコでの録音。
 ギターと声と少々のパーカッションをベースに、コンボ、穏やかなオーケストラが優しい彩を付けるこの期のボサノバのオーソドックスな編成。
 “Getz/Gilberto” (1963)はもとより、他のアルバムと比べると知名度は低いのかもしれませんが、同じく名作。
 ま、この人の場合、すべてが名作なのですが・・・
 オーソドックスでほどほどの彩りがある分、あるいは明るくて柔らかな分、これが一番いいという向きがあっても納得の名演、名曲揃い。
 "Bésame Mucho"はさておき、有名曲はあまりないのですが、小粋なメロディが上品なアレンジで紡がれていきます。
 後の“Amoroso” (1976)ほどの洗練はないにせよ、かえって慎ましやかでほどほど素朴な感じがとてもいい感じ。
 いずれ劣らぬ名作の中、一番気楽に聞けるのはこれ、かな?



posted by H.A.


【Disc Review】“João Gilberto” (1972-1973) João Gilberto

“João Gilberto” (1972-1973) João Gilberto

João Gilberto (vocals, guitar)
Sonny Carr (percussion) Miúcha (vocals)

JOAO GILBERTO (Aguas de Marco)
Joao Gilberto
EMARC
2000-06-10


 João Gilberto、1970年代前半の作品。
 ギターの爪弾きと少々のパーカッションを背景にした囁きヴォイス、それだけ。
 優雅なオーケストラや躍動感のあるジャズコンボとの共演もいいのだけども、この形が一番自然な感じ。
 Jobimの名曲「三月の水」"Águas de Março"を冒頭にいただき、淡々と進む音。
 シンプルなようで徐々に周囲の景色が変わっていくような感じがするのは、メロディ、コードの動きゆえなのか、ギターと声ゆえなのか・・・?
 ま、神様二人のなせる技なので、何が起こっても不思議でないというか、何と申しましょうか・・・
 繰り返される音の動き、祈りのような囁きヴォイス、なんとも含蓄の深い歌詞を含めて、この種の音楽の極みの一つ。
 瞑想的・・・ってな感じとはちょっと違うのかもしれませんが、淡々と刻まれるギターと囁くような声を聴いていると、どこか別の世界に連れていかれそうな・・・
 以降、普通に美しいブラジル曲が並びますが、そんな特別な音に聞こえてきます。
 それでも決して暗くも難しくも敷居が高くもなくて、最後にさりげなく収められた奥様とのDuoなど、とても微笑ましくていい感じ。
 クールでハードボイルド、そして瞑想的。
 そんなボサノバを聞きたい時は、本作か“João Voz e Violão” (2000)。
 本作の方がハイテンションです。
 創始者にしてこの人のボサノバは特別です。




posted by H.A.


【Disc Review】“Milton” (1976) Milton Nascimento

“Milton” (1976) Milton Nascimento

Milton Nascimento (guitar, vocals)
Toninho Horta (electric guitar) Hugo Fattoruso (piano, electric organ) Novelli (double bass) Roberto Silva (drums, percussion) Laudir De Oliveira (percussion)
Herbie Hancock (piano) Wayne Shorter (soprano, tenor sax) Raul De Souza (trombone)

Milton
Milton Nascimento
Polygram Records
2000-04-04


 Milton Nascimento、1976年作。
 ブラジリアンのバンドにWayne ShorterHerbie Hancock、ブラジリアンジャズのRaul De Souza。
 そんなジャズなゲストを迎え、“Native Dancer” (1974)を経た時期ですが、まだロックな色合い。
 この期のレギュラーメンバーToninho Hortaもロックなギターを弾いています。
 全体のイメージはブラジル山奥エスニック色が混ざるBeatles的ロック~ポップスのフュージョン。
 そんな中で、たくさんの場面で吹きまくるWayne Shorterに、“Courage” (1968,1969)でも共演していたHerbie Hancockがカッコいい。
 ファンキーな“Man-Child” (1974-75)と同時期ですが、本作ではスーパージャズピアニスト。
 凄いのが、幻想的な名曲”Fransciso”。
 訥々としたギターとピアノを背景にしたスキャット、強烈な浮遊感とセンチメンタリズム。
 “Lachrimae” (2003) Andre Mehmariで素晴らしいカバーがありますが、こちらの方がカッコいいかも・・・?
 そんなブラジル山奥系エスニックで幻想的な演奏を間に置きながら、ロックな、あるいはBeatlesな元気いっぱいの演奏がたっぷり。
 これまた1970年代的MPBな音ですが、サイケでディストーションなギターもなくなり、スッキリした感じになってきているのかな?
 さてどうでしょう?




 posted by H.A.


【Disc Review】“Minas” (1975) Milton Nascimento

“Minas” (1975) Milton Nascimento

Milton Nascimento (Vocals, Guitar, Piano, Percussion)
Wagner Tiso (piano, keyboards, organ) Tenório Júnior (órgãn, percussion) Beto Guedes (vocals, guitar, percussion) Toninho Horta (guitar, percussion, flute) Nelson Angelo (guitar, percussion) Novelli (bass, piano, percussion) Paulinho Braga (drums, percussion) Edison Machado (drums) Gegê (percussion) Chico Batera (marimba)
Fafá de Belém, Golden Boys, Nana Caymmi, Lizzie Bravo, Tavinho Moura, Fernando Leporace (vocals)
Nivaldo Ornelas (sopranos, tenor sax, flute)

ミナス
ミルトン・ナシメント
ユニバーサル ミュージック
2014-07-23


 Milton Nascimentoの1975年作。
 “Native Dancer” (1974) Wayne Shorterに近い時期ですが、本作はまだロック色が強い音。
 ロック、フォーク、Beatles的ポップスな感じがたっぷり、派手なアレンジもたっぷり。
 それにフォルクローレな空気感や南米山奥的な色が加わる1970年代ミナス的、Milton Nascimento的MPB。
 いろんな要素がごった煮、少しざらついた感じのあの時代の音。
 もう少し先の"Terra dos Pássaros" (1979) Toninho Hortaも似た感じでしたねえ・・・
 “Native Dancer” (1974)の冒頭を飾った”Ponta de Areia”に、Toninho Hortaの定番バラード“Beijo Partido”が取り上げられていることに頬が緩んでしまうのは、マニアな嗜好ですかね?
 思えばあの過激な “Academia de Danças” (1974) Egberto Gismontiと同時期。
 全く違う音楽ですが、あの時代のブラジルの過激さ、ごちゃごちゃ感が想像されて面白いなあ・・・




 posted by H.A.


【Disc Review】“Clube Da Esquina” (1972) Milton Nascimento & Lô Borges

“Clube Da Esquina” (1972) Milton Nascimento & Lô Borges

Milton Nascimento (Vocals, Piano, Guitar) Lô Borges (Vocals, Guitar, Surdo, Percussion)
Tavito (Guitar, Vocals) Toninho Horta (Guitar, Percussion, Bass) Nelson Angelo (Guitar, Piano, Surdo, Vocals) Wagner Tiso (Organ, Piano, Vocals) Luiz Alves (Bass, Shaker, Percussion) Beto Guedes (Bass, Guitar, Percussion, Vocals) Rubinho (Drums, Congas) Robertinho Silva (Drums, Percussion, Vocals) Paulinho Braga (Percussion) Alaide Costa (Vocals) and others

Clube Da Esquina
Milton Nascimento / Lo Borges
Blue Note Records
1995-02-07


 Milton Nascimento、初期のフォークロックなMPB作品、ブラジルのOdeonレーベルから。
 たくさんの名曲が収録された代表作、1970年代MPBの代表作でもあるのでしょう。
 ブラジルのフォークとエスニック、Beatles的なロック、サイケなロックがフュージョンする、ポップななようで不思議感もたっぷりな音。
 ロックなビートにフォークなギターと歌。
 兄弟のようなシンガーソングライターLô Borgesに、しばらく共演が続く同じくミナス出身のToninho Hortaに、ブラジリアンロック~ジャズの若手たち。
 凝ったアレンジで展開も複雑ですが、必要以上に分厚い音ではない自然な音。
 独特の緊張感と青臭い感じを醸し出しながら、どことなく浮世離れした感じはこの人の音ならでは。
 “Angelus” (1993)でAORな感じでセルフカバーされ、近作"Tamarear" (2015)の冒頭を飾った名曲 “Clube da Esquina, No. 2”は、この期ではエスニックな音とギター掻き鳴らし系の南米フォークロック調。
 若いというか、時代の音というか・・・いずれにしても名曲、名演です。
 不思議なエスニック感と不思議なノスタルジーに浸れる不思議なポップス。
 当時の欧米からの影響が強いポップスながら、この不思議な緊張感とやるせない感、それとは逆の和み感は、Brazilian Saudadeゆえなのでしょう。




 posted by H.A.


【Disc Review】“Jaco” (1974) Paul Bley, Jaco Pastorius, Pat Metheny, Bruce Ditmas

“Jaco” (1974) Paul Bley, Jaco Pastorius, Pat Metheny, Bruce Ditmas

Paul Bley (Electric Piano) Jaco Pastorius (Bass) Pat Metheny (Guitars) Bruce Ditmas (Drums)

Pastorius/Metheny/Ditmas/Bley
Jaco Pastorius
Greyscale Jazz
2018-04-20


 "Jaco"と題された凄いメンバーでのセッション、あるいはリハーサルの音源。
 Paul Bleyが親分なのでしょう。
 楽曲も彼の作品がほとんど。
 “Bright Size Life” (1975) Pat Methenyの制作前、Jaco Pastorius, Pat Methenyともにデビュー前。
 Paul Bley は全曲でエレピを弾き、フリージャズではなく、“Weather Report” (Feb-Mar.1971)的、あるいはエレクトリックMiles的な妖しいジャズフュージョン。
 Jaco Pastoriusはこの時期にすでにスタイルを確立していて、ゴムまりのように弾むファンクから、超絶な疾走、あのどカッコいい4ビート、ぶっ飛ぶソロ、その他諸々、“Black Market” (1976) Weather Reportから聞かれるJacoそのもの。
 一方、Pat Methenyは本人とはなかなかわからない演奏。
 ジャズ的なインプロビゼーションに凄みはあるものの、終始ワウ?をかけてチョーキングを多用したサイケな音。
 ここから短期で“Bright Size Life” (1975)に化けるとはなかなか想像できないのですが・・・
 それに加えて、ヒタヒタと迫りつつバシャーンドシャーンとくる、あの時代のジャズロック系の激しいドラム。
 Paul Bleyは様子を見つつ軽く流している感じでしょうか?
 彼の音楽のイメージではないのですが、彼一流の世間からズレたような妖しさ、スタイリッシュさは漂っています。
 あの時代のクリエイティブな先端ジャズの一コマ。




posted by H.A.

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