吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

-1969

【Disc Review】“Kele Mou Bana” (1991) Don Pullen & The African Brazilian Connection

“Kele Mou Bana” (1991) Don Pullen & The African Brazilian Connection
Don Pullen (Piano)
Nilson Matta (Bass) Guilherme Franco (Berimbau, Percussion, Timba, Timbales) Mor Thiam (Chimes, Djembe, Rainstick, Sound Effects, Vocals) Keith Pullen, Tameka Pullen (Vocals) Carlos Ward (Bass, Alto Sax)

Kele Mou Bana
Don Pullen
Blue Note Records
1992-02-25

 
 Don Pullen、Blue Noteでの名作エスニックジャズ。
 バンド名通りにAfrican & Brazilian。
 1970~80年代のフリージャズ、ハードなジャズを経た、少々ポップなエスニックなジャズ。
 歴史的にはアフリカ、ブラジル、ヨーロッパ、北アメリカの結節点がキューバだろうし、同じ時期に共演しているKip Hanrahanの影響もあったのでしょうかね?
 とにもかくにもアフリカンなパーカッションとサンバ混じりビート。
 キャッチ―なメロディ。
 それでいて硬派なジャズ。
 まずまずおとなしく始まりますが、音楽が進み、興が乗ってくると徐々に正体を露わにし、気がつけばド激しい系。
 グーの手でグリグリグリグリ、鍵盤をいたぶりまくり。
 まー、激しいやらカッコいいやら。
 Kip Hanrahan諸作を含めて、あまりフリーにはいかないこのくらいのDon Pullenがいいなあ。
 フリーな作品の中にもそんな楽曲がさり気なく置かれていましたが、この期の作品はそれを集めたアルバム揃い。
 とてもわかりやすくて、それでいて十二分にマニアックでカッコいい、エスニックジャズ。
 20年以上経った今聞いても大名作だと思うのだけど、世評はどうなのでしょう・・・?




posted by H.A.


【Disc Review】“Dimensions & Extensions” (1967) Sam Rivers

“Dimensions & Extensions” (1967) Sam Rivers
Sam Rivers (Tenor, Soprano Sax, Flute)
Cecil McBee (Bass) Steve Ellington (Drums)
James Spaulding (Alto Saxophone, Flute) Julian Priester (Trombone) Donald Byrd (Trumpet)



 Sam Riversの激しい系モダンジャズ。
 ホーンのアンサンブルや勇ましい系のアコースティック4ビートは“Free for All” (Feb.1964) Art Blakey & The Jazz Messengersなどな感じではあるのですが、ピアノレスがクールな質感、リーダーのサックスはブチ切れ系。
 “Free for All”のWayne Shorterのような激しい音。
 序盤はそんな感じでまだまだ平和ですが、中盤、LPレコードではA面の最後から、激しさを増してきます。
 激しいビートの中、ブチ切れ系のホーン陣の暴力的なブロー。
 “Out To Lunch” (1964) Eric Dolphyから三年、“Ascension” (Jun.28.1965) John Coltraneから二年、あるいは“Bitches Brew”(Aug.19-21,1969) Miles Davisに先んじること二年の激しい系エネルギー放出型ジャズ、フリー寄り。
 LPレコードB面に移ってもその熱は冷めず、激しい演奏が続きます。
 激烈ながら、妙に深刻だったり陰鬱だったりしないのが、この人の音楽。
 どこかあっけらかんとしていて、なんだかんだでジャズしています。
 モダンジャズなようなフリージャズなような微妙なバランスの音楽。
 壊れそうで壊れない、危ういバランスの激しさ、美しさ。
 そんな時代の狭間の音。




posted by H.A.


【Disc Review】“A New Conception” ‎(1966) Sam Rivers

“A New Conception” ‎(1966) Sam Rivers
Sam Rivers (Tenor, Soprano Sax, Flute)
Hal Galper (Piano) Herbie Lewis (Bass) Steve Ellington (Drums)

ア・ニュー・コンセプション
サム・リヴァース
ユニバーサルミュージック
2014-01-22


 歪む時空の人から、何となくSam Rivers。
 私にとってはEric Dolphyを聞くとなぜか思い出してしまう人。
 フリーに行きそうで行き切らない危ないバランスが共通するのでしょうかね。
 本作はBlue Noteでのモダンジャズ。
 Miles Davisとは“Miles in Tokyo” (Jul.1964)一作のみ。
 ECMで制作するも、“Contrasts” (1979)一作のみ。
 他にもビッグネームとの共演も少なくないのだと思うのだけども、なかなか続かない不思議な人。
 なんででしょうね?
 あくまで私見ですが、John ColtraneSony Rollinsが混ざったような、希少な最高のテナーサックスだと思うのですが・・・
 せめてJoe Hendersonと同じぐらいの人気があってもね・・・

 ともあれ、本作はオーソドックスで平和なモダンジャズ。
 時代は“Out To Lunch” (1964) Eric Dolphyから進んでいますが、あくまで本作はモダンジャズ。
 ガンガンゴンゴン系のピアノトリオをバックに、スタンダード曲を艶のある音でブリブリと吹きまるテナー。
 平和なだけでなくて、突っ走り、グルグルウネウネとどこまでも続いていくようなフレージング。
 今の季節にはちょうどいい感じの暑苦しさ。
 こりゃ気持ちいいや。





 さらに、音に合っているかどうかはさておき、とても素敵なジャケット。
 全くの余談ですが、私が大好きなBlue Noteのジャケットは本作含めて以下。
 好みが一貫してますね・・・

ア・ニュー・コンセプション
サム・リヴァース
ユニバーサルミュージック
2014-01-22

イージー・ウォーカー+2
スタンリー・タレンタイン
ユニバーサルミュージック
2014-01-22

レッテム・ロール
ジョン・パットン
EMIミュージック・ジャパン
1997-09-26






posted by H.A.


【Disc Review】“Out There” (Aug.1960) Eric Dolphy

“Out There” (Aug.1960) Eric Dolphy
Eric Dolphy (flute, bass clarinet, alto saxophone, clarinet)
Ron Carter (bass, cello) George Duvivier (bass) Roy Haynes (drums)

Out There
Eric Dolphy エリックドルフィー
Original Jazz Classi
1989-12-12


 Eric Dolphyの第二作。
 不思議感120%のモダンジャズ。
 4か月前に制作した前作“Outward Bound” (Apl.1960)は普通にモダンジャズな形でしたが、ここではそれを壊しに行っているように思います。
 異次元空間からやってきましたあ・・・ってな感じ十分な音。
 コードを縛るピアノは外して空間を広げて、これでやっと爆発的な演奏が収まりそうな空間ができたかも・・・
 でも、まだ4ビートを刻むウォーキングベースとドラムが邪魔かなあ・・・
 ってな感じで、リズムの二人はキッチリジャズを演奏していますが、Eric Dolphyはもちろん、Ron Carterはぶっ飛び気味。
 このアルバムはぶっ飛んでますが、ここから先しばらくは“Olé Coltrane” (May.1961)、“Live! at the Village Vanguard” (Nov.1961)などのJohn Coltraneとの共演も含めて、少し時計の針を戻したようなオーソドックな色が強いジャズ。
 時代が進み、Tony Williams その他、多くのアーティストがぶっ飛んだ演奏を始めてやっと“Out To Lunch” (1964)にたどり着いた・・・ってな感じでしょうか。
 ジャケットはなんだかよくわからないChirico風の不思議な絵。
 そのままの音。
 他者を寄せ付けない爆発的な演奏力もさることながら、モダンジャズ離れした本作と“Out To Lunch” (1964)がEric Dolphyの真骨頂、なのでしょう。
 それを引き継いだのは果たして・・・?
 ちょっと違うか・・・
 ヨーロッパ系にいたような気もするのだけも、思い出せないなあ・・・?




posted by H.A.


【Disc Review】“Outward Bound” (Apl.1960) Eric Dolphy

“Outward Bound” (Apl.1960) Eric Dolphy
Eric Dolphy (flute, bass clarinet, alto saxophone)
Freddie Hubbard (trumpet) Jaki Byard (piano) George Tucker (bass) Roy Haynes (drums)

Outward Bound
Eric Dolphy
Ojc
1991-07-01


 Thelonious Monkに次いで、同じく歪む時空の音を奏でるEric Dolphy、デビュー作。
 若くして亡くなったクリエイティブなアーティスト、時間が短すぎて全部やり切れてはなかったんだろうなあ・・・ってな印象。
 亡くなる少し前の“Out To Lunch” (1964)、“Point of Departure”(1964) Andrew Hillなどが凄まじい演奏。
 亡くなった1964年以降にフリージャズ、フュージョン、その他諸々新しい動きが盛り上がったのでしょうから、この人がいればもっと凄いことになっていたんだろうなあ・・・と思います。
 本作はその時代よりも少し前、ジャズとブルースが中心の作品。
 全編アコースティック4ビート、スタンダード曲も入っていますが、それでもなんだか変わっています。
 先行していた?Ornette Coleman的といえばそうなのかもしれないけども、もう少しオーソドックス寄り。
 加えて爆発的なサックス他の演奏力。
 サポートメンバーは名手揃いですが、Eric Dolphyの音が鳴ると空気感が一変するようにも感じます。
 トランペットが先導する“On Green Dolphin Street”などはその典型。
 天才Freddie Hubbardがキッチリテーマを出し、流麗なソロを展開しますが、その間のバスクラリネットのソロはなんだか別世界。
 後の強烈さこそまだないにせよ、ソロが始まると、あるいはテーマを吹くだけでも急に緊張感が高くなるように感じます。
 他のメンバーが平和なモダンジャズな演奏だけに好対照。
 ちょっと変わったオリジナル曲も含めて全編そんな感じ。
 Freddie Hubbardが対抗しよう?としている感じの場面もありますが、ナチュラルにブチ切れ気味のソロを展開するEric Dolphyにはかないませんかねえ・・・
 由緒正しき形式のバース交換の場面、ブルースの演奏などもそんな感じ。
 普通にジャズをやってみようと思っているのだけども、無意識に枠組みから外れてしまいますぅ・・・って感じ。
 後のスタジオ録音アルバムでは枠組み自体を壊してしまえ・・・ってな感じのものもありますが、ライブでの録音などは、オーソドックスなフォーマットとそれに納まりきらないサックス、その不思議なアンバランス。
 やはりこの頃から全く普通ではない音使い。
 それをキッチリと収める形ができたのは“Out To Lunch” (1964)?
 そこでもまだ未完だった感じもするなあ・・・




posted by H.A.


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