吉祥寺JazzSyndicate

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-1969

【Disc Review】“Andança” (1969) Beth Carvalho

“Andança” (1969) Beth Carvalho

Beth Carvalho (vocal) 
Som Três: César Camargo Mariano (piano) Sabá (bass) Antonio Pinheiro (drums) Golden Boys, Milton Nascimento (voice) and others

Andanca
Beth Carvalho
EMI Brazil
2009-02-01


 サンバの女王Beth Carvalhoの1969年、堂々たるデビュー作。
 César Camargo Mariano 率いるピアノトリオSom Trêsを中心として、エレキギター、あるいはオーケストラ、コーラスを取り込んだモダンな音。
 洗練されたアレンジ、太くハスキーな声でゆったりと歌われる、新旧織り交ぜたブラジル曲たち。
 大排気量の車がゆっくりと走っているような余裕。
 元気いっぱいから沈痛まで多彩なイメージのElis Reginaさんとはまた違ったカッコよさ、余裕しゃくしゃく、どっしり構えた感じのBethさん。
 しっとりと湿っているようにも、やはりサラリとしているようにも感じるし、優しさ温かさとクールネスが同居しているようにも感じます。
 新しい時代のブラジリアンポップスのようにも聞こえるし、やはりサンバそのもののようにも聞こえます。
 そんな絶妙なバランスのカッコよさ。
 堂々としたブラジリアンポップス、心地よさ最高。
 本作はもちろん、この人のアルバムはどれも名作なのでしょう。




posted by H.A.


【Disc Review】”Muito Na Onda” (1967) Conjunto 3D

”Muito Na Onda” (1967) Conjunto 3D

Antonio Adolfo (Keyboards) Hélio Delmiro (Guitar) Gusmão (bass) Nelsinho (drums)
Rubens Bassini, Jorginho Arena (Percussion)
Eduardo Conde, Beth Carvalho (Vocal) and others

ムイント・ナ・オンダ
コンジュント3D
EMIミュージック・ジャパン
2002-08-28





 ブラジルのグループConjunto 3Dの唯一のアルバム、Sergio Mendes的ブラジリアンポップス。
 Elis Reginaバンドの名ピアニストAntonio Adolfoを中心としたピアノトリオにギター、パーカッションのジャズサンバなオーソドックな編成。
 半数ほどで前面に出るヴォーカルの中心は、後のサンバの女王Beth Carvalhoのハスキーヴォイス。
 メンツからして気合いを入れてシリアスな・・・ってな感じではなくて、のほほんとしたポップなサウンド。
 “When The Saints Go Marching In”から始まり, “Watermellon Man”, “男と女”, ”I've Got You Under My Skin~Night And Day”といった欧米のヒット曲をブラジル曲の間に織り込みつつ、ソフトな男女コーラスを配していく、この期の定番の構成。
 柔らかで温かな音がゆるゆると流れていきます。
 ピアノがコロコロと心地よく転がっていきますが、後のElis Reginaバンドのように叩きまくられる場面はありません。
 またBeth Carvalhoさんの作品からすれば、後の伝統的サンバな“Canto Por Um Novo” (1973)はもとより、モダンな“Andança” (1969)とも全く違った質感のポップス。 
 あの”Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil '66”の引力がそれほどまでも大きかったのか?・・・そのあたりは詳しい方にお任せするとして、ジャケットのポートレートのまんまの、緩やかで楽し気な音に浸るとしましょう。




posted by H.A.


【Disc Review】“Elis Regina in London” (1969) Elis Regina

“Elis Regina in London” (1969) Elis Regina 

Elis Regina (vocal)
Antonio Adolfo (paino) Roberto Menescal (guitar) Wilson Das Neves (drums) and others, Orchestra

Elis Regina In London (Ao Vivo)
Universal Music International Ltda.
2018-03-02


 Elis Regina、1969年の名作&人気作、というよりも聖典なのでしょう。
 超弩級ハイテンション・ブラジリアン・ファンク、事始め、怒涛のような音。
 オーケストラが入ってはいますが、ベースはジャズサンババンドのはず・・・なのですが、激しく加速し、どこまでも疾走する爆発的なサウンド。
 怒涛のパーカッションに、唖然とするしかないほどに凄まじいベース、叩きまくられるピアノ、時空を埋め尽くすかのようなブラス、ストリングス。
 そんなバンドを背景にして、というよりも、それを煽り、先導して引っ張り続けるヴォイス。
 バラード演奏にホッとするのはつかの間、怒涛のようなハイテンションな音がこれでもかこれでもかと続きます。
 もう、血管切れそう。
 優雅なはずのブラジル曲が激しさ120%。
 ”Wave”なども収録されていますが、やわなボサノバなんて期待してはいけません。
 気合の入った、てやんでえ、ってな”Wave”。
 紛うことなく大名作ですが、ボサノバ、ブラジリアンポップスを聞こうとしてここから入ってしまうと火傷する人も少なくないでしょう。
 そんな灼熱のブラジリアンファンク。




posted by H.A.

【Disc Review】“Como & Porque” (1969) Elis Regina

“Como & Porque” (1969) Elis Regina

Elis Regina (vocal)
Antonio Adolfo (Piano) Roberto Menescal (Guitar) Wilson Das Neves (Drums) Hermes Contesini (Percussion) and others, Orchestra

Como E Porque
Elis Regina
Universal Brazil
1994-12-01


 Elis Reginaの1969年作。
 ジャジーでファンクなブラジリアンポップス。
 ジャズサンババンドにホーン陣、オーケストラがサポートするこの期のオーソドックスな編成。
 名曲“Aquarela Do Brasil”から始まり、Egberto Gismonti, Milton Nascimentoなど新感覚の人たちの楽曲、はたまたMichel Legrandまでを取り入れた構成。
 浮遊、疾走、幻想、激情、哀愁・・・、さまざまな表情を見せるヴォイスとそれに寄り添うバンド。
 普通のボサノバやサンバとは違う弾むビート、ファンクなグルーヴ、畳みかけるようなブレークとキメがカッコいい。
 激しく動き回るベースが醸し出す焦燥感のようなものもこの頃から。
 それが極限にまでに高まった“Elis Regina in London” (1969)と同時期の制作ですが、まだまだ落ち着いていて、違う質感の本作。
 そこに向けた助走とみるか、違う世界にぶっ飛ぶ前の完成された音と見るか。
 この人の作品、どれも名作ですが、楽曲の良さ、当時のレギュラーなのであろうバンドの完成された一体感も含めて、頭一つ抜けた名作の一つだと思います。
 本作でまずはElisさん流ジャジーな1960年代ブラジリアンポップスを極めた感じ。
 次の極めつけ、ハイテンション・ブラジリアン・ファンク“Elis Regina in London” (1969)へと続きます。




posted by H.A.


【Disc Review】“Elis Regina & Toots Thielemans” (1969) Elis Regina, Toots Thielemans

“Elis Regina & Toots Thielemans” (1969) Elis Regina, Toots Thielemans

Elis Regina (vocal) Toots Thielemans (Harmonica)
Antonio Adolfo (Piano) Roberto Menescal (Guitar) Jurandir Duarte (Bass) Wilson Das Neves (Drums) Hermes Contesini (Percussion) & Strings

ブラジルの水彩画
エリス・レジーナ&トゥーツ・シールマンス
マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
1998-05-27


 Elis Regina、巨匠Toots Thielemans との共演作。
 冒頭から“Wave”, ”Aquarela Do Brasil”と必殺曲が並び、ジャズサンバの名人たちの手練れた演奏。
 ボサノバが半分、Elis さん流ファンクが半分。
 もちろんボサノバ定番ウイスパーヴォイスなんて感じではありませんが、硬軟織り交ぜた多彩なヴォイス。
 バンドはファンクな色合いが見え隠れするハイテンションサウンド。
 そんな中でToots さんはいつもの平和で大らかな音。
 そんなに急がなくてもいいんじゃないの、ってな感じにも聞こえるし、若者のペースにキッチリ合わせたさすがの名人芸にも聞こえるし。
 穏やかでゆったりとしたボサノバサウンド、その合間に挿まれたハイテンションなブラジリアンファンク。
 Elis Reginaのボサノバを聞くのであれば、本作と“Elis Especial” (1968)、“Elis & Tom” (1974)がいいんでしょうね。




posted by H.A.


【Disc Review】“Elis Especial” (1968) Elis Regina

“Elis Especial” (1968) Elis Regina

Elis Regina (vocal) and others

Elis Especial
Elis Regina
Universal Brazil
1979-12-01


 Elis Regina、1968年のアルバム。
 アコースティックなブラジリアンポップス。
 ガットギターかピアノが前面出るジャズサンバなコンボに、控え目なオーケストラ、ストリングスの彩り。
 Baden Powell, Dori Caymmi, Chico Buarque, Gilberto Gil, Edu Loboといった巨匠たちの楽曲が並び、さらにJobim, Mangueiraのメドレー。
 オーソドックスなボサノバ、サンバのアルバムが少ない人ですが、本作が一番そんな感じでしょうか。
 そろそろハイテンションなファンクの表情のバンド演奏が見え隠れしていますが、抑制されたサウンド。
 ボーカルも後のシャウトスタイルはなく、丁寧に、情感たっぷりに、さらに余裕たっぷりに歌われていきます。
 アップテンポでは突っ走り、バラードでは遅れ気味に置かれていく声。
 背景が静かな分だけ、歌のカッコよさが際立ちます。
 普通に1960年代ブラジリアンポップスなElisさんを聞くには、このアルバムあたりがいいのかな?




posted by H.A.


【Disc Review】“Elis” (1966) Elis Regina

“Elis” (1966) Elis Regina

Elis Regina (vocal) and others

Elis
Elis Regina
Universal Import
2005-12-22


 ブラジルのカリスマElis Regina、1966年の”Elis”。
 ブラジリアンポップスですが、普通のボサノバ、サンバではない、ドラマチックな音。
 ジャズサンバコンボにコーラス、オーケストラ、Edú Lôbo, Gilberto Gil, Caetano Vellosoを複数曲、さらにMarcos Valle, Chico Buarque, Pixinguinha, Vinicius De Moraes, Milton Nascimentoといった、新旧、諸々の色合いの選曲。
 編成、選曲だけ見るとこの先と変わらない感じなのですが、ポップス色があまり強くありません。
 凝った構成の楽曲、編曲。
 決して長くはない一曲々の中でビート、メロディ、色付けが次々と変わり、ストリングス、管楽器と相まって、クラシック、あるいは演劇的な要素も感じるドラマチックな構成。
 ボサノバでもサンバでもポップスでも、後のファンクでもない何かを模索しているようにも感じます。
 それらを表現豊かに歌い綴る声。
 ドラマチックなElis Regina。




posted by H.A.


【Disc Review】“2 Na Bossa” (1965) Elis Regina, Jair Rodrigues

“2 Na Bossa” (1965) Elis Regina, Jair Rodrigues

Elis Regina, Jair Rodrigues (vocal) & others

2 Na Bossa
Universal Music LLC
2006-08-14


 Elis Regina, Jair Rodriguesの双頭リーダー作、ライブ録音。
 ノリノリのハイテンションジャズサンバ。
 この期のスタジオ録音諸作のように凝った音ではなく、ピアノトリオ?を背景にしたシンプルなジャズサンバ。
 Jobim、Carlos Lyraなどのメドレーで幕を開け、Marcos Valle, Edu Loboなどなど、今も歌い続けられるブラジリアンスタンダードたち。
 コロコロと激しく転がるピアノ(これが凄い!)が盛り上げる音の流れの中で、堂々と朗々と歌う二人。
 二人の掛け合いの間の自然な合いの手までが、完璧な計算され配置されたようなカッコよさ。
 ときおりのバラードと、すっとぼけたような男声、柔らかなコーラスに一息しつつも、最初から最後まで楽しげでハイテンションな宴が続きます。
 ジャズサンバ≒ボサノバなのかどうか、よくわからないのですが、ボサノバよりもジャズサンバって語感の方が似合います。
 それも汗が飛び散る熱狂型。
 あの時代のブラジルの熱。




posted by H.A.


【Disc Review】“Samba, Eu Canto Assim” (1965) Elis Regina

“Samba, Eu Canto Assim” (1965) Elis Regina

Elis Regina (vocal) and others

Samba:Eu Canto Assim (1965)
Elis Regina
Soul Jazz Records


2012-10-22


 ブラジルのカリスマElis Regina、1965年作。
 オーケストラに彩られたブラジリアンポップス。
 普通のジャズサンバ、ボサノバとは違ったイメージ、重めのドラマチックな音。
 “Brilhantes(“Ellis Regina”, “O Bem Do Amor”)” (1963)などのジャズな感じでもなく、むしろクラシック的な感じさえする重厚なムード。
 Edu Lobo, Dorival Caymmi, Baden Powell, Marcos Valleといった巨匠たちのよく聞くメロディながら、軽快ではなくて、ドラマチックで深刻系。
 複雑にアレンジされたオーケストラが重厚な空気感を醸し出し、軽い編成のコンボ、ジャズな演奏、あるいはバラードでも、分厚めのホーン陣が重みと強いテンションを付け加えます。
 サンバ、ボサノバをポップスではなくて、違う世界に持って行こうとしていたのかもねえ・・・ってな感じの肝の据わった音。
 近いムードが残る“Elis” (1966)へと続きます。




posted by H.A.


【Disc Review】“Brilhantes” (1963) Elis Regina

“Brilhantes” (1963) Elis Regina

Elis Regina (vocal) and others

アーリー・デイズ・オブ・エリス・レジーナ
エリス・レジーナ
エピックレコードジャパン
1999-06-19


 ブラジルのカリスマElis Regina の初期作品、“Ellis Regina” (1963), “O Bem Do Amor” (1963) からのオムニバスアルバム。
 とてもノスタルジックで優しい音のブラジリアンポップス。
 後の“Elis Regina in London” (1969)のハイテンション・ファンクのイメージが強いのですが、この期はジャジーで落ち着いた歌。
 可憐なシルキーヴォイスと抜群の歌唱力。
 背景を彩るアコースティックなジャズサンババンドとオーケストラ。
 ストリングスのアレンジと素朴なビートに時代を感じる、何ら奇をてらわないオーソドックスな音ながら、キリッとした感じがするのは、この人の歌ゆえなのでしょう。
 全くブレの無い完璧な歌。
 アップテンポはもちろんバラードの哀しげ、沈痛な感じも、この期、十代?にして既に出来上がった音。
 この先、時代のいろんな音を取り入れながら変わっていきますが、まずは1940-60年代のノスタルジーに浸れる、ジャジーで穏やかな素敵な音。




posted by H.A.


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