吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

#7.Stylish

【Disc Review】“Intercontinental” (1970) Joe Pass

“Intercontinental” (1970) Joe Pass

Joe Pass (guitar)
Eberhard Weber (bass) Kenny Clare (drums)

Intercontinental
Joe Pass
Mps-Jazz
2014-11-18


 とても暑いので涼しげな音を。
 私的Best of Jazz Guitar. なアルバム。
 Joe Pass、ソロギターの方が人気なのかもしれませんが、シングルトーンのインプロビゼーションをたっぷり聞けるのはバンドもの。
 ゆったりしたフレーズから早いフレーズまで、タメだったり加速感だったり抑揚だったり、微妙なニュアンスの変化がたっぷり。
 さらにリバーブが少々強め、艶やかかつ透明度の高いクリーントーン、美しい音。
 よくあるスタンダード&ボッサ&ブルースの、オーソドックスな演奏が特別なモノのように聞こえます。
 1970年初頭とは思えない美しい音、モダンな音の流れ。
 熱くはならない上品なギター、落ち着いたサポートに終始するベース(Eberhard Weber!)、ドラム。
 結果、クールな質感、夏場にはピッタリの音。
 小さめの音量でかけていると、まるで涼しい風がゆるく吹いてくるよう。
 手に汗を握らない、小難しくない、心地よさ最高なギターアルバム。
 この季節は激しいやつより、こんな音がイイですね。



posted by H.A.

【Disc Review】“Diamond Life” (1984) Sade

“Diamond Life” (1984) Sade
Sade Adu (voice)
Paul S. Denman (Bass) Dave Early, Paul Cooke (Drums) Andrew Hale (Keyboards) Dave Early, Martin Ditcham (Percussion) Stuart Matthewman (Saxophone, Guitar) Gordon Matthewman, Terry Bailey (Trumpet)

Diamond Life
Sade
Epic
2013-07-23
シャーデー

 懐かしいついでにこのアルバム。
 当時のイギリスの世相がどうだったかはわかりませんが、パンクのJamがオシャレなStyle Councilに変わっていったり、オシャレなフュージョンShakatakが流行ったりで、好況に向かっていたのかな?
 日本はバブルの入り口。
 ユーミン、山下達郎などのゴージャス系もさることながら、ちょっとマニアな男子の間ではこの手のちょっとオシャレで、ちょっと妖しげな雰囲気な音楽が流行っていたような。
 カセットテープにダビングして、カーステレオで。
 さて、Eryka Baduより10年以上前。
 近い音だったかな?と思いながらホントに久々に聞いてみました。
 Jazzyな質感、夜っぽい雰囲気、エキゾティシズムは通じますが、全体の感じは全く別物ですね。
 ちょっとオシャレで妖しげ、シャーマニックな感じも・・・と記憶していましたが、聞き直してみるとものすごくオシャレでポップ。
 でもSade Aduさんのスモーキーでディープなボイス、ゆったりとした立ち振る舞いは、Erykaさん同様、カリスマの雰囲気十分。
 自然に体が揺れる柔らかい軽めのグルーブ。
 シンプルだけど、かといって退屈なリズムでは無く、キツすぎず緩すぎないほどよい自然なノリ。
 ShakatakやIncognitoなどにも共通する英国系Funkのカッコよさ。
 あの時代の懐かしい音と言えばそうなのかもしれませんが、クールなグルーブ、哀感の強いメロディ、儚げなボイスがカッコいいことには変わりなし。
 今の若い人にはどう聞こえるんだろう???
 私は思い入れ先入観抜きで今の耳で聞いても、ものすごくカッコいいと思うのですが・・・

※Sade Aduさん、2:50ぐらいからお約束で突然踊り出す場面がとてもカッコいい。

posted by H.A.

【Disc Review】“Rio” (2008) Till Bronner

“Rio” (2008) Till Bronner
Till Bronner (trumpet)
Annie Lennox, Milton Nascimento, Vanessa Da Mata, Aimee Mann, Luciana Souza, Sergio Mendes, Melody Gardot, Kurt Elling (vocals) and others

Rio
Till Bronner
Uni Classics Jazz UK
2009-01-26
ティル ブレナー




 ドイツ人トランぺッターのブラジル音楽集。
 チェットベイカー風だったり、クラブジャズだったり、フュージョンだったり、なんでもやってしまうトランぺッターですが、このアルバムではボッサ~ブラジリアンポップス。
 これが都会的、現代的でいい感じ。
 Jobimの定番ナンバーも入っていますが、Toninho Horta、Joyce等々、現代の楽曲も織り交ぜながら、さながらブラジリアン名曲集。
 やっぱりブラジル人の書く曲は哀感(郷愁、saudadeですね)があっていいなあ。
 ゲストも多彩でいいミュージシャン、ボーカリストがたくさん。
 演奏は、ナチュラルな雰囲気が薄く、いかにもなポップスっぽく、あくまではクール。
 音の景色は、南米の森林や海岸では無くて、エアコンが効いたリゾートホテル、あるいは都会のオシャレなバー。
 その意味でものすごく良く出来た、現代的なブラジル音楽集。




posted by H.A.

【Disc Review】 “A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996) Kip Hanrahan

“A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996) Kip Hanrahan
Kip Hanrahan (Producer, Percussion)
DD Jackson, Don Pullen, Mike Cain (Piano) Eric Schenkman (Guitar)
Andy Gonzalez, Fernando Saunders (Bass)
Negro Horacio Hernandez, JT Lewis, Robby Ameen (Drums)
Abraham Rodriguez, Anthony Carrillo, Eric Valez, Milton Cardona, Paoli Mejias, Richie Flores, Puntilla Orlando Rios (Congas)
Henry Threadgill (Flute) Charles Neville (Tenor Saxophone) Alfredo Triff (Violin)
Brandon Ross, Carmen Lundy, Jack Bruce, Silvana Deluigi (Vocals)

キップ ハンラハン



 

 Astor PIazzollaのプロデューサーにしてニューヨークアンダーグランウンドの雄、Kip Hanrahanの千夜一夜物語。
 主役はパーカッションとピアノ、そして超妖しいヴォイス。
 凄まじいまでに強烈なグルーブ。
 リズムはカリブ~キューバ系。
 都会的に洗練されたクールかつ緊張感が漂うビート。
 パーカッシブ&メロディアスなピアノ。
 ピアノはDD Jackson、さらにあの故Don Pullen。
 そして何とも言えない哀感が漂うメロディ。
 それもやるせない男臭い哀愁。
 それらを囁くように歌うジャズボーカリストCamen Lundy、さらにあのクリームのJack Bruceなどなど。
 妖しさ満点。
 妖しく危ない、そして美しく、さらにオシャレな音楽。
 これはカッコいいわ。



posted by H.A.

【Disc Review】 “Paseo de los Castanos” (2007) Tomatito

“Paseo de los Castanos” (2007) Tomatito
Tomatito (Guitar) and Others

Paseo De Los Castanos
Tomtito
Universal I.S.
2003-02-25
トマティート




 フラメンコギタリストTometito。
 Michel Camiroとの共演は知っていたけど、このアルバムにはGeorge Benson (Guitar)との共演曲を収録。
 フラメンコ特有の汗臭さが薄まり、強烈な哀愁感を残しつつも都会的なクールなムード。
 そしてとてつもない疾走感。




posted by H.A.

【Disc Review】 “Spain Again” (2006) Michel Camilo,Tomatito

“Spain Again”(2006)Michel Camilo,Tomatito
Michel Camilo(Piano)/Tomatito(Guitar)

Spain Again
Universal Music LLC
2006-05-17
ミッシェル カミロ
トマティート


 ラテン系ピアニストMichel CamiloとフラメンコギタリストTomatitoのデュオ。
 “Spain”(2000)の続編。
 濃そうなメンツでド派手かなと思いきや、意外に落ち着いた演奏。
 フラメンコ、タンゴ、Jazzのちょうど中間ぐらいの質感、フラメンコ、タンゴの激しさは少し抑え目で私にとってはちょうどいいぐらい。
 とはいえ、このお二人ですので、テクニックは抜群、アンサンブルもソロも十二分にエキサイティング。
 白眉は一曲目"El Día Que Me Quieras"。
 スタートは恐ろしいほどに美しいギターのソロ。
 ゆっくりしたルバート的リズムで静謐ながらフラメンコ特有の高速フレーズがちりばめられ続くこと2分、一区切りついたところで、これまた美しいピアノが天から降りてくるように加わります。
 その後、ピアノを中心としたデュオでゆっくりと美しいテーマ~インプロビゼーションへ展開。
 Michel Camilo、ラテン系のノリノリガンガンのイメージが強いのですが、この曲では限りなくロマンチック。
 ゆったりと漂うように、また、時に高速なロングフレーズを交えながら起承転結が明確でドラマチックなインプロビゼーションを展開します。
 ここまで美しく、ロマンチックでドラマチックな演奏はなかなか無いでしょう。
 この一曲だけでもこのアルバムは買い。
 2曲目はあの"Libertango"。3曲ほどAstor Piazzollaの曲が続くこともあり、アルバム全体の印象はタンゴの雰囲気が強いかな。
 情熱的に来るかなと思いきや、意外とあっさり系で上品にまとめています。
 世評的には前作“Spain”の方が評価は高いのかもしれませんが、私的には前掲の一曲目だけでこのアルバム推し。

 


posted by H.A.

【Disc Review】“Playground” (2007) Manu Katché

“Playground” (2007) Manu Katché
Manu Katche (drum)
Mathias Eick (trumpet) Trygve Seim (tenor, soprano sax) Marcin Wasilewski (piano) Slawomir Kurkiewicz (bass) David Torn (guitar)

Playground (Ocrd)
Manu Katche
Ecm Records
2007-09-25
マヌ カッチェ

 若手ドラマー、Manu Katché、ECM第二作。
 前作のベテラン・オールスター・ホーン陣に代わって、同世代のメンバー。
 寂寥感が強めの音。
 あまり深刻にならないムードは前作同様、サラリとした寂寥感。
 決して熱くなることはなく淡々と進む演奏。強烈なビートもなければ、派手なインプロビゼーションも無い。
 淡々と刻まれる8ビート、乾いたスネアと静かに宙を舞うシンバルの音。静かに響くピアノ。力みのないホーンのアンサンブル。
 このクールさ、さり気なさがかえって凄みを感じさせる音。
 4曲目ぐらいから少し音量は上がり、ポップさも加わりますが、それでもクールな質感。
 それにしても寂寥感の漂ういい曲ばかり、奇をてらわない、個々の楽器の音が生きる上質なアレンジ。
 決して広くはないインプロビゼーションスペースでは、コンパクトながらツボを押さえた素晴らしい演奏。
 これまた、これ見よがしで派手な感じではないことが凄みに。
 これ、凄いアルバム、宝物を見つけたのかもしれない。




posted by H.A.

【Disc Review】“'Round About Midnight” (1955) Miles Davis

“'Round About Midnight” (1955) Miles Davis
Miles Davis (trumpet)
John Coltrane (tenor saxophone) Red Garland (piano) Paul Chambers (bass) Philly Joe Jones (drums)

マイルス デイビス

 この冒頭曲が流れると周囲の景色が変わるような気がします。
 さしずめ真冬のマンハッタン、真夜中。
 ハードバップの確立とか、歴史的名盤だとか、コルトレーンがうるさいとか、そんな野暮なことは忘れて1950年代マンハッタン、ハードボイルドな雰囲気に浸りましょう。
 カッコいいなあ。




posted by H.A.
Profile

jazzsyndicate

【吉祥寺JazzSyndicate】
吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。
コンテンポラリー ジャズを中心に、音楽、映画、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

記事検索
タグ絞り込み検索
最新記事
  • ライブドアブログ