吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

#0.★Something_Strange_but_Comfortable!!!(Best30Albums)

【Disc Review】“Volver” (1986) Enrico Rava, Dino Saluzzi

“Volver” (1986) Enrico Rava, Dino Saluzzi
Enrico Rava (trumpet) Dino Saluzzi (bandoneon)
Harry Pepl (guitar) Furio Di Castri (bass) Bruce Ditmas (drums)

Volver
Enrico Rava
Ecm Import
2001-06-19
エンリコ ラバ
ディノ サルーシ


 新作“Wild Dance” (2015)から30年前、Enrico Ravaとアルゼンチンのバンドネオン奏者Dino Saluzziの双頭リーダー作。
 Enrico Ravaのスタイリッシュな哀愁、Dino Saluzziの素朴な哀愁がいい感じの絡み具合。
 冒頭曲、浮遊感のあるギターをバックに、遠くから聞こえてくるように入ってくるDino Saluzziのバンドネオン。
 郷愁感たっぷりの音から始まり、Enrico Ravaが優しい音、美しいメロディで加わります。
 止まりそうなゆったりとしたリズムの中で、バンドネオンとトランペットが絡み合いながら静かに消えていきます。
 New Cinema Paradisoな世界。
 さらにはガラッと変わってグルーヴィーなジャズ、バンドネオンソロ、等々、さまざまなバリエーションの楽曲、演奏。
 いずれも哀愁、郷愁が漂う素敵な楽曲。
 強い浮遊感の柔らかな演奏から、ハードでテンションの高い演奏まで。
 スタイリッシュかつ郷愁漂ういい音楽。
 いつの時代もクールなEnrico Rava、いつも優しいDino Saluzziの音。

(※本当投稿は2016/02/09から移動しました。)



posted by H.A.

【Disc Review】“Carlos Aguirre Grupo (Violeta)” (2008) Carlos Aguirre Grupo

“Carlos Aguirre Grupo (Violeta)” (2008) Carlos Aguirre Grupo
Carlos Aguirre (piano, accordeon, keyboards)
Alfonso Bekes (guitar, mandolin) Luis Medina: (guitar, piccolo guitar) Fernando Silva (bass, cello) Jose Piccioni (perccusion, bandoneon) Silvia Salomone, Florencia Di Stefano, Jorgelina Barbiero (voice) Melisa Budini (voice, marimba)



 Carlos Aguirre Grupoの三作目。
 ボーカルはコーラスのみ、一曲一曲が長尺な器楽曲の構成、“Carlos Aguirre Grupo (Crema)” (2000)、“Carlos Aguirre Grupo (Roje)” (2004)とは少しイメージが異なります。
 もちろん音楽の質感は同じ、とてもセンチメンタルで郷愁感溢れる音なのですが、ボーカルはコーラスのみ、ポップス色は抑えられ、コンテンポラリージャズな音。
 強く激しい展開の場面もあり、それら含めてとてもドラマチック。
 次々と景色が変わっていくような構成。
 何かしらのドラマが込められた組曲なのでしょうか。
 少しずつ変わっていく複雑なビート、複雑なアンサンブル。
 先が読めない展開、 ときおりの激しいインプロビゼーション・・・
 さらに要所で現れるコーラスがいかにもCarlos Aguirre的であり、南米的。
 ビートが上がると高揚感のあるグルーヴ、ブラジル・ミナス色が強い時期のPat Metheny Group、さらに全体の強烈な起伏と高揚感は、その超大作”The Way Up” (2003-4)を想起します。  
 ポップス然としたキャッチ―さはありませんが、各曲長尺な演奏、複雑な構成の中に、目の覚めるような美しいメロディがたくさん散りばめられています。
 そしていろいろな場所にいろいろな仕掛けが施されています。
 冒頭”Invierno”の穏やかな表情の中から表出する短い激情、強烈な余韻を残すエンディング、二曲目"Rumor de Tambores"の激しい演奏の中に現れる胸が締め付けられるようなメロディ、四曲目”Casa Nueva”のこの上もなく切ないメロディ、最終”Mariposa Leve”の穏やかな高揚感の中での前向きなエンディング・・・
 穏やかで優しい流れの中の少しの激情、興奮、そして陶酔感・・・
 凄みすら漂うドラマ。
 これまた傑作でしょう。




posted by H.A.

【Disc Review】”The Way Up” (2003,2004) Pat Metheny Group

"The Way Up" (2003,2004) Pat Metheny Group
Pat Metheny (Acoustic guitar, Electric Guitar, Synth guitar)
Lyle Mays (Piano, Keyboards) Steve Rodby (Bass, Cello) Antonio Sanchez (Drums)
Cuong Vu (Trumpet, Voice) Gregoire Maret (Harmonica, Percussion) 
Richard Bona (Percussion, Voice) Dave Samuels (Percussion) 
 
THE WAY UP
Pat Metheny Group
Nonesuch

パット メセニー

 Pat Metheny Group、”Secret Story” (1991,1992)~”We Live Here”(1995)~”Quartet”(1996)以降、あるいは全キャリアの集大成ともいえそうな、超大作。
 ”Secret Story” (1991,1992)、 ”Imaginary Day”(1997) のドラマ性、プログレッシブロック的質感をベースとしつつ、”Speaking of Now”(2002) のしなやかさ、幻想的な南米路線、アコースティックギターでのフォーク路線、4ビートのハードジャズ、さらには変拍子~今日的なビートなどなど・・・全部詰め込んだ全一曲。
 乱暴にまとめると・・・
 ビート感は強め、リズムは複雑で今日的、
 楽曲、アンサンブルは複雑でドラマチック、ぶ厚い音、
 次から次へと目まぐるしく変わる景色、カラフルな音作り、
 メカニカルで複雑な展開、アンサンブル、計算し尽くされた構成と強烈な高揚感、
 かつての淡い色合いが極彩色に、水彩画が油絵に・・・、
 そんな感じ。
 これでもかこれでもかと突っ込んでくる凄まじい演奏が最初から最後まで続きます。
 これをやりたくて何年も試行錯誤してきたのでしょう・・・そう思わせるような凄み。
 さすがに全一曲の組曲、4種のブロックごとでも長尺ですので、気楽に聞ける感じではないのですが、要所にカッコいいメロディ、強烈な展開がたくさん組み込まれています。
   パート1の超弩級にドラマチックな展開に、パート2にかけての強烈な4ビートでの凄まじいインプロビゼーション、パート3にブラジル路線のイメージなどなど・・・
 1990年代からの集大成であるとともに、音のイメージは変われど1970年代からの集大成でもあるのでしょう。
 超弩級にハイテンションな超大作、でも暗かったり深刻だったりはしないし、Pat Metheny Groupらしい素晴らしいアルバム。
 好みはさておき、これが最高傑作、に異論なし。
 それにしてもごっつい音楽・・・・・・
 スピーカーに対峙して正座して聞かないとね・・・そう思わせる最高のアート。

 なお、この作品の後、Pat Methenyと盟友Lyle Maysの共演は途絶えている・・・のかな・・・? 




posted by H.A.

【Disc Review】“Still Life (Talking)” (1987) Pat Metheny Group

“Still Life (Talking)” (1987) Pat Metheny Group
Pat Metheny (guitars)
Lyle Mays (keybords) Steve Rodby (bass) Paul Wertico (drums)
Armand Marsal (percussion,voice) Mark Ledford, David Blamires (Voice)

Still Life (Talking)
Pat Metheny
Nonesuch

パット メセニー

 Pat Metheny、これをベスト・アルバムにあげる人は少なくないのでしょう。
 私もその一人。 
 他のミュージシャン、ジャンルを含めてもベスト。
 ”Offramp”(1982)あたりから始まったブラジリアンフレーバー路線が確立したと思われる作品。  
 もともと柔らかな音だったところに、さらにブラジル・ミナス系のしなやかさがON。
 カラッと明るかったイメージに、少し湿り気というか、翳りというか、妖しさというか・・・そんな色合いがON。
 特にリズムの使い方が変わった、あるいは完成したのでしょう。
 ロック色が強い曲がなくなり、また、いい意味でドラム、ベースが目立たなくなり、決してうるさくはならない自然なグルーヴが前面に。
 ヒタヒタと迫りくるようなイメージ、しかも揺れながら浮遊しながら、静かに疾走する、そんな感じ。
 テンションは低くないけども、スルッと聞けてしまう心地よさ。
 こんな音は他にあったかなあ?思いつかない。
 Eberhard Weberの色合いはすっかり薄くなり、Toninho Hortaやミナス系サウンドの影響は強いのだろうけども、もっと湿ったしっとりとした音。
 この時期のこの人ならではの独特の空気感。
 柔らか、しなやか、浮遊感、メロディアス、スリリング、エキサイティング、ドラマチック・・・。 
 そんなバンドサウンドを背景にして、ギターの疾走感も最高潮。
 曲も少し湿り気、妖しさのあるカッコいいメロディばかり。
 諸々含めて完璧とも思える出来ですが、他のアルバムでは気になる曲の良し悪しとか、フレーズ展開とか、リズムとかの細部が何故か気になりません。
 バンド全体が一体となって何かの空気を作っている、そんな感じ。
 その空気が、柔らかくしなやか、ほどよく暖かで、ほどよく明るく、ほどよく妖しいのだから、心地よいのは当たり前。
 ジャズではないとか、薄味のフュージョンでつかみどころがない、といった意見もあるやもしれませんが、それはそうでしょう。
 こんなに心地よくてカッコいい音楽は他にはないから。




posted by H.A.

【Disc Review】 “Magico:Carta de Amor”(1981)Magico

“Magico:Carta de Amor” (1981)Magico
Jan Garbarek (tenor and soprano saxophones)Egberto Gismonti (guitars, piano)Charlie Haden (bass)

Magico-Carta De Amor
Garbarek
Ecm Records
2012-11-06
ヤン ガルバレク チャーリー ヘイデン エグベルト ジスモンチ



 1980年代、当時のECMのスーパーバンド、ライブ盤。2012年発表。
 美しく悲しく、優しい音楽。
 2枚のスタジオ録音盤も名作ですが、このライブ盤はさらに素晴らしい。
 スタジオ盤で感じられた過度の緊張感が薄れ、リラックスした寛げる音楽になっています。
 演奏者も時期も同じなので、変わりようが無さそうにも思うのだけども、なぜかこのライブは柔らかい。
 もともとアバンギャルドなこともやる人たちだけど、ここではそれも抑え気味。
 録音、ミキシングによる影響も大きいのか、個々の楽器が明るく、マイルドに聞こえます。
 特に、多くは緊張感の塊のようなJan Garbarekのサックスが少しだけ優し気で、ちょうど良い感じ。
 楽曲は全て美曲。
 Jan Garbarekの北欧色、Egberto Gismontiの南米色、両者のエキゾチシズムが適度に表出されながら、Charlie Hadenの堅実なベースが土台を締める。
 これもちょうど良いバランス感。
 ある時は幻想的に、ある時は切なく、ある時は悲壮感。
 バリエーションも豊かなので2枚組の長尺な演奏も決して長くは感じないし飽きも来ません。
 何かの映画を見ているような素敵な音楽。
 ありがちなモノクロームでレトロな感じでは無くて、これは近代的な天然色だなあ。

(※この投稿は2014/03/07から移動しました。)


posted by H.A.

【Disc Review】“The Survivor's Suite” (1976) Keith Jarrett

“The Survivor's Suite” (1976) Keith Jarrett
Keith Jarrett (piano etc.)
Dewey Redman (saxophone) Charlie Haden (bass) Paul Motian (drums)

Survivor's Suite
Keith Jarrett
Ecm Records
2000-05-09
キース ジャレット




 Keith Jarrettアメリカンカルテット、その終盤、バンドとしてのECMレコード初作。 
 神懸った"Sun Bear Concerts"(1976)と同年、これまた凄まじいアルバム。
 平和で美しいそちらに対して、悲壮感と緊張感の塊。
 曲、編曲、インプロビゼーション等々、同じく沈痛系の”Death and Flower” (Oct.1974)を凌ぐような凄まじい演奏、聞く側にも極度の緊張感を強いるような強烈な音楽。
 とても悲劇的な小説を読んだり、映画を観たりした気分。
 アナログではA面B面、各一曲の長尺な演奏、いずれの曲もフリー混じりのインプロビゼーションからスタートする気難しい構成。
 が、所々に現れるテーマやインプロビゼーションはメロディアス、構成はとてもドラマチック。
 徐々に遷り変わっていく景色。
 そして中盤~後半に凄まじいまでの展開、インプロビゼーションが収められています。
 そこまで我慢できれば桃源郷。
 ドカーンと盛り上がって陶酔の彼方。
 とてもダークなので、怖いのですが・・・
 ピアノはキレまくりの時期、タメと疾走、耽美、官能、激情、狂気の交錯。
 Dewey Redmanも好調、ハードボイルドネスをまとったクールさと、これまた狂気が交錯する音。
 とても美しく、とても厳しい音楽。
 さて、Surviveは戦場からなのか?それとも社会からなのか?
 いずれにしても凄まじいまでの激烈さ、その後の寂寥感は、タイトルにピッタリの音。

(※本投稿は2015/08/19から移動しました。)


posted by H.A.

【Disc Review】“The Köln Concert” (Jan.1975) Keith Jarrett

“The Köln Concert” (Jan.1975) Keith Jarrett
Keith Jarrett (piano)

The Koln Concert
Keith Jarrett
Ecm Records

キース ジャレット

 これが世間的には彼の最高傑作なのでしょう。マニアな私も全く異論はありません。
 この時代のKeith Jarrettの「様式美」の最高峰。
 ピアノミュージックの最高峰のひとつというのは過言なのでしょうか。
 クラシックのことはわかりませんが、少なくともジャズ~ポピュラーの世界ではそう思います。
 “Solo Concerts:Bremen and Lausanne” (1973)で表出された様式が磨き上げられ、その美しさがピークに、“Sun Bear Concerts” (1976)ではそのピークが維持されたまま素晴らしい演奏を量産。
 “Death and the Flower”(Oct.1974)のようなこの時期のグループの作品でも同様の様式がいくつか。
 ピアノの切れ味も同様のピーク状態が続く、といった時期でしょうか。
 その中での最高の演奏。

 とてつもなく美しい冒頭テーマ。
 そのテーマに導かれ、次から次へと繰り広げられる物語。
 あざといまでのドラマチックな構成。
 迷いが全く感じられないインプロビゼーション、時折現れる切なく激しいパッセージ。
 とめどなく現れては消えていく美しいフレーズ。
 そして、だんだんとテンポを上げ、最後はゴスペルチックなリフレイン、高揚感~穏やかな安堵感の締めくくり。
 全編通して聞けば、何本かの映画を見た気分。
 幾通りもの美しいメロディ、完璧ともいえる起承転結。
 これが本当に全編インプロビゼーションだとすれば、Keithは本当に天才で、当日は本当に神が下りてきたのでしょう。




posted by H.A.

【Disc Review】“Death and the Flower” (1974) Keith Jarrett

“Death and the Flower” (1974) Keith Jarrett
Keith Jarrett (Piano, Soprano Saxo, Percussion, Wood Flute)
Dewey Redman (saxophone, Percussion) Charlie Haden (bass) Paul Motian (drums, Percussion) Guilherme Franco (Percussion)

Death and the Flower
Keith Jarrett
Grp Records
キース ジャレット


 Keith Jarrett若かりし頃のドラマチックでアグレシッブなジャズ組曲。
 モダンジャズの香りはほとんどなく、かといって、フリージャズでもマイルス的ロックファンクでもなく、プログレッシブロックに近く、クラシックの香りも少々。
 ジャズっぽくない美しい曲、作り込まれたのだろう編曲。
 ピアノはクラシックの香りが強いか、少なくともモダンジャズピアノとは全く違う感覚。
 リズムも普通の4ビートではない。
 でも、なぜかジャズのムード。
 A面全一曲。
 いきなり妖しい笛とパーカッションのインプロビゼーションが数分。
 しばらくすると重いベースに導かれながら、ピアノによる美しい展開~サックスによる思いつめたようなテーマ提示。
 さらにハードボイルドなサックス、少しテンポを落として美しく激しいピアノ、続いてメロディアスなベースとインプロビゼーションのオーダーは回ります。
 どのソロにも美しいフレーズが満載。
 締めはペースを上げて、次年の“The Köln Concert” (Jan.1975)と同様、ゴスペルチックな前向きなリフレインが陶酔へと誘うエンディング。
 曇っていた空が一気に開けます。
 B面の2曲もカッコいい。
 祈るようなメロディのピアノとベースのDuoでのバラード、サックス二本のチェイスによる尖ったメロディの繰り返しと、バックに漂うようなピアノとベース、混沌なパーカッションのバランスが絶妙、不思議な感覚の激しい演奏。
 全編通して妖しい雰囲気、奇妙な緊張感が漂っていますが、それがこのアメリカンカルテットの魅力。
 耽美と狂気、ハードボイルドネスに覆われた音。
 Keithさんのピークその1。 

(※本投稿は2014/04/02から移動しました。)

※これはB面。


posted by H.A.

【Disc Review】 “Live At The Fillmore East (March 7, 1970) - It's About That Time” (Mar.1970) Miles Davis

“Live At The Fillmore East (March 7, 1970) - It's About That Time” (Mar.1970) Miles Davis
Miles Davis (Trumpet)
Dave Holland (Bass) Jack DeJohnette (Drums) Chick Corea (Electric Piano) Airto Moreira (Percussion) Wayne Shorter (Soprano Saxophone, Tenor Saxophone)

マイルス デイビス

 “Bitches Brew” (Aug19-21,1969)録音の約半年後、”Miles At Fillmore” (Jun.1970)の3ヶ月前。
 ツアーの端緒、Wayne Shorter入りの最後のMilesバンドだったのでしょう。
 演奏については言わずもがな、鬼気迫るような凄まじさ。
 音質もまずまず。ベース、エレピ、トランペット、サックス、すべてが鮮明、バランスも良好。
 正規アルバム“Miles Davis At Fillmore” (Jun.1970)よりもWayne Shorterがいる分、また起承転結が見える分、こっちの方がいいかな、が私見。
 ”Miles At Fillmore(完全版)”を聞き、周辺の音源をあらためて聞くと、さて?
 編集された正規版か、無編集か、Keith Jarrett入りか、Wayne Shorter入りか・・・
 うーん・・・。
 何はともあれ、毎度毎度の”Directions”のイントロ部分のワクワク感、テーマ後のMilesの入り方のカッコいいこと。 この2セットは緩みなし。”1969Miles”と同レベル。
 この瞬間だけでもどんなに価値があることか。まさにキターーーーってやつね。
 さらにWayne Shorterの凄まじいこと。
 この辺りが彼の生涯最高の演奏なのでしょう。全編完全にブチ切れ状態。
 Weather Reportもいいけど、こっちの方が合ってるように思うんだけどねえ・・・ ま、こんな調子で吹き続けると命縮めてるかもね・・・Milesも然り。
 Dave Holland、Jack DeJohnette、Chick Coreaのリズム隊もずーーーっとブチ切れ状態。
 なんとももはや呆れるばかり・・・
 おっとAirto Moreiraもいい感じで妖しげなムードを助長してますね。
 さて、これを機会に諸々聞き直してみて、私的には”1969Miles”から宗祖替え。
 Wayne Shorterの最高の演奏が聞けるとともに、音質も良好の本作“Live At The Fillmore East - It's About That Time”を一押し。あくまで本日は。
 これがもし、この音質で1970年代に出ていたら神アルバムだった・・・のでしょうねえ。
 いずれにしても不世出のすごいバンド。




 さて、ライブ録音中心に周辺の音源を並べてみました。(誤り御免。ブートレッグ、映像作品は把握していません。)
 並べてみると、やはりまだ聞いていない“The Cellar Door”、”Bitches Brew完全版云々”を聞かなきゃいかんのでしょうね・・・

(Jul. 5,1969) ”Bitches Brew Live” /一部
(Jul.25,1969) ”1969Miles - Festiva De Juan Pins
(Aug.19-21,1969) “Bitches Brew
(Mar.1970) “Live At The Fillmore East (March 7, 1970) - It's About That Time
(Apl.10.1970) “Black Beauty / Miles Davis At Fillmore West
(Apl.11.1970) ”Miles At Fillmore” (完全版)/一部
(Feb.Jun.1970) “Live Evil” /一部
(Jun.1970) “Miles Davis At Fillmore”、”Miles At Fillmore” (完全版)
(Aug.29.1970) ”Bitches Brew Live” /一部”
(Dec.16-19.1970) “The Cellar Door Sessions1970” “Live Evil” /一部
(Jun.1972) “On The Corner
(Sep.1972) “In Concert
(Mar.1974) “Dark Magus
(Feb.1.1975) “Agharta”、“Pangaea

posted by H.A.

【Disc Review】“Naissance” (2012) François Morin

“Naissance” (2012) François Morin
François Morin (Drums)
Luiz Ribeiro (Guitar, Vocals) André Mehmari (Piano, Synth) Guilherme Ribeiro (Accordion) Neymar Dias (Acoustic Bass, Guitar, Mandolin) Deni Rocha (Cello) Léa Freire (Flute) Gabriel Grossi (Harmonica) Daniel Pires (Viola) Aramis Rocha, Robson Rocha (Violin) Sergio Santos, Tatiana Parra, Ivan Lins (Vocals)

Naissance
Francois Morin
Tratore Music Brasil
2013-02-05
フランソワ モラン 
アンドレ メマ

 André Mehmari と“Arapora” (2013)を共作したフランス人ドラマー、ブラジル人脈の豪華メンバーを集めた現代的、南米的音楽。
 柔らかなブラジル、ミナス、あるいはフォルクローレの香り、Pat Methenyの影、André Mehmariの色合い、さまざまな要素が混ざり合う質感。
 "Still Life"(1987)前後のPat Methenyサウンド、それをさらに南米に振ったイメージ。
 さまざまな形で交錯する、柔らかなブラジル的スキャット、アコーディオン、ギター、フルート・・・。
 切なげで可憐ながら、ときおり楽器の動きとユニゾンで疾走するTatiana Parraのボイス。
 要所で郷愁感を醸し出すアコーディオンの懐かしい音。
 そしてほぼ全編でフィーチャーされる圧倒的なAndré Mehmariのピアノ。
 天から舞い降りてきたり、穏やかに揺れながら周囲を舞ったり、強烈に疾走したり・・・
 全編柔らかなリズムながら、強烈なグルーヴ。
 アップテンポでは静かにヒタヒタと迫ってくるビート、先端コンテンポラリージャズのような複雑なビート、あるいはバラードではフォルクローレ的な緩やかなワルツ系、その他諸々。
 ほぼ、全曲リーダーFrançois Morinのオリジナル曲。
 すべての楽曲がメロディアス、センチメンタルながら、優雅で爽やか、前向き。
 穏やかに、切なげに、あるいは幻想的に始まり、優雅に展開しながら徐々にテンションを上げ、強烈な高揚感で結ぶ、ドラマチックな展開。
 フワフワと漂いながら、気がつけば桃源郷・・・そんな演奏が揃っています。
 すべて名曲、名演。
 すべての曲が短編のドラマのようなムード。
 そして全体を支配する南米的な郷愁感。
 素敵なジャケット、そのままの素敵な音楽。
 これは素晴らしいモノを見つけたかも。
 一大名アルバム。




posted by H.A.
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