吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

BosaNova/Samba/Minas/MPB

【Disc Review】“Corpo de Baile” (2014) Monica Salmaso

“Corpo de Baile” (2014) Monica Salmaso
Monica Salmaso (voice) 
Nelson Ayres (piano, acordeon) Paulo Aragão (guitar) Neymar Dias (viola, bass)
Teco Cardoso (sax, fluete) Nailor Proveta (clarinete) 
Quarteto de Cordas Carlos Gomes, formado por Cláudio Cruz, Adonhiran Reis (violin) Gabriel Marin (viola) Alceu Reis (cello) and others

Corpo De Baile
Monica Salmaso
Imports
2014-08-19


 ブラジル、サンパウロのボーカリストMonica SalmasoのGuinga作品集。
 現時点では最新作?、Guinga本人との共演作“Porto Da Madama” (2015) の少し前の制作でしょうか。
 ハスキーな声で沈み込むように歌うクラシカルなボイスと、妖し気なほどにムーディでセンチメンタル、さらに少々厭世的、幻想的にも聞こえるGuingaのメロディとの組み合わせ。
 サポートは少人数のコンボにストリングス。
 想像通りの静謐で優雅、少々妖し気な音。
 ここまでくるとMPBと分類してしまうのことに違和感があるかもしれないクラシカルな音の流れ。
 ストリングスがサポートの主役、フルート、クラリネットもクラシックのそれのように聞こえてきます。
 Guingaさん本人のギターとボイスだとどこか遠い所に連れていかれそうになる感じですが、このアレンジ、ボイスだとほどよく現世に踏みとどまっている感じでしょうか。
 それでも時折さり気なくつま弾かれる普通のギターの音が、なぜか別の時空から聞こえてくるようにも感じられるのは、Guingaさんのメロディゆえ、あるいはMonica Salmasoのボイスゆえでしょうか?
 メロディ、ボイス、バンド、ストリングスが一体となって醸し出す強烈な浮遊感。
 何気なく流していると、どこの国のいつの時代なのか、意識が曖昧になってくる、ほどほどの非現実感。
 現代のヒーリングミュージック、あるいは新手のトリップミュージック・・・になるかな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Ia Ia” (2004) Monica Salmaso

“Ia Ia” (2004) Monica Salmaso
Monica Salmaso (voice)
Maurício Carrilho (guitar) Paulo Bellinati (guitar) Pedro Amorim (Bandolim) Luciana Rabello (Cavaquinho) Webster Santos (guitar, Cavaquinho)
Benjamim Taubkin, André Mehmari (Piano) Toninho Ferragutti (accordion) Rodolfo Stroeter (bass)
Robertinho Silva, Ari Colares, Caito Marcondes (percussion) Jorginho do Pandeiro, Pedro Amorim (Pandeiro) Celsinho Silva, Gordinho (Tamborim) Luiz Afonso, Nivaldo Orsi (Clarones) Celsinho Silva (Reco-reco) Gordinho (Surdo) Paulino (Prato e faca) 
Teco Cardoso (flute, Baritone Sax) Nailor "Proveta" Azevedo (Clarinette, alto sax)
Luca Raele, Edmilson Nery, Sergio Burgani, Nailor "Proveta" Azevedo (Clarinette)
Marcelo Bernardes (flute) Iura Ranevsky, Lui Coimbra (cello)
Analimar, Ana Costa, Jurema de Cândia (voice)

Lala
Monica Salmaso
Imports
2016-04-15


 ブラジル、サンパウロのボーカリストMonica Salmasoのポップス寄りの作品。
 っても元々ポップスの人なのでしょうから妙な表現なのですが、とても優雅で上品、静謐なMPB。
 おそらく同世代の当時の若手であろうたくさんのメンバーが参加していますが、楽曲ごとにメンバーを変え、あくまで少人数の編成でとても静かな音。
 “nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso 、“Lachrimae” (2003) Andre Mehmari など、この時期の共演が多い、同じくブラジルのスーパーピアニストAndré Mehmariも数曲で参加し、あの上品ながらぶっ飛んだピアノを弾いています。
 直球サンバな曲も何曲かありますが、そのイメージの喧騒からはほど遠く、ボサノバの洗練、優雅さとも異質な洗練と優雅さ。
 クラシカルな空気感はChoro的であるのかもしれませんが、それら、さらにフォルクローレ、その他諸々の要素をフュージョンした現代の新型MPB。
 シンプルなようで、おそらく計算しつくされているのであろう、全く過不足のない音の密度と流れ。
 ちょっと触ると壊れてしまいそうな繊細さは、この人の作品の色合い。
 伝統的な楽器の響きとクラシカルな空気感ながら、なぜか現代的。
 楽曲はブラジルの巨匠たちの作品群。
 ジャケットはこの人にしては珍しくフツー、中身もこの人の諸作の中では一番明るくてカジュアル、ポップな方でしょう。
 もっともっとポップス寄りに振ったサンバやボサノバの方が一般受けはするのかもしれませんが、あくまでブラジルの伝統的な音、~少々クラシカル、沈みがちな奥深い声。
 現代のヒーリングミュージックの筆頭、少々ポップス寄り・・・かな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Partir” (2015) Fabiana Cozza

“Partir” (2015) Fabiana Cozza
Fabiana Cozza (voice)
Swami Jr. (7strings guitar) Jurandir Santana (guitar) Marcelo Mariano (bass) Douglas Alonso (drums) Felipe Roseno (percussion) 
André Mehmari (piano) and others

パルチール(PARTIR)
ファビアーナ・コッツァ
ALMA BRASILEIRA
2015-09-16


 ブラジルのサンビスタ(サンバを歌う人)Fabiana Cozzaの現代サンバ。
 正直、リーダーについての詳しい情報はもっておらず、André Mehmariの参加に惹かれて聞いた作品。
 当のAndré Mehmariの参加は一曲のみでアレレ・・・?
 さておき、ソウルフル&しっとり系の歌が映える、ナチュラル系、しっとり系のサンバアルバム。
 ギター、ベースとパーカッションが背景を作り、エレキギター、カバキーニョ系の弦楽器が彩りを加える構成。
 うるさくなく、あくまで上品で静かな音。
 エレキギターがちょっと変わっていて、クリーントーンながら少し前のクリエイティブ系ロックな感じで、新しいんだか、古いんだか、いい感じの不思議感のアクセントになっています。
 カバキーニョっぽくエレキギターを弾いているのかな?
 そんな音を背景にして、堂々としたしっとりボイス。
 楽曲はおそらく伝統曲が中心なのだと思いますが、現代の人も混ざっているのでしょう。
 さり気なく、Gisele_De_Santiなんて名前もあり、それはいかにもそんな感じの現代的でポップなしっとり系なので、同姓同名ではないのでしょう・・・?
 そんなちょっとノスタルジックないいムードと、現代の香りが交錯する構成。
 André Mehmariの参加曲はサンバではなく、フォーキーなバラード。
 ついついぶっ飛んだサンバを期待してしまうのですが、そちらは全編それの“Três no Samba” (2016) Eliane Faria, André Mehmari, Gordinho do Surdoで聞くとしましょう。
 いつもの零れ落ちるようなピアノ。
 控え目な演奏ですが、上品にぶっ飛んでいます。
 ともあれ、他はいい感じの現代サンバ、しっとり系。
 陽気で楽し気なようで、ほのかな哀愁が漂う、本場のサンバ、共通の空気感。
 Mehmariさんの事は忘れて、それを楽しみましょう。




posted by H.A.


【Disc Review】“Rimanceiro” (2013) Sergio Santos

“Rimanceiro” (2013) Sergio Santos
Sergio Santos (voice, guitar)
Sílvio D’Amico (guitar)

Rimanceiro
Sergio Santos
インパートメント
2013-09-15


 ブラジル、ミナスのシンガーソングライターSergio Santosの静かなMPB作品。
 アフリカンなエスニックテイスト、ブラジリアンジャジーなテイストなど、いろいろな作品がありますが、本作はギターと声のみの静かなアルバム。
 どれもそれぞれにカッコいいのですが、やはりこのフォーマットは特別な色合い。
 “Ao Vivo 100ª Apresentação” (1983) João Bosco、”Durango Kid”(1993) Toninho Horta、“João Voz é Violão” (2000) João Gilberto、“Rosa" (2006) Rosa Passos、“Cancao da Impermanencia” (2016) Guinga、その他諸々、たくさんの名品があります。
本作はギターが二本ですが、同じく素晴らしい作品。
 João BoscoToninho Horta作品よりは静かだけども、他の上記作品よりも明度や躍動感は強め。
 ギターはアルペジオ中心の静かで柔らかな音使い。
 ボサノバのビートは数曲のみで、フォルクローレっぽさが漂うミナス的な音の流れ。
弾き語りではなく二台のギターの微妙な絡み合いが、強い浮遊感を醸し出していると思います。
 フワフワとした柔らかい音を背景にした優し気な歌。
 楽曲はいつものときおりアフリカンな空気を感じる、柔らかなブラジリアンメロディのオリジナル曲。
 João GilbertoRosa Passosのような沈んだ凄みはないけども、ナチュラルで瑞々しい優しい音。
 これだけサラリとしていて、普通に聞こえて、それでも何となく引っ掛かる奥の深そうな音もなかなかないように思います。
 André Mehmariとの共演やアフリカンな色合いもいいのだけども、この編成は特別、とてもカッコいいと思います。
 この人の作品はどれも名作。
 ・・・なのですが、廃盤になるのが早くて・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Litoral e interior” (2009) Sérgio Santos

“Litoral e interior” (2009) Sérgio Santos
Sérgio Santos (voice, guitar)
André Mehmari (piano) Rodolfo Stroeter (bass) Tutty Moreno (drums) 
Andrea Ernest Dias (flute) Marcos Suzano (percussion) Sílvio D’Amico (guitar) Jota Moraes (Vibraphone) Fabio Cury (Fagote) Éser Menezes (Oboé) Luca Raele (clarinette) and Strings, others

Litoral & Interior
Sergio Santos
Biscoito Fino Br



 ブラジル、ミナスのシンガーソングライターSergio SantosのMPB作品。
 “Áfrico” (2002)、“Iô Sô” (2007)のアフリカンなブラジリアンな感じ、“Sergio Santos” (2004)の洗練されたジャジーなMPBに加えて、クラシックな色合いを加えたアルバム。
 André MehmariJoyceバンドが引き続いてサポートするとともに、ストリングスの登場場面が増えています。
 クラシカルな色合いとドラマチックなテイストが・・・と思っていたら、André Mehmariがアレンジその他に関わっているようだし、全編に参加。
 ストリングス主体のクラシック風、サントラ風、スキャットとアコーディオン、管が絡み合う曲、サックスがフィーチャーされるジャズ曲など、インスツルメンタル中心の楽曲が何曲か。
 André Mehmariとしても名作“Canteiro” (2010, 2011)制作直前のようで、そんな色合いもちらほら。
 それらが“Sergio Santos” (2004)のような洗練されたサンバ、ミナス的なボーカル曲の間に挿入される構成・・・
 というか、実質的に半分半分だし、ボーカル曲についてもAndré Mehmari的な複雑なアレンジでさまざまな楽器が絡み合う構成。
 ピアノも後ろの方で跳びまわっています。
 冒頭はいつものギターとボイスでスタートしますが、ビートが入るとヒタヒタ迫ってくるようなブラジリアンの色合いの緊張感のあるグルーヴ。
 あの一時期のPat Metheny Groupのムード。
 それに続くのは映画のサントラ的なオーケストラ曲、さらにはジャジーなサンバ・・・
 そんな感じで色々なテイストの素晴らしい演奏が続きます。
 楽しげだったり哀しげだったり、ボッサだったりジャズだったりクラシックだったり・・・全く違うテイストのようで不思議な統一感。
 一編の映画を見ているようなストーリー性と完成度。
 締めは優雅で美しいストリングスオーケストラのワルツから、ギターとゲスト女性ボーカルとのDuoで静かな幕。
 もちろんリーダーのボーカルはいつものゴムまりのように弾む柔らかで優しい声。
 楽曲も全て彼のオリジナル、メロディ自体はいつもと同様。
 が、ここまでの延長線のようで、意欲作であり、新機軸。
 MPBとして扱ってしまうには、あまりにも多彩で複雑、高度な演奏。
 でも、聞いた感じは極めてナチュラルでポップ、明るくて楽し気。
 現代ブラジリアンサウンドの最高峰・・・は大袈裟なのかもしれませんが、そんな凄みのある作品。
 繰り返しますが、しかもポップ。
 これは凄い作品、でしょう。




posted by H.A.


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