吉祥寺JazzSyndicate

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BosaNova/Samba/Minas/MPB

【Disc Review】“A Night in Brazil” (2008) Joao Gilberto

“A Night in Brazil” (2008) Joao Gilberto


Joao Gilberto (Guitar, Voice)


A Night In Brazil
Joao Gilberto
Hi Hat
2020-05-31


 Joao Gilberto、未発表ライブ音源、2020年発表。

 “In Tokyo” (2003)の5年後。

 幽玄で異様なまでの静けさと緊張感に覆われたそちらに対して、地元ブラジルゆえか、曲間の観客の熱狂の印象ゆか、リラックスした印象。

 キリッとした印象もある"Live at Umbria Jazz" (2002)よりも、同じくブラジルでのステージ“Eu Sei que Vou Te Amar" (1994)をもっとリラックスした感じにして、柔らかく力が抜けたイメージでしょうか。

 定番のボサノバスタンダードがズラリと並ぶ、たっぷり29曲。

 MCなども含めて、ステージを丸まま収めた?のであろう一時間半。
 雑音やら何やらが乗っていますが、まあよしとしましょう。

 柔らかなギターと、紗が入った感じもする声。

 会場の空気感ゆえか、録音の具合なのか、心なしかマイクと口の距離がいつもよりも遠いような感じがして、朗々と・・・なんて聞こえる場面もちらほら。

 それら含めて、静謐な空間の中をひたすら静かな音が流れていく“In Tokyo” (2003)、あるいは最も近いスタジオ録音“João Voz e Violão” (2000)とはまた違った印象。

 そして最後に納められた、意外にも録音が少ない”Girl From Ipanema”。 

 “Getz / Gilberto” (1963)は半世紀以上も昔、古今東西あまたのカバーあれど、この声で流れていくメロディが正調かつベスト。

 “Wave”, ”Corcovado”, ” Desafinado”, ” Estate”・・・その他諸々、また然り・・・と書いてしまうと神様Jobimさんから怒られるのでしょうかね。

 そんな感じのもう一人の神様の記録。


※別のステージから。



Chega de Saudade” (1959)
O amor, o sorriso e a flor” (1960)
Joao Gilberto” (1961)
(“The Warm World of João Gilberto” (1958-1961))
  “Getz/Gilberto” (18,19,Mar.1963)
  “Getz/Gilberto Vol. 2” (Oct.1964) 
  "Herbie Mann & João Gilberto with Antônio Carlos Jobim" (1965)
João Gilberto” (1972-1973)
  “The Best of Two Worlds”(May.1975) 
  “Getz/Gilberto'76” (May.1976)
Amoroso” (1976)
 "João Gilberto Prado Pereira de Oliveira" (1980) 
Brasil” (1981)
 “Live in Montreux” (1985)
João” (1991)
 "Eu Sei que Vou Te Amar" (1994)
João Voz e Violão” (2000)
 "Live at Umbria Jazz" (2002)
 “In Tokyo” (2003)
 “A Night in Brazil” (2008)

posted by H.A.


【Disc Review】“Storytellers” (2017) Luciana Souza

“Storytellers” (2017) Luciana Souza

Luciana Souza (voice)
WDR Big Band Köln:
Vince Mendoza (produce, arrange, conduct)
Johan Hörlen, Karolina Strassmayer, Olivier Peters, Paul Heller, Jens Neufang, Stefan Karl Schmid (saxophone) Wim Both, Rob Bruynen, Andy Haderer, Ruud Breuls, John Marshall, Bastian Stein (trumpet) Ludwig Nuss, Shannon Barnett, Andy Hunter (trombone) Mattis Cederberg (tuba)
Paul Shigihara (guitar) Rainer Böhm (piano) John Goldsby (bass) Hans Dekker (drums) Marcio Doctor (percussion)

Storytellers
Souza, Luciana and the Wd
Delta
2020-03-27


 ブラジルのボーカリストLuciana Souza、ドイツのビッグバンドWDR Big Band Kölnとの共演。
 ジャジーでゴージャス、少々幻想的なMPB。
 Jobim、Djavan、GuigaからChico Pinheiroまで、新旧のブラジリアンの作品からの渋い選曲。
 柔らかなビート感のブラジル曲、奇をてらわないオーソドックスなビッグバンドアレンジと、楽曲ごとに律儀にソリストを変え、いずれも手練れた各人のソロ。
 それらに彩られたスモーキーとシルキーを行き来するミステリアスヴォイス。
 主役は歌なのかもしれませんが、オーケストラのアンサンブル、ソロのスペースがたっぷりとられているので、コンテンポラリーなビッグバンドジャズとして聞いてもいい感じ。
 パキーンとしたバンドサウンドと幻想的なメロディ、スキャットの対比。
 決して大音量ではありませんが、とてもリッチな音。
 ソリストたちの音にもタダモノではない感が漂います。
 放送局曲系を中心としたドイツのビッグバンドモノには、ブラジル系を含めてよく出くわすのですが、いずれもゲストの色合いと喧嘩しない徹底的に洗練されたサウンド。
 王道サウンドっちゃあその通りなのですが、どれもがありそうでなかなかない極めて上質なジャズ、あるいはジャズフュージョン。
 本作も然り。
 ドイツのビッグバンドモノにハズレなし。
 Luciana Souzaにもハズレなし。




posted by H.A.



【Disc Review】“Japan Tour 2019” (2019) Guinga & Monica Salmaso

“Japan Tour 2019” (2019) Guinga & Monica Salmaso

Guinga (guitar, voice) Mônica Salmaso (voice)
Teco Cardoso (Sax, Flute) Nailor Proveta (Clarinet)

JAPAN TOUR 2019
Nailor Proveta
MUSAS


 ブラジルのギタリスト、シンガーソングライターGuinga、ボーカリストMonica Salmaso、日本でのライブ録音+α。
 繊細でミステリアス、儚い音の二人。
 そんな色合いそのまま。
 ギターと木管楽器二本、二人の声。
 弾き語り以上、コンボ未満。
 沈んだ感じのギターと柔やかな木管の二つが絡み合う、とても静かで穏やかな音。
 少人数の変則な編成ですが、計算し尽くしたのであろうアンサンブルはとても豊かに響きます。
 そんな音の流れの中を漂うスモーキーなミステリアスヴォイス×2。
 個々の楽器と声が絡み合い、少しずつズレ、漂いながら織り成していく綾。
 いつものノスタルジックなような、新しいような、メロディアスながらどこに動いていくのかわからない淡い色合いのメロディ、コードの流れ。
 もはや二人の声の区別ができなくなるような緩やかでまどろむような時間。
 ゆったりしたテンポの演奏が続きますが、いくらかのアップテンポではとてもノーブルなブラジリアジャズ。
 21世紀の大都会東京で録られた音ながら、19世紀なのか18世紀なのか、はたまたもっと前なのか、よくわからない空気感。
 耽美でアンニュイ。
 これまたトリップミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】“Noturno Copacabana” (2003) Guinga

“Noturno Copacabana” (2003) Guinga

Guinga (guitar, voice)
Lula Galvão, Marcus Tardelli (guitar) Jorge Helder (bass) João Cortez (drums) Armando Marçal (percussion)
Carlos Malta (flute) Andrea Ernest Dias (flute, piccolo) Paulo Sérgio Santos (Clarinetes, alto sax, clarone) Nailor Proveta Azevedo (soprano, alto sax) Marcelo Martins (tenor Sax) Flavio Melo, Nelson Oliveira, Jessé Sadoc (trumpet) Jessé Sadoc (trumpet, flugelhorn) Sérgio de Jesus, Bocão (trombone) David Chew (cello) Gilson Peranzzeta (accordion)
Ana Luiza, Leila Pinheiro (voice) and others

Noturno Copacabana
Guinga
Universal Import
2003-02-12


 ブラジルのギタリスト、シンガーソングライターGuingaのMPB、2003年作。
 ジャズな色合いをベースに、ホーン陣、ストリングス、ゲストのボーカリストなど、さまざなな彩り。
 いつもの耽美的なメロディに、内省的・アンニュイな演奏・声に加えて、室内楽的な柔らかなホーンのアンサンブルがフィーチャーされる場面がたっぷり。
 アップテンポな演奏も多めでジャジー度高め。
 優雅さ、妖しさはそのまま。
 ギターと声中心だと静謐さゆえの儚さ、緊張感、沈痛感が強くなりますが、本作はのほほんとリラックスした感じにも聞こえます。
 半数ほどのインスツルメンタル曲もとても柔らかな空気感。
 少々ノスタルジックで洗練された音。
 ところどころに挿まれる耽美なスローバラードやギターのみの演奏、ワルツ~フォルクローレの奇数系ビートが、本作ではむしろアクセントのように響きます。
 楽曲ごとに違う編成ながら空気感は統一されています。
 ほのかな哀感を湛えたSaudadeな音。
 この人特有の危うさ、妖しさが希釈された感じのさり気なさ。
 それでいて部屋の空気がガラッと変わるパワー。
 スタイリストのジャジーさたっぷりなMPB。




posted by H.A.


【Disc Review】“Cheio De Dedos” (1996) Guinga

“Cheio De Dedos” (1996) Guinga

Guinga (Guitar, Voice)
Chano Dominguez, Itamar Assiere (Piano) Lula Galvão, Rogério Souza (guitar)
Armando Marçal, José Eladio Amat, Celsinho Silva (Percussion) Marcos Esguleba (Pandeiro) Pirulito (Ganzá) Rodrigo Lessa (Bandolim) Papito Mello (Bass)
Gilson Peranzzetta (Acordeon) Mário Sève (Flute, Soprano Sax) Carlos Malta (Soprano, Alto,Tenor, Baritone Sax, Flutes, Bass Flute) Sérgio Galvão (Soprano Sax) Paulo Sérgio Santos (Soprao, Alto Sax, Clarinette, Clarone) Paulinho Trompete (Flugelhorn)
Jorge Helder, Serafin Rubens Petion, Dener de Castro Campolina, Serafin Rubens Petion (ContraBass) Daniel Pezzotti, Cássia Menezes Passaroto, Marcus Ribeiro Oliveira, Romany Luis Cana Flores (Cello) Lula Galvão, Eduardo Roberto Pereira, Jairo Diniz Silva, Herbert Peréz Jones, Lesster Mejias Ercia (Viola) Angelo Dell'Orto, Antonella Lima Pareschi, Carlos Eduardo Hack, Glauco Fernandes, Léo Fabrício Ortiz, Luiz Carlos Campos Marques, Armando Garcia Fernandez, Antonella Lima Pareschi, Herbert Peréz Jones (Violin)
Chico Buarque, Ed Motta (Voice)

Cheio De Dedos
Caravelas
1996-01-01


 ブラジルのギタリストGuinga、1996年作。
 ボサノバでもサンバでもなく、ミナスでもショーロでもなく、ジャズっぽくもない、ポップスには渋すぎる・・・
 そんな要素が入り混じる、とても優雅で不思議なブラジリアンミュージック。
 たくさんの名前がクレジットされていますが、基本的にはギターを中心として、楽曲ごとにさまざまな編成、ストリング、ホーンのアンサンブルが加わる構成。
 ボーカル入りは数曲、インスツルメンタル中心。
 メロディアスで奇をてらったアレンジもないのですが、なぜか不思議感、幻想感たっぷり。
 わかりやすいセンチメンタリズムやキャッチーさはありませんが、全編に淡い儚さが充満。
 テンポが落ちてくるとどこかいけないところに引き込まれそうな感、たっぷり。
 基本的には都会的、現代的な感じなのだと思うのだけども、山奥的な感じがちらほらしたり、やっぱり夜の静寂な感じだったり、生暖かい空気感だったり、ベタついてみたり、涼しげだったり、ノスタルジックだったり。
 後の諸作の静謐、耽美って感じばかりではなくて、普通っぽいのになぜか妖しい。
 そして、21世紀直前の音にしてなぜかノスタルジック。
 不思議なメロディとサラサラと流れていく演奏の織り成す複雑な綾なのでしょう。
 さすがのスタイリスト、平和なようで深みに嵌められてしまいそうな音。




posted by H.A.

【Disc Review】“Nosso Brazil” (2019) Danilo Brito, André Mehmari

“Nosso Brazil” (2019) Danilo Brito, André Mehmari

Danilo Brito (bandolim) André Mehmari (piano)



 ブラジル、バンドリン奏者Danilo Brito、ピアニストAndré MehmariのDuo。
 クラシカルな色合い、ショーロの楽曲、作法に則った演奏集のようです。
 バンドリンとピアノのDuo、André Mehmariでは“Continuous Friendship” (2007),  “Gimontipascoal” (2009, 2010)、他にも“O Que Será” (2012) Stefano Bollani / Hamilton de Holandaなどもありますが、それらよりもさらにクラシカル。
 Ernesto Nazareth, Anacleto de Medeiros, Garotoなど、ブラジリアンの巨匠たちの楽曲にオリジナル曲を少々。
 ピアノの音が遠くから聞こえてくるようなクラシカルな音作り。
 必要以上には突っ走らない、転げまわらないクラシックモードのMehmariさん。
 相方のDanilo Brito、突っ走る感じではありません。
 さらさらと流れるような、優雅に漂うような音使い。
 穏やかに加速と減速、そしてときおりの停止を繰り返しながら、奏でられる優美なメロディ。
 極めて透明度の高い、それでいて少し靄がかかったようにも感じる優美な音。
 周囲の埃が無くなっていくような、湿度を下げるような、でも過度には乾燥しないほどよい湿り気。
 スピードを上げ、激しく高揚する場面もそこかしこにありますが、そんな場面もなぜか上品。
 とてもノーブルでエレガント、高貴で優雅・・・って同じ言葉が並びますが、そんな音。
 危なさや妖しさは微塵も感じないのですが、これまたトリップミュージック。
 たぶんショーロの時代、遠い昔からそうだったのでしょう。
 とても豊かな時間・・・ってなコピーは安くなってしまった感もありますが、こちらはホントに豊かで優美な音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Samba Jazz, de Raiz” (2014-2017) Cláudio Jorge

“Samba Jazz, de Raiz” (2014,2017) Cláudio Jorge

Cláudio Jorge (guitar, voice) 
Zé Luiz Maia, Ivan Machado (bass) Wilson Das Neves, Camilo Mariano (drums)
Leonardo Amuedo, Walter D’Avila, Luis Filipe de Lima (guitar) Frejat (voice, guitar) Fernando Merlino, Itamar Assiére, Ivan Lins (piano) Kiko Horta (accordion) Marcelinho Moreira, Peninha, Cacau D’Avila (percussion) 
Humberto Araújo (tenor, baritone sax) Dirceu Leite (clarinete) Victor Neto (flute) 
Mauro Diniz, Fátima Guedes, Reinaldo Figueiredo (voice)



 ブラジルのギタリストCláudio JorgeのジャジーなMPB。
 サンバ、ボッサ、ジャズが入り混じる、ノスタルジックなような現代的なようなポップス。
 参加者にたくさんの名前が挙がっていますが、基本的にはギタートリオを中心として、ピアノ、パーカッション、管が加わるオーソドックな編成。
 サウンドもケレン味のない現代的なジャズサンバ、オーソドックスな質感。
 さり気ないようでとても上質です。
 柔らかながらタイトなビート、エレキギターとガットギターを持ち換えつつ、前者ではジャジー、後者ではいかにもブラジリアンなサウンド。
 クリーントーンのジャズギターとブラジリアンビートの組み合わせはとてもクールで都会的、ときおりのディストーションも周りの柔らかなサウンドに溶け込みご愛敬。
 オヤジな感じながら颯爽としたヴォーカルがこれまたカッコいい。
 おそらく本業ではないのだと思いますが、ウイスパー、鼻歌とまではいかずとも、力の入らないサラリとした質感のさり気ない歌。
 堂々全曲のオリジナル曲は、スタンダードと見紛うような名曲揃い。
 いかにもブラジリアンなほのかな哀感が漂う、でも明るい質感、Saudadeなメロディのオンパレード。
 何度リピートしても疲れないのは、それら合わせた力の入らない柔らかなサウンド、明るい空気感ゆえ。
 あの名演の塊“Cartola” (1974)と比較するのもアレですが、そんな感じのカッコよさ。
 颯爽とした現代のオヤジの、カッコいい現代MPB。
 エレキギターを抱えたジャケットのブラジルものにハズレなし・・・本作もまた然り。




posted by H.A.


【Disc Review】“Verde Que Te Quero Rosa” (1977) Cartola

“Verde Que Te Quero Rosa” (1977) Cartola 

Cartola (Vocals)
Horondino José da Silva, Meira, Hélio Capucci (Guitar) Radamés Gnattali (Piano) Nelson Cavaquinho (Cavaquinho) Dininho (Electric Bass) Vidal (Acoustic Bass)
Wilson das Neves (Drums) Elizeu, Gilberto D'Ávila, Jorge Silva, Luna, Marçal (Percussion) Antenor Marques Filho (Surdo)
Altamiro Carrilho (Flute) Abel Ferreira (Soprano Sax, Clarinet) Nelsinho (Trombone) Joab (Choir) Aizik Geller (Strings)



 サンバ界の重鎮Cartolaの1977年作。
 これまた“Cartola” (1974)、“Cartola” (1976)と同じく、名曲、名演揃いの名作。
 ピアノが聞こえたり、ストリングスが鳴ったり、ジャジーなソプラノサックスが前面に出たり、編曲のバリエーションが増えているのかもしれません。
 そんな音を従えたとてもロマンチックなバラードなどもありますが、それさえ優雅なサンバの中に溶け込んでしまい、例の金太郎飴サウンド、怒涛の名曲、名演集。
 ゆるーくて、渋くて、クール。
 楽しげなような、哀しげなような、懐かしげなような。
 全編Saudadeの塊。
 若造や小娘ではなく、酸いも甘いも噛み締めたオヤジが演るから、とりわけ優雅でカッコいいんだろうなあ。
 さて、この種の大ベテランのカッコいい音を聞くと、つい“Buena Vista Social Club” (1996)を想い出してしまいます。
 そのハワイ版が“The Gabby Pahinui Hawaiian Band ” (1975) ならば、ブラジル版がこれ・・・ってなことはなく、もちろんRyさんは無関係。
 でも、どれもがとてもエレガント。




posted by H.A.


【Disc Review】“Cartola” (1974)、“Cartola” (1976) Cartola

“Cartola” (1974)、“Cartola” (1976) Cartola 

Cartola (Vocals)
Horondino José da Silva, Meira (Guitar) Canhoto (Cavaquinho) Jorginho (Pandeiro) Elton Medeiros (Percussion) Nelsinho (Trombone) and others

Disfarca E Chora (Dig)
Cartola
Emd Int'l
2007-12-18




O Mundo E Um Moinho
Cartola カルトーラ
Emi
2005-12-16


 サンバ界の重鎮Cartolaの1974、1976年作。
 世はロックの時代、Milton Nascimentoに代表されるような新世代MPBが席巻していた時期なのでしょう。
 が、本作、そんなことはお構いなしのネイティブなアコースティックサンバ。
 にも拘わらず、今の耳でも古さを感じない名曲群、名演群。
 エレピもエレキベースもエレキギターはもちろん、ピアノすらも聞こえてこない編成。
 ギターとカバキーニョ、その他の弦楽器とパーカッション、若干の管の彩り。
 決して派手ではない、穏やかなサンバ。
 一拍三拍のバスドラム(的な音)が鳴り続け、かき鳴らされる弦楽器の中、いいタイミングで聞こえてくるクィーカーが気持ちいいいなあ。
 そんな賑やかなようで抑制された音を背景に、サラサラと流れていくようなさりげない歌。
 これはカッコいい。
 オリジナル曲はこれまたとてもさりげない感じですが、LPレコード二枚分、全て名曲。
 全編明るくて、でもどこか哀愁が漂うメロディがこれでもかこれでもかと続きます。
 どこを切っても金太郎飴なのですが、これが全く飽きません。
 こんな感じが正調Saudadeなんでしょうかね?
 それとも当時は相当モダンだったのかな?
 とにもかくにも、カッコいい。




posted by H.A.


【Disc Review】“São Bonitas As Canções” (2017) Sergio Santos

“São Bonitas As Canções” (2017) Sergio Santos

Sergio Santos (voice)
André Mehmari (Piano) Rodolfo Stroeter (Contrabass) Tutty Moreno (Drums)
Nailor Proveta (Alto、Soprano sax, Clarinet)



 ブラジルのシンガーソングライターSergio Santosの久々のアルバム。
 “Rimanceiro” (2013)以来、六年ぶりのようです。
 本作はジャジーなバラード集。
 サポートは“Dorival” (2017) Tutty Morenoのサックスカルテットそのまま。
 André Mehmariさん、クラシカルな演奏とジャズな演奏の二つの面持ちを使い分けているように思いますが、本作は後者が中心。
 動きまくり、突っ走っています。
 楽曲はリーダーのオリジナルではなく、巨匠たちのカバーが中心、また、楽器を持たずヴォーカルに専念。
 そのあたりの事情はさておき、パキーンとした音のジャズバンドを背景にした、シルキーな声、力の入らない柔らかな歌。
 あくまでバラード中心の抑制された音なのですが、背景で動きまくり、間奏になるとぶっ飛んでいくピアノ。
 そんなピアノを必死に現実に引き戻そうとしているようで、気がつけば音量とテンションを上げていくバンドと、あくまでしっとりた質感、抑制された歌。
 有名曲ではないものの居並ぶ名メロディ群と上質な演奏と歌は、ジャズバラードアルバムとして聞いても一級品。
 正調ジャジーMPBな一作。




posted by H.A.


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