吉祥寺JazzSyndicate

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Free Jazz

【Disc Review】“Om” (Oct.1.1965) John Coltrane

“Om” (Oct.1.1965) John Coltrane
John Coltrane (tenor, soprano saxophone)
McCoy Tyner (piano) Jimmy Garrison (bass) Elvin Jones (drums)
Pharoah Sanders (tenor saxophone) Donald Rafael Garrett (double bass, clarinet) Joe Brazil (flute)
 
Om
John Coltrane
Impul
ジョン・コルトレーン


 John Coltrane、極めつけの激烈絶叫フリージャズの一作。
 世に出たのは1968年、Coltraneが逝去した後のようですが、この上もなく凄まじい演奏。
 宗教的なメッセージがあるのだとは思いますが、それはよくわかりません。
 呪文のような朗読から始まり、一気に集団即興、絶叫型。
 前後の作品“Live in Seattle”(Sep.30.1965)、“Kulu Sé Mama” (Jun.10.16,Oct.14.1965), “Meditations” (Nov.1965)の一部のセッションと同様ですが、本作が最も一番激烈。
 それを通り越して、怖くなるような音。
 各人のソロのオーダーはきちんとあるようで、Coltraneのソロの序盤はかつての作品と大きくは変わらないように思います。
 ピアノソロになるとさらに普通の激しいジャズ、もちろん4ビートです。
 別世界に飛んでいるのはやはりPharoah Sanders。
 常軌を逸したトランス状態で叫び続け、他の二名のリード奏者も同じイメージ、あるいは不思議で陰鬱な音。
 途中では文字通り恐ろしい唸り声、叫び声まで上げて・・・
 ここまで激烈で沈痛、陰鬱な音楽、日常の世界から逸脱したような音もなかなかないでしょう。
 夜、一人では絶対に聞かないでください・・・ってなコピーが似合いそう。
 後期のColtraneは激烈絶叫フリージャズの印象が強いのですが、Coltraneの生前に世に出たアルバムで激烈絶叫系は、“Ascension” (Jun.28.1965)、“Kulu Sé Mama” (Jun.10.16,Oct.14.1965), “Meditations”(Nov.1965)の三作のみ。
 それ以降の公式アルバム“Live at the Village Vanguard Again!” (May.28.1966), “Expression” (Feb.15.1967, Mar.7.1967) は少し落ち着いた演奏。
 が、 “Expression”の直後に発表されたのがこのアルバム。
 以降、“Selflessness” (Jul.1963,Oct.14.1965) <1969>、“Transition” (May26.Jun.10.1965) <1970>、“Sun Ship” (Aug.1965) <1971>、“Live in Seattle” (Sep.30.1965) <1971>と発表。
 発表と同時に聞いた人は戸惑っただろうなあ・・・
 さて、Coltrane本人が世に問いたかったのはどんな音だったのでしょう?




posted by H.A.

【Disc Review】“Live in Seattle” (Sep.30.1965) John Coltrane

“Live in Seattle” (Sep.30.1965) John Coltrane
John Coltrane (soprano, tenor saxophone)
McCoy Tyner (piano) Jimmy Garrison (bass) Elvin Jones (drums)
Pharoah Sanders (tenor saxophone) Donald Garrett (bass clarinet, bass)
 
Live In Seattle
Universal Music LLC
ジョン・コルトレーン


 John Coltrane、Pharoah Sanders、Donald Garrettをゲストに迎えた激烈フリージャズ作品。
 “Ascension” (Jun.1965)と同じく、激烈フリージャズに本格的に突入していく端緒。
 但し、リリースされたのは1971年、何かしら気に入らない部分があったのかもしれません。
 いずれにしても“Ascension”をさらに激しくした演奏。
 “Selflessness” (Oct.1965)に収録された演奏の少しだけ前の録音ですが、それよりももっと激しいフリージャズ。
 “Ascension” (Jun.1965) 以降も、“New Thing at Newport” (Jul.2,1965)、“Sun Ship” (Aug.1965) 、直前の“First Meditations” (Sep.2.1965)まで、激しくとも調性があったのですが、ここで完全にタガが外れてしまったような演奏に変わっています。
 激烈フリーの作品に共通することがPharoah Sandersの参加。
 彼が参加するとColtraneも常軌を逸した激しい音使いとなり、彼が参加していないアルバムでは激しくとも調性の取れたジャズになっているように思います。
 Pharoah SandersがColtraneの心のタガを外す役割を担ってのでしょうか。
 絶叫する3人の管楽器奏者。
 ピアノトリオで演奏される時間だけは4ビートのジャズ、ベースソロは幻想的な静かな時間ですが、他は沈痛で激しい絶叫の嵐・・・
 最も長尺、35分を超える"Evolution"。
 陰鬱で激烈。
 三管のクダを巻くような絶叫に音を合わせるのはJimmy Garrisonのみ。
 続くこと10分、美しいピアノと激しいドラムが加わりやっと音楽の形が見えてきますが、管楽器の絶叫は止まりません。
 20分過ぎからは本当の肉声での叫び・・・
 ちょっとこれは・・・本当に怖い・・・
 管楽器が抜け、ピアノトリオになるとやっとジャズになり、終盤は激しくも定常なピアノトリオを背景にした超弩級に激しい音での集団即興演奏、いや、三管の絶叫で幕・・・
 とてつもなく凄まじい演奏は、近々McCoy TynerとElvin Jonesが脱退するのもわかるような気がします。
 それでもJohn Coltraneの前進は止まりません。




posted by H.A.


【Disc Review】“Ascension” (Jun.28.1965) John Coltrane

“Ascension” (Jun.28.1965) John Coltrane
John Coltrane (tenor saxophone)
Freddie Hubbard, Dewey Johnson (trumpet) Marion Brown, John Tchicai (alto saxophone)  Pharoah Sanders, Archie Shepp (tenor saxophone)
McCoy Tyner (piano) Art Davis, Jimmy Garrison (bass) Elvin Jones (drums)
 
Ascension: Editions I &amp; II (Reis) (Rstr)
John Coltrane
Verve
ジョン・コルトレーン


 John Coltrane、激烈フリージャズの事始め。
 この先の演奏が全てフリージャズではありませんし、本作でもリズム隊は定常な4ビートを出しています。
 Elvin Jonesもドラムソロ状態の場面も多いのですが、この前後のアルバムとそう大きく変わった演奏をしているわけではないと思います。
 フロント陣の激しい集団即興にしても、その場面も各人の音に耳を傾けてみると特別に変わった音を出しているわけではないように思います。
 キチンとテーマ~順に一人ずつのソロ回しといったジャズの流儀に乗っ取った展開で、特にトランペット陣は端正だったりもします。
 ピアノソロなどは、まんまいつものこのバンドのMcCoy Tyner。
 最も変わった音を出しているのがJohn Coltraneをはじめとするテナーサックス陣。
 ピーとかギーとかギャーとかギュルギュルギュルとか、そんな感じ。
 聞き慣れたフレーズは出てくるのですが、フレーズを紡いでインプロビゼーションを組み立て行くといった感じではなく、ひたすら激情を吐露していく、そんな感じ。
 鬼気迫るというか、常軌を逸したというか、ちょっと怖い後々の激烈フリーのColtraneサウンド。
 前後の作品を並べてみると突然変異のようにも聞こえますが、本作を含めてPharoah Sandersが参加した作品が少し異質で、彼が発火剤になってJohn Coltraneが変化するようにも思えます。
 Edition IのColtraneのソロなどは決して怖くないのですが、Edition IIはちょっと怖いかも・・・凄いけど。
 あくまで4ビートジャズなのですが、これを調性が取れたジャズが好きな人に勧めるのは無理でしょう。
 この大音量の激しい音の洪水を浴びることを気持ちいいと思うか、あるいは激情がほとばしる魂の叫びのような音を聞きたいか否かで評価はわかれるのででしょう。
 賛否両論あるのもさもありなん。

〇:Pharoah Sanders参加作品
 “Crescent” (Apl.Jun.1964)
 “A Love Supreme” (Dec.1964)
 “Live at the Half Note: One Down, One Up” (Mar.26.May.7.1965)
 “The John Coltrane Quartet Plays” (Feb.17-18, (Mar.28.),May.17.1965)
 “Transition” (May26.Jun.10.1965)
〇“Ascension” (Jun.28.1965)
 “New Thing at Newport” (Jul.2,1965)
 “Sun Ship” (Aug.1965)
 “First Meditations” (Sep.2.1965)
〇“Live in Seattle” (Sep.30.1965)
〇“Om” (Oct.1.1965)
〇“Kulu Sé Mama” (Jun.10.16,Oct.14.1965)
〇“Selflessness: Featuring My Favorite Things” (Jul.1963,Oct.14.1965)
〇“Meditations” (Nov.1965)
〇“Live in Japan” (Jul.1966)
〇“Offering: Live at Temple University” (Nov.1966)
〇“Expression” (Feb.Mar.1967)
〇“Stellar Regions” (Feb.15.1967)
 “Interstellar Space” (Feb.22.1967)
〇“The Olatunji Concert: The Last Live Recording” (Apl.23.1967)




posted by H.A.


【Disc Review】“The Song of Singing” (Apl.17,18.1970) Chick Corea

“The Song of Singing” (Apl.17,18.1970) Chick Corea
Chick Corea (keyboards, Piano)
Dave Holland (bass) Barry Altschul (drums) 
 
Song of Singing
Chick Corea
Capitol
チック・コリア


 Chick Corea、Milesバンド在籍時のピアノトリオアルバム。
 “Bitches Brew” (Aug19-21,1969) Miles Davisの後、“Black Beauty” (Apl.10,1970) Miles Davisのわずか一週間後のセッション。
 "The Complete "Is" Sessions" (“Is”, “Sundance”) (May.1969)と同様にフリージャズの色合いが強い作品。
 本作はアコースティックピアノでの演奏ですが、“Miles Davis At Fillmore”(Jun.1970) Miles Davisのフリージャズ的な混沌の場面は、Chick Corea、Dave Hollandの色合いが強いのかなあ、と思います。
 超高速に突っ走る演奏もあれば、漂うようなバラードあり。
 “Is” (May.1969)ほど激烈ではないのは、ドラマーがJack DeJohnetteではなく、空間が多いタイプだからなのでしょう。
 楽曲は抽象的、激しい演奏ですが、ピアノはものすごく美しい音。
 タッチが恐ろしく明瞭で、録音のよさも手伝って、パキーンとした音。
 メロディアスなフレーズはもちろん、グシャグシャとした展開までも美しく聞こえます。
 ベース、ドラムを含めた自然さはECM録音の“A.R.C.” (Jan.1971)に譲りますが、全体的に素晴らしい録音です。
 ドラマーが交代したECMでのトリオ作品“A.R.C.” (Jan.1971)、さらには本作のメンバーにサックスを加えた“Paris Concert” (Feb.1971) Circleへと続きます。


 

posted by H.A. 

【Disc Review】"The Complete "Is" Sessions" (“Is”, “Sundance”) (May.1969) Chick Corea

"The Complete "Is" Sessions" (“Is”, “Sundance”) (May.1969) Chick Corea
Chick Corea (piano, electric piano)
Dave Holland (bass) Jack DeJohnette, Horace Arnold (drums)
Woody Shaw (trumpet) Hubert Laws (flute, piccolo) Bennie Maupin (tenor sax)

Complete Is Sessions
Chick Corea
Blue Note Records
チック・コリア


 Chick Corea 、Milesとセッションを繰り返している時期のアルバム。
 “In a Silent Way” (Feb.1969)の翌月、“Bitches Brew” (Aug19-21,1969) Miles Davisの間、いわゆるロストクインテット”Bitches Brew Live(Newport Jazz Festival)”/一部 (Jul.5,1969)、”1969Miles”(Jul.25,1969)のライブの一ヵ月前の録音。
 ピアノトリオはMilesのいわゆるロストクインテットのメンバー、“Bitches Brew”の三人が揃っています。
 それっぽいかといえば、そうでもありません。
 基本的には4ビート、メロディ、楽曲の作りが、いかにもChick Coreaらしいハイテンションジャズの色合い。
 Dave Holland、Jack DeJohnetteは凄い演奏ですが、ヒタヒタと迫ってくるような感じはなく、激しい系のジャズの範疇のように思います。
 それからすれば、“Bitches Brew”の全体のムードを支配しているのはChick Coreaではなかくて、やはりMiles DavisかJoe Zawinulだったのでしょうね。
 “Bitches Brew”はさておき、”1969Miles”などのライブ諸作のような激烈な感じではなく、むしろ端正だなあ・・・
 と思っていたのはわずかな時間。
 爆発的なフリージャズ的へと展開。
 ピアノもアコースティック、エレクトリックが交錯する形ですが、激しいピアノトリオと好演のホーン陣が一体となったカッコいいジャズが続きます。
 さらにCDでは二枚目になるとさらにビックリ。
 こちらは超ウルトラ激烈フリージャズ。
 全三曲、各曲とも穏やかに始まりますが、徐々に音量が上がり、中盤からは後期のColtraneを想わせるようなブチ切れた演奏が続きます。
 ドラムがビートを出しているような気がしないでもないですが、それにしてもドラムソロ状態の叩きまくりです。
 もーグチャグチャ。
 聞いている方の血管も切れてしまいそうな激烈な演奏。
 最初から最後まで超弩級エネルギー放出型フリージャズ。
 おっと、やっぱりロストクインテット、Bitches Brewライブの一場面にも似ていますね。
 これのビート感を変えて、ロック、ファンクの色合いを付けて、Miles 流の統制を加えれば、それらになりそうだし、静かで妖しい二曲目”Converge”あたりは“Miles Davis At Fillmore”(Jun.1970)の"The Mask"のムード。
 さらにLPレコードでのB面は全一曲、これでもかこれでもかの激烈フリージャズ。
 対峙して聞くと聞いてる方がヘロヘロに。
 さすがChick Coreaというべきか、あるいは、さすがMiles Davisというべきか・・・




posted by H.A.  

【Disc Review】“In Concert” (1991) Dave Burrell, David Murray

“In Concert” (1991) Dave Burrell, David Murray
Dave Burrell (piano) David Murray (tenor saxophone)

In Concert
Dave Burrell
Victo
デイブ バレル
デビッド マレイ

 フリージャズのイメージが強いピアニストDave Burrellと過激なサックスDavid Murrayの共演作、ライブ録音。
 このコンビはDavid Murray諸作“Lovers” (1988)などで素晴らしいコンビネーション。
 Duoでの作品も幾つもあります。 
 David Murray、いろんなピアニストと共演していますが、この人が一番合っているように思います。
 おそらく、楽器は違えど似たタイプだから。
 いくら上手い人でも普通にモダンジャズのピアニストとDavid Murrayは合わないと思いますし、その逆も然り。
 コンボでの演奏もいいのですが、Duoだと制約がなくなって変幻自在の激烈さ。
 おまけに本作はライブ。
 David Murrayが、白目むいて汗だらだら流しながら吹いている姿が目に浮かぶような演奏。
 それでものべつまくなしに発散しまくるのではなく、徐々に盛り上げながら曲ごとに最後はキチンとまとめてくる名人芸。
 Dave Burrellはさらに過激、フリーの人のイメージ。
 このアルバムでも激しい場面はあるのですが、全体的にはペースをしっかりキープする落ち着いた演奏。
 さらにバラードを弾くと、とてつもなく美しい演奏になります。
 おそらくクラシックにも相当造詣が深いのでしょう。
 また、各メロディがこれまた美しい。
 David Murrayも同様に、過激ながらバラードの名手。
 美しい展開から徐々に崩れていったり、火の出るような音の流れの中から突然美しいメロディが現れたり。
 本作でもステージの中盤からは、“Lovers” (1988) にも収められていた“Teardrops for Jimmy”含めて三連発の絶品なバラード演奏。
 この三曲でも聞く価値あり。


※David Murrayはいませんが・・・


posted by H.A.

【Disc Review】“Song X” (1985) Pat Metheny, Ornette Coleman

“Song X” (1985) Pat Metheny, Ornette Coleman
Pat Metheny (guitar, guitar synthesizer) Ornette Coleman (alto saxophone, violin)
Charlie Haden (acoustic bass) Jack DeJohnette (drums) Denardo Coleman (drums, percussion)

Song X
Pat Metheny
Nonesuch
オーネット コールマン
パット メセニー

 Pat Metheny、Ornette Colemanとの共演作。
 ECM 最終作“First Circle” (1984)の後。
 デビュー当時からOrnette Colemanへの憧れは明白でしたので、ECMの縛りが無くなったらやりたかった企画なのでしょう。
 過激なフリージャズが印象に残る作品。
 激烈系の演奏は、さすがにここまでノイジーだと頭の中をかき回されるようで、ちょっと引いてしまいますが、すごい演奏であることは確か。
 Jack DeJohnetteが叩き出す激しいビート、マシンガンのようなベースを背景にした超弩級のエネルギーの放出は、聞き方を変えれば心地いいんだろうなあ・・・とは想像はできます。 私はいまだに慣れませんが・・・
 激烈系の数曲以外は、文字通り自由に飛び回るようなサックスとギターがカッコいいのですがねえ。
 ともあれ、お気に入りはそんな激烈な演奏の中にポツンと置かれた絶品のスローバラードの"Kathelin Gray"。
 最初から最後までリズムが定まらないルバートっぽい演奏。
 もの悲しく美しいメロディ、コードの上で、サックスとギターのフワフワと漂いながらの絡み合いが最高にカッコいい。
 Pat Metheny、ルバートっぽい演奏はしないので貴重。これだけではないかなあ。
 問題作だと思いますが、"Kathelin Gray"一曲で買いです。




posted by H.A.

【Disc Review】“Santuerio” (1993) Marilyn Crispell

“Santuerio” (1993) Marilyn Crispell
Marilyn Crispell (piano)
Mark Feldman (violin) Hank Roberts (cello) Gerry Hemingway (drum)

マリリン クリスペル

 凄いメンバーによる、ほどほど静かなフリージャズ。
 Marilyn Crispell近年のECMレコード諸作ほどメロディアスではないけども、激しい混沌の時間は短い。
 音が支配する空間は何かしら非日常の空気。

 とても美しいバイオリンとピアノの音。
 うなるチェロ、不定に響く打楽器。

 何を訴えたかったのだろう?まだ見えてこない。
 いや、そんなことを考えるよりも、ただただ、出てくる音を素直に受け止めるべきなのか?
 とある人には「分類しようとするな」と言われた。
 確かジェダイ・マスターは「考えるな、感じろ」と言ってた。たぶん同じことだろう。
 さて、フリージャズへの開眼となるか?
 まだまだフォース、いや、感性の磨き方が足らないなあ・・・




posted by H.A.

【Disc Review】“For Coltrane” (1987) Marilyn Crispell

“For Coltrane” (1987) Marilyn Crispell
Marilyn Crispell (piano)

マリリン クリスペル

 フリージャズのMarilyn Crispell、John Coltraneへのトリビュート、ライブ録音。
 冒頭の“Dear Lord”の素晴らしさ。
 漂うようなルバートでのバラード。寄せては返す波のような音。
 ECMマジックが掛かっていない時期、ピアノの音は固め。それでも優しいMarilyn Crispell。
 2曲目からは、いつものピアノを強打するMarilyn Crispell。
 が、最後は再び漂うバラード”After the Rain”。途中に混沌をはさみながらも穏やかな表情で幕。
 どの表情が好みかは人それぞれ。
 私は穏やかなMarilyn Crispellにすごく惹かれます。この頃から。


 

posted by H.A.

【Disc Review】“Music for K” (1970) Tomasz Stanko

“Music for K” (1970) Tomasz Stanko
Tomasz Stanko (Trumpet)
Bronisław Suchanek (Bass) Janusz Stefański (Drums) Zbigniew Seifert (Alto Saxophone) Janusz Muniak (Tenor Saxophone)

MUSIC FOR K
TOMASZ STANKO QUINTET (トーマス・スタンコ)
POLSKIE NAGRANIA
トーマス スタンコ


 Tomasz Stanko、激烈な“Balladyna” (1975)の五年前、こちらも過激なエネルギー放出型ジャズ。
 あちらと比べるとまだまだおとなしい演奏ですが、深刻系のメロディにブチ切れインプロビゼーション。
 超辛口ジャズ。
 激烈な演奏のコルトレーンが逝去し数年、マイルスが”Bitches Brew”(1969)発表前後の激烈系を展開していた時期。
 東欧の若者たちもエネルギーをどこかにぶつけたかったのでしょうかね。
 それでも一定の秩序を保ったうえでの激烈スタイル。
 その意味では激烈初期のコルトレーン、アメリカ系フリージャズ、あるいはエレクトリック・マイルスのやり方に近いし、激しい混沌にはならない。
 Tony Williams“Life Time”(1969)然り、”Bitches Brew”然り。
 普通のモダンジャズの時代が完全に終了、ロック混ざりも含めた「激しい系」、逆にポップス混ざりの「一般受け系」、あるいはちょっと難解な「アート系」、あたりに分化した時代なのでしょうかね。
 ”Bitches Brew”が「激しい系」の一つの象徴だとすれば、その変形、フリージャズ寄りの激烈な音楽。

(※この投稿は2016/05/05から移動しました。)



posted by H.A.
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