吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Free Jazz

【Disc Review】“The Way Ahead” (1968) Archie Shepp

“The Way Ahead” (1968) Archie Shepp

Archie Shepp (tenor sax) 
Walter Davis Jr., Dave Burrell (piano) Ron Carter, Walter Booker (bass) Roy Haynes, Beaver Harris (drums)
Charles Davis (baritone sax) Jimmy Owens (trumpet) Grachan Moncur III (trombone)

The Way Ahead
Universal Music LLC
2007-03-22


 Archie Shepp、1960年代末期、ぶっ飛んだジャズ。
 激しい系ジャズ“The Magic of Ju-Ju” (1967)と、激烈ファンクな“Things Have Got to Change” (1971)の間。
 楽曲はブルースに新主流派(懐かしい!)にフリーなオリジナル曲にEllington、各曲長尺な全四曲+ボーナストラック。
 ジャズの歴史をトレースするような選曲・・・ではありますが、演奏はぶっ飛んでいます。
 冒頭のスローブルースは、オーソドックスな演奏とブヒブヒグチョグチョなテナー。
 そこまではまだ普通、以降はあちこちに跳びまくるフリー混じりの先端系。
 離散的な曲、フリーな曲はもちろん、Ellingtonナンバーもメロディは見え隠れするものの、あっちに行ったりこっちに行ったり、変幻自在。
 ビートが定常な分だけクールにも感じられますが、フロント陣はぶっ飛んだりクダを巻いたり、やっぱり普通に吹いてみたり。
 ”Out To Lunch” (1964) Eric Dolphyの少し遅れてきたShepp版・・・ちょっと違うかな?
 重くて沈痛、あの時代のドロドロな感じがうかがえる濃い一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Milano Strut” (1978) Don Pullen, Don Moye

“Milano Strut” (1978) Don Pullen, Don Moye

Don Pullen (Piano, Organ) Famoudou Don Moye (Drums, Percussion, Congas, Bells)

 Don Pullen、イタリアのBlack Saintレーベルからのフリージャズ。
 この時期のDon Pullenの作品は、“Capricorn Rising” (1975) Don Pullen, Sam Riversなど、激烈系フリージャズ。
 本作はドラムとのDuo。
 もー好きにしてください・・・と言わざるを得ない、暴力的なまでのど激しい系。
 “Interstellar Space” (Feb.22.1967) John Coltraneもビックリの、黒い情念のほとばしりな音。
 もう勘弁してください・・・と思うこと、十数分。
 突然現れる美しいメロディ、ルバートでの漂うようなスローバラード。
 激情と混乱、安らぎが錯綜する音。
 これまたあの後期John Coltraneのバラードの世界。
 さらに、LPレコードB面、オルガンで演奏される“Milano Strut”の哀愁漂うクールな音。
 これはあのKip Hanrahanの世界。
 クールでやるせなくて、しかもオシャレ。
 こちらが先なので、彼の音のイメージの一部はDon Pullenだったのかもね?、と想わせる一曲。
 このままいって欲しい・・・の願いも虚しく、かき回されるピアノ。
 うーん・・・
 ・・・にしても素晴らしいジャケットだなあ・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Capricorn Rising” (1975) Don Pullen, Sam Rivers

“Capricorn Rising” (1975) Don Pullen, Sam Rivers

Don Pullen (Piano) Sam Rivers (Tenor Saxophone, Soprano Saxophone, Flute)
Alex Blake (Bass) Bobby Battle (Drums, Tambourine)

Capricorn Rising
Don Pullen
Black Saint
2017-01-20


 Sam Rivers、Don Pullenとの共同リーダー作品。
 ど激しい系のフリージャズ。
 時代感はわからないのだけども、“Agharta”、“Pangaea”(Feb.1.1975) Miles Davisに近い時期。
 激しい系のフリージャズの時代は終っていた時期のようにも想像するのだけども、これでもかこれでもかの激しい系。
 これは熱い。
 あるいは暑苦しい。
 Sam Rivers、Don Pullenともに、あっけらかんと演奏するようなイメージもあるのだけども、この音は重くて熱い。
 血と汗が噴き出るような凄まじい音の洪水。
 全4曲、B面の二曲は明るいラテンな感じですが、それも激しい。
 全編疾走し続け。
 疲労度も120%。
 それでも、聞き終わるとなぜかスカッと爽やか・・・かな・・・?
 とにもかくにも体育会系な音。
 とても激しくて、男臭くてカッコいい音楽。
 夏には聞きたくないけどね・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Expression” (Feb.15.1967, Mar.7.1967) John Coltrane

“Expression” (Feb.15.1967, Mar.7.1967) John Coltrane
John Coltrane (tenor saxophone, flute)
Alice Coltrane (piano) Jimmy Garrison (bass) Rashied Ali (drums)
Pharoah Sanders (flute, piccolo, tambourine)
 
EXPRESSION
JOHN COLTRANE
IMPUL
2012-05-15


 John Coltrane、スタジオ録音では最後のセッション?を中心とした最終アルバム。
 発表されたのは逝去されてからでしょうから、どこまで本人の意図が反映されている構成なのかどうかはわかりません。
 ここまでと変わっているのはPharoah Sandersが一曲のみの参加、また、サックスではなくフルート、ピッコロ。
 Mar.7.1967のセッションには参加しておらず、後に発表された“Stellar Regions” (Feb.15.1967)に収められた演奏にも参加していません。
 バンドの形を変えようとしていたのは確かなのでしょう。
 絶叫フリージャズの世界からは抜け出したように思います。
 が、サックスは旋回を繰り返す不安感、深刻さを伴ったフレージングが中心、バンドの音から沈痛さは抜けていません。
 全体の質感は激しい系のフリージャズ。
 スローなフリービート、ルバートでのバラード“Expression”、“Offering”の序盤に穏やかなモノを感じはしますが、後半はあの激烈で沈痛なフリージャズのColtrane。
 後に発表された“Stellar Regions” (Feb.15.1967)にも近いそれらがこれから先の姿だったのかもしれません。
 ・・・と思っていたら、CDで追加されたこの後の録音”Number One” (Mar.7.1967?)は、“Meditations” (Nov.1965)のような絶叫フリージャズ・・・
 いずれにしても、まだJohn Coltraneの心は穏やかではなかったように感じます。
 Miles Davisは計算されたスタイリッシュさだったように思いますが、John Coltraneはその内面をさらけ出すようなスタイル。
 それだけに聞くのがつらくなる部分も・・・
 いずれにしても謎と余韻を残しつつ、John Coltraneの公式作品はここに終わります。




 posted by H.A.

【Disc Review】“Interstellar Space” (Feb.22.1967) John Coltrane

“Interstellar Space” (Feb.22.1967) John Coltrane
John Coltrane (tenor saxophone, bells)
Rashied Ali (drums)
 
INTERSTELLAR SPACE
JOHN COLTRANE
IMPUL
2000-05-20
ジョン コルトレーン

 John Coltrane、Rashied Aliとの激烈なDuo作品。
 スタジオ録音としては最後から二番目のセッションなのだと思います。
 10分前後の楽曲に分かれており、テーマで始まりテーマで締めるジャズ的構成ですが、間はほぼほぼフリーインプロビゼーション。
 継続するグルーヴを叩き出していたElvin Jonesのドラムに対して、離散的なビートのRashied Ali。
 激烈さ、Coltraneへの直接的な反応ではElvin Jonesが勝るように思いますが、繊細ってなのは適当な形容でないのかもしれませんが、うるさくなく、小刻みなビートを次々と繰り出すイメージ。
 その分変化に富んで予測不可能。
 Coltraneは後期の激烈サックス、旋回するようなフレーズのオンパレード、フリーキーな音も多用。 
 それでもPharoah Sandersがいる際の演奏と比べると、あるいはこの時期になると絶叫する場面は少ない印象で、あまり身構えずに聞けるようにも思います。
 行きたいところに行けなくて同じところをグルグルと廻っている・・・
 言いたいことが言いきれずにひたすら語り続ける・・・
 普通のジャズの枠では納めきることのできないのであろうエネルギーの放射。
 そんな後期Colttaneの咆哮、あるいは彷徨。
 そんな音をたっぷりと浴びたい時には最高のアルバム。




 posted by H.A.

【Disc Review】“Stellar Regions” (Feb.15.1967) John Coltrane

“Stellar Regions” (Feb.15.1967) John Coltrane
John Coltrane (tenor, alto saxophone)
Alice Coltrane (piano) Jimmy Garrison (bass) Rashied Ali (drums)
 
Stellar Regions
John Coltrane
Grp Records
1995-10-10


 John Coltrane、最終アルバム“Expression” (Feb.15.1967, Mar.7.1967)と同セッションの未発表作品集。
 発表されたのは1995年。
 長らくお蔵に入っていた事実上の“Expression”アウトテイク集ですが、完成度の高いアルバム。
 激しさはほどほど、それゆえにお蔵に入ったのかもしれませんが、なぜ1995年まで出なかったのかはわかりません。
 全体の印象は、激烈フリー期に入る直前、“Sun Ship” (Aug.1965)、”First Meditations” (Sep.2.1965)に近い感じでしょうか。
 McCoy Tyner, Elvin Jonesはいませんが、オーソドックスなジャズの香りも少々。
 Rashied Ali のドラムは相変わらず自由、Jimmy Garrisonが素直にウォーキングし、Alice Coltraneの繊細で美しいピアノがフィーチャーされる場面がたっぷり。
 フリービート、スローのルバートから始まり、徐々に激烈に変わっていく展開。
 “Expression”のタイトル曲、“Offering”に近いイメージの素晴らしい演奏。
 Pharoah Sandersが参加以降の絶叫フリージャズから変わっていこうとしていた途上だったのかもしれません。
 あるいはColtraneだけで絶叫する場面もいくらかあり、彼がいなくても絶叫状態にトランスする方法を見つけたので・・・といったのは考えすぎでしょうか。
 いずれにしてもその場面も決して多くはなく、この期の作品としては身構えなくても聞けるアルバム。
 私は大好きなアルバム、名作だと思います。

 


 posted by H.A.

【Disc Review】“Jupiter Variation” (Feb.2.1966, Feb.22.1967, Mar.7.1967) John Coltrane

“Jupiter Variation” (Feb.2.1966, Feb.22.1967, Mar.7.1967) John Coltrane
John Coltrane (tenor saxophone, bells)
Alice Coltrane (piano) Jimmy Garrison, Charlie Haden (bass) Rashied Ali (drums) Ray Appleton (percussion)
Pharoah Sanders (tambourine, wooden flute)
 
ジュピター・ヴァリエーション
ジョン・コルトレーン
ユニバーサル ミュージック
2015-05-13


 John Coltrane、激烈フリージャズ期、最後期の未発表演奏集。
 リリースは1978年。
 フリージャズ系の一連の作品が発表された後、“First Meditations” (Sep.2.1965) <1977>に続くリリースでしょうか。
 事実上、“Expression” (Feb.15,Mar.7.1967)、“Interstellar Space” (Feb.22.1967)のアウトテイク集。
 Pharoah Sandersの参加はフルートで一曲のみで、LPレコードB面はRashied AliとColtraneのDuo。
 “Leo”、” Peace on Earth”など、“Live in Japan” (Jul.11,22.1966)などでの演奏曲のスタジオ録音バージョンも収録されています。
 カルテットでの“Number One”は少々陰鬱な絶叫系フリージャズ。
 Pharoah SandersがいないとColtraneは絶叫しない・・・ってな感じも持っているのですが、この曲では一人で絶叫しています。
 ピアノなどのソロの場面はなく、11分超、Coltraneの独り舞台。
 Feb.22.1967のRashied AliとColtraneのDuoも、絶叫する場面こそ少ないものの、魂の叫びのようなフリーキーな音の連続。
 “Leo”など、一連のドラムとのDuoの中では、これが一番すごいんじゃないの?と思う激烈さ。
 激しい演奏が並びますが、その中の” Peace on Earth”はとても穏やかなルバートでのバラード。
 そこそこのフリーキートーンもありますが、この線で落ち着いていくととても穏やかで安らかなのだけども、これは他のセッションよりは一年前の1966年。
 最後?のスタジオセッションの記録は激烈な“Number One”。
 まだJohn Coltraneの心中は穏やかではなかったようです。




 posted by H.A.

【Disc Review】“Live in Japan” (Jul.11,22.1966) John Coltrane

“Live in Japan” (Jul.11,22.1966) John Coltrane
John Coltrane (soprano, alto, tenor saxophones, bass clarinet, percussion)
Alice Coltrane (piano) Jimmy Garrison (bass) Rashied Ali (drums)
Pharoah Sanders (alto, tenor saxophones, bass clarinet, percussion)
 
Live in Japan
John Coltrane
Grp Records
1991-05-14


 John Coltrane、フリージャズ期、新メンバーでの日本公演、ライブアルバム。
 近い時期の “Live at the Village Vanguard Again!” (May.28.1966)に近いムード、激しい演奏ですが、極端なフリーでもなく、“Kulu Sé Mama” (Jun.10.16,Oct.14.1965)、“Meditations” (Nov.23, 1965)などのように、沈痛この上ない感じではありません。
 また、 “Afro Blue”、”Crescent”、”My Favorite Things”と人気曲が並びます。
 が、どれもが数十分を超える極端に長尺な演奏。
 テーマ一発、凄まじい演奏、凄まじいまでのエネルギーの放出がひたすら続きます。
 Pharoah Sandersの絶叫、それに合わせるかのようなColtraneの絶叫、どこまで続くのか全く読めないインプロビゼーション。
 あの名バラード” Crescent”までもが、激烈で長尺(54分!)、絶叫を交えた演奏。
 どこまでも、どこまでも、どこまでも続いていきそうなインプロビゼーション。
 それを延々と続ける体力、精神力の凄まじさ。
 そんな中でも“Live at the Village Vanguard Again!”では前面に出ていなかったAlice Coltraneのピアノがたっぷり、いい感じで響いています。
 McCoy Tynerよりも軽い感じの疾走ピアノ。
 激しい音の流れの中のオアシス。
 また、ルバートでの美しいスローバラード"Peace on Earth"もあります。
 が、再び激しいエネルギーを放出する激烈な世界へ・・・
 サウナの中で長距離を全力疾走するイメージの音。
 一曲だけでこちらがヘロヘロ、心してかからないと・・・
 これが出来るのはJohn Coltraneだけなのでしょう。

 


 posted by H.A.

【Disc Review】“Live at the Village Vanguard Again!” (May.28.1966) John Coltrane

“Live at the Village Vanguard Again!” (May.28.1966) John Coltrane
John Coltrane (soprano, tenor saxophone, bass clarinet, flute)
Alice Coltrane (piano) Jimmy Garrison (bass) Rashied Ali (drums)
Emanuel Rahim (percussion)
Pharoah Sanders (tenor saxophone, flute)
 


 John Coltrane、フリージャズ期、新メンバーでの最初のアルバム、ライブ録音。
 ”Live! at the Village Vanguard” (Nov.1961)からわずか五年ですが、メンバーはJimmy Garrisonだけが残り、音楽も変わっています。
 楽曲は定番の”Naima”, “My Favorite Things”の二曲のみ。
 冒頭、”Naima”のテーマの提示までは、かつてのバンドと同じ穏やかなイメージ。
 Pharoah Sandersがインプロビゼーションを始めると徐々に様相が違ってきます。
 穏やかに背景に流れていたメロディラインが崩れ始め、ビートも離散的になっていきます。
 ウォーキングを続けるベースとビートではない何かを叩き出すドラム、明後日の方向に、が、淡々とコンピングを続けるピアノ。
 とても激しい演奏ですが、この期の他の作品の比べると相対的には穏やかな音。
 サックスソロがColtraneに交代しても、そんな音の流れは変わりません。
 そして強烈なエネルギーの放出は、テーマに戻り、穏やかに停止します。
 続くJimmy Garrisonのベースソロでは、グラスのぶつかる音が聞こえるほどの静かな時間。
 “My Favorite Things”から再びビートは上がります。
 不思議な方向に動くサックス、激しく叩き続けられるドラム。
 とても激しい演奏ですが、混沌までは至りません。
 その激しさは“Selflessness: Featuring My Favorite Things” (Jul.1963)などのバージョンと大きく違わないようにも思います。
 が、Pharoah Sandersのフリーキーなサックスソロが始まると空気感は一変。
 Rashied Aliも音量を上げ、並走するColtraneも激しい絶叫と混沌の世界に・・・
 強烈なエネルギー。
 それでも本作、“Kulu Sé Mama” (Jun.10.16,Oct.14.1965)、“Meditations” (Nov.23, 1965)あたりと比べると、相対的には平和。
 絶叫、混沌の時間が短い分、上記の二作に比べると、普通にジャズとして聞いても極端な違和感はないと思います。
 定常なジャズの制約の中では出し切れないのであろう、強烈なエネルギーの放射を浴びることを心地よいと思うか否か、それで好みは分かれるのでしょうか。

 新バンド=激烈フリージャズのイメージがあるのですが、この新バンドの最初のアルバムが出たタイミングでは、すでに次の方向への模索が始まっているようにも感じます。
 極めつけに激しい激烈絶叫フリージャズな作品は未発表作品も含めて、このアルバムの前までの以下ぐらい、Pharoah Sanders参加の初期の作品だけだったようにも思います。
 “Ascension” (Jun.28.1965)
 “Live in Seattle”(Sep.30.1965)
 “Om”(Oct.1.1965)
 “Kulu Sé Mama”(Jun.10.16,Oct.14.1965)
 “Meditations” (Nov.1965)

 Coltraneのフレージング自体もかつてとは違った沈痛で激しく同じところを旋回する感じになってきていますが、激烈絶叫フリージャズの主要因、あるいは発火剤はPharoah Sandersだったように感じます。
 などなど、妄想は尽きないのですが、次の公式アルバムは穏やかな演奏も含む遺作の“Expression” (Feb.15.1967, Mar.7.1967)。
 果たしてJohn Coltraneさんの気持ちは穏やかだったのでしょうか?




 posted by H.A.

【Disc Review】“Meditations” (Nov.23, 1965) John Coltrane

“Meditations” (Nov.23, 1965) John Coltrane
John Coltrane (tenor saxophone)
McCoy Tyner (piano) Jimmy Garrison (double bass) Elvin Jones (drums) Rashied Ali (drums)
Pharoah Sanders (tenor saxophone)

Meditations (Reis) (Rstr) (Dig)
John Coltrane
Verve
2009-03-24


 John Coltrane、公式アルバムとしては“Kulu Sé Mama” (Jun.10.16,Oct.14.1965)に続く激烈絶叫フリージャズ作品。
 一部の曲の激烈度はNo.1かもしれません。
 二か月前にカルテットで同曲を演奏した “First Meditations” (Sep.2.1965)を録音していますが、世に出したのはRashied AliとPharoah Sandersを加えた激烈なこちら。
 ギリギリでジャズの世界に踏み止まっている“First Meditations”に対して、ぶっ飛んだ本作。
 二作は全く異なる作品、“First Meditations”が習作にも聞こえません。
 基本的にはテーマが提示されて、テーマで締めるジャズのフォーマットですが、その間はフリージャズ。
 五曲で構成されますが、全曲メドレーで演奏されます。

 冒頭曲、サックス二名の激しい音でテーマの提示もそこそこに、Elvin Jones、Rashied Aliは最後までずーっとドラムソロ状態。
 Coltrane はこの期の彼の旋回するフレーズ、フリーキーな音の連続、Pharoah Sandersはさらに激烈な絶叫。
 意識がどこかに行ってしまったような、常軌を逸した激烈な音。
 凄まじい演奏が10数分続きます。
 サックスが抜け次曲に移行、ピアノソロが始まると突然オーソドックスなジャズ的な流れに変わり、ドラム、ベースが定常なビートを刻み、McCoy Tynerはここまでと同様にモーダルな激しい音。
 そんな不思議な流れのメドレーでLPレコードA面は終了します。
 LPレコードB面はJimmy Garrisonの静かなソロに導かれるスローバラードでスタート。
 Coltraneはフリーキーな音は使わず、テーマメロディの変奏のようなフレーズ、祈りにも似たようなソロを繰り返します。
 バックはフリービートですが、美しいピアノの音との絡みが妖しくカッコいい演奏。
 が、次曲、Pharoah Sandersがフリーキーな音を発し始めると、Coltraneも再び絶叫状態に・・・
 サックスが抜けると嵐が過ぎ去った後のような、McCoy Tynerの美しい世界から、締めのフリービートでのバラードへ。
 Coltraneはフリーキーな音を多くは使わないながら、沈痛な面持ちで幕。

 とても激烈な音、沈痛で深刻な音が印象に残ってしまいますが、凄まじい絶叫が続くのはPharoah Sandersが音を出す二曲のみ。
 ほかの三曲はオーソドックスなジャズ風であったり、荘厳で静かだったり。
 冷静に眺めれば“A Love Supreme” (Dec.1964)にも近い構成。
 それらの作品、あるいはジャズ度の高い“First Meditations” (Sep.2.1965)の世界からどうやって抜け出すか、どうすればその先に進めるのか、その答えがPharoah Sandersの絶叫であり、Rashied Aliのビート、だったのかもしれません。
 それにしても凄まじい演奏、凄まじい音楽です。
 以降、激烈な絶叫フリージャズのColtraneの世界が続きます。
 “Om”(Oct.1.1965)、あるいは、このアルバムが激烈さのピーク、そんな一作。




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