吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Modern Jazz

【Disc Review】“Catch Me” (1963) Joe Pass

“Catch Me” (1963) Joe Pass

Joe Pass (guitar)
Clare Fischer (piano, organ) Ralph Peña, Albert Stinson (double bass) Colin Bailey, Larry Bunker (drums)

キャッチ・ミー+5(紙)
ジョー・パス
EMIミュージック・ジャパン
2003-02-26


 Joe Passの初期作品。
 ピアノトリオまたはオルガントリオとのオーソドックスなジャズ。
 いかにも西海岸風、ちょっと洒落た感じにアレンジされたジャズスタンダードたち。
 涼し気でまずまず落ち着いた演奏ですが、後の超絶速弾き、ってな感じがたくさん。
 スロー、ミディアムテンポでも、旋律の合間々に高速なオブリガードが挿まれ、アドリブになるとたくさんの音符が並べられていきます。
 もっと弾かせろー、なんて思っていたのかどうかはさておき、そんな風に聞こえてきます。
 ま、この頃から規格外だったのでしょう。
 もちろん、速く弾いてもスムースでメロディアス。
 それが西海岸的な軽くて洗練されたサウンドとマッチしていい感じ。
 Joe Passさんの後の作品、血管切れそうな超絶系と柔らかで涼し気系に分かれるように思いますが、ここではその中間、少々後者寄り。
 Joe Passさん、まずは序章、軽快で心地よいジャズ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Charlie Haden, Jim Hall” (1990) Charlie Haden, Jim Hall

“Charlie Haden, Jim Hall” (1990) Charlie Haden, Jim Hall

Charlie Haden (bass) Jim Hall (guitar)

Charlie Haden & Jim Hall
Charlie Haden
Blue Note Records
2014-09-30


 Charlie Haden、Jim Hall とのDuo。
 1989年の一連の記録の翌年、1990年モントリオールジャズフェスティバルでのライブ録音。
 クールでハードボイルドなお二人の共演。
 もちろんクールでハードボルドな静かな世界。
  Monkから始まり、Ornette Colemanにジャズスタンダード。
 さらに”First Song”, “Down From Antigua”, “Big Blues”などのお二人の代表的なオリジナル曲。
 ズシーンとくる低音とフワフワとした霞のようなギター。
 モダンジャズ時代、前に進む成分が強いJim HallとRon CarterとのDuoとはまた違った雰囲気。
 儚く消えゆくような繊細なギターには、Charlie Hadenの沈み込むベースの方がより似合っているかなあ・・・ってな私見。
 何の装飾もギミックもないギターとベース、それだけ。
 シーンと静まり返った空間の中、ゆったりと進む音。
 いつもの鬼のような人たちとの共演だと自らも鬼になってしまうベースが、とても柔らかに響きます。
 フワフワとしていてサラサラと流れていくようで、ズーンとくる音。
 聞き流してしまいそうで、微睡に陥りそうで、ときおり覚醒を促されるようなとても心地よいバランス。
 沈んだ感じながら強い浮遊感を醸し出す希少な名人のコンビ、その色合い、そのままの音。




posted by H.A.

【Disc Review】”The Montreal Tapes” (Jun.30.1989) Charlie Haden w. Joe Henderson, Al Foster

”The Montreal Tapes” (Jun.30.1989) Charlie Haden w. Joe Henderson, Al Foster

Charlie Haden (bass)
Joe Henderson (tenor saxphone) Al Foster (drums)

Montreal Tapes
Charlie Haden
Verve
2004-02-24


 Charlie Hadenのモントリオールジャズフェスティバル、ライブ録音シリーズ第一弾。
 1989年はCharlie Haden’s Yearだったのでしょう。
 連日のステージ、以下の8公演が世に出ている音源でしょうか?
 ”The Montreal Tapes” (Jun.30.1989) w. Joe Henderson, Al Foster
‎ ”The Montréal Tapes” (Jul.1.1989) w. Geri Allen, Paul Motian
 “The Montreal Tapes” (Jul.2.1989) w. Don Cherry, Ed Blackwell
 “The Montreal Tapes” (Jul.3.1989) w. Gonzalo Rubalcaba, Paul Motian
 “Live Montreal ‘89” (Jul.5.1989) w. Pat Metheny, Jack DeJohnette
 “In Montreal” (Jul.6.1989) w. Egberto Gismonti
 “The Montreal Tapes” (Jul.7.1989) w. Paul Bley, Paul Motian
 “The Montreal Tapes” (Jul.8.1989) w. Liberation Music Orchestra

 本作に収められた初日は、Joe Hendersonがフロントに立つピアノレスのサックストリオ。
 全4曲、各曲ともに長尺な演奏、怒涛のジャズインプロビゼーション。
 前半はジャズスタンダード二曲。
 ぶっとい音のテナーサックスのソロ演奏から始まる“Round Midnight”。
 沈み込むようなベースが加わり、さらに重心が下がる重厚でハードボイルドなジャズ。
 ピアノレスゆえのクールなムード。
 それでいて全編を覆う強い浮遊感は、このお二人の色合いそのもの。
  続く“All The Things You Are”、もう十分に聞きましたので勘弁してください・・な、どジャズなスタンダードまでがクールにハードボイルドに響きます。 
 その後はフリーな色合いも混じるオリジナル曲とCharlie Parker。
 ベースとドラムが攻撃的になり、呼応するかのように旋回し咆哮するサックス。
 フリーに行きそうで行かない、二歩ぐらい手前で踏み止まるJoe Henderson的な収め方。
 モダンジャズから少しはみ出した1960年代の空気感そのまま。
 硬派でハードボイルドなジャズ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Somewhere Before" (Aug.1968) Keith Jarrett

“Somewhere Before" (Aug.1968) Keith Jarrett

Keith Jarrett (Piano)
Charlie Haden (Double Bass) Paul Motian (Drums)

サムホエア・ビフォー
キース・ジャレット・トリオ
ワーナーミュージック・ジャパン
2013-07-24


 Keith Jarrett、初期の人気作、トリオでのライブ録音。
 同メンバーの“Life Between the Exit Signs" (May.1967)の流れを引き継いだ少し変わったジャズ。
 冒頭、Bob Dylanをジャズで演奏しようなんて発想は、当時は珍しかったのでしょう。
 フォーキーな色合い、American Saudadeなセンチメンタルで懐かしい空気感。
 続くバラードは耽美、内省、タメた上で突っ走るロングフレーズ、あの“官能的”で美しいピアノ。
 Paul Bleyと双璧、Bill Evansでは聞かれなかった、モダンジャズから一歩踏み出したようなムード。
 さらに続くはOrnette Coleman的テーマからグシャグシャと崩れていくフリージャズはこの期の定番。
 そしてジャズロックにルバートなスローバラード、ラグタイム・・・
 後々まで続くスタイルの多くが提示され、ここで出ていないのはゴスペルチックなリフレインでドカーンと盛り上がるパターンと、クラシックに寄ったパターンぐらいでしょうか。
 さまざまな色合いてんこ盛り、ギュッとコンパクトに詰め込んだ演奏集。
 結果、印象がバラけてしまうのは止むを得ないのですが、そんなことは些末な話。
 人気作なのもさもありなん。




posted by H.A.


【Disc Review】“Life Between the Exit Signs" (May.1967) Keith Jarrett

“Life Between the Exit Signs" (May.1967) Keith Jarrett

Keith Jarrett (Piano)
Charlie Haden (Double Bass) Paul Motian (Drums)

Life Between Exit Signs
Keith Jarrett
Rhino/Wea UK
2004-05-03


 Keith Jarrett、初リーダー作。
 時期的にはMilesバンド参加前、“Forest Flower” (1966) Charles Lloydなどで揉まれた後。
 新感覚のジャズ。
 モダンジャズとは違う雰囲気、かといってフリーでもなければロックでもない、クラシックにも寄らない不思議な質感。
 Bill Evans所縁のドラムとOrnette Coleman所縁のベースとのトリオ。
 サポートとしてはこれ以上ない顔ぶれを従えて突っ走るピアノ。
 中心となるオリジナル曲は、Ornette ColemanBill Evansの香りが漂うジャズ。
 テーマを提示してインプロビゼーションのジャズ王道のスタイルではあるのですが、その境目が曖昧というか、テーマとインプロビゼーションが入り混じるというか、そんな不思議な質感。
 意外なタイミングで加速し、イラついているようにも速度超過しているようにも聞こえる音の動き、あるいはフリーな展開になっても、なぜかピッタリと収まっていく、これまた不思議なタイム感。
 後々、現在までも続くあの感じが、強調されたイメージじでしょうか。
 それに合わせるお二方もこの期にして名人芸。
 タメた上で突っ走るロングフレーズ、いかにもこの人らしいいわゆる"官能的"な音使いもたっぷり、耽美なバラード演奏もこの期から。
 最初から特別なKeith Jarrettの記録は、美しくてちょっと変わったピアノトリオ。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“At the Golden Circle Stockholm Vol.1,2.” (1965) Ornette Coleman

“At the Golden Circle Stockholm Vol.1,2.” (1965) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone, violin, trumpet)
David Izenzon (double bass) Charles Moffett (drums)

ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン Vol.1(紙ジャケット仕様)


 Ornette Coleman、トリオでの北欧ライブ録音、Blue Noteから。
 テーマ一発、後は怒涛のアルトサックス吹きまくり。
 他の管楽器がいない分、ずーっとOrnetteさんが鳴りっぱなし。
 個々のフレーズはさておき、繋がり、展開が全く読めないアルトサックス。
 こっちで吹いていたと思うと、次の瞬間は別の場所。
 流れ出したかな、と思うと突然舞い上がり、あるいは潜り込むような音の動き。
 ワルツになっても、スピードを抑えても、バラードになってもその動きは変わりません。
 Vol.2に移って、バイオリン、トランペットに持ち換えると、激情系フリージャズな場面もありますが、その間、ひたすら淡々とビートを刻み続けるドラムとベース。
 テンションが上がりそうになると音量とテンションを上げるものの、次の瞬間には肩透かしされ、別の流れに、なんて場面もちらほら。
 そんな感じがいかにもOrnette Colemanな音の絡み合い、不思議な駆け引き?インタープレー?がひたすらひたすら続くステージ。
 甘さ無しのクールネス、ハードボイルドネス。
 疾走と浮遊、激情と鎮静、変幻自在な音楽。
 ビートを除いた束縛から解放された自由なOrnette Colemanてんこ盛り。




posted by H.A.


【Disc Review】“Ornette!” (1961) Ornette Coleman

“Ornette!” (1961) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone) 
Scott LaFaro (bass) Ed Blackwell (drums)
Don Cherry (pocket trumpet)

Ornette
Ornette Coleman
Atlantic / Wea
2003-11-03


 Ornette Coleman、1961年のピアノレスカルテット。
 “The Shape of Jazz to Come” (1959)と同じ編成ですが色合いは異なります。
 クールでハードボイルド、沈んだイメージのそちらに対して、明るく躍動感の強い音。
 “Free Jazz” (1960)の左チャンネルのメンバーを中心に、ドラマーだけ右チャンネルの人。
 素っ頓狂なテーマ一発、後は怒涛のインプロビゼーション。
 Scott LaFaroが激しく上下し続ける中、順次ソロのオーダーが回り、これでもかこれでもかとインプロビゼーションが続きます。
 定常なビートが続きますが、なぜか落ち着かないムード。
 例によって普通のフレーズを吹いているようで、何故かあちこちに飛びまくる印象のサックスの動きは予測不可能。
 トランペットもまた同じ。
 ビートを維持しながらも、その自在な変化に対応するドラムとベース。
 が、次の瞬間、サックス、トランペットは明後日の方向に飛んでいきます。
 ハードバップはもとより、モードとも違う、確かに“フリー”なジャズ、明るい系。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Shape of Jazz to Come” (1959) Ornette Coleman

“The Shape of Jazz to Come” (1959) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone)
Charlie Haden (bass) Billy Higgins (drums) 
Don Cherry (cornet)



 Ornette Coleman、やはりこれが代表作になるのでしょうか。
 冒頭”Lonely Woman”。
 静かに高速に刻まれるシンバルと下の方で蠢くベース。
 哀しいメロディを奏でつつ、明後日の方向に飛んでいくサックスとトランペットのアンサンブル。
 ピアノレスゆえのクールさ、ハードボイルドネス。
 何かがヒタヒタと迫ってくるような緊張感。
 曲が移って高速なビートになっても、あの素っ頓狂なメロディがでてきても緊張感は消えません。
 静かに細かなビートを刻み続けるドラムとベースが作る空間を舞うサックス、トランペット。
 オーソドックスな展開を無視したかのような、あちこちに跳びまわるインプロビゼーション。
 崩れそうで崩れない、不思議な不安定感と安定感。
 全員がたっぷりの音数を出しながらも、なぜか静謐な空気感。
 バラードでもアップテンポでもミディアムでも、静かな、でも強い緊張感。
 それが最初から最後まで。
 フリージャズ云々、というのは少々イメージが異なります。
 クールでハイドボイルド、静謐な緊張感、そしてぶっ飛んだジャズ。
 諸作の中でも特別な音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Something Else!!!!” (1958) Ornette Coleman

“Something Else!!!!” (1958) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone)
Walter Norris (piano) Don Payne (double bass) Billy Higgins (drums)
Don Cherry (cornet)

Something Else [12 inch Analog]
Ornette Coleman
Imports
2015-06-12


 Ornette Coleman、1958年、おそらくデビュー作。
 ピアノが入ったオーソドックスな二管クインテット。
 時代は“Kind of Blue” (1959) Miles Davisの少し前、”Milestones” (1958), “Soultrane” (1958) John Coltraneあたり、まだまだ平和なモダンジャズの世。
 本作も然り。
 難解さや不穏なムードなどは全くなく、むしろCharlie Parker的な少し前時代な感じ、あるいは軽快な西海岸的ジャズな感じ。
 が、そこはかとなく漂うなんだかよじれたムード。
 素っ頓狂にも聞こえるメロディ、ときおり出現する伸び縮みするビート、ぶっ飛び気味のアルトサックス。
 調性の中に留まりながらも、どこか遠くに飛んでいってしまいそうなフレージング。
 が、他のメンバーは平和で長閑、モダンジャズな演奏。
 テーマに戻るとちょっと不思議な、でも普通のジャズ。
 普通なようで違和感の塊。
 その根幹は、あちこちに飛びまくる普通ではない流れのメロディと、起承転結を含めたオーソドックスな展開を無視したようなインプロビゼーションなのでしょうか?
 それが新しいアプローチで、多くアーティストを惹きつけていったのでしょうか?
 ともあれ、ハードバップはもとよりモードともまた違った新しい感覚のジャズ、確かに自由、Something Else。




posted by H.A.

【Disc Review】“Beyond the Blue Horizon” (1971) George Benson

“Beyond the Blue Horizon” (1971) George Benson

George Benson (guitar)
Clarence Palmer (Hammond organ) Ron Carter (double bass, electric cello) Jack DeJohnette (drums) Michael Cameron, Albert Nicholson (percussion)

Beyond the Blue Horizon
George Benson
Cti
2002-02-18


 George Benson、1971年作、CTIから。
 オルガン入りのコンボでのジャズ。
 オーケストラは入っていませんが、新しい質感のスムースなジャズ。
 フュージョンまではいかずとも、そんな感じも漂っていて、1960年代までのモダンジャズとは明らかにムードが違います。
 冒頭、ビートが伸び縮みする”So What”から全開の疾走。
 どこまでも突っ走りまくるジャズなギター。
 Ron Carter, Jack DeJohnetteと役者が揃い、もしあのMilesバンドともう少し共演していたら、などと想像してみたりもしますが、この期のMilesさんからすれば、スムースなジャズに寄り過ぎなのでしょうねえ。
 続くボサノバ“The Gentle Rain”も、これまた血管切れそうな怒涛の弾きまくり。
 他は“Breezin'” (1976)的ソフトソウルなジャズ、静かで幻想的なバラード演奏、ラテン風味とサイケが混ざり合う、あるいはJohn McLaughlinっぽい不思議な演奏。
 1970年代ジャズ、フュージョン、ボサノバ、ソウルな感じ、攻撃的ジャズなど、バラバラなようで不思議な統一感。
 文字通りクロスオーバーな感じ、モダンジャズとは異なる疾走感。
 時代は変わったようですねえ。
 カッコいいんじゃないでしょうか。




posted by H.A.


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