吉祥寺JazzSyndicate

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Modern Jazz

【Disc Review】‎”Love Call” (1968) Ornette Coleman

‎”Love Call” (1968) Ornette Coleman

Ornette Coleman (Alto Saxophone, Trumpet)
Jimmy Garrison (Bass) Elvin Jones (Drums)
Dewey Redman (Tenor Saxophone)



 Ornette Coleman、1968年のジャズ。
 “New York Is Now!” (1968)と同セッション。
 これまた素っ頓狂なテーマ一発、後は怒涛のインプロビゼーション。
 このシリーズ、心なしかドラムの音量が大きめなのは気のせいでしょうか。
 ドラムソロのような怒涛の叩きまくり。
 アルトサックスの伸び縮みするビート感に反応しているような、そうでもないような。
 ベースはサックスに合わせようとしているように聞こえるけども、ドラムは無視して突っ走っているようにも聞こえるなあ・・・
 壊れそうでギリギリ壊れない絶妙な緊張感は、元John Coltraneバンドのリズム隊所縁。
 そして忘れたころにおもむろに登場するグチャグチャと崩れるような狂気のテナー。
 ハードボイルドなDeweyさんではありません。
 それに追随しようと試みるOrnetteさん、が・・・
 ってな感じの丁々発止の絡み合い。
 それがとてもエキサイティングなジャズ。
 “New York Is Now!” (1968)の方が人気なのかもしれませんが、こちらの方がバタバタ度が高くて、私的にはそれが好み。
 いかにも1960年代の終わりな感じのとてもカッコいいジャケットですが、中身はサイケでもジャズロックでもなく、Ornette流の不思議なジャズ。




posted by H.A.



【Disc Review】“New York Is Now!” (1968) Ornette Coleman

“New York Is Now!” (1968) Ornette Coleman

Ornette Coleman (Alto Saxophone, violin, trumpet)
Jimmy Garrison (Bass) Elvin Jones (Drums)
Dewey Redman (Tenor Saxophone) Mel Fuhrman (vocals)

New York Is Now!
Ornette Coleman
Blue Note Records
1993-02-12


 Ornette Coleman、1968年のジャズ。
 ”Love Call” (1968)とも同セッション。
 リズム隊はJohn Coltrane所縁、さらにDewey Redmanを加えたピアノレスカルテット。
 テーマ一発、後は怒涛のインプロビゼーション。
 ドラムが超重量級の分、あるいはテナーサックスが加わった分、ここまでの諸作よりも重心が下がった印象。
 軽快なCharles Moffettに対して一音一音が重く、音数たっぷり、叩きまくるElvin Jones。
 伸び縮みするビート、サックスの変化に合わせて即座に反応しているようで、無視して突っ走っているように聞こえる展開もしばしば。
 そのバランス、アンバランスさがこのバンドのカッコよさ。
 Dewey Redmanは肉声的な音を含めて不思議感たっぷり。
 普通に吹けばハードボイルドな人、そんな場面も少なくないのですが、本作では狂気を演じる役回り。
 Blue Noteな録音も手伝ってか、サックスとドラムの音の臨場感が凡百ではない特別なジャズ。
 変幻自在ながらキチっと統制の取れているようなそうでもないような、いつもの伸び縮み成分が少ないような4ビートジャズ。
 緩急ってよりも急急、ヘビーな感じがちょっと変わった印象のOrnette Coleman。




posted by H.A.


【Disc Review】“Chappaqua Suite” (1965) Ornette Coleman

“Chappaqua Suite” (1965) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone)
David Izenzon (double bass) Charles Moffett (drums)
Pharoah Sanders (tenor saxophone)
& Orchestra

CHAPPAQUA SUITE
ORNETTE COLEMAN
FIVEFOUR
2012-08-05


 Ornette Coleman、摩訶不思議なアルバム。
 映画音楽として作ろうとして使われなかった?などのいわくつきのようです。
 基本的にはピアノレスのサックストリオと管楽器オーケストラの共演。
 トリオの演奏は、同メンバーでの“At the "Golden Circle" Vol. 1& 2.” (1965)に近い感じ、あくまで4ビートジャズ。
 ビートが伸び縮みするような場面が多く、変幻自在な印象ながら、三者がピシッと決まった感じの極めてタイトな演奏。
 が、背景を彩るオーケストラがなんだか変。
 現代音楽的に譜面化された演奏なのでしょうが、何か調子っはずれな感じ。
 そんな中でひたすら鳴るアルトサックス。
 オーケストラが抜けると晴れ間が見えるようなキリッとしたジャズ。
 が、オーケストラが戻ってくると何かモヤっとした感じでアレレ・・・
 ってな感じの演奏の連続。
 摩訶不思議なのですが、あらかじめ長さも展開も計算尽くで、その制約の中でトリオでインプロビゼーションを展開していったのでしょう。
 LPで二枚、全4パート、各曲長尺な演奏ですが、なぜか長さを感じないのは、予想できない展開とバラけない統制の取れた演奏ゆえでしょうか。
 Pharoah Sandersが前面に出るのは少々のみ。
 狂気を纏った“Live in Seattle” (Sep.30.1965) John Coltraneへの参加直前期なのが、これまた興味深いところ。
 実験的色合いの混ざった不思議なジャズ、そしてOrnette Colemanトリオのタイトでハードなジャズをたっぷり聞くにもいい一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Ornette on Tenor” (1962) Ornette Coleman

“Ornette on Tenor” (1962) Ornette Coleman

Ornette Coleman (tenor saxophone)
Jimmy Garrison (bass) Ed Blackwell (drums)
Don Cherry (pocket trumpet)

Ornette on Tenor
Ornette Coleman
Rhino/Wea UK
2004-05-03


 Ornette Coleman、1960年作。
 全編テナーサックスを吹いた一作。
 いつもと同じくDon Cherryが加わるピアノレスカルテット。
 楽曲のイメージも変わりませんが、演奏の印象は異なります。
 アップテンポ中心の演奏、不思議感も少なめのクールなジャズ。
 重心が下がってヘビーになったような、その逆、ベースが軽くなって浮遊感が出たような、複雑な質感の変化。
 ひしゃげたようなダーティーな音のテナーサックス、Archie Sheppをスッキリさせたような感じでしょうか。
 重心と音は変わっても加速、疾走はアルトサックスに同じ。
 やさぐれた感じがカッコいい。
 なぜテナーサックスを吹いたのかは知りません。
 が、何の違和感もなくいつもの音楽にピッタリはまっているとともに、エキセントリックさが薄まって、より普通にジャズっぽい感じ。
 諸作に比べると不思議な安定感、男臭いハードボイルドネスたっぷり。
 とてもカッコいいのですが、テナーを吹く作品が限られるのはなぜでしょう?
 アルトでの軽く舞い上がる感じが表現できないから?
 さて?
 ともあれ、カッコいいテナーサックス奏者Ornette Colemanの希少な一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“This Is Our Music” (Jul.Aug.1960) Ornette Coleman

“This Is Our Music” (Jul.Aug.1960) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone)
Charlie Haden (bass) Ed Blackwell (drums)
Don Cherry (pocket trumpet) 

This Is Our Music
Ornette Coleman
Imports
2014-02-18

 Ornette Coleman、1960年作。
 問題作“Free Jazz” (Dec.1960)の数ヶ月前の録音。
 “The Shape of Jazz to Come” (May.1959)、“Change of the Century” (Oct.1959)のメンバーからドラマーが交代したカルテット。
 オーソドックスなモダンジャズに近いイメージの演奏から、全編ルバートでのスローバラード、超高速カッとびジャズ、スタンダード・・・などなど、さまざまな表情。
 オーソドックスなジャズの形が崩れてきた感じ、フリージャズっぽい演奏もちらほらしますが、どれもが計算尽くで組み立てられた展開なのでしょう。
 ブレークだらけで複雑だけどもまだまだ平和な感じテーマのアンサンブルが終わると、徐々に時空が歪み始め、アレレと思っていると、なぜか唐突にテーマに戻る、そんな繰り返し。
 そして殺気を発するベースが煽る緊張感。
 優雅なはずの”Embraceable You”までが異次元から聞こえてくるような、別の何かのように響きます。
 かといって意味不明でもグチャグチャでもない、絶妙なバランス。
 同年の問題作“Free Jazz” (Dec.1960)っぽさは・・・さてどうでしょう。
 モダンジャズ、激烈フリーでも、深層心理覗き込む系でも、現代音楽風でもない、あくまでOrnette Colemanのジャズ。
 そんなバランスがクールな一作。




posted by H.A.



【Disc Review】“Change of the Century” (Oct.1959) Ornette Coleman

“Change of the Century” (Oct.1959) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone)
Charlie Haden (bass) Billy Higgins (drums)
Don Cherry (pocket trumpet)

Change of the Century
Ornette Coleman
Rhino/Wea UK
2008-01-13


 Ornette Coleman、1959年作。
 “The Shape of Jazz to Come” (May.1959)と同じメンバー、その数ヶ月後の録音。
 異様な緊張感のそちらに対して、オーソドックスで明るい色合い、キリッとした感じのジャズ。
 メンバーは違いますが、“Tomorrow Is the Question!” (Jan.Feb.Mar.1959)に近い感じかもしれません。
 ちょっと聞きでは大仰なタイトルとはちょっと違う、普通なジャズな感じ。
 ブレークとアップダウンたっぷり、緻密でメカニカルなアンサンブルでのテーマ一発、怒涛のインプロビゼーション。
 平和なような、普通にブルースっぽい感じなようで、徐々に歪んでいく時空。
 この期の作品群、進むにつれてその歪み方が大きくなってきたようにも聞こえます。
 さておき、そんな雰囲気の中で最後に収められたタイトル曲。
 ブレークだらけの複雑なテーマ、伸び縮みするビート、ストップ&ゴーを繰り返すベース、起承転結などお構いなし、あちこちのフレーズを集めてきたような、明後日の方向にぶっ飛んでいくようなインプロビゼーション。
 “Something Else!!!!” (1958)からあった違和感の要素が整理され、明確な形になった感じでしょうか。
 普通のモダンジャズな枠を完全にはみ出した転換点ってな感じが、タイトル通り・・・といえばその通り。



posted by H.A.


【Disc Review】“Tomorrow Is the Question!” (Jan.Feb.Mar.1959) Ornette Coleman

“Tomorrow Is the Question!” (Jan.Feb.Mar.1959) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone)
Percy Heath, Red Mitchell (bass) Shelly Manne (drums)
Don Cherry (trumpet)



 Ornette Coleman、1959年、デビュー第二作目。たぶん。
 “The Shape of Jazz to Come” (May.1959)の少し前の録音。
 メンバーは盟友Don Cherryと西海岸のファーストコールたち。
 前作“Something Else!!!!” (1958)と同じく、軽やかな4ビートのモダンジャズ。
 ハイテンションではありますが、とても平和。
 フロント陣も端正なモダンジャズなインプロビゼーション。
 これ、Chet BakerとBud Shank?・・・ってなことでもないのですが、そんな感じがしないでも・・・
 が、時間が進むつれて次第に空間が歪んでいくような不思議感。
 ビートを崩すわけではなく、コードには乗っているし、個々のフレーズはモダンジャズな感じ、でもなんだか妙・・・
 ズレているような、そうでもないような、落ち着きどころを探して彷徨っているような。
 何事もなかったようにソロのオーダーはキッチリ回り、テーマに戻って平和に幕・・・
 そんな演奏の連続。
 普通に聞き流せば普通にモダンジャズ。
 キリッとしたホーンとシャキシャキしたリズム。
 クッキリハッキリ、クールでシャープ。
 爽やかとまでは言わないまでも心地いい音。
 でも、よーく聞いてみるとなんだか変。
 そんな微妙で不思議なバランスが、初期のこの人の作品のカッコよさなんでしょう。




posted by H.A.



【Disc Review】“Unforgettable” (Aug.1992) Joe Pass

“Unforgettable” (Aug.1992) Joe Pass

Joe Pass (guitar)

Unforgettable
Joe Pass
Pablo
1999-02-02


 Joe Pass、アコースティックギターでの独奏。
 “Song for Ellen” (Aug.1992)と同じく、亡くなる二年前の演奏、そちらに遅れて1998年発表。
 少し違う、沈んだ空気感。
 アップテンポでスウィンギーな演奏も少なくない“Song for Ellen”に対して、概ね全般バラードの本作。
 静かに漂うような音の流れ、ゆっくりと爪弾かれるジャズスタンダードたち。
 タメを効かせて揺れながら置かれていく音。
 ソロ演奏ゆえ、自在に伸び縮みするタイム感も含めて、強い浮遊感、情緒的でとても繊細。
 前作ともにどこか遠い所、静かで懐かしい場所、時間へと誘うトリップミュージックですが、トリップ度はこちらが上。
 ゆっくりと所々で淀みつつも、穏やかに変わっていく周囲の景色。
 夢と現、前者の勝ち。
 より流麗で端正なのは“Song for Ellen”かもしれません。
 が、淀みも含めて、本作の方がより優しい感じ。
 2019年時点、本作の方がたくさん流通している感じがするのは、そんな理由からなのかもしれません。
 いずれにしても、いずれ劣らぬAmerican Saudadeな名演集。




posted by H.A.


【Disc Review】“Song for Ellen” (Aug.1992) Joe Pass

“Song for Ellen” (Aug.1992) Joe Pass

Joe Pass (guitar)

Songs for Ellen
Joe Pass
Pablo
1994-11-04


 Joe Pass、アコースティックギターでの独奏。
 亡くなる二年前の演奏、1994年発表。
 後に発表される“Unforgettable” (Aug.1992)と同じセッションでの録音。
 同じくソロの名作“Virtuoso” (1973)の熱気ではなく、近年の“Finally” (Feb.1992)に近いムードの抑制された演奏。
 ここでもメロディ、インプロビゼーションはコードとアルペジオ、オブリガードで装飾され、たくさんの音が弾かれています。
 バラードばかりではなく、半数ほどはテンポを上げたスウィンギーな演奏。
 が、それら含めて、とても静かです。
 耳に馴染んだ有名曲のオンパレード、端正な演奏ながら、どこか非日常的。
 流れていると徐々に周囲の景色が変わっていくように感じます。
 ノスタルジックとは語感が違う、哀しそうでも暗くはない、どこか懐かしい空気感。
 南米系とは一味、二味違う、American Saudadeな音。
 遠い所に連れて行ってくれるトリップミュージック。
 続く“Unforgettable” (Aug.1992)は、漂うようなバラード演奏が集められ、よりSaudade。
 どちらがいいかはお好み次第。




posted by H.A.


【Disc Review】“Finally” (Feb.1992) Joe Pass, Red Mitchell

“Finally” (Feb.1992) Joe Pass, Red Mitchell

Joe Pass (guitar) Red Mitchell (bass, vocal)

Live in Stockholm
Joe Pass
Polygram Records
1993-03-23


 巨匠お二人のライブ録音、ストックホルムでのステージ。
 かつての激しいジャズ、フュージョンブームの熱は落ち、落ち着いたムードで奏でられていくジャズスタンダードの数々。
 ギターの音も飾り気のないジャズの音に戻りました。
 少し沈んだムード。
 ベースも饒舌ながら落ち着いた演奏。
 ベースがいる分、“Virtuoso” (1973)のようにガシガシとコードやオブリガードを自身で挿む必要もなく、シングルトーンでのテーマ~インプロビゼーション、コードでのバッキング。
 オーソドックスです。
 指は速く動きます。
 が、テーマのメロディはむしろタメを効かせて遅れ気味に置かれていき、要所々のフレーズ、オブリガードでときおり、いや、しばしば聞かれる例の神技高速フレーズ。
 それら含めてとても繊細。
 このくらいの感じがちょうどいいなあ。
 あの激しい演奏を経てはじめて到達する境地・・・かどうかはさておき・・・、それはとても穏やかで優しく、そしてオーソドックス。
 やはり名人芸、あるいは神技。




posted by H.A.

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