吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Modern Jazz

【Disc Review】“Somewhere Before" (Aug.1968) Keith Jarrett

“Somewhere Before" (Aug.1968) Keith Jarrett

Keith Jarrett (Piano)
Charlie Haden (Double Bass) Paul Motian (Drums)

サムホエア・ビフォー
キース・ジャレット・トリオ
ワーナーミュージック・ジャパン
2013-07-24


 Keith Jarrett、初期の人気作、トリオでのライブ録音。
 同メンバーの“Life Between the Exit Signs" (May.1967)の流れを引き継いだ少し変わったジャズ。
 冒頭、Bob Dylanをジャズで演奏しようなんて発想は、当時は珍しかったのでしょう。
 フォーキーな色合い、American Saudadeなセンチメンタルで懐かしい空気感。
 続くバラードは耽美、内省、タメた上で突っ走るロングフレーズ、あの“官能的”で美しいピアノ。
 Paul Bleyと双璧、Bill Evansでは聞かれなかった、モダンジャズから一歩踏み出したようなムード。
 さらに続くはOrnette Coleman的テーマからグシャグシャと崩れていくフリージャズはこの期の定番。
 そしてジャズロックにルバートなスローバラード、ラグタイム・・・
 後々まで続くスタイルの多くが提示され、ここで出ていないのはゴスペルチックなリフレインでドカーンと盛り上がるパターンと、クラシックに寄ったパターンぐらいでしょうか。
 さまざまな色合いてんこ盛り、ギュッとコンパクトに詰め込んだ演奏集。
 結果、印象がバラけてしまうのは止むを得ないのですが、そんなことは些末な話。
 人気作なのもさもありなん。




posted by H.A.


【Disc Review】“Life Between the Exit Signs" (May.1967) Keith Jarrett

“Life Between the Exit Signs" (May.1967) Keith Jarrett

Keith Jarrett (Piano)
Charlie Haden (Double Bass) Paul Motian (Drums)

Life Between Exit Signs
Keith Jarrett
Rhino/Wea UK
2004-05-03


 Keith Jarrett、初リーダー作。
 時期的にはMilesバンド参加前、“Forest Flower” (1966) Charles Lloydなどで揉まれた後。
 新感覚のジャズ。
 モダンジャズとは違う雰囲気、かといってフリーでもなければロックでもない、クラシックにも寄らない不思議な質感。
 Bill Evans所縁のドラムとOrnette Coleman所縁のベースとのトリオ。
 サポートとしてはこれ以上ない顔ぶれを従えて突っ走るピアノ。
 中心となるオリジナル曲は、Ornette ColemanBill Evansの香りが漂うジャズ。
 テーマを提示してインプロビゼーションのジャズ王道のスタイルではあるのですが、その境目が曖昧というか、テーマとインプロビゼーションが入り混じるというか、そんな不思議な質感。
 意外なタイミングで加速し、イラついているようにも速度超過しているようにも聞こえる音の動き、あるいはフリーな展開になっても、なぜかピッタリと収まっていく、これまた不思議なタイム感。
 後々、現在までも続くあの感じが、強調されたイメージじでしょうか。
 それに合わせるお二方もこの期にして名人芸。
 タメた上で突っ走るロングフレーズ、いかにもこの人らしいいわゆる"官能的"な音使いもたっぷり、耽美なバラード演奏もこの期から。
 最初から特別なKeith Jarrettの記録は、美しくてちょっと変わったピアノトリオ。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“At the Golden Circle Stockholm Vol.1,2.” (1965) Ornette Coleman

“At the Golden Circle Stockholm Vol.1,2.” (1965) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone, violin, trumpet)
David Izenzon (double bass) Charles Moffett (drums)

ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン Vol.1(紙ジャケット仕様)


 Ornette Coleman、トリオでの北欧ライブ録音、Blue Noteから。
 テーマ一発、後は怒涛のアルトサックス吹きまくり。
 他の管楽器がいない分、ずーっとOrnetteさんが鳴りっぱなし。
 個々のフレーズはさておき、繋がり、展開が全く読めないアルトサックス。
 こっちで吹いていたと思うと、次の瞬間は別の場所。
 流れ出したかな、と思うと突然舞い上がり、あるいは潜り込むような音の動き。
 ワルツになっても、スピードを抑えても、バラードになってもその動きは変わりません。
 Vol.2に移って、バイオリン、トランペットに持ち換えると、激情系フリージャズな場面もありますが、その間、ひたすら淡々とビートを刻み続けるドラムとベース。
 テンションが上がりそうになると音量とテンションを上げるものの、次の瞬間には肩透かしされ、別の流れに、なんて場面もちらほら。
 そんな感じがいかにもOrnette Colemanな音の絡み合い、不思議な駆け引き?インタープレー?がひたすらひたすら続くステージ。
 甘さ無しのクールネス、ハードボイルドネス。
 疾走と浮遊、激情と鎮静、変幻自在な音楽。
 ビートを除いた束縛から解放された自由なOrnette Colemanてんこ盛り。




posted by H.A.


【Disc Review】“Ornette!” (1961) Ornette Coleman

“Ornette!” (1961) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone) 
Scott LaFaro (bass) Ed Blackwell (drums)
Don Cherry (pocket trumpet)

Ornette
Ornette Coleman
Atlantic / Wea
2003-11-03


 Ornette Coleman、1961年のピアノレスカルテット。
 “The Shape of Jazz to Come” (1959)と同じ編成ですが色合いは異なります。
 クールでハードボイルド、沈んだイメージのそちらに対して、明るく躍動感の強い音。
 “Free Jazz” (1960)の左チャンネルのメンバーを中心に、ドラマーだけ右チャンネルの人。
 素っ頓狂なテーマ一発、後は怒涛のインプロビゼーション。
 Scott LaFaroが激しく上下し続ける中、順次ソロのオーダーが回り、これでもかこれでもかとインプロビゼーションが続きます。
 定常なビートが続きますが、なぜか落ち着かないムード。
 例によって普通のフレーズを吹いているようで、何故かあちこちに飛びまくる印象のサックスの動きは予測不可能。
 トランペットもまた同じ。
 ビートを維持しながらも、その自在な変化に対応するドラムとベース。
 が、次の瞬間、サックス、トランペットは明後日の方向に飛んでいきます。
 ハードバップはもとより、モードとも違う、確かに“フリー”なジャズ、明るい系。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Shape of Jazz to Come” (1959) Ornette Coleman

“The Shape of Jazz to Come” (1959) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone)
Charlie Haden (bass) Billy Higgins (drums) 
Don Cherry (cornet)



 Ornette Coleman、やはりこれが代表作になるのでしょうか。
 冒頭”Lonely Woman”。
 静かに高速に刻まれるシンバルと下の方で蠢くベース。
 哀しいメロディを奏でつつ、明後日の方向に飛んでいくサックスとトランペットのアンサンブル。
 ピアノレスゆえのクールさ、ハードボイルドネス。
 何かがヒタヒタと迫ってくるような緊張感。
 曲が移って高速なビートになっても、あの素っ頓狂なメロディがでてきても緊張感は消えません。
 静かに細かなビートを刻み続けるドラムとベースが作る空間を舞うサックス、トランペット。
 オーソドックスな展開を無視したかのような、あちこちに跳びまわるインプロビゼーション。
 崩れそうで崩れない、不思議な不安定感と安定感。
 全員がたっぷりの音数を出しながらも、なぜか静謐な空気感。
 バラードでもアップテンポでもミディアムでも、静かな、でも強い緊張感。
 それが最初から最後まで。
 フリージャズ云々、というのは少々イメージが異なります。
 クールでハイドボイルド、静謐な緊張感、そしてぶっ飛んだジャズ。
 諸作の中でも特別な音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Something Else!!!!” (1958) Ornette Coleman

“Something Else!!!!” (1958) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone)
Walter Norris (piano) Don Payne (double bass) Billy Higgins (drums)
Don Cherry (cornet)

Something Else [12 inch Analog]
Ornette Coleman
Imports
2015-06-12


 Ornette Coleman、1958年、おそらくデビュー作。
 ピアノが入ったオーソドックスな二管クインテット。
 時代は“Kind of Blue” (1959) Miles Davisの少し前、”Milestones” (1958), “Soultrane” (1958) John Coltraneあたり、まだまだ平和なモダンジャズの世。
 本作も然り。
 難解さや不穏なムードなどは全くなく、むしろCharlie Parker的な少し前時代な感じ、あるいは軽快な西海岸的ジャズな感じ。
 が、そこはかとなく漂うなんだかよじれたムード。
 素っ頓狂にも聞こえるメロディ、ときおり出現する伸び縮みするビート、ぶっ飛び気味のアルトサックス。
 調性の中に留まりながらも、どこか遠くに飛んでいってしまいそうなフレージング。
 が、他のメンバーは平和で長閑、モダンジャズな演奏。
 テーマに戻るとちょっと不思議な、でも普通のジャズ。
 普通なようで違和感の塊。
 その根幹は、あちこちに飛びまくる普通ではない流れのメロディと、起承転結を含めたオーソドックスな展開を無視したようなインプロビゼーションなのでしょうか?
 それが新しいアプローチで、多くアーティストを惹きつけていったのでしょうか?
 ともあれ、ハードバップはもとよりモードともまた違った新しい感覚のジャズ、確かに自由、Something Else。




posted by H.A.

【Disc Review】“Beyond the Blue Horizon” (1971) George Benson

“Beyond the Blue Horizon” (1971) George Benson

George Benson (guitar)
Clarence Palmer (Hammond organ) Ron Carter (double bass, electric cello) Jack DeJohnette (drums) Michael Cameron, Albert Nicholson (percussion)

Beyond the Blue Horizon
George Benson
Cti
2002-02-18


 George Benson、1971年作、CTIから。
 オルガン入りのコンボでのジャズ。
 オーケストラは入っていませんが、新しい質感のスムースなジャズ。
 フュージョンまではいかずとも、そんな感じも漂っていて、1960年代までのモダンジャズとは明らかにムードが違います。
 冒頭、ビートが伸び縮みする”So What”から全開の疾走。
 どこまでも突っ走りまくるジャズなギター。
 Ron Carter, Jack DeJohnetteと役者が揃い、もしあのMilesバンドともう少し共演していたら、などと想像してみたりもしますが、この期のMilesさんからすれば、スムースなジャズに寄り過ぎなのでしょうねえ。
 続くボサノバ“The Gentle Rain”も、これまた血管切れそうな怒涛の弾きまくり。
 他は“Breezin'” (1976)的ソフトソウルなジャズ、静かで幻想的なバラード演奏、ラテン風味とサイケが混ざり合う、あるいはJohn McLaughlinっぽい不思議な演奏。
 1970年代ジャズ、フュージョン、ボサノバ、ソウルな感じ、攻撃的ジャズなど、バラバラなようで不思議な統一感。
 文字通りクロスオーバーな感じ、モダンジャズとは異なる疾走感。
 時代は変わったようですねえ。
 カッコいいんじゃないでしょうか。




posted by H.A.


【Disc Review】“The George Benson Cookbook” (1967) George Benson

“The George Benson Cookbook” (1967) George Benson

George Benson (guitar, vocals)
Lonnie Smith (organ) Albert Winston (bass) Jimmy Lovelace, Marion Booker, Jr. (drums)
Ronnie Cuber (baritone saxophone) Bennie Green (trombone)

The George Benson Cookbook
George Benson
Sony Budget
2001-07-02


 スーパースターGeorge Benson、1967年作。
 この期は完全なジャズギター。
 ブルージーでソウルな楽曲、オルガンを中心とした高速4ビートに乗って、音数たたっぷり、徹底的に弾きまくり。
 ポップな新しい感じも醸し出しつつ、ヤクザなバリトンサックス、ジャズなトロンボーンが絡むハイテンションなジャズ。
 これでもかこれでもかの速弾きギター。
 指が動く動く。
 タメたり緩めたりあちこちにぶっ飛びつつもキチンとメロディが聞こえてくる名人芸。
 さらに二曲ほどのボーカルも、この期にして名人芸。
 さて、“Miles in the Sky” (Jan.May.1968) Miles Davisにはこの時期あたりの演奏を聞いて呼ばれたのでしょうが、果たしてイメージは合っていたのでしょうか?
 超人的なギターですが、サウンドはブルージーで元気なジャズにすぎるようにも。
 “Miles in the Sky”はさておき、”Circle in the Round” (Oct.27.1955-Jan.27.1970)に収められたセッションの落ち着かなさがわかるような、わからないような・・・
 さておき、黒々としたソウルなジャズ、ノリノリの一作ではあります。




posted by H.A.

【Disc Review】“This One's for Blanton” (Dec.1972) Duke Ellington

“This One's for Blanton” (Dec.1972) Duke Ellington

Duke Ellington (Piano) Ray Brown (Double Bass)

This One's for Blanton
Duke Ellington / Ray Brown
Ojc
1994-04-30


 神様お二人のDuo。
 ベーシストJimmy Blantonへのトリビュート作品。
 といったこともあってでしょう、ベースが主役、たっぷり前面にフィーチャーされます。
 また、ホーン、ドラムがいない分、ベースの音がハッキリと手に取るように聞こえてきます。
 美しい音、グングン前へ進むノリ。
 何のことは無いウォーキング、普通のジャズベースがなんだか別物のように響いてきます。
 訥々とした感じ、離散的にも聞こえるピアノ、たっぷりとあるその音が止まった空間に入るベースのオブリガードがカッコいい。
 急に加速し飛翔する音。
 はたまた転がり落ちる音。
 再び後ろに回ってグングンと前に進むウォーキング。
 音数が抑えられたピアノとの組み合わせが最高のバランス。
 LPレコードA面は名人芸による名曲の演奏集。
 LPレコードB面は新曲?の組曲、もちろん名曲、名人芸。
 いずれもこれは他の人ではできそうもないカッコいいジャズ。
 心地よさ最高。
 おっと、名人芸ではなく神業でしたね。


 

posted by H.A.

【Disc Review】“Live at the Whitney” (Apl.1972) Duke Ellington

“Live at the Whitney” (Apl.1972) Duke Ellington

Duke Ellington (piano)
Joe Benjamin (bass) Rufus Jones (drums)

Live at the Whitney
Duke Ellington
Grp Records
1995-10-24


 Duke Ellingtonのソロピアノ演奏、ライブ録音。
 一部でベースとドラムが加わりますが、ソロ演奏中心。
 メドレーを含めて全19曲、各曲ともにコンパクトにまとめられ、次々と奏でられていく名曲の数々。
 ソロ演奏ゆえに揺れ動くビート。
 少し硬質な太い音。
 たっぷりのタメを効かせたり、疾走したり、ゴンゴンガンガンやってみたり。
 装飾たっぷりに提示されるテーマのメロディ、それと一体化したように切れ間なく続くインプロビゼーション。
 いつもテーマが流れているようでもあるし、気がつけばあの曲だったなあ、ってな感じの展開でもあるし。
 カクテルピアノ的にリラックスした感じでもあるし、揺れ動くメロディ、音の流れは緊張感の塊のようでもあるし。
 わかりやすいようで複雑な展開。
 のほほんと聞き流してもよし、ガッツリ対峙して聞いてもよし。
 名人のなせる技。




posted by H.A.


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