吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Modern Jazz

【Disc Review】“Live at Sweet Basil” (1988) Paul Bley

“Live at Sweet Basil” (1988) Paul Bley

Paul Bley (piano)
John Abercrombie (guitar) Red Mitchell (bass) Barry Altschul (drums)

Live at Sweet Basil
Paul Bley
Soul Note Records
1993-09-11


 Paul Bley のハイテンションなモダンジャズ、ライブ録音。
 イタリアのSoul Noteから。
 Paul Bley、いろんな色合いの作品がありますが、静謐系耽美系ではなく、凶悪フリージャズでも、Steeplechaseの上品なモダンジャズでもない、エキサイティング系のモダンジャズ。
 ま、フュージョンではない当時のジャズに一番多い色合いなのかもしれませんが、それらいろんな違う質感の作品が並行して制作されているのが面白いところ。
 本作の目玉はJohn Abercrombieとの共演。
 ECMで共演していていてもおかしくないのですが、共演はこれだけでしょうか?
 ぶっ飛び系コンテンポラリージャズを期待したいところなのですが、演奏されるのはジャズスタンダード中心。
 John Scofieldとの共演“Hot” (1985)よりもさらにオーソドックス寄り。
 Barry Altschulも、録音の具合も手伝ってそちらよりもおとなしく叩いている感じのバランス。
 ま、ベースがRed Mitchell だし、アバクロさんも“John Abercrombie/Marc Johnson/Peter Erskine” (1988)時期なので、そんな時代だったのでしょう。
 ともあれ、ハイテンションで上質なジャズ。
 ファットな音でウネウネとどこまでも続いていきそうなフレーズを紡ぐギター。
 普通ではないはずなのにジャズを弾くと普通に聞こえてしまうPaul Bleyのピアノもこれまた不思議。
 っても”Lover Man”の前奏がオリジナル曲に聞こえたり、Paul Bley的なクールなカッコよさがそこかしこに。
 本作も“Hot” (1985)と同様にギタリストの色合いに合うようにジャズを演奏しました、ってな感じに聞こえてしまうのは私だけ?
 それにしてもJohn Abercrombieのスタンダード演奏はカッコいいなあ・・・




 posted by H.A.

【Disc Review】“Hot” (1985) Paul Bley

“Hot” (1985) Paul Bley

Paul Bley (piano)
John Scofield (guitar) Steve Swallow (electric bass) Barry Altschul (drums)

ホット
ザ・ポール・ブレイ・グループ
SOLID/SOUL NOTE
2016-09-21


 Paul Bley のハイテンションな激しい系コンテンポラリージャズ。
 イタリアのSoul Noteから。
 同レーベルの“Tango Palace” (1983)、直前のSteeplechase 制作“Diane” (1985) Chet Baker & Paul Bleyの静謐なムードからは全く遠い、激しい系。
 奥様を含めてお友達のSteve Swallowに、叩きまくりのフリー系Barry Altschulまではいいとしても、どうもイメージの合わないブルージーなJohn Scofieldのギター。
 鋭利でクールなPaul Bleyを含めて、四人のイメージそのままが、ごった煮になったような演奏。
 Ornette Colemanのブルースから始まり、Carla Bleyナンバーにオリジナル。
 ブンブンうなるエレキベースにキッチリとリズムをキープしつつもいろんなところにアクセントが入る手数が多いドラム。
 時折のフリーな場面がアクセントとしつつも、アコースティック4ビートで進むバンド。
 が、ギターが鳴り出すと雰囲気は一変。
 グニャグニャウネウネとしたロック混ざり、ブルージー成分の強いへんてこりんなジャズギター。
 少し沈んだ感じながら攻撃的な音にはある種の凄みを感じます。
 それがカッコいいんだろうなあ。
 現代にいたるまでのカリスマなのがよくわかります。
 Paul Bleyを含めたつわものたちも何となく、ギターに合わせてオーソドックスだけども一風変わったジャズを演奏しよう・・・なんてこともないのかな?
 1980年代のオーソドックスなようで不思議感たっぷりの硬派なジャズ。




posted by H.A.

【Disc Review】“Diane” (1985) Chet Baker & Paul Bley

“Diane” (1985) Chet Baker & Paul Bley

Chet Baker (Trumpet, Vocal) Paul Bley (piano)

Diane
Chet Baker
SteepleChase
1994-05-24


 Chet Baker, Paul Bley、二人の大御所のDuo作品、デンマークのSteepleChaseから。
 お二人、近い世代のようですが、ECMのPaul BleyからはChet Bakerとの共演は想像できません。
 さらに超妖しい“Fragments” (1986)に近い時期の録音。
 が、絶妙な相性、全くオーソドックスな静かなジャズ。
 スタンダードのスローバラード中心。
 ピアノはタメにタメてタメまくりながらスケールアウトした音を置いていくPaul Bleyではなく、オーソドックスに美しくジャズを弾くPaul Bley。
 晩年に近づきつつある時期のChet Bakerですが、クールなトランペットは往年のイメージのまま、一曲のみのボーカルも格別のクールネス。
 速いフレーズをバリバリと吹くことはありませんが、丁寧に置かれていく音、端々の抑揚は、やはり稀代のスタイリスト。
 淡々と美しいメロディが流れていく静謐な時間・・・
 美しく端正な晩年のChet BakerとジャズなPaul Bley。
 全くオーソドックスで極めて静かなジャズから漂う凄み。
 さすが、稀代のスタイリストたち。




posted by H.A.


【Disc Review】“Celebration” (2003) Sam Rivers

“Celebration” (2003) Sam Rivers

Sam Rivers (Tenor, Soprano Sax, Flute, Piano)
Doug Mathews (Bass, Violin, Bass Clarinet) Anthony Cole (Drums, Tenor Sax, Piano)

Celebration: Live at the Jazz Bakery in La
Sam Rivers
Rhombus Records
2004-03-23


 21世紀のSam Rivers、トリオでのライブ。
 ピアノレスでのサックストリオがベースですが、各人楽器を持ち替えながらの演奏。
 基本は1960年代からのフリー混じりのジャズ。
 マシンガンのように音を出し続けながら、あるいはファンキーに弾みながらビートをキープするベースに自由に動き回るドラム。
 もろもろ混ざって、疾走し、伸び縮みする変幻自在のリズム。
 そんなビートを背景に、ソプラノ、テナー、フルートを持ち替えながらこれでもかこれでもかと吹きまくり。
 強烈な疾走感、あるいは飛翔感。
 あのOrnette Colemanのスタイルですねえ・・・
 あるいは複数の管楽器でのコレクティブインプロビゼーション、ソロピアノも、ピアノトリオ(ものすごく上手い!)での演奏を交えながらのさまざまな表情。
 楽曲に愛想がないのはこの種の音楽のお約束ですが、ま、その方が自由度がより高くなるのでしょう。
 また、極めて自由なあの時代のフリージャズ的な音ながら、ドロドロとした感じではなく、どこかしらカラッとしているのもこの人の音楽の色合い。
 全編通じてすさまじい演奏力。
 衰えや枯れたムードなど、微塵もなし。
 よくも悪くもBlue Noteの“Dimensions & Extensions” (1967)の頃と変わりません。
 懐かしいやら、カッコいいやら・・・

※1970年代の映像から。


posted by H.A.


【Disc Review】“Dimensions & Extensions” (1967) Sam Rivers

“Dimensions & Extensions” (1967) Sam Rivers

Sam Rivers (Tenor, Soprano Sax, Flute)
Cecil McBee (Bass) Steve Ellington (Drums)
James Spaulding (Alto Saxophone, Flute) Julian Priester (Trombone) Donald Byrd (Trumpet)



 Sam Riversの激しい系モダンジャズ。
 ホーンのアンサンブルや勇ましい系のアコースティック4ビートは“Free for All” (Feb.1964) Art Blakey & The Jazz Messengersなどな感じではあるのですが、ピアノレスがクールな質感、リーダーのサックスはブチ切れ系。
 “Free for All”のWayne Shorterのような激しい音。
 序盤はそんな感じでまだまだ平和ですが、中盤、LPレコードではA面の最後から、激しさを増してきます。
 激しいビートの中、ブチ切れ系のホーン陣の暴力的なブロー。
 “Out To Lunch” (1964) Eric Dolphyから三年、“Ascension” (Jun.28.1965) John Coltraneから二年、あるいは“Bitches Brew”(Aug.19-21,1969) Miles Davisに先んじること二年の激しい系エネルギー放出型ジャズ、フリー寄り。
 LPレコードB面に移ってもその熱は冷めず、激しい演奏が続きます。
 激烈ながら、妙に深刻だったり陰鬱だったりしないのが、この人の音楽。
 どこかあっけらかんとしていて、なんだかんだでジャズしています。
 モダンジャズなようなフリージャズなような微妙なバランスの音楽。
 壊れそうで壊れない、危ういバランスの激しさ、美しさ。
 そんな時代の狭間の音。




posted by H.A.


【Disc Review】“A New Conception” ‎(1966) Sam Rivers

“A New Conception” ‎(1966) Sam Rivers

Sam Rivers (Tenor, Soprano Sax, Flute)
Hal Galper (Piano) Herbie Lewis (Bass) Steve Ellington (Drums)

ア・ニュー・コンセプション
サム・リヴァース
ユニバーサルミュージック
2014-01-22


 歪む時空の人から、何となくSam Rivers。
 私にとってはEric Dolphyを聞くとなぜか思い出してしまう人。
 フリーに行きそうで行き切らない危ないバランスが共通するのでしょうかね。
 本作はBlue Noteでのモダンジャズ。
 Miles Davisとは“Miles in Tokyo” (Jul.1964)一作のみ。
 ECMで制作するも、“Contrasts” (1979)一作のみ。
 他にもビッグネームとの共演も少なくないのだと思うのだけども、なかなか続かない不思議な人。
 なんででしょうね?
 あくまで私見ですが、John ColtraneSony Rollinsが混ざったような、希少な最高のテナーサックスだと思うのですが・・・
 せめてJoe Hendersonと同じぐらいの人気があってもね・・・

 ともあれ、本作はオーソドックスで平和なモダンジャズ。
 時代は“Out To Lunch” (1964) Eric Dolphyから進んでいますが、あくまで本作はモダンジャズ。
 ガンガンゴンゴン系のピアノトリオをバックに、スタンダード曲を艶のある音でブリブリと吹きまるテナー。
 平和なだけでなくて、突っ走り、グルグルウネウネとどこまでも続いていくようなフレージング。
 今の季節にはちょうどいい感じの暑苦しさ。
 こりゃ気持ちいいや。





 さらに、音に合っているかどうかはさておき、とても素敵なジャケット。
 全くの余談ですが、私が大好きなBlue Noteのジャケットは本作含めて以下。
 好みが一貫してますね・・・

ア・ニュー・コンセプション
サム・リヴァース
ユニバーサルミュージック
2014-01-22

イージー・ウォーカー+2
スタンリー・タレンタイン
ユニバーサルミュージック
2014-01-22

レッテム・ロール
ジョン・パットン
EMIミュージック・ジャパン
1997-09-26






posted by H.A.


【Disc Review】“Out There” (Aug.1960) Eric Dolphy

“Out There” (Aug.1960) Eric Dolphy

Eric Dolphy (flute, bass clarinet, alto saxophone, clarinet)
Ron Carter (bass, cello) George Duvivier (bass) Roy Haynes (drums)

Out There
Eric Dolphy エリックドルフィー
Original Jazz Classi
1989-12-12


 Eric Dolphyの第二作。
 不思議感120%のモダンジャズ。
 4か月前に制作した前作“Outward Bound” (Apl.1960)は普通にモダンジャズな形でしたが、ここではそれを壊しに行っているように思います。
 異次元空間からやってきましたあ・・・ってな感じ十分な音。
 コードを縛るピアノは外して空間を広げて、これでやっと爆発的な演奏が収まりそうな空間ができたかも・・・
 でも、まだ4ビートを刻むウォーキングベースとドラムが邪魔かなあ・・・
 ってな感じで、リズムの二人はキッチリジャズを演奏していますが、Eric Dolphyはもちろん、Ron Carterはぶっ飛び気味。
 このアルバムはぶっ飛んでますが、ここから先しばらくは“Olé Coltrane” (May.1961)、“Live! at the Village Vanguard” (Nov.1961)などのJohn Coltraneとの共演も含めて、少し時計の針を戻したようなオーソドックな色が強いジャズ。
 時代が進み、Tony Williams その他、多くのアーティストがぶっ飛んだ演奏を始めてやっと“Out To Lunch” (1964)にたどり着いた・・・ってな感じでしょうか。
 ジャケットはなんだかよくわからないChirico風の不思議な絵。
 そのままの音。
 他者を寄せ付けない爆発的な演奏力もさることながら、モダンジャズ離れした本作と“Out To Lunch” (1964)がEric Dolphyの真骨頂、なのでしょう。
 それを引き継いだのは果たして・・・?
 ちょっと違うか・・・
 ヨーロッパ系にいたような気もするのだけも、思い出せないなあ・・・?




posted by H.A.


【Disc Review】“Outward Bound” (Apl.1960) Eric Dolphy

“Outward Bound” (Apl.1960) Eric Dolphy

Eric Dolphy (flute, bass clarinet, alto saxophone)
Freddie Hubbard (trumpet) Jaki Byard (piano) George Tucker (bass) Roy Haynes (drums)

Outward Bound
Eric Dolphy
Ojc
1991-07-01


 Thelonious Monkに次いで、同じく歪む時空の音を奏でるEric Dolphy、デビュー作。
 若くして亡くなったクリエイティブなアーティスト、時間が短すぎて全部やり切れてはなかったんだろうなあ・・・ってな印象。
 亡くなる少し前の“Out To Lunch” (1964)、“Point of Departure”(1964) Andrew Hillなどが凄まじい演奏。
 亡くなった1964年以降にフリージャズ、フュージョン、その他諸々新しい動きが盛り上がったのでしょうから、この人がいればもっと凄いことになっていたんだろうなあ・・・と思います。
 本作はその時代よりも少し前、ジャズとブルースが中心の作品。
 全編アコースティック4ビート、スタンダード曲も入っていますが、それでもなんだか変わっています。
 先行していた?Ornette Coleman的といえばそうなのかもしれないけども、もう少しオーソドックス寄り。
 加えて爆発的なサックス他の演奏力。
 サポートメンバーは名手揃いですが、Eric Dolphyの音が鳴ると空気感が一変するようにも感じます。
 トランペットが先導する“On Green Dolphin Street”などはその典型。
 天才Freddie Hubbardがキッチリテーマを出し、流麗なソロを展開しますが、その間のバスクラリネットのソロはなんだか別世界。
 後の強烈さこそまだないにせよ、ソロが始まると、あるいはテーマを吹くだけでも急に緊張感が高くなるように感じます。
 他のメンバーが平和なモダンジャズな演奏だけに好対照。
 ちょっと変わったオリジナル曲も含めて全編そんな感じ。
 Freddie Hubbardが対抗しよう?としている感じの場面もありますが、ナチュラルにブチ切れ気味のソロを展開するEric Dolphyにはかないませんかねえ・・・
 由緒正しき形式のバース交換の場面、ブルースの演奏などもそんな感じ。
 普通にジャズをやってみようと思っているのだけども、無意識に枠組みから外れてしまいますぅ・・・って感じ。
 後のスタジオ録音アルバムでは枠組み自体を壊してしまえ・・・ってな感じのものもありますが、ライブでの録音などは、オーソドックスなフォーマットとそれに納まりきらないサックス、その不思議なアンバランス。
 やはりこの頃から全く普通ではない音使い。
 それをキッチリと収める形ができたのは“Out To Lunch” (1964)?
 そこでもまだ未完だった感じもするなあ・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Thelonious Himself” (1957) Thelonious Monk

“Thelonious Himself” (1957) Thelonious Monk

Thelonious Monk (piano)
John Coltrane (tenor sax) Wilbur Ware (bass)

Thelonious Himself
Thelonious Monk
Ojc
1991-07-01


 寂しげな空間に響くピアノ。
 流れてくるのはさりげないLove Song。
 確かに“4月のパリ”の風景なのでしょう。
 さり気ないロマンチシズムが漂う上品で洒落たメロディ。
 でも、そこ街の賑わいはなく、人気もない、パリの空気感。
 徐々に歪んでいく時空。
 強い寂寥感、離散する時間の感覚の中、かろうじて維持される秩序。
 真夜中なのかもしれないし、遠い過去の事なのかもしれません。
 それとも、荒廃した未来のパリの景色なのでしょうか・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Thelonious Monk quartet with John Coltrane at Carnegie hall” (1957) Thelonious Monk quartet, John Coltrane

“Thelonious Monk quartet with John Coltrane at Carnegie hall” (1957) Thelonious Monk quartet, John Coltrane
Thelonious Monk (piano) John Coltrane (Tenor Sax)
Ahmed Abdul-Malik (bass) Shadow Wilson (Drums)



 冒頭の“Monks Mood”。
 ピアノとテナーサックスのDuoから始まるルバートでのスローバラード。
 曖昧なビート、二人の呼吸のペースで進む時間。
 漂い、転げまわるピアノに、飛びまわるテナーサックス。
 伸び縮みする時間と少しずつ歪む空間。
 時折の高速なロングフレーズが、歪んだ時空をさらに掻きまわす。
 モダンジャズ?
 はるか60年前、静かで穏やかなトリップミュージック。




posted by H.A.
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