吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Modern Jazz

【Disc Review】“Thelonious Monk quartet with John Coltrane at Carnegie hall” (1957) Thelonious Monk quartet, John Coltrane

“Thelonious Monk quartet with John Coltrane at Carnegie hall” (1957) Thelonious Monk quartet, John Coltrane
Thelonious Monk (piano) John Coltrane (Tenor Sax)
Ahmed Abdul-Malik (bass) Shadow Wilson (Drums)



 冒頭の“Monks Mood”。
 ピアノとテナーサックスのDuoから始まるルバートでのスローバラード。
 曖昧なビート、二人の呼吸のペースで進む時間。
 漂い、転げまわるピアノに、飛びまわるテナーサックス。
 伸び縮みする時間と少しずつ歪む空間。
 時折の高速なロングフレーズが、歪んだ時空をさらに掻きまわす。
 モダンジャズ?
 はるか60年前、静かで穏やかなトリップミュージック。




posted by H.A.

【Disc Review】“Live At Club Mozambique” (May.1970) Lonnie Smith

“Live At Club Mozambique” (May.1970) Lonnie Smith
Lonnie Smith (Organ)
George Benson (Guitar) Joe Dukes (Drums)
Gary Jones (Congas) Clifford Mack (Tambourine)
Ronnie Cuber (Baritone Saxophone) Dave Hubbard (Tenor Saxophone)

Live at Club Mozambique
Lonnie Smith
Blue Note Records
1995-04-05


 ソウルジャズ、オルガンのLonnie Smithのライブ録音。
 Blue Noteからですが、お蔵に入っていた音源で、リリースは1995年。
 同じ時期ではGrant Greenの”Alive” (1969)、あるいは同じ場所での”Live at the Club Mozambique” (1971)の方が人気なのかもしれませんが、同じ空気感の、熱い、暑苦しいあの時代のソウルジャズ。
 4ビート、8ビート、16ビートなんでもこいのファンクモード。
 少々跳ね気味のファンキーなリズムとアフロでヒップなパーカッション、コッテリしたオルガンとホーン陣。
 Sly & Family Stoneっぽいファンクから始まり、Coltraneっぽいモードジャズから、後はこってりしたファンクのオンパレード。
 サックスはブリブリと脂汗がにじみ出るような暑苦しいインプロビゼーション、George Bensonもしっかりフィーチャーされ、飛ばしています。
 ちょっととぼけたようなリーダー?のボーカルはご愛敬。
 スムースなグルーヴとトロトロな感じのバラードがカッコいい“Heavy soul” (1961) Ike Quebecのような、少々ノスタルジックなオルガンジャズではなく、ましてや“Bitches Brew” (Aug.19-21,1969)や“Emergency!” (May.26,28.1969) The Tony Williams Lifetimeのような過激なジャズファンクでもなく、オーソドックスな黒々としたソウルジャズ。
 Miles Davis一派と同じようにSly & Family StoneやJames Brownを意識しているにしても、あまりにも直球剛球一直線。
 4ビートのモードな演奏が一番スッキリと聞こえてしまうのは気のせいでしょうか?
 ここからこの人脈も、ポップな要素を強調しつつ洗練され、フュージョン、AORへ展開する一歩手前。
 Miles Davis一派のようなぶっ飛んだ人たちの音ではなく、普通の1960年代までの大衆的ジャズが終わった象徴的な音、でしょうかね。
 この先は”Breezin'” (1976) George Bensonは言わずもがな、ちょっとレアなグルーヴで “Funk Reaction” (1977)が有名なのかな?




 posted by H.A.


【Disc Review】“The Real Quiet Storm” (1995) James Carter

“The Real Quiet Storm” (1995) James Carter
James Carter (tenor, alto, baritone, soprano saxophone, bass flute, bass clarinet)
Craig Taborn (piano) Dave Holland, Jaribu Shahid (bass) Leon Parker, Tani Tabbal (drums)
 
Real Quietstorm
James Carter
Atlantic / Wea
1995-03-08
ジェームス カーター

 James Carterのアメリカでのデビュー作(?)。
 “JC on the Set” (1993)があまりにもカッコよかったので、否が応でも大期待して聞いたアルバム。
 タイトル、から“Lovers” (1988) David Murrayを超えるバラード集か・・・?
 が、ちょっと想像とは違っていました。
 意外にもオーソドックス。
 タイトルなどから想像されるバラード集ではなくて、アップテンポ、ミディアムテンポが半数ぐらいなのはこちらの勘違いですが、“JC on the Set”、 “Jurassic Classics” (1994)のようなぶっ飛んだ演奏はありません。
 各曲ともにコンパクトにスッキリとまとめられたジャズ。
 上記二作では少々ながらあった激しいフリーの時間もありません。
 このくらい普通の方が一般受けするんでしょうね。
 冒頭の"'Round Midnight"のバリトンサックスとピアノとのDuo、最後のバリトンとベースとのDuoなんて、身震いするような迫力。
 張り詰めて破裂しそうな音とビブラートのドスの効いた音と何の迷いも感じられない堂々としたフレージングなど、他の人には出せない音。
 ちょっと音を出すだけで周囲を威圧できる人はなかなかいません。
 ぶっ飛ぶJames Carterを知ってしまうと寂しい感じもしますが、David Murrayとは違って、バラード系ではそれはしない主義なのかもしれません。
 いずれにしてもスッキリしたオーソドックスなバンドサウンドのジャズ、サックスはちょっとすごい現代的なモダンジャズの一作。
 
 


posted by H.A.


【Disc Review】“JC on the Set” (1993)、“Jurassic Classics” (1994) James Carter

“JC on the Set” (1993)、“Jurassic Classics” (1994) James Carter
James Carter (tenor, alto, baritone saxophone)
Craig Taborn (piano) Jaribu Shahid (bass) Tani Tabbal (drums)
 
Jc on the Set
James Carter
Sony
1994-08-23
ジェームス カーター




Jurassic Classics
James Carter
Sony
1995-03-28


 ゴリゴリサックスJames Carterのデビュー作。たぶん。
 ぶっ飛んだ現代的モダンジャズ。
 確かJoshua Redmanと同じ時期に出てきたのだと思うのですが、当時からArchie Shepp、David Murray大好きな当方としては、James Carterの方が好み。
 というか、彼らに続く人がやっといたか・・・と思った記憶。
 ゴリゴリベース、ビシバシゴラム、ガンガンゴンゴンピアノ。
 そんな音を背景にして突っ走るサックス。
 Archie Sheppに似た感じの少し歪んだような、それでいてなぜかとてもキレイな音。
 艶やかさではDavid Murrayの方が勝るかもしれないけども、Ben Websterのサブトーンを大幅に減らして軽くしたような、これこそジャズのサックスな素晴らしい音。
 フリーキーな音も使いながらも、ビートやコード、ジャズの枠組みからは大きくは逸脱しない安心感。
 音がいいし、リズムへのノリは抜群だし、表現力は変幻自在。
 ヤクザな感じで上品さには欠けるのかもしれないけども、その方がジャズっぽくてカッコいい、というか、ジャズのサックスはこうでなくっちゃね。
 バンドが一体となってどこまでも突っ走っていくような心地よさ。
 アグレッシブで激しいけども、どこを切ってもジャズが好きで仕方ないことが伝わってくる音。
 ファンキーでブルージーなオリジナル曲に加えて、Don ByasにElligton、さらにSun Raなんて選曲はちょっとなかなか・・・
 これ以上やり過ぎるとモダンジャズの枠組みからは外れてしまいそうなギリギリのサジ加減。
 本作、最高の現代的モダンジャズだと思います。
 本作から二十余年、他にもっといいのあったかなあ・・・?

 同じメンバーでの一年後のセッション、続編“Jurassic Classics”はジャズ曲のカバー中心。
 耳に馴染んだ楽曲からすればモダンジャズ度はさらに高いのですが、演奏はぶっ飛んでいます。
 “Take the "A" Train”なんてもうグチャグチャ・・・というか、暴走列車。
 これでもかこれでもかの最高の疾走ジャズ。
 これがECM静音ジャズのCraig Taborn・・・?
 ビートやコードを崩すわけではないので、基本的には整った演奏なのですが、その制約の中でどこまで暴れることが出来るか限界に挑戦するようなインプロビゼーション。
 スタジオ録音ってな感じよりもライブそのままな感じ。
 疾走感、ハチャメチャ感は“JC on the Set”よりもこちらの方が上でしょう。
 もうこのくらいで勘弁してください・・・ってな感じ。
 これはちょっとやり過ぎでしょう・・・と眉を顰めるか、もっとイケーっとワクワクするかは人それぞれでしょう。
 私はもちろん後者のクチです。
 あの時代の音として片づけてしまうにはあまりにも素晴らしい、ハイテンションなぶっ飛び現代的モダンジャズ。
 こりゃ気持ちいいや。
 
 


posted by H.A.

【Disc Review】“Craig Taborn Trio” (1994) Craig Taborn

“Craig Taborn Trio” (1994) Craig Taborn
Craig Taborn (piano)
Jaribu Shahid (bass) Tani Tabbal (drums)
 
Craig Taborn Trio
Craig Taborn
Diw Records
1998-08-18
クレイグ・タボーン

 今や静謐なECMアーティストのCraig Tabornの初期作品、日本制作アルバム。
 “Jurassic Classics” (1994) James Carterの次日、サポートのピアノトリオそのままのセッション。
 “Avenging Angel” (2011)などの一連のECM作品とは全く別人としか思えない、現代的ぶっ飛びモダンジャズ+少々フリージャズ。
 久々に引っ張り出してきましたが、20年以上経過した今の耳で聞いても凄い演奏。
 確かに今のコンテンポラリージャズと比べるとビートもシンプルだし、モダンジャズの香りも濃厚、クールな感じもありません。
 が、その分凄い熱量。
 ゴリゴリベースとビシバシドラムが繰り出す強烈な推進力。
 その上を突っ走り、飛び跳ねるピアノ。
 ド迫力のピアノトリオ。 
 Herbie Hancockっぽい背景に、Monk的、Ellington的、Cecil Taylor的のエッセンスを散りばめたような感じ。
 さらに何かもう一歩二歩進んだような、しかも整った音。
 これでもかこれでもかとたたみかけてくるような激しさ、爽快感。
 “WOW”大西順子が1993年のリリースですか。
 なるほど、そんな時代だったようです。




posted by H.A.


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