吉祥寺JazzSyndicate

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Contemporary Jazz

【Disc Review】“Daylight Stories” (2003) Marilyn Mazur's Future Song

“Daylight Stories” (2003) Marilyn Mazur's Future Song

Marilyn Mazur (Percussion)
Eivind Aarset (Guitar, Electronics) Elvira Plenar (Piano, Synthesizer) Klavs Hovman (Electric, Acoustic Bass) Audun Kleive (Drums)
Hans Ulrik (Saxophone, Flute) Aina Kemanis (Voice)

Future Song & Daylight Stories
Mazur, Marilyn
Stunt
2004-10-26


 Marilyn Mazur、北欧周辺ユニットFuture Songでの2003年作。
 このバンドでは“Marilyn Mazur's Future Song” ‎(1990)、ECMレコードでの”Small Labyrinths” (Aug.1994)に続くスタジオ録音での三作目。
 近い時期のライブ録音“All The Birds (Reflecting, Adventurous)” (2001) とゲストを除けば同じメンバー。
 尖ったハイテンションなヨーロピアンコンテンポラリージャズフュージョン、ロック寄り。
 諸作の中では淡い色合いの”Small Labyrinths” (Aug.1994)だけが異質な感じでしょうか。
 激しいビートの中を泳ぐ美しいピアノ、サックス、妖しいスキャット。
 激しく弾むエレキベースに、たっぷりとフィーチャーされる先端系グショグショディストーションギター、そんな構成。
 “Marilyn Mazur's Future Song” ‎(1990)よりもシンプルでソリッド、重くハードになった感じ、プログレッシブロックっぽくなった感じでしょうか。
 浮遊と爆進、疾走の交錯、妖しさたっぷりの激しい音。
 このバンド、どのアルバムもかっこいいのですが、本作、ライブを含めた4作でこのユニットでの作品は途絶えているようです。
 もったいないやら、いさぎよいやら。




posted by H.A.


【Disc Review】“Circular Chant” (Mar.1994) Marilyn Mazur & Pulse Unit

“Circular Chant” (Mar.1994) Marilyn Mazur & Pulse Unit

Marilyn Mazur (Drums, Percussion, Voice)
Bugge Wesseltoft (Piano, Keyboards) Mikkel Nordsø (Guitar) Klavs Hovman (Acoustic Bass, Electric Bass) Jacob Andersen (Drums, Percussion)
Michael Riessler (Bass Clarinet, Clarinet) Hans Ulrik (Soprano, Saxophone, Flute) Nils Petter Molvær (Trumpet, Flute) Per Jørgensen (Vocals, Trumpet)

Circular Chant
Marilyn Mazur & Pulse Unit
Storyville Records
1995-03-14


 Marilyn Mazur、Future Song とは別バンドでの1994年作。
 基本的にはFuture Songと同じく、妖しいヨーロピアン・コンテンポラリー・ジャズフュージョン。
 強いけども柔らかなビート、ハイテンションで哀し気なムードも同様。
 北欧勢を中心に共通するメンバーも多いのですが、分厚いホーンのアンサンブルがビッグバンドのように響き、ホーン陣の強烈なインプロビゼーション、エスニック&プリミティブな男声が前面に出るのが大きな違いでしょうか。
 Future Songの女声スキャットが醸し出す南米風味の幻想的なムードが、アフリカンなのか北欧伝統系なのか勇壮な雄叫び系に代わって、また別の色合いの妖しさ120%。
 フリーで静かなパーカッションとホーンの絡み合いやら、ホーンの妖しいコレクティブインプロビゼーションやら、ディストーションなロックギターの陰鬱リフやら、電子音の飛び交うフリーな場面やら・・・
 エレキベースが弾み、シンセサイザーが絡み疾走を始めると、Weather Reportの初期と後期が混ざり合うような感じだったり・・・
 いろんな要素てんこ盛り。
 これだけ混ざると散漫だったり、難解だったりになりそうなのが、ひとつにキッチリフュージョンしまとまっていることの凄さ。
 これまた三十年近く前の音ながら古くなっていない、新感覚のジャズフュージョン。




posted by H.A.


【Disc Review】“Marilyn Mazur's Future Song” ‎(1990) Marilyn Mazur's Future Song

“Marilyn Mazur's Future Song” ‎(1990) Marilyn Mazur's Future Song 

Marilyn Mazur (Percussion, Drums, Voice)
Elvira Plenar (Piano, Keyboards) Klavs Hovman (Bass) Audun Kleive (Drums)
Nils Petter Molvær (Trumpet) Aina Kemanis (Vocals)



 Marilyn Mazur、1990年のコンテンポラリージャズフュージョン。
 かつてMiles Davisを支えた人。
 それと前後しながら動いていたのがこのバンドでしょうか。
 拠点はデンマークのようで、北欧含めてその周辺のメンバーを集めたユニット。
 リーダー作としては初なのかもしれません。
 複雑なビートとシンセサイザーな音があの時代を感じさせつつも、1980年代のガッチリしたアメリカンなフュージョンとは違う柔らかさ。
 “Time Unit” (1984) Lars Danielsson、“Motility” (1977) Steve Kuhn、“The Colours Of Chloë” (1973) Eberhard Weberあたりのヨーロピアンなジャズフュージョンに近い色合いでしょうか。
 それらにエスニックな色合いも混ぜつつ、妖しくした感じ。
 そんな音の中を漂う、ときに南米的、ときに呪術的、ときにAOR的、ときにフォーキーに聞こえる柔らかなスキャットボイス。
 とても幻想的。
 さらに寂寥トランペット、いかにもヨーロピアンな美しいピアノ、ときおりおとずれる強烈な疾走、フリージャズな混沌。
 てんでバラバラなような要素が、全部まとめて洗練されたジャズフュージョンとして積み上げられています。
 三十年経過した今の耳で聞いても古くは感じません。
 妖しくて柔らかでエキサイティング、そして美しい。
 名作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Prism” (2013) Dave Holland

“Prism” (2013) Dave Holland

Dave Holland (bass)
Kevin Eubanks (guitar) Craig Taborn (piano, Fender Rhodes) Eric Harland (drums)

PRISM
HOLLAND, DAVE
OKEH
2013-09-20


 Dave Hollandのロックなジャズ。
 ピアノトリオとギター、ファールトコールなジャズメンたち。
 ギターがKevin Eubanksとくれば、カミソリのように鋭いハイテンションジャズ“Extensions” (1989)、あるいは“Turning Point” (1992)、“Spirit Talk” (1993) あたりの音を期待してしまうのですが、意外にも強いロックテイスト。
 ディストーションを掛けてチョーキングしまくりのギターにエレピ、ちょっと重めながら現代的な複雑感のあるビート。
 エレクトリックMilesの時代の音を整えてもっとロックに寄せた感じがしないでもないですが、むしろプログレッシブロックそのものな感じ。
 それはアクセントかな?と思いつつ聞き進めると、全編そんな感じ。
 なんだかんだでアコースティックジャズの人と思っていただけに、これは意外な展開。
 さておき、もちろん演奏は超一線級。
 ドラムがビシバシして、変態的なグニョグニョエレピ、そしてKevin Eubanksのロックなギターが全編で唸りまくり。
 ファンクあり、混沌あり、激しいビートのロック色全開のジャズ。
 この手の音楽、この時期に流行っていたかなあ・・・?
 さておき、気持ちを切り替えてしまえば、これはこれで心地よかったりして。




posted by H.A.


【Disc Review】“Overtime” (2002) Dave Holland

“Overtime” (2002) Dave Holland

Dave Holland (double bass)
Steve Nelson (marimba, vibraphone) Billy Kilson (drums)
Duane Eubanks, Taylor Haskins, Alex Spiagin (trumpet, flugelhorn) Robin Eubanks, Jonathan Arons, Josh Roseman (trombone) Mark Gross (alto sax) Antonio Hart (flute, alto,soprano sax) Chris Potter (tenor sax) Gary Smulan (baritone sax)

Overtime
Holland, Dave
Sunny Side
2005-02-22


 Dave Holland、2002年のビッグバンド作。
 前作ECMレコードでの最終作“What Goes Around” (2001)とメンバーも大きくは変わっていません。
 そちらもECMでは珍しいジャズジャズした音でしたが、本作も同じ質感。
 ECMの呪縛がなくなったのかどうかはさておき、元気いっぱいなコンテンポラリービッグバンドジャズ。
 平和で能天気な感じではなくハイテンションでドカーンときますが、眉間にしわが寄った感じや気難しさはなし。
 徐々にブチ切れていくソリストの後ろから激しく煽るアンサンブルとリズム隊。
 ホーンの激しい音が怒涛のように押し寄せてきます。
 マリンバ、ヴィブラフォンの妖し気、涼し気な音がところどころで顔を出しつつ、やはり終盤に向けてドカーンとくるバンド
 ホーン陣の主役はChris Potterでしょうか。
 気が付けばソロ状態のドラムともに突っ走るサックス、バンド。
 手に汗握るスペクタクル系ジャズ。
 それでいてかつてのそんな音よりも、汗が噴き出す感じや埃っぽさを感じないのは、21世紀の音だからなのか、このバンド特有のクールネスなのか。
 ともあれ、スッキリしていてその上エキサイティング。
 21世紀コンテンポラリーなビッグバンドジャズの好作品としてよろしいのでは。




posted by H.A.


【Disc Review】"Colors: Live from Leipzig” (1997) Ornette Coleman, Joachim Kühn

"Colors: Live from Leipzig” (1997) Ornette Coleman, Joachim Kühn

Ornette Coleman (Alto Saxophone, Trumpet, Violin) Joachim Kühn (Piano)


Colors
Kuhn, Joachim
Polygram Records
1997-08-19


 Ornette Coleman、Joachim KühnとのDuo、ライブ録音。
 強面スタイリストのお二人。
 名前だけで考えるとどこまでぶっ飛んでいくのか想像がつきませんが、意外にもまずまず落ち着いた感じ。
 素っ頓狂なテーマ一発、後はあちらこちらにぶっとんでいくあの音の動きですが、ドラムとベースがいない分、相方がピアノの分、諸作とは随分印象が異なります。
 Ornette Colemanの色合いをクラシカルな空気感で包んだような感じ。
 御大の音の動きに合わせるかのように転げまわり疾走する、クラシカルな色合いも纏ったピアノ。
 疾走と浮遊の交錯、どこに落ちつていていくか読めない展開。
 ルバートなスローバラードがグシャグシャと崩れていき、哀感を湛えたジャズバラードが気が付けば超高速に疾走しています。
 やはり変幻自在。
 が、いつもの流れに沿ってビートが伸び縮みする感じではなく、むしろ定常なビート感続きつつ徐々に崩れていくような、逆に常に漂っているような、何とも言えない不思議な質感。
 もちろん普通のジャズではなく、わかりやすい甘さはありませんが、難解さ気難しさもなし。
 ちょっと苦め、でもちょっと上品でカッコいいジャズ。





Something Else!!!!” (1958)
Tomorrow Is the Question!” (1959)
The Shape of Jazz to Come” (1959)
Change of the Century” (1959)
This Is Our Music” (1960)
Free Jazz” (1960)
“To Whom Who Keeps a Record” (1959-60)
Ornette!” (1961)
Ornette on Tenor” (1961)
“The Art of the Improvisers” (1959-61)
“Twins” (1961)
“Town Hall, 1962” (1962)
Chappaqua Suite” (1965)
“An Evening with Ornette Coleman” (1965)
“Who's Crazy Vol. 1 & 2” (1965)
“The Paris Concert” (1965)
“Live at the Tivoli” (1965)
At the "Golden Circle" Vol. 1& 2” (Blue Note, 1965)
“Croydon Concert” (1965)
"The Empty Foxhole” (Blue Note, 1966)
“The Music of Ornette Coleman - Forms & Sounds” (1967)
“The Unprecedented Music of Ornette Coleman” (1968)
“Live in Milano 1968” (1968)
New York Is Now!” (1968)
Love Call” (1968)
“Ornette at 12” (1968)
“Crisis” (1969)
“Friends and Neighbors: Live at Prince Street” (1970)
Broken Shadows” (1971)
Science Fiction” (1971)
“European Concert” (1971)
“The Belgrade Concert” (1971)
“Live in Paris 1971” (1971)
“Skies of America” (1972)
Dancingin Your Head” (1976)
“Body Meta” (1976)
“Soapsuds, Soapsuds” (1977)
“Of Human Feelings” (1982)
“Opening the Caravan of Dreams” (1983)
“Prime Design/Time Design” (1983)
Song X” (1986)
“In All Languages” (1987)
“The 1987 Hamburg Concert” (1987)
“Live at Jazzbuehne Berlin” (1988)
Virgin Beauty” (1988)
“Naked Lunch” (1991)
“Tone Dialing” (1995)
Sound Museum: Hidden Man” (1996)
Sound Museum: Three Women” (1996)
Colors: Live from Leipzig” (1997)
“Sound Grammar” (2006)

posted by H.A.

【Disc Review】“Sound Museum: Three Women” (1996) Ornette Coleman

“Sound Museum: Three Women” (1996) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone, trumpet, violin)
Geri Allen (piano) Charnett Moffett (bass) Denardo Coleman (drums)
Lauren Kinhan, Chris Walker (vocals)

Sound Museum (Three Women)
Ornette Coleman
Polygram Records
1996-08-13


 Ornette Coleman、1996年のセッション。
 “Sound Museum: Hidden Man” (1996)と同セッション。
 一部にボーカルが加わりますが、メンバーはもとより、楽曲、その並びまでほぼ同じ。
 アレンジもほぼ同じですが、本作の方が少々過激度が高いかもしれません。
 いずれかがアウトテイクなのか、元々二作として制作したのか、その違いを含めた何かを感じ取るべきなのか、何かを狙ったのかはわかりません。
 ジャケットのアート、タイトルの「隠された男」「三人の女」の意味するところも何とも・・・
 本作でも漂い、突っ走り、暴れまくるピアノ。
 過激なアルコに超高速に動きまくるべース、パタパタしながらドカーンとくるドラム。
 ピアノレスのバンドはクールな感じがしますが、本シリーズ二作は華やか。
 華やかでハイテンション、過激なジャズ。
 一曲収められたボーカル曲はソウル~ゴスペル色が強いドラマチックなバラード。
 楽器の音量を抑えたアカペラチックな処理がカッコいい。
 何はともあれ、本作もハードでハイテンションなサックスジャズカルテット。
 “Sound Museum: Hidden Man” (1996)とどちらがいいかはお好み次第。
 私的にはより軽快で繊細、かつ、より過激な色合いが強いような気がするこちらですかねえ・・・
 さて、これら二作に隠された秘密は何か?
 うーん・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Sound Museum: Hidden Man” (1996) Ornette Coleman

“Sound Museum: Hidden Man” (1996) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone, trumpet, violin)
Geri Allen (piano) Charnett Moffett (bass) Denardo Coleman (drums)

Sound Museum (Hidden Man)
Ornette Coleman
Polygram Records
1996-08-13


 Ornette Coleman、1996年のセッション。
 “Sound Museum: Three Women” (1996)と対になる、というか、ほぼ同じ楽曲をほぼ同じメンバーで演奏した二作。
 エレクトリック、エスニックなエスニックなファンク、その他諸々を経て、この人にとっては珍しくピアノが加わったオーソドックスなカルテット編成のジャズ。
 中堅~ベテランに入った期のGeri Allenに、かつての盟友のご子息のベース、自身のご子息のドラム。
 硬軟織り交ぜたぶっ飛びピアノに、重厚なCharlie Hadenとは違って軽快に動きまくるベース、叩きまくりドラム。
 アルトサックスに合わせて変化していくというよりも、ピアノが主導して背景を作っているようにも聞こえます。
 ぶっ飛んでいく音楽を引き戻しているようにも、率先してぶっ飛んでいっているようにも聞こえる素晴らしいピアノトリオ。
 充分に過激ですが、ピアノが入った分華やいだ感じ、展開もつかみやすく、普通のジャズとして聞き易いのかも。
 さすがつわものGeri Allen。
 その上を自在に飛び回るアルトサックス。
 コンパクトにまとめられた全14編。
 シリアスな激烈系ばかりではなく、漂うようなバラード、ラテン、すっとぼけたような不思議曲、賛美歌、などなど、さまざまな色合い。
 20世紀の終末近く、その世紀のジャズのいろんな要素を織り込んだハイテンションなアコースティックジャズの一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Complete Science Fiction Sessions (Science Fiction / Broken Shadows+3)” (1971,1972) Ornette Coleman

“Complete Science Fiction Sessions (Science Fiction / Broken Shadows+3)” (1971,1972) Ornette Coleman

Ornette Coleman (alto saxophone, trumpet, violin)
Charlie Haden (bass) Billy Higgins, Ed Blackwell (drums)
Don Cherry (pocket trumpet) Bobby Bradford, Carmine Fornarotto, Gerard Schwarz (trumpet) Dewey Redman (tenor sax, musette) David Henderson (recitation) Asha Puthli (vocals)
Jim Hall (guitar) Cedar Walton (piano) Webster Armstrong (vocals) & woodwinds

Complete Science Fiction Sessions
Ornette Coleman
Sony
2000-05-02


 Ornette Coleman、1971、1972年のセッション。
 “Science Fiction” (1971)と後にリリースされる”Broken Shadows” (1971,1972)の二作のカップリング。
 あの“The Shape of Jazz to Come” (1959)のカルテット、あるいはさらに二管が加わった編成をベースとして、楽曲ごとに様々なメンバーが加わります。
 ハイテンションでシリアスな表情のジャズを中心に、激烈なフリー、さらにはソウル~ゴスペル的な要素もフュージョンされる構成。
 マシンガンのようなベースが緊張感を煽り、いつになく大きいサックス、トランペットの音量、熱量。
 静かな緊張感の“The Shape of Jazz to Come” (1959)に対して、激しい系コレクティブインプロビゼーション、しばしばおとずれる混沌な場面も含めて、グリグリゴリゴリ、ビヒャーっと来る激烈系が中心。
 無秩序でも激情系ばかりでもありませんが、凄まじい音量と熱量の凄まじい演奏。
 まだ4ビート中心ですが、その合間々に挿まれる凄まじいスピードの演奏、フリーなスローバラード、静かなボーカル、よじれたようなソウルチューン・・・
 触ると切れてしまいそうな緊張感と激しさの連続。
 1960年代までの諸作はおおらかなジャズの印象も強いのですが、本作は違います。
 近い時期の“Miles Davis At Fillmore” (Jun.1970)もビックリの妖しさ激しさ120%。
 ”Broken Shadows” (1971,1972)収録分はしばらくお蔵に入っていたようですが、全部含めて凄い演奏集。
 ファンクで激しい“Dancingin Your Head” (1973-1975)まではもう少し。
 モダンジャズはもちろん、ジャズから一歩踏み出した1970年代のOrnette Coleman。
 これは凄い。




posted by H.A.



【Disc Review】“Angels Around” (2020) Kurt Rosenwinkel

“Angels Around” (2020) Kurt Rosenwinkel

Kurt Rosenwinkel (guitar) 
Dario Deidda (bass) Greg Hutchinson (drum)

ANGELS AROUND
KURT ROSENWINKEL TRIO
HEARTCORE RECORDS/MOCLOUD
2020-04-15


 Kurt Rosenwinkel、トリオでのジャズ。
 たっぷりのジャズスタンダード曲からの選曲からして、“Intuit” (1998)、“Reflections” (Jun.2009)あたりと同じく、オーソドックスなジャズ路線かと思いきや、さにあらず。
 徹底的に攻めたジャズ。
 近作“Searching The Continuum” (2019)と比べれば、十分にオーソドックスで、メロディもビートもジャズな感じではあるのですが、ディストーションを掛けたファットな音で、例のどこまでもどこまでも続いていくギター。
 ビシバシとアクセントを入れまくるヘビーなドラムに、ウネウネグニャグニャとしながら疾走するギター。
 これでもかこれでもかと攻めてくる、あくまで「ジャズ」。
 壮絶悶絶な“The Remedy“ (2006)に匹敵するような攻撃性、音圧、音数。
 油断していると聞いているほうがヘロヘロになりそうではありますが、キチンと身構えて聞けば、各曲終盤に訪れるカタルシスが何とも心地よい。
 とにもかくにも激しいギターがずーっと鳴りっぱなし。
 それでもロックロックした感じがしないのは、この人ならではの色合い。
 フリーでもない、混沌でもない、1970年代のエネルギー放出型でもない、凄まじいまでに強烈な音。
 実はジャズスタンダード集であったことなど忘却の彼方。
 これまた21世紀の新型ジャズ、ってところでしょう。




posted by H.A.


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