吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Live Report

【Live Report】“Lage Lund Trio” at NARU 2014/10/19

“Lage Lund Trio” at NARU, Ochanomizu,Tokyo
2014/10/19

Lage Lund (guitar)
Matt Brewer(bass) Johnathan Blake(drum)

 若手ギタリスト、Lage Lundのトリオ。
 コンテンポラリー系のギタリストの中ではオーソドックスな方かな?
 ファンだったのですが、ライブは初参加。さてどんな音やら。
 意外にもスタンダードが半数以上。やはり若い人もモダンジャズが好きなのかなあ。とはいえ、ギターのフレーズは浮遊感のある現代的な音づかい。
 2ndセットはオリジナル曲中心。不思議系のメロディ、リズムも多様化。
 
 なるほど、クールな質感も含めて、やはり現代的ジャズでカッコいい。
 これも意外だったのが、エフェクターをほとんど使わない。(足元見てませんがディレイのみ?)ピックアップもおそらくフロントのみ。
 ほぼ生音だけであの艶のある音を出し、多彩な楽曲をやっていたのね。確かにCDでもそれっぽいなあ。
 Pat Metheny以降、似た音を使う人が多いなあと思っていたものの、やはり人それぞれ、多彩です。


posted by H.A.

【Live Report】『ジョン・ゾーンズ・コブラ東京作戦 世界の停戦と非暴力の日 特別部隊』

『ジョン・ゾーンズ・コブラ東京作戦 世界の停戦と非暴力の日 特別部隊』
2014.9.23.@渋谷La.mama

 John Zornが考案したゲームの様なルールの即興演奏形式がCOBRAです。
 決められたジェスチャーでプロンプターにアイデアを伝え、プロンプターがそれらを取捨選択しつつアルファベットや番号が書かれたプラカードとジェスチャーで指示を伝えながら即興演奏を展開します。
 時にはゲリラと言ってメンバー自身が指揮を奪い取って他のメンバーに直接指示を出したりも。
 音だけを聴いても分からない、正にライブならではの見て楽しい即興演奏です。

出演:巻上公一(プロンプター)
    梅津和時(サックス)
    早川岳晴(ベース)
    曽我部清典(トランペット)
    パール・アレクサンダー(コントラバス)
    小森慶子(バスクラリネット)
    山本達久(ドラムス)
    三田超人(ギター)
    坂口光央(キーボード、シンセサイザー)
    有馬純寿(キーボード、コンピュータ)
    一樂誉志幸(ドラムス)
    直江実樹(短波ラジオ)
posted by R.Y.

【Live Report】 “Chihiro Yamanaka New York Quintet” at Blue Note Tokyo 2014/9/27

“Chihiro Yamanaka New York Quintet” at Blue Note Tokyo,MinamiAoyama, Tokyo
2014/9/27

Chihiro Yamanaka(p)
Jaleel Shaw(sax) Benny Benack(tp) Yoshi Waki(b) Kendrick Scott(ds)

 山中千尋さんのライブは久しぶり。実はデビュー時からの大ファンで、ライブには何度も参加していますが、お世辞抜きで今まで私が聞いたライブ中でも五指に入るステージがありました。この人、CDもいいのですが、ライブはもっといい。
 さて、思いつきの飛び込みで入った今回のライブはどうでしょう。

 いきなりデビュー作Living without Fridayで全力疾走。相変わらず強烈な体育会ジャズ。ピアノ壊れるんじゃないの、と心配になるぐらいの激しさ、疾走感。定番になった?左手での「ゴーン」「ガーン」を初っぱなから連発。続いて最新作からの曲を中心に、最後の八木節、アンコールのジャズロックナンバーまで突っ走ってくれました。

 管楽器が入ったので印象が変わるかなとも思っていましたが、質感は同じ。当たり前ですが主役はどう見ても山中さん。管楽器の二人にもたっぷりとソロスペースがあり、素晴らしい演奏なのですが、概ね後にソロを取る大盛り上がりのピアノに食われてしまう。ドラムがあの今を時めくKendrick Scottであることも忘れてしまうぐらい、ピアノが全体を引っ張る印象。

 管楽器が入ることで、変化に富んだ音になったととらえるか、ピアノソロのスペースが減って寂しいととらえるか、人それぞれなのかもしれませんが、いずれにしても二管が入ることで、堂々とした王道ジャズになっていることは間違いない。最新作、Blue Noteレーベルへのオマージュでしたかね。
 もともと彼女の書く曲、日本的な旋律とBlue Noteレーベル諸作のファンキーさ、両者の哀愁感が混ざっているように思っていましたので、相性も抜群。
 ピアノは相変わらずド派手なのだけど、ファンキーさ、スピード感、激しさに加えて、起承転結が明確なドラマチックさ、さらにそこはかとなく漂う日本的な哀愁感。
 いずれにしても日本のジャズファンにはたまらなく心地よい音楽でしょう。

 一昨日見たTygran Hamasyanのライブとは好対象。予測が難しい緊張感のTygranと、予定調和(悪い意味ではありません)の安心感の中で大きく盛り上がる山中さん。
 さてどちらが好みか?
 私は両方です。
 あえてどちらかと言えば・・・うーん、後者かな。
・・・after hours。

posted by H.A.

【Live Report】 “Tigran Hamasyan” at Cotton Club 2014/9/25

“Tigran Hamasyan Trio” at Cotton Club, Marunochi, Tokyo
2014/9/25

Tigran Hamasyan (piano), Sam Minaie (base), Arthur Hnatek (drums)

 今をときめく若手No.1?ピアニスト、Tigran Hamasyan、ベースとドラムを従えたトリオでの東京Live。

 当方、根はジャズファン、TigranについてはLars Danielsonの諸作などで、いいピアニスト、というより、もの凄いピアニストが出てきたなあ、と注目していたものの、リーダー作についてはロック色が強すぎてねえ・・・が本音。
 とはいえ、ライブはいいんだろうなあと期待し初参戦。
 やはり凄まじい演奏でした。

 開始前、ステージにはスタインウエイと新型ローズ、その上には何やら怪しげなエフェクターがズラリ。ローズだけでなく、スタインウエイの上にも。さてどうなることやら。

 予想通りヘビーなロックビートで演奏はスタート。
 ピアノはガンガン弾かれるものの、ジャズ的なインプロビゼーションではありません。さまざまなフレーズを試しながら、その断片をその場で録音しループさせる、さらに本人のボイスも同様に録音〜ループさせながら音を積み重ね、厚みのある幻想的な音場を作り上げていく、といったスタイルが中心。Tigranさん、今はこれが一番やりたいんだろうなあ。

 曲はロック的ビートが半数ぐらい、全体の雰囲気はプログレッシブロックなのだけど、ドラムがジャズの人なのかな?そこそこジャズの香りも。
 最近の若手で流行っている、変拍子で複雑っぽいのだけども強烈なグルーブ感のリズム、アルメニアっぽい?不思議な旋律や、ボイスの使い方など含めて新しいテイストの音楽であることは間違いない。

 各人にソロスペースを割り当て、盛り上がったりまとまりが良かったりすればソロの終わりに拍手が・・・といった典型的なジャズのライブでの展開はわずか。テクニックは言わずもがな、もの凄くエキサイティングな演奏なのですが、ソロの終わりで拍手が起こったのはおそらく一度のみ。もちろんフリーではなく、明確な「曲」があるのだけれども、通常のジャズやロックとは異なる構成。予定調和を意図的に避けているのかどうかはわからないけども、常に緊張感が続く展開。この辺りも好みが分かれるところかも。

 もちろんローズ、シンセ、さらにはスタインウエイまでにもエフェクターをかけながらゴリゴリと弾き倒す局面も。
 ジャズファンとしては、普通っぽい曲でも、とてつもなくカッコいいインプロビゼーションができることを知っているだけに、もっと素直にピアノを弾いて欲しい、と思いつつも、新しい音楽が出来てくることを喜びましょう。

 さて、最新作(避けてた・・・)でも買って慣れるまで聞いてみるかな・・・
 ホントに慣れるかどうか、自信はありませんが。



posted by H.A.

【Live Report】 “Norma Winstone” at Pit Inn 2014/9/6

“Norma Winstone” at Pit Inn, Shinjyuku, Tokyo
2014/9/6

Norma Winstone (vocal),
Glauco Venier (Piano), Klaus Gesing (Soprano Saxophone, Bass Clarinet)

 ECMレーベルファンとしては、これは行かなければならないのでしょう。
 古くは1970年代からスーパーメンバーのバンドAzimuthの一員として、近年でもECMの看板ボーカリスト、最近のレコーディングメンバーでの来日公演。

 さて、Normaさん、妙にかわいらしいオレンジ色?ベースのオシャレないでたちで登場。が、ボーカルはCDの印象そのままのクールな声、雰囲気。ハスキーなのか透き通っているのか、乾いているのか湿っているのか、何とも言えない微妙な声。怪しげな曲調も加わって、幻想的な音が広がります。
 ピアノのGlauco Venier、CDでは少し抑え目の演奏でクラシックの人なのかなと思っていましたが、ライブではジャズっぽい強烈な演奏。グルーブ感が強いうえに、抑揚、メリハリがいい感じの素晴らしいピアニスト。CD聞くだけだと北欧系だろうと思っていましたが、NormaさんのMCによればイタリアの人なのかな?いずれにしてもこれから注目されてくる逸材のように思います。私が知らないだけで、既にメジャーなのかな?
 サックス、クラリネットももちろん一級品の演奏。

 最初にAzimuthを聞いたのはいつだったのか、何を思ったのか全く覚えていませんが、いい感じで歳を重ねた落ち着いた音楽、それを今の時代の一級のミュージシャンが盛り立てる。いい感じですね。
 いい感じで枯れたといった表現がありますが、決して枯れたイメージではなく、いい感じで成熟した、といった言葉がふさわしいライブでした。

Dance Without Answer
Winstone
Ecm Records
2014-02-18




posted by H.A.

【Live Report】"NIGHT OF CLASSIC PROGRESSIVE !" @Silver Elephant 2014/7/26

2014/7/26 NIGHT OF CLASSIC PROGRESSIVE ! @Silver Elephant

 この日は久々のプログレライブ。
 永井さん選曲(?)によるプログレの名曲カバーのみでオリジナルは一切ナシです。
 個人的にかなり嬉しい選曲でしたね。BrufordのHell's Bellsに、1stソロアルバムからEither End of Augustも演奏。
 King CrimsonからはなんとIslandsからFormentera Lady~Sailor's Tailを。
 Crimsonのカバーで普通はこれを選曲しないですからね…なかなかライブでは聴けないので貴重でした。
 他には Allan Hollsworth, ELP, Brand-X, CAMEL, U.K., Colosseum II 等を演奏。
 ちなみにCrimsonの曲やU.K.『In The Dead Of Night』でのヴォーカルはなんとドラムの大菊さんが担当でした。

 出演:永井敏己(b)
    佐々木秀尚(g)
    大菊 勉(ds)
    長崎祥子(key)
    大沼あい(key)

posted by R.Y.



【Live Report】 “Anders Jormin” at Shibuya, Tokyo 2014/5/22 

“Anders Jormin” at Shibuya, Tokyo
2014/5/22

Anders Jormin(bass)
Mariam Wallentin(voice)、Erika Angell(voice)、Fredrik Ljungkvist(clarinet, saxophone)、Jon Fält(drums)

 ヨーロッパジャズファンならばどこかで聞いたことがあるはずの、さながらヨーロッパのPaul Chambers、Anders Jormin。この度は自身のバンドでの来日。
 Jorminさん、バックに回ると堅実さに加えて何とも言えない上品なグルーブ感を醸し出す名ベーシスト、自身のバンドではこれも何とも言えない怪しい音楽を展開する。どんな音楽をやるにしてもライブでは凄いに違いない、と思い参戦。

 さて、やはり不思議な感覚の旋律やラテン語?で歌われる宗教っぽい曲は怪しさ満点なのですが、CDで聞くのとは何か違う。
 おそらくボーカルのお二人が気持ち良さげに体を揺らしていたこと(これが実にカッコいい)に象徴されるグルーブ感。そしてその根源はAnders Jorminのベースだと思います。
 ドラマーがかなり自由に動くタイプだっただけに、Jorminさんが終始さりげなくベーシックなリズムを決めていたように思います。これが超一流の人のなせる技なのかな。

 Arild Andersen、Lars Danielson、Palle Danielsonなど、ヨーロッパのベースの名手はたくさん、それぞれ特徴がありますが、Jorminさんが一番上品なグルーブを醸し出してくれる。私の好みはド派手なArild Andersenと堅実なAnders Jormin。

 なお、ボーカルの女性お二人、只者では無い感が漂っていましたので、これからメジャーになってくるかも。

 家に帰ってCDを聞いてみましたが、やはりライブの方が圧倒的にいいなあ。
 でも少々難解で取っ付きにくかったCDがいい感じで聞こえてくるようになりました。
 やはりジャズ、特にこの種の怪しい系の音楽はライブに参加すべきですね。
 
Ad Lucem
Anders Jormin
Ecm Records
2012-03-06





posted by H.A.
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