吉祥寺JazzSyndicate

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Classic

【Disc Review】“Road to the Sun” (2021) Pat Metheny

“Road to the Sun” (2021) Pat Metheny

Jason Vieaux (Guitar) Los Angeles Guitar Quartet
Pat Metheny (Guitar)

ROAD TO THE SUN
PAT METHENY
ADA/BMG/MODERN RECORDINGS
2021-03-05



 作曲家Pat Metheny、クラシックギターで演奏される組曲二編+α。
 本編の演奏はその筋の名ギタリストたちに委ねています。
 前半は独奏。
 後半はギター4台。
 最後にPat さん本人がArvo Partの楽曲をピカソギターで一曲。
 クラシックには疎いのですが、全編そうなのでしょう。
 アコースティックギター一本の作品も含めてここまでのどの作品とも違う色合い。
 が、いかにもクラシック、ではなく、もちろんPat Metheny的、あるいはフォルクローレ的、南米系な空気感なのは、Patさんのスコアゆえなのでしょう。
 静かに穏やかに流れていく時間。
 どこかで聞いたことのあるメロディ、展開の断片が現れては消えていきます。
 さらに後半、ギターカルテットでの演奏になると、コードストロークも盛り込みつつ、フォーキーな色合い、南米フォルクローレ、スパニッシュ、そしてクラシカルな色合い、それらの交錯。
 かつての作品のどこかの場面を漂わせつつのアコースティックなPat Methenyワールド。
 終盤に向けてテンションを上げていくドラマチックな展開。
 "The Way Up" (2003,2004)、”Secret Story” (1991)、近作“From This Place” (2019) などの組曲(風)は、ドカーンとくる場面含めて強烈にドラマチックでしたが、本作はあくまで穏やかなドラマ。
 そして安堵するかのように静かに本編は幕。
 さらにさながらアンコールのようにピカソギターが奏でる静かな幻想・・・
 もちろんいつもとは色合いが異なります。
 が、静かで穏やか、上品な佇まいと、さりげなく流れるいつものPat Metheny色がとてもいい感じ。
 そんな作曲家Patさんのクラシック(?)ギターミュージック。 


 

posted by H.A.



【Disc Review】“Música para Cordas” (2019) André Mehmari

“Música para Cordas” (2019) André Mehmari

André Mehmari (piano, cravo) 
Strings andJosé Staneck (harmônica) Emanuelle Baldini (violin, regência) Gabriele Mirabassi (clarinet) Christian Riganelli (Accordion) Paola Baron (harp) Fábio Cury (fagote)
Neymar Dias (contrabass) Sergio Reze (drum)
and Strings



 ブラジルのピアニストAndré Mehmariのストリングスを中心としたクラシック。
 本作はジャズ、ポップス色全くなしの正調クラシック。
 タイトルは”弦楽器のための音楽”。
 弦楽器オーケストラのみの演奏から始まり、中盤からはハーモニカ、アコーデオン、ファゴット、ハープなど、そして締めにジャズピアノトリオとの協奏曲。
 ゆったりとしたテンポ、哀しみを湛えた重い表情のメロディ、強い緊張感。
 短いタイミングで変わってゆく景色、重いテーマの映画のサントラの面持ち。
 そんな弦楽器オーケストラの演奏の後、徐々に音楽は明るくなり、柔らかなハーモニカと弦楽器の優雅な絡み合いが始まります。
 CD二枚目に移って、クラリネットとアコーデオン、ファゴットとハープと弦楽器の共演は、強い緊張感と柔らかな空気感が交錯する音。
 たびたび登場するワルツ系のビートは、南米フォルクローレの色のようでもあるし、ヨーロッパ伝統の色のようでもあるし。
 いずれにしても、とても優雅。
 そして締めの約20分、ようやく登場するピアノとストリングスの共演。
 やはりクラシカルですが、ジャズなビート、あの疾走、躍動、転げまわりをところどころに散りばめながらのゴージャスな音。
 これまたとても優雅。
 そしてこの人の音楽らしく、とても前向きなエンディング。
 明示されたタイトルやストーリーはありませんが、山あり谷ありの一大音楽ドラマ。
 当方、この種の音楽には明るくないアウトサイダーではありますが、心地よく優雅で上品な別世界にトリップできました。
 よろしいのではないでしょうか。




posted by H.A.

【Disc Review】‎“Angelus” (2012) André Mehmari

‎“Angelus” (2012) André Mehmari

André Mehmari (piano)
Betina Stegmann, Nelson Rios (violin) Marcelo Jaffé (viola) Robert Suetholz (cello)
Sérgio Burgani, Diogo Maia, Luca Raele (clarinets) Luis Eugênio Afonso Montanha, Nivaldo Orsi (clarones)
Davi Sartori (piano) Antonio Loureiro (vibraphone) Gabriel Schwartz, Sebastião Interlandi Jr (flute) Raiff Dantas Barreto (cello) Vinícius Lacerda (pandeiro)

Angelus
Andre Mehmari アンドレメーマリ
Tratore
2013-10-28


 ブラジルのスーパーピアニストAndré Mehmari、クラシック寄りの作品。
 “Orquestra À Base De Sopro De Curitiba & André Mehmari” (2011)はホーン中心でしたが、本作はストリングスカルテットとのアンサンブル、クラリネットとのアンサンブル、コンボの三部構成。
 元々クラシック色の強い音使いが多い人ですが、本作はジャズ色、MPB色を排したクラシックなアルバム。
 ここまでクラシック色が強いのは“Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014)と本作ぐらいでしょうか?
 全編クラシックなアルバムですが、ヨーロッパ系の洗練された感じのクラシックとは少し違う、より古典的?な感じと現代音楽が混ざったような、いかにもこの人のクラシック。
 一部は少し沈んで敬虔な感じ、哀しげなメロディ、変幻自在のストリングスとピアノが絡み合う”Angelus”組曲。
 二部はクラリネット群を従え、妖しげに徘徊するような”A Vida das Moscas”。
 ストリングスを絡めた楽曲を挟んで、三部はチェロ、ビブラフォン、フルートが絡み合うクラシカルブラジリアンジャズフュージョン”Pequena Suíte Popular Brasileira”。
 好みからすれば少々のジャズの香りがするコンボの演奏がいいのですが、クラシックを好んでは聞かない耳には前半の演奏も新鮮に聞こえます。
 ジャズやポップスに疲れた耳と脳への清涼剤・・・にしてはちょっと激しいのかな?
 とにもかくにも、優雅で上品、ちょっと激しいAndré Mehmariの音楽、そのクラシック版。




posted by H.A.



【Disc Review】“Algo Asi” (2011) Mario Yaniquini

“Algo Asi” (2011) Mario Yaniquini 

Mario Yaniquini (guitar)

Algo Asi [CD] Mario Yaniquini 2012-01-29

 アルゼンチンのギタリストMario Yaniquiniのソロギター作品。
 クラシックの人なのだと思います。
 Carlos Aguirreを数曲、同じくアルゼンチンのMarcelo Coronel、Carlos Moscardiniの楽曲を取り上げた演奏集。
 Shagrada Medraからではありませんが、同レーベルの“Sones Meridionales” (2009,2010) Pablo Ascuaと同様に、南米の香りが漂うクラシックギター。
 もちろん楽曲が現代のフォルクローレ、ポップス、タンゴ系なので、南米的なのでしょうが、ギターの音も柔らか。
 あのCarlos Aguirreの感傷的なメロディが、柔らかな音のガットギターで淡々と奏でられていく・・・
 それだけ。
 他の作曲家の楽曲も同様に、郷愁感が漂う優しいメロディ。
 流れていると部屋の湿度が下がり、空気が浄化されていく・・・系の音。
 心地よさ最高。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sones Meridionales” (2009,2010) Pablo Ascua

“Sones Meridionales” (2009,2010) Pablo Ascua


Pablo Ascua (guitar)



 アルゼンチンのギタリストPablo Ascuaのソロギター作品。

 Carlos AguirreのレーベルShagrada Medraから。

 おそらくはクラシック畑の人なのでしょう。
 ジャズはもちろん、フォルクローレともスパニッシュとも違う、ガットギターの端正な音の流れ。
 5編17曲、メキシコ、ブラジル、キューバ、パラグアイ、アルゼンチンの音楽家の楽曲を爪弾いていきます。
 クラシックには疎いのですが、柔らかでラテン風味なのはスペイン語圏~南米の音楽家のメロディだからなのでしょうね。
 ギターもとても柔らか。
 哀楽が交錯するメキシコ、センチメンタルなブラジル、堂々としたキューバに、素朴なパラグアイ、情熱のアルゼンチン。 
 ま、単に聞いている側の先入観なのかもしれませんが、ある意味、ラテン圏のお手軽なトリップ。
 Ralph Towner、スペイン系、ブラジル系、アルゼンチン系などなど、ガットギターのソロ作品はたくさんあるのですが、クラシック作品は今のところこれだけ。
 その意味でも貴重な?アルバム・・・ってこともないのですが、結構気に入ってます。

 これが流れていると、違う家にいるみたいだもんね。




posted by H.A.


【Disc Review】“Saudações” (2006,2007) Egberto Gismonti

“Saudações” (2006,2007) Egberto Gismonti
Alexandre Gismonti, Egberto Gismonti (Guitar)
Camerata Romeu, Zenaida Romeu (Conductor, Strings Orchestra)

Saudacoes
Egberto Gismonti
ECM
2009-10-20


 Egberto Gismontiの2017年時点での最新作。
 ストリングスオーケストラ作品と、ギターのDuoの二編成。
 この前の作品はオーケストラの“Meeting Point” (1995)。

 ストリングスオーケストラの作品は、クラシック音楽の色合い。
 メカニカルにアップダウンするアグレッシブでハイテンションな表情が中心ですが、優し気なコンボ作品“Sanfona” (Nov.1980,Apl.1981)、“Em Família” (1981)あたりを想い出す場面もたくさん。
 さらに、合間々にコミカルな表情も見え隠れする構成。
 前作と同様に、Egberto Gismontiミュージックの集大成、オーケストラバージョンといえるのかもしれません。
 いろんなところに過去の楽曲の断片も出てくるのも面白いところ。
 前作“Meeting Point” (Jun.1995)と比べると優し気で柔らかな空気感なのは、ホーンがいないせいかな?と思って、クレジットを見るとオーケストラは全員女性のようで、妙に納得。
 優し気なGismontiミュージック、ストリングス版。

 ギターのDuoは想像通りのGismontiミュージック、ギター編。
 どちらが父でどちらが息子なのかの判別はつきません。
 娘Bianca Gismontiと同様、天賦の才能とともに英才教育を受けてきたのでしょう。
 過去の名曲を含めて、ハイテンション系の演奏が並びます。
 が、1970年代ECM、“Sol Do Meio Dia” (Nov.1977)のRalph TownerとのDuoのように超ハイテンションな感じでは無くて、まずまず穏やかな音の流れ。
 もちろんボッサやジャズではなく、あくまでGismontiミュージック。
 本作に収められたソロでの演奏を聞く限り、息子さんの方はスパニッシュ系が得意なのでしょうかね?
 少し後の初リーダー作”Baiao de Domingo” (2009)はオーソドックスなブラジリアンジャズっぽい感じでしたが、さてこの後、父上のように求道的にいくか?、Bianca Gismontiのようにポップ系にいくか?
 本作がその予告編になるか・・・な?

 明るいようで陰影の強い、とても素敵なジャケットのポートレートは、とびきりの美しさ、含蓄の深さ。
 明るいようで陰影があって、大人なようで童心なようで、妖しいようで優しくて、あるいは優しいようで妖しくて・・・
 Egberto Gismontiミュージックそのものの構図。
 その後、十年の歳月が経ちますが、新作がそろそろ出ませんかね・・・?





 初期の作品はボサノバ、ロックの色も強いちょっと変わったMPB。
 そこから激しい系のロックな色合いが強くなって、“Academia de Danças” (1974)、“Corações Futuristas” (1976)などはとんでもなく凄い作品。
 そこからECMで制作を開始して、それらはまずまず落ち着いた印象。
 っても十二分にハイテンションで激しいのですが。
 その後のECM以外の作品は電子音が強くなって・・・、また気が向けば。
 私的な好みは柔らかなジャズの色が強い“Sanfona”(Nov.1980,Apl.1981)、(1981) “Em Família” ですねえ。
 凄いのは上記二作だと思うけど。

(1969) “Egberto Gismonti” 
(1970) “Sonho '70” 
(1970) “Orfeo Novo” 
(1972) “Agua e Vinho” 
(1973) “Egberto Gismonti” 
(1974) “Academia de Danças” 
(1976) “Corações Futuristas” 
(1977) “Carmo” 
(Nov.1976) “Dança Das Cabeças” with Nana Vasconcelos
(1978) “No Caipira” 
(Nov.1977) “Sol Do Meio Dia” 
(1978) “Solo” Solo 
(Mar.1979) “Saudades” Naná Vasconcelos
(Jun.1979) ”Magico” Magico
(Nov.1979) “Folk Songs” Magico
(1980) “Circense
(Nov.1980,Apl.1981) “Sanfona
(1981) “Em Família” 
(Apl.1981) “Magico:Carta de Amor” Magico
(1982) “Fantasia”
(1982) “Sonhos de Castro Alves”
(1983) “Cidade Coração”
(1984) “Duas Vozes” with Nana Vasconcelos
(1985) “Trem Caipira” 
(1986) “Alma” Piano Solo(+α)

(1986) “Feixe De Luz"

(1988) “Dança Dos Escravos” Guitar Solo
(1989) “Kuarup”
(1989) “In Montreal” with Charlie Haden
(1990) “Infância” 

(1991) “Amazônia”

(1992) “Casa Das Andorinhas”

(Apl.1995) “ZigZag” 
(Jun.1995) “Meeting Point” with Orchestra
(2006, 2007) “Saudações” with Orchestra


posted by H.A.


【Disc Review】“Meeting Point” (Jun.1995) Egberto Gismonti

“Meeting Point” (Jun.1995) Egberto Gismonti
Egberto Gismonti (Piano, Composer)
Lithuanian Symphony Orchestra Vilnius

Meeting Point
Egberto Gismonti
Ecm Import
2000-08-01


 Egberto Gismontiのオーケストラ作品。
 ジャズでもブラジル音楽でもなく、シンフォニーオーケストラによるクラシック。
 Egberto Gismonti本人は、ピアノで数曲前面に出る場面もありますが、基本的にはコンポーザー、アレンジャー。
 この前の作品“Infância” (1990), “Música de Sobrevivência” (1993), “ZigZag” (Apl.1995)が、少人数での疑似オーケストラ的な音作りでしたので、作りたい音はこの種の音楽になっていたのでしょう。
 時期からすれば、そのシリーズの集大成的な位置付けだったのかもしれません。
 Oden/EMIレーベルの作品ではストリングス、オーケストラ入りはたくさんあったし、ECMでも“Saudades” (Mar.1979) Naná Vasconcelosといった作品があります。
 もともとやりたかったのがこれかもしれませんし、何年も前から頭の中で鳴っていた音を整理し、ようやく実現出来た、といったことなのかもしれません。
 オーケストラでのクラシックではありますが、音楽自体はハイテンション系中心のGismontiミュージック。
 ピアノがリードする定番の名曲“Frevo”も、激しいストリングスを加えた、ハイテンションさでは一二を争いそうな演奏。
 ジェットコースターのようなスリリングな音の動き。
 勇壮で変幻自在。
 激しくアップダウンを繰り返しながら、目まぐるしく変わっていく景色。
 おもちゃ箱をひっくり返してかき回していくような、カオスなような、童心に帰ったような、あるいは、それを計算尽くでやっているような、なんとも複雑で不思議な感じの音の洪水。
 ときおり現れる優しい表情、おどけたような表情もGismontiミュージックそのものでしょう。
 っても、電子音やロックなビートやプログレッシブロックな激しいリフが無い分、“No Caipira” (1978)のバージョンや、Odeon/EMI諸作よりも随分上品でクールな印象がECM的であり現代的。
 次作は時間をかなり空けて、オーケストラ作品とご子息とのギターDuo演奏の“Saudações” (2006,2007)。
 またコンボ、あるいは少人数での作品、あるいは優しいサイドの作品を聞きたいところではあるのですが、また機が熟するまで・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Am60 Am40” (2017) Antonio Meneses, Andre Mehmari

“Am60 Am40” (2017) Antonio Meneses, Andre Mehmari
Antonio Meneses (cello) Andre Mehmari (piano)


Antonio Meneses 2017-09-01

 気がついたら新譜が出ている、多作の2017年のAndre Mehmari。
 サンバな“Três no Samba” (2016)、ブラジリアンジャズの“Guris” (2016)に、南米フォルクローレの“Serpentina” (2017)と来て、こちらはクラシック。
 チェリストとのDuo作品。
 Antonio Menesesについての情報はもっていませんが、タイトルからして60歳のベテラン、クラシックの人なのでしょう。
 巨匠な人なのかもしれませんが、そちらに疎くて・・・
 J.S.Bachで始まり、間にJ.S.Bachを何曲か、J.S.Bachで締め。
 その間にAndre Mehmariのオリジナル曲、さらにとても悲しいJobimナンバー、長尺、激情なAstor Piazzollaナンバーに、その他南米のクラシック曲?などなど、短めの演奏を中心にたっぷり15曲。
 前面に出るのはチェロ。
 丁寧に端正に紡がれる音。
 一歩後ろに引いた感じのピアノですが、いつものタメと疾走が交錯する例の音使い。
 ゆったりとしたチェロが奏でる旋律の後ろで漂い、舞い落ち、時に転げまわるピアノ。
 もちろん全体の空気感はクラシックですが、その合間合間にMinasのような、Jazzのような、郷愁感が漂うサンパウロ~Andre Mehmariの色合い。
 お得意のワルツを含めて、フワフワと漂うような強い浮遊感。
 さらに少々沈痛なタンゴの色も加わり、優雅で優しい音、センチメンタルな音、Egberto Gismontiなハイテンションな音、その他諸々、ブラジル~南米な空気感がてんこ盛り。
 ECMでも同フォーマットの作品が多数ありますが、それらほど妖しくなく、トゲもない端正な音。
 クラシック作品としてはどうなのかはわかりませんが、ジャズの耳からすれば、とてもわかりやすくて心地よい作品でしょう。
 中盤以降、少々重めで激しい演奏もありますが、上品で優し気なムードが勝ります。
 クラシックながら南米の香りがする音の流れと浮遊感。
 南米・コンテンポラリー・クラシックとでも呼ぶのでしょうかね。
 とても美しくて、とても優雅です。




posted by H.A.

【Disc Review】“Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014) Andre Mehmari

“Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014) Andre Mehmari
Andre Mehmari (piano)
Neymar Dias (bass) Sérgio Reze (drums)

Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul
Andre Mehmari アンドレメーマリ
Estudio Monteverdi
2014-10-05


 Andre Mehmari、ブラジルのピアニスト、作曲家Ernesto Júlio Nazarethの作品集。 
 ソロピアノ(+α)。
 Ernesto Júlio NazarethはブラジルのChopin、あるいはブラジルのScott Joplinと呼ばれている人のようです。
 もちろんクラシック中心の作品。
 クラシックについては全く疎いので、その観点での善し悪し、その他諸々は分かりません。
 が、とても優雅でジャズの耳にとっても素敵な音楽。
 微妙なタメと強烈な疾走が交錯する音の流れ。
 全くのクラシック作品ですがAndre Mehmariの音楽だなあ・・・と思います。
 もちろん彼のルーツの大きな部分がErnesto Nazarethなのでしょう。
 初期の作品からクラシックの色合いは強いのですが、近年はそれが強くなっているようにも感じます。
 バラード的なスローテンポな曲もちろん、Scott Joplinよろしくラグタイムっぽかったり、コミカルだったり、決して高尚な感じでだけでもなく、ノスタルジックな香りをふりまきつつ進む音楽。
 ・・・と思っていたら、終盤に乱入するドラム、ベース、エレピのアバンギャルド一歩手前~ジャズピアノトリオな演奏。
 とても素敵です。
 こんな音が低く流れているカフェがあれば最高です。
 さて、私もいつかクラシックを好んで聞く日が来るのでしょうか・・・?
 さて・・・?


※ライブ映像から。


posted by H.A.


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