吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Latin Jazz/Fusion

【Disc Review】"PAZ” (2002,2015,2016) Guillermo Rizzotto Trio

"PAZ” (2002,2015,2016) Guillermo Rizzotto Trio

Guillermo Rizzotto (electric guitar)
Paco Weht (bass) Salvador Toscano (drums) 
Natsuko Sugao (trumpet) Carme Canela (voice)



 アルゼンチンのギタリストGuillermo Rizzottoのトリオでの作品。
 “Solo guitarra” (2005,2011)など、ガットギターでクラシック混じりの現代フォルクローレ・・・ってなイメージが強いのですが、本作はすべてエレキギターでのフュージョンミュージック。
 ボーカル曲は一曲のみで、基本的にはシンプルな編成、ジャズっぽい軽快なドラムにちょっと重めなエレキベースのギタートリオ。
 ギターはクリーントーンが中心ではあるものの、たくさんの場面でエフェクターを使い、歪んだ音、チョーキングの場面もそこそこ。
 Pat Metheny的ではなく、フォーク~カントリー的+ディレイの場面はBill Frisell的であったり、プログロッシブロックな場面もありますが、全体的には素直な感じでしょうか。
 ガットギター諸作同様の浮遊感、ゆったりした感じはいかにも南米的でもあるし、今の人風でもあるし。
 そこはかとなく漂う現実から遊離したような幻想的な感じもこの人の音の色合い。
 が、ビートがしっかり効いている分、ガットギター諸作の沈んだ感じは薄く、明るい色合い、躍動も強い音。
 楽曲もフォークロック調でポップなメロディ。
 ま、ロック、ポップスを聞いて育った今の世代の音なのでしょう。
 いろんな要素が入り混じるオーソドックスなようで不思議なテイスト。
 ガットギターの諸作とはまた違った印象なのですが、どこかのほほんとした穏やかな感じ、素朴な感じは同じですかね?
 ジャズでもロックでもフォルクローレでもない、ちょっとだけ不思議感が漂うフォークロックなフュージョンミュージック。


 

posted by H.A.

【Disc Review】“Los viajes de dia” (2008) Rumble Fish

“Los viajes de dia” (2008) Rumble Fish

Claudio Bolzani (guitar, voice) Manuel Cerrudo (piano, keyboard) Gaston Bozzano (contrabass) Tuti Branchesi (drums, percussion)
Carlos Aguirre (piano, accordion) Mariano Suarez (trumpet, flugelhorn) Luis Suarez (flute) Ariel Migliorelli (bass)

 Shagrada Medraではありませんが、再びアルゼンチンのアーティストが続きます。
 アルゼンチンのバンドRumble Fish、ピアノトリオ+ガットギター+αでの静かなジャズフュージョン。
 名作“Luz de agua” (2005)、"Creciente'' (2016)の Claudio Bolzaniがメンバー、Carlos Aguirre もゲストで数曲参加。
 あの儚げなスキャットが時折乗ってきますが、あくまでピアノとギターを中心としたジャズフュージョン。
 キッチリ整ったビート感と洗練されたムード。
 Claudio Bolzani作品、あるいはQuique Sinesi諸作に近い空気感もありますが、さらにスッキリさせた感じ。
 ジャズ寄りの現代フォルクローレというよりも、少しだけ南米エスニックなジャズフュージョンの方がしっくりきます。
 実質的なリーダーはベースのGaston Bozzanoなのかもしれませんが、全体を通じた少し沈んだムード、端々のやるせないムードはClaudio Bolzani参加作品に共通する空気感。
 徹底的なまでに端正なピアノと、一歩後ろに引いた感じのとても静かで穏やかなギター。
 ドラムもベースもゲストも抑制された音使い。
 楽曲はメンバーのオリジナル曲にCarlos AguirreQuique Sinesi, Toninho Horta
 いかにもな、少々センチメンタルな現代フォルクローレ~ブラジル・ミナスなメロディ。
 強いグルーヴやドカーンとくる場面はありません。
 終始抑制されたムードと端正に過ぎる音の流れは、さらりと聞き流してしまいそうですが、じわじわとくる系。
 後ろでPat Metheny的なギターのストロークが静かに鳴り続く中での、Carlos Aguirre的なピアノの繊細な音が舞い落ちてくる”Villa Berna”など、なかなか他では聞けない色合いでしょう。
 抑制の美学、男の哀愁、静かな音のClaudio Bolzaniの面目躍如・・・ってなところ・・・かな?

※これはAca Seca Trio, Claudio Bolzani, Fernando Silvaの豪華メンバー。


posted by H.A.


【Disc Review】“Todas as Cores” (2015) Duo Taufic

“Todas as Cores” (2015) Duo Taufic 
Roberto Taufic (Guitar) Eduardo Taufic (Piano)

Todas as Cores
Duo Taufic
bar buenos aires
2015-04-30


 ブラジルの兄弟、ギターとピアノによるDuo作品。
 イタリアのボーカリストBarbara Casiniとの共演作“Terras” (2016)はオーソドックスな色合いのブラジリアンミュージックでしたが、それに近い時期の録音であろう本作は、静かなブラジリアンジャズフュージョン。
 Calros Aruirre絡みの“Danza Sin Fin” (1998) Quique Sinesiあたりのアルゼンチン現代フォルクローレに近い空気感もある優しい音。
 もう少し都会的で洗練された感じ、アメリカンフュージョンにも近い感じは、イタリアのジャズ、フュージョン、ポップス畑の色合いもあるのでしょうか?
 さておき、静かに、でも複雑に、ときおりの疾走を交えつつ絡み合うギターとピアノ。
 “Terras” (2016)よりも前面に出る場面が多いとても繊細な洗練されたギター。
 この前のDuo作品のプロデューサーはAndre Mehmariとのことで、なるほどのタメと疾走感、躍動感のピアノ。
 さりげないようで超絶、強烈な高速ユニゾンなども挟みつつ続く、ジャストなアンサンブルのオンパレード。
 Jobimナンバー一曲を除いて二人のオリジナル曲。
 懐かし気で美しい、いかにもブラジリアンなメロディ揃い。
 Egberto Gismonti的な超絶技巧なハードな曲も何曲か・・・と思っていたら、当人からのメッセージも寄せられているようです。
 などなど、スパイスが効いた場面もありますが、基本的には静かで美しい優しい音。
 たっぷりのエコーが効いた素晴らしい録音も手伝って、ギターのソロが始まると周囲の湿度が下がるような気がするし、ピアノのソロが始まると少し温度が上がるような感覚でしょうか。
 流れていると周囲の空気が浄化されていくような、清廉で上質な空気感。
 とてもとても洗練されたブラジリアンアコースティックDuoの一作。


 

posted by H.A.

【Disc Review】"Resiliência" (2016) Vinícius Gomes

"Resiliência" (2016) Vinícius Gomes
Vinícius Gomes (Guitar)
Gustavo Bugni (Piano) Bruno Migotto (bass) Edu Ribeiro (drums) Rodrigo Ursaia (Sax)
Rubinho Antunes (Trumpet) Daniel de Paula (drums)
Ricardo Takahashi, Daniel Moreira (violin) Daniel Pires (Viola) Vana Bock (Cello)



 ブラジル、サンパウロの若手ギタリストVinícius Gomesのブラジリアンコンテンポラリージャズ作品。
 ゲストで参加した“Fronteira” (2017) Rafa Castroのようなフォルクローレ的コンテンポラリージャズではなくて、少々複雑系のハイテンションジャズ。
 ギターはToninho Horta的ではなくて、Chico Pinheiro的というか、コンテンポラリージャズ的というか。
 クリーントーン、加速しながらテクニカルなフレーズを流麗に紡いでいくスタイル。
 背景を固めるピアノトリオ、ギターと代わる代わるに前面に立つサックスはアメリカンな色合いのコンテンポラリージャズ。
 複雑なビート、メカニカルなメロディに複雑な編曲。
 クールなサックスに飛び跳ねるピアノ、自由に動いているようでピッタリと収まるドラムとベース。
 サックスとギター、あるいはピアノが同時に即興演奏を行っていくような場面がちらほら、新しい線を狙っているのでしょう。
 ちょっと聞いただけだとニューヨーク系かと思うような音の流れ。
 ガットギターが出てくると、やっぱりブラジル系・・・とも思うのですが、全編フリービート、ルバートでの超スローバラードはバンド全員がECM的な演奏だったり・・・
 あるいは、近年、ブラジルではストリングスカルテットを絡めるのが流行っているのでしょうか?本作でも冒頭曲で彩りを加えています。
 などなど、いろんな要素が絡み合うような音、全体のイメージはあくまでコンテンポラリージャズ。
 このあたりがフォロクローレ系ではない、ジャズ寄りのブラジルの若手の主流な音なのでしょうかね。
 これならCrissCross、Blue Noteあたりから出ていてもおかしくない色合い。
 そんなジャズな一作。




posted by H.A.

【Disc Review】“Kele Mou Bana” (1991) Don Pullen & The African Brazilian Connection

“Kele Mou Bana” (1991) Don Pullen & The African Brazilian Connection
Don Pullen (Piano)
Nilson Matta (Bass) Guilherme Franco (Berimbau, Percussion, Timba, Timbales) Mor Thiam (Chimes, Djembe, Rainstick, Sound Effects, Vocals) Keith Pullen, Tameka Pullen (Vocals) Carlos Ward (Bass, Alto Sax)

Kele Mou Bana
Don Pullen
Blue Note Records
1992-02-25

 
 Don Pullen、Blue Noteでの名作エスニックジャズ。
 バンド名通りにAfrican & Brazilian。
 1970~80年代のフリージャズ、ハードなジャズを経た、少々ポップなエスニックなジャズ。
 歴史的にはアフリカ、ブラジル、ヨーロッパ、北アメリカの結節点がキューバだろうし、同じ時期に共演しているKip Hanrahanの影響もあったのでしょうかね?
 とにもかくにもアフリカンなパーカッションとサンバ混じりビート。
 キャッチ―なメロディ。
 それでいて硬派なジャズ。
 まずまずおとなしく始まりますが、音楽が進み、興が乗ってくると徐々に正体を露わにし、気がつけばド激しい系。
 グーの手でグリグリグリグリ、鍵盤をいたぶりまくり。
 まー、激しいやらカッコいいやら。
 Kip Hanrahan諸作を含めて、あまりフリーにはいかないこのくらいのDon Pullenがいいなあ。
 フリーな作品の中にもそんな楽曲がさり気なく置かれていましたが、この期の作品はそれを集めたアルバム揃い。
 とてもわかりやすくて、それでいて十二分にマニアックでカッコいい、エスニックジャズ。
 20年以上経った今聞いても大名作だと思うのだけど、世評はどうなのでしょう・・・?




posted by H.A.


【Disc Review】“Em Casa Com Luiz Eça” (2017) Igor Eça

“Em Casa Com Luiz Eça” (2017) Igor Eça
Igor Eça (bass, guitar, voice)
Toninho Horta (guitar, voice) Itamar Assiere (piano) Jurim Moreira, Ricardo Cota (drums)
Dori Caymmi, Edu Lobo, Zé Renato (voice) Mauro Senise (flute, sax) 

Em Casa Com Luiz Eca
Igor Eca
Imports
2017-04-21


 ブラジル、ジャズサンバトリオTamba TrioのピアニストLuiz Eçaへのトリビュートアルバム。
 リーダーは明記されていませんが、息子さんのIgor Eçaが仕切ったのでしょうかね?
 楽曲はLuiz Eçaの作品を中心とした、オーソドックスなジャズサンバ。
 バンドはピアノトリオ+ギター+木管を中心とした、これまた由緒正しいオーソドックスなブラジリアン・ジャズフュージョン編成、一部ボーカル入り。
 そのギターがToninho Horta
 ガットギターはもちろん、丸い音のエレキギターもたっぷり。
 さらにボーカルはそのToninho Hortaに加えて、Dori Caymmi, Edu Loboの豪華ゲスト陣。
 ま、想像通りの平和で楽し気な音。
 普通・・・といえばその通りなのですが、Toninho Hortaのギターがたっぷり聞ければ文句なし。
 やはりこのあたりのサウンドは、気楽に安心して聞けるなあ・・・


※別のバンドから。


posted by H.A.

【Disc Review】“Como Dibujo Agua” (2009) Mario Gusso

“Como Dibujo Agua” (2009) Mario Gusso
Mario Gusso (percussion, kalimba)
Sebastian Macchi (piano) Javier Lozano (piano, rhodes) Maria Elia (piano, voice) 
Diego Penelas, Joaquín Errandonea (Guitar, Voice) Sebastian Esposito, Cesar Silva, Pepe Luna (guitar) 
Willy González, Carlos Marmo, Guillermo Delgado (bass)
Micaela Vita (Voice) Franco Luciani (harmonica) 

COMO DIBUJO DEL AGUA
MARIO GUSSO(マリオ・グッソ)
PAI
2010-08-15


 アルゼンチンジャズ、現代フォルクローレのパーカッショニストのリーダー作。
 Carlos Aguirre 閥の人なのかどうかはわからないのですが、Carlos Aguirre的大名作の“Luz de agua: Poemas de Juan L. Ortiz - Canciones” (2005)のピアノ、Sebastian Macchiの参加に惹かれて聞いてみた一作。
 フォルクローレ、ジャズ、ソウル、ポップス・・・などなど、いろんな色合いがフュージョンする、アルゼンチン・ジャズ・フュージョン。
 楽曲の提供者によって音のイメージは異なります。
 何曲かのSebastian Macchiの楽曲は、Carlos Aguirre的、繊細な現代フォルクローレ。
 その他諸々、スパニッシュ風ギターが前面に出たり、女性ボーカルがフィーチャーされたり、アメリカ南部ロック風だったり、やはり繊細なピアノが全体を支配したり・・・
 ってな感じで、定番の繊細なガラス細工のような現代フォルクローレではなく、元気なジャズフュージョン。
 あるいはそれらがフュージョンし、交錯するアルバム。
 目立つのはリーダーの激しいドラムと、Willy Gonzálezの前面に出て動きまくるエレキベース。
 ちょっと強めの音ですが、なんだかんだで、優し気で懐かし気な空気感は南米の人特有の色合い。
 ブラジリアンなジャズは最高ですが、アルゼンチンなジャズもとてもカッコいい。
 その現代的な若者の音。


※Willy Gonzálezのバンドから。
 

posted by H.A.


【Disc Review】“University of Calypso” (2009) Andy Narell & Relator

“University of Calypso” (2009) Andy Narell & Relator
Andy Narell (Steel Drums, Other) Relator (Vocals, Guitar)
Dario Eskenazi (Piano) Gregory Jones (Bass) Mark Walker (Drums) Inor Sotolongo (Percussion) Pedro Martinez (Congas, Timbales, Bongos) Marcos Araya Correa (Cuatro)
Paquito D'Rivera (Clarinet, Alto Saxophone)



 この季節になると引っ張り出してくるスチールパン作品。
 本作は大御所カリプソアーティストであろうRelatorと、アメリカのAndy Narellによるカリプソ+ジャズフュージョン作品。
 この種のアルバムについて、その道に詳しくない人が解説しても野暮の極みなのですが・・・
 とにもかくにものどかで平和。
 さらに、ノスタルジックでとても優雅。
 音楽は全く違えど、同じカリブ海周辺、“Buena Vista Social Club” (1996)に近い空気感を感じるのは私だけでしょうか?
 Andy Narellの諸作のエアコンがよく効いた感じの心地よさではないのですが、カリブの陽光が見えてくるような音。
 これぞ南国、別種の心地よさ。
 Relatorさんの出す音、声は、そんなカリビアンネイティブな感じの圧倒的な存在感ですが、もちろんAndy Narellのバンドの音は、同じくカリブでもマイアミあたりの都会的、現代的な空気感。
 それらがフュージョンした、いい感じのバランス。
 楽曲は、トリニダード・トバゴ のカリスマなのであろうAldwyn Robertsの作品を中心とした、全てカリビアンクラシックなのでしょう。
 なんだか懐かしいようなムードを漂わせつつも、とても小粋で優雅なメロディの連続。
 Andy Narellの音はとても優雅な音なのですが、いつもの洗練されたカリビアンフュージョンのAndy Narellの作品としては異色、別種の優雅さ。
 いや、Relatorさんが音を出していない時間は、いつも通りなのかもしれません。
 Relatorさんの存在感、カッコよさに脱帽。




posted by H.A.

【Disc Review】“The Passage” (2004) Andy Narell

“The Passage” (2004) Andy Narell
Andy Narell (Steel Drums)
Mathieu Borgne (Drums, Percussion) Paquito D'Rivera (Alto Sax) Michael Brecker (Tenor Sax) Hugh Masekela (Flugelhorn) 
and Calypsociation Steel Orchestra

Passage
Andy Narell
Heads Up
2004-03-23


 ジャズフュージョン系スチールパン奏者Andy Narell、スチールパンのオーケストラを中心としたアルバム。
 ここまでの作品は、基本的にはジャズ、フュージョン系の編成でしたが、本作では本場のパンの集団演奏スタイルに近づけてみた、といったところでしょうか。
 後に少人数のパンの集団演奏を中心とした次作にあたる”Tatoom”(2006)がありますが、現在のところ、パンのオーケストラの形態ではそれと本作のみ。
 音楽のムードは、1970年代フュージョンな感じではありませんが、直球なカリビアンネイティブな感じでもなく、Andy Narellのそれ。
 都会的で洗練された哀愁が漂うメロディに、タイトなフュージョンドラム。
 が、他の音はパンのオーケストラなので、少人数のフュージョンコンボのタイトさとは一線を画す、ゆらぎというか、ゆるさのある音。
 これがいい感じのバランス。
 パン一台とパーカッションだけだとフュージョンっぽさが勝っていたのが、都会的に洗練されたムードを維持しながら、カリブっぽさが強くなっている感じでしょう。
 タイトさよりもゆらぎが勝り、クールだった音が楽し気になった感じ。
 最初から最後までフワフワしまくり。
 何曲かで登場するゲストの豪華ホーン陣が音を出すと、ちょっとだけ空気感が締まる感じもしますが、彼らもバンドのゆらぎに引っ張られているようで、心地よさげなインプロビゼーション。
 パン一台の方が、あるいは背景の音も薄めの方が、響きのニュアンスがきっちり感じられて、儚げで悲し気なムードも強くなるように思うのですが、ま、これはこれでとても楽し気でいい感じでしょう。
 カリビアン・フュージョンってな語感にはこっちの方が合っているんだろうなあ。
 南国ムードたっぷり。
 コンボ作品のようなエアコンが効いたリゾートホテルのラウンジな感じではなく、”Tatoom”と同様、リゾートホテルのラウンジでもオープンエアー。
 ちょっと温めの湿り気を帯びた風。
 エアコンに慣れてしまった体には、かえって心地よいのではないのかな?
 この手の音は野暮なことなど考えないで、ボケーっと聞くのが吉、なのでしょうね。




posted by H.A.

【Disc Review】“Live in South Africa” (2001) Andy Narell

“Live in South Africa” (2001) Andy Narell
Andy Narell (Steel Pans)
Louis Mhlanga (Guitar) Andile Yenana (Keyboards)
Denny Lalouette (Bass) Rob Watson (Drums) Basi Mahlasela (Percussion)

Live in South Africa
Andy Narell
Heads Up
2001-04-24


 ジャズフュージョン系スチールパン奏者Andy Narellのライブアルバム。
 ここまでの作品から人気曲?、キャッチーな楽曲を集めて、サポートはオーソドックスなジャズフュージョン編成でのコンボでの演奏。
 ギタリストは前作“Fire in the Engine Room” (2000)と同様ですが、他のメンバーは“Sakésho” (2002)とは違う面々。
 サウンド的には前作と似た感じでシンプルなのですが、楽曲のムード含めて、結果的には“The Long Time Band” (1995)ぐらいまでのアメリカンフュージョンなAndy Narellと、それ以降のナチュラルなカリビアンジャズフュージョンが交錯する作品。
 キャッチーなメロディの楽曲を揃え、タイトなバンドの完璧な演奏。
 ライブながらスッキリした演奏が揃っています。
 バンドはオーソドックスなラテンフュージョンバンドですが、哀愁のメロディと、憂いを含んだパンの音もライブでもそのまま。
 ライブでの冒険のような場面はありませんが、各曲ともスタジオ録音よりも長尺、充実したインプロビゼーションあり、終盤に向けて盛り上がっていくドラマチックな構成もあり。
 都会的で洗練されたフュージョンあり、ナチュラルなフュージョンあり、いかにもカリビアンな陽気な演奏あり。
 ここまでの集大成、たっぷり二枚組。
 ここまでのAndy Narellのさまざまな音、代表的な楽曲がまとめて聞けるという意味ではちょうどいい作品なのかな?




posted by H.A.


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