吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Latin Jazz/Fusion

【Disc Review】“Live à FIP” (2006) Omar Sosa

“Live à FIP” (2006) Omar Sosa

Omar Sosa (Piano, Electronics, Vocals)
Childo Tomas (Bass, Vocals) Steve Argüelles (Drums, Electronics) Miguel "Angá" Díaz (Percussion) Luis Depestre (Saxophone, Percussion)

Live a Fip
Omar Sosa
Ota Records
2006-10-10


 キューバのピアニストOmar Sosa、フランスでのライブ録音。
 同じくライブ録音の“Promise” (2007)に近い時期ですが、メンバーは全く異なります。
 そちらよりもオーソドックスなキューバン・ジャズフュージョンな感じでしょうか。
 静かなピアノソロから始まり、ゆったりとしたキューバンビートへ。
 徐々にテンションと音量が上がっていき、ベースが終始ブンブン唸っていますが、直近のアルバムに当たる “Mulatos” (2004)と同様に、落ち着いた系のOmar Sosaミュージック。
 そちらからも何曲か選曲され、洗練されたキューバンジャズフュージョン演奏が続きます。
 強いグルーヴを作るベースと静かにビートを刻むドラム、その上で漂い、時に激しく突っ走るピアノ。
 オーソドックスな現代ジャズ的フレーズを奏でるサックスも手練れた感じ。
 ライブながら、本作もスッキリ落ち着いたOmar Sosaミュージック。
 かつての闘士からすっかり作風が変わったOmarさん、イタリアンPaolo Fresuとのライブの“Promise” (2007)、さらには極めつけに静謐なソロピアノ作品“Sensec” (2012)などへと続いていきます。




posted by H.A.


【Disc Review】“Mulatos” (2004) Omar Sosa

“Mulatos” (2004) Omar Sosa

Omar Sosa (piano, synthesizer, Fender Rhodes, vibráphone, marimba, percussión, voice)
Dhafer Youssef (oud) Aziz Arradi (guembri) Dieter Ilg (bass) Steve Argüelles (percussión, scratches) Philippe Foch (tabla) Renaud Pion, Paquito D’Rivera (clarinet)

Mulatos
Omar Sosa
Ota Records
2004-10-12


 キューバのピアニストOmar Sosa、無国籍なワールドワイド・ジャズフュージョン。
 かつての怒涛のような激烈な演奏から熱が下がり、洗練された落ち着いた音。
 ゆったりと落ち着いたキューバンビートに名手Paquito D’Riveraのクラリネット、さらには中近東、インドなどの楽器が交錯する無国籍なフュージョンミュージック。
 ときおり加わるヴォイスも叫び系ではなく、鼻歌っぽい柔らかさ。
 ウードとバンドとの絡み合い、複雑な管楽器のアンサンブル、タブラを背景にした静かでゆったりとしたピアノの響き、などなど、抑制されたさまざまな楽器の絡み合い。
 静かな空気感の中、ピアノも端正でクラシカルな上品さが目立っています。
 ここまで落ち着いてしまうと、“Prietos” (2001) などのような、これでもかこれでもかが聞きたくなってしまう感、無きにしも非ずですが、これはこれでとてもいい感じ。
 静かで落ち着いたOmar Sosaミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sentir” (2002) Omar Sosa

“Sentir” (2002) Omar Sosa

Omar Sosa (piano, percussion, voice)
Gustavo Ovalles, Martha Galarraga, John Santos (percussion, voice) 
El Houssaine Kili (guembri, qarqabas, tan tan, voice) Mulay M´Hamed Enneji Fakijan (guembri, darbukkah) Yassir Chadly (guembri, palmas) Bouchaib Abdelhadi (oud, violín marroquí) Terence Nicholson “Sub Z” (poesía rapera, palmas) Randy Rood (didgeridoo)  Justo Soler (voice)

Sentir
Omar Sosa
Ota Records
2002-03-12


 キューバのピアニストOmar Sosaのアフロキューバンなワールドミュージック。
 本作はジャズ的編成のピアノトリオ+管楽器ではなく、ピアノとパーカッションをベースとして、ヴォイス、コーラス、そして民族楽器を乗せてくる編成。
 厚みと音量が抑えられ、落ち着いた音。
 静かな音を背景に、アフリカその他が入り混じっているのであろうヴォイスの絡み合いが幻想的に響きます。
 何曲かハイテンションな疾走曲もありますが、ピアノとパーカッションの個々の響きが鮮明に聞こえ、音の塊が怒涛のように押し寄せてくる“Prietos” (2001) などの激しい系の諸作とはまた違う色合い。
 静かで内省的、耽美な音に変わってゆくのは、このアルバムの頃のようです。
 素朴なような懐かしいような、不思議なメロディの楽曲たち。
 幻想的な空気感をあわせて、どこか遠い所の遠い時代に連れて行ってくれる、心地よいトリップミュージック。
 危険な感じがあまりしないので、安心してトリップできそうです。




posted by H.A.


【Disc Review】“Prietos” (2001) Omar Sosa

“Prietos” (2001) Omar Sosa

Omar Sosa (Piano, Timbales, Vocals)
Geoff Brennan (Bass) Elliot Kavee (Drums) Limberg Valencia (Marimba, Percussion) Harouna Dembele, David Frazer, Gustavo Ovalles, John Santos, Puntilla Jr. (Percussion)
Sheldon Brown (Saxophone, Clarinet) Nestor Zurita (Alto Sax) Robbie KwockCarlos Avila (Trumpet) 
Will Power (Rap) Martha Galarraga, María Márquez, Darina Ortiz, La Voz del Niño Dios, Michel Ferre (Vocals) Heleno Goulart, Vladimir Espinoza, Abdejalil Kodssim, Aziz Arradi, Shariff, José Raul Garcia (Vocals, Percussion) Yassir Chadly (Vocals, Percussion, Strings, Oud)
John Santos (Bata, Udu, Berimbau, Waterphone) Aly Keita (Balafon) Moulay M'Hamed Enneji Fakihan (Mandolin) Puntilla Jr. (Yoruba Prayer) María Auxiliadora Figueiredo (Brazilian Poetry)

Prietos
Omar Sosa
Ota Records
2001-05-08


 キューバのピアニストOmar Sosa、怒涛のアフロキューバンジャズファンク。
 ピアノトリオをベースに、パーカッション、ホーン、ヴォイス、その他諸々の分厚い音が乗ってくる激しい音。
 これでもかこれでもかとねじ込んでくる、徹底的に血沸き肉躍る体育会系、あるいは戦闘系。
 前作に当たる“Bembón” (2000)よりも分厚く激しい音に聞こえます。
 ど激しく動きまくるベースラインに、ドラム、キューバン、アフリカン、ブラジリアンが入り混じるパーカッションが分厚く鳴り響き、怒涛の管楽器にキューバンコーラスはもとより、魂の叫び系のヴォイスやらラップやら。
 さらに突っ走り、叩きまくられるピアノ。
 それらが絡み合いカオス化し、かき混ぜられ、塊になって押し寄せてきます。
 聞き終わるとスカッと爽やかというか、疲れてヘトヘトというか、頭クラクラというか、まー何と申しますか・・・
 後に“Sensec” (2012)など、静謐な内省系の作品を作る人には思えません。
 クールな“Tenderness” (1988-1990) Kip Hanrahan、ド派手な“Live In Havana” (1986) Gonzalo Rubalcaba、“Spirits of Havana” (1991) Jane Bunnettなどの名作とはまた違った感じの、アフロキューバン・ハード・ジャズフュージョンの極めつけ。
 タイトル通り“黒い”情念、ここに極まれり。




posted by H.A.


【Disc Review】“Bembón” (2000) Omar Sosa

“Bembón” (2000) Omar Sosa

Omar Sosa (Piano, Marimba, Percussion)
Geoff Brennan (Bass) Elliot Kavee, Josh Jones (Drums)
Carlos Caro (Bongos, Percussion) Papá Roncón (Marimba, Percussion, Vocals) John Santos (Percussion) Orestes Vilató (Timbales) 
Gerardo Cilvetti (Violin, Viola) Daniel Khachatrian (Cello)
John Calloway (Flute) Robbie Kwock (Trumpet, Flugelhorn) Sheldon Brown (Saxophone, Clarinet)
Will Power (Rap) Maria Márquez, Marquita Garcia, Erodita Wila Valencia, Maria Vernaza, Rosa Wila Valencia (Vocals)

Bembon
Omar Sosa
Skip
2000-04-14


 キューバのピアニストOmar Sosaのアフロキューバンジャズ。
 後にいろいろな表情の音楽を作る人ですが、本作は“Free Roots” (1997)の流れを汲む怒涛のアフロキューバン・ジャズファンク。
 ハイテンションなそちらからさらにギアを上げた、超弩級のハードネス。
 分厚いパーカッションが繰り出す複雑でしなやかなアフロキューバンビートにホーン陣、激しく動きまくるドスの効いたベースに、キューバン、あるいはアフリカンなコーラス。
 さらにはラップやらストリングスやらも加わる、とてもとても豪華な編成。
 ピアノはHerbie Hancockに、クラシックとラテンの色合いを強く混ぜて、テンション上げまくった感じ。
 転げまくり疾走しまくる、いかにもキューバンなカッ飛びピアノ。
 ラテンな哀感たっぷり漂うメロディ、ときおりの幻想的なバラード演奏にホッとしつつも、押して押して押しまくるハイテンションな演奏、てんこ盛り。
 血管切れそう。
 激しさ、妖しさ100%。
 さらにもっと激しく妖しい“Prietos” (2001)へと続きます。




posted by H.A.


【Disc Review】“Free Roots” (1997) Omar Sosa

“Free Roots” (1997) Omar Sosa

Omar Sosa (Piano, Marimba)
Rahsaan Fredericks (Bass) Elliot Kavee (Drums) Jesús Diaz (Percussion) Steve Robertson (Tabla)
Sheldon Brown (Soprano, Alto, Tenor Sax, Bass Clarinet) Marty Wehner (Trombone) Bill Ortiz (Trumpet) Anthony Blea (Violin)
Will Power (Rap) Felix "Fito" Reinoso, Edgardo Cambón, Eric Rangél, José Luis Gómez, Orlando Torriente (Vocal)

Free Roots
Omar Sosa
Ota Records
2000-06-24


 キューバのピアニストOmar Sosa、アフロキューバン・ジャズファンク。
 近作では“Sensec” (2012)初め、内省的で静かな音楽が中心ですが、この期は強烈なビートと激しい怒涛の演奏。
 ピアノトリオとパーカッションに、ホーンとバイオリン、ヴォイス、さらにラップ。
 ラップを除けばオーソドックスな編成といえばそうなのですが、全員超ハイテンション。
 酒場に集まってワイワイガヤガヤ・・・なんて優雅な感じのキューバンミュージックではなくではなく、戦闘状態。
 複雑なビートに地の底でのたうち回るようなベース、アフリカンな魂の叫び系のヴォイスと、これまた魂の叫び系のホーン陣、叩きまくられブチ切れたように突っ走るピアノ・・・
 後の“Prietos” (2001)などと比べると、まだ隙間がある音なのかもしれませんが、全体を覆うダークな空気感も含めて、血管切れそうというか、息詰まりそうというか・・・
 途中のバラードや4ビートの場面にホッとしつつも、気がつけば怒涛のブレーク、ユニゾン、ハイテンションな雄叫び・・・
 圧倒的な演奏力と気合いに裏打ちされた、パンクなまでに激しいアフリカン・キューバン・ジャズ・ファンク。




posted by H.A.


【Disc Review】‎”Orquestra À Base De Sopro De Curitiba & André Mehmari” (2011) Orquestra À Base De Sopro De Curitiba, André Mehmari

‎”Orquestra À Base De Sopro De Curitiba & André Mehmari” (2011) Orquestra À Base De Sopro De Curitiba, André Mehmari

André Mehmari (Piano)
Mário Conde (Electric Guitar) Davi Sartori (Electric Piano) Marsal Nogueira (Acoustic Bass) Graciliano Zambonin (Drums) Iê Dos Santos (Percussion)
Douglas Chiullo, Ozéias Veiga (Trumpet) Alexandre Santos, Osmário Estevam Júnior (Trombone) Sergio Monteiro Freire (Tenor Sax) Alexandre Ribeiro (Bass Clarinet) Jacson Vieira, Otávio Augusto (Clarinet) Sebastião Interlandi Junior (Flute) Gabriel Schwartz, Victor Gabriel Castro (Flute, Alto Sax) Clayton Rodrigues (Flute, Piccolo Flute)

 ブラジルのスーパーピアニストAndré Mehmari、ホーンのオーケストラとの共演ライブ作品、コンサートの映像のDVDとのセット。
 いわゆるビッグバンドに近い編成で、確かにビッグバンドでのコンテンポラリージャズな音楽が中心ですが、クラシックな色合いも強いこの期のAndré Mehmariの音楽。
 金管でドカーンとくる場面よりも柔らかなフルートが前面に出る優しい場面が印象に残ります。
 楽曲は有名どころを少々と過去の作品で演奏されていたオリジナル曲のカバーが中心。
 冒頭はMilton Nascimentoナンバーのメドレー。
 “Native Dancer” (1974)の冒頭を飾った”Ponta de Areia”がメロディの芯だけを残して解体され、舞い落ちてくるような静かなピアノの高音~クラシカルな雰囲気のアンサンブルに模様替え。
 続くは“Speak Like a Child” (Mar.1968) Herbie Hancockな感じのコンテンポラリージャズ、ラテンなジャズ、あるいは“Lachrimae” (2003)のタイトル曲がまろやかな管の音で包み込まれつつさらにドラマチックになっていたり、得意の優雅なワルツだったり、さり気なく取り上げられたToninho Hortaのバラードがアップテンポになっていたり。
 ピアノはいつも通りに突っ走っています。
 大所帯ゆえか、いつもよりも少し後ろに下がった感じにも聞こえますが、やはり強烈です。
 ホーンのアンサンブル、あるいはジャジーなギター、サックス、トロンボーンなどと絡み合いながらのスーパーピアニストぶり。
 終盤、楽し気に盛り上がって締め、アンコール的な追加はクラシカルなピアノとフルートとのDuo。
 ブラジリアンなコンテンポラリー・クラシカル・ビッグバンド・ジャズ。
 妙な言葉ですが、そんな感じ。
 いつもながらに上品で前向きで気持ちいいなあ。




posted by H.A.


【Disc Review】"PAZ” (2002,2015,2016) Guillermo Rizzotto Trio

"PAZ” (2002,2015,2016) Guillermo Rizzotto Trio

Guillermo Rizzotto (electric guitar)
Paco Weht (bass) Salvador Toscano (drums) 
Natsuko Sugao (trumpet) Carme Canela (voice)



 アルゼンチンのギタリストGuillermo Rizzottoのトリオでの作品。
 “Solo guitarra” (2005,2011)など、ガットギターでクラシック混じりの現代フォルクローレ・・・ってなイメージが強いのですが、本作はすべてエレキギターでのフュージョンミュージック。
 ボーカル曲は一曲のみで、基本的にはシンプルな編成、ジャズっぽい軽快なドラムにちょっと重めなエレキベースのギタートリオ。
 ギターはクリーントーンが中心ではあるものの、たくさんの場面でエフェクターを使い、歪んだ音、チョーキングの場面もそこそこ。
 Pat Metheny的ではなく、フォーク~カントリー的+ディレイの場面はBill Frisell的であったり、プログロッシブロックな場面もありますが、全体的には素直な感じでしょうか。
 ガットギター諸作同様の浮遊感、ゆったりした感じはいかにも南米的でもあるし、今の人風でもあるし。
 そこはかとなく漂う現実から遊離したような幻想的な感じもこの人の音の色合い。
 が、ビートがしっかり効いている分、ガットギター諸作の沈んだ感じは薄く、明るい色合い、躍動も強い音。
 楽曲もフォークロック調でポップなメロディ。
 ま、ロック、ポップスを聞いて育った今の世代の音なのでしょう。
 いろんな要素が入り混じるオーソドックスなようで不思議なテイスト。
 ガットギターの諸作とはまた違った印象なのですが、どこかのほほんとした穏やかな感じ、素朴な感じは同じですかね?
 ジャズでもロックでもフォルクローレでもない、ちょっとだけ不思議感が漂うフォークロックなフュージョンミュージック。


 

posted by H.A.

【Disc Review】“Los viajes de dia” (2008) Rumble Fish

“Los viajes de dia” (2008) Rumble Fish

Claudio Bolzani (guitar, voice) Manuel Cerrudo (piano, keyboard) Gaston Bozzano (contrabass) Tuti Branchesi (drums, percussion)
Carlos Aguirre (piano, accordion) Mariano Suarez (trumpet, flugelhorn) Luis Suarez (flute) Ariel Migliorelli (bass)

 Shagrada Medraではありませんが、再びアルゼンチンのアーティストが続きます。
 アルゼンチンのバンドRumble Fish、ピアノトリオ+ガットギター+αでの静かなジャズフュージョン。
 名作“Luz de agua” (2005)、"Creciente'' (2016)の Claudio Bolzaniがメンバー、Carlos Aguirre もゲストで数曲参加。
 あの儚げなスキャットが時折乗ってきますが、あくまでピアノとギターを中心としたジャズフュージョン。
 キッチリ整ったビート感と洗練されたムード。
 Claudio Bolzani作品、あるいはQuique Sinesi諸作に近い空気感もありますが、さらにスッキリさせた感じ。
 ジャズ寄りの現代フォルクローレというよりも、少しだけ南米エスニックなジャズフュージョンの方がしっくりきます。
 実質的なリーダーはベースのGaston Bozzanoなのかもしれませんが、全体を通じた少し沈んだムード、端々のやるせないムードはClaudio Bolzani参加作品に共通する空気感。
 徹底的なまでに端正なピアノと、一歩後ろに引いた感じのとても静かで穏やかなギター。
 ドラムもベースもゲストも抑制された音使い。
 楽曲はメンバーのオリジナル曲にCarlos AguirreQuique Sinesi, Toninho Horta
 いかにもな、少々センチメンタルな現代フォルクローレ~ブラジル・ミナスなメロディ。
 強いグルーヴやドカーンとくる場面はありません。
 終始抑制されたムードと端正に過ぎる音の流れは、さらりと聞き流してしまいそうですが、じわじわとくる系。
 後ろでPat Metheny的なギターのストロークが静かに鳴り続く中での、Carlos Aguirre的なピアノの繊細な音が舞い落ちてくる”Villa Berna”など、なかなか他では聞けない色合いでしょう。
 抑制の美学、男の哀愁、静かな音のClaudio Bolzaniの面目躍如・・・ってなところ・・・かな?

※これはAca Seca Trio, Claudio Bolzani, Fernando Silvaの豪華メンバー。


posted by H.A.


【Disc Review】“Todas as Cores” (2015) Duo Taufic

“Todas as Cores” (2015) Duo Taufic 

Roberto Taufic (Guitar) Eduardo Taufic (Piano)

Todas as Cores
Duo Taufic
bar buenos aires
2015-04-30


 ブラジルの兄弟、ギターとピアノによるDuo作品。
 イタリアのボーカリストBarbara Casiniとの共演作“Terras” (2016)はオーソドックスな色合いのブラジリアンミュージックでしたが、それに近い時期の録音であろう本作は、静かなブラジリアンジャズフュージョン。
 Calros Aruirre絡みの“Danza Sin Fin” (1998) Quique Sinesiあたりのアルゼンチン現代フォルクローレに近い空気感もある優しい音。
 もう少し都会的で洗練された感じ、アメリカンフュージョンにも近い感じは、イタリアのジャズ、フュージョン、ポップス畑の色合いもあるのでしょうか?
 さておき、静かに、でも複雑に、ときおりの疾走を交えつつ絡み合うギターとピアノ。
 “Terras” (2016)よりも前面に出る場面が多いとても繊細な洗練されたギター。
 この前のDuo作品のプロデューサーはAndre Mehmariとのことで、なるほどのタメと疾走感、躍動感のピアノ。
 さりげないようで超絶、強烈な高速ユニゾンなども挟みつつ続く、ジャストなアンサンブルのオンパレード。
 Jobimナンバー一曲を除いて二人のオリジナル曲。
 懐かし気で美しい、いかにもブラジリアンなメロディ揃い。
 Egberto Gismonti的な超絶技巧なハードな曲も何曲か・・・と思っていたら、当人からのメッセージも寄せられているようです。
 などなど、スパイスが効いた場面もありますが、基本的には静かで美しい優しい音。
 たっぷりのエコーが効いた素晴らしい録音も手伝って、ギターのソロが始まると周囲の湿度が下がるような気がするし、ピアノのソロが始まると少し温度が上がるような感覚でしょうか。
 流れていると周囲の空気が浄化されていくような、清廉で上質な空気感。
 とてもとても洗練されたブラジリアンアコースティックDuoの一作。


 

posted by H.A.
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