吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

European

【Disc Review】“Lost Ships” (2020) Elina Duni, Rob Luft

“Lost Ships” (2020) Elina Duni, Rob Luft

Elina Duni (Voice) Rob Luft (Guitar)
Fred Thomas (Piano, Drums) Matthieu Michel (Flugelhorn)

Lost Ships
Elina Duni
ECM
2020-11-13


 アルバニアルーツの女性ボーカリストElina Duni、2020年作。
 本作はイギリスのギタリストRob Luftとの共作名義。
 サポートにピアノ、“The Gift” (2012) Susanne AbbuehlなどECM諸名作に参加する名フュリューゲルホーンが加わる静かな音。
 ECMではコンテンポラリージャズなColin Vallonトリオとの共演諸作、ナチュラルでフォーキー、懐かしい感じのソロ演奏“Partir” (2018)でしたが、本作は別な印象。
 地中海エスニックな色合いも残しつつ、センチメンタルでキャッチー、フォーキーなポップス色が濃厚。
 トラディショナルと二人のオリジナル曲が半々にその他を少々。
 スタンダード”I’m A Fool To Want You”を挟みつつ、締めになぜかシャルル・アズナヴールが待ち受ける、そんな構成。
 但し、全編静かで強い浮遊感、いかにもECMな色合い。
 ギターはアコースティックだけでなく、ジャズともロックともつかないクリーントーンなエレキギターがたっぷり。
 さらに零れ落ちてくるような美しいピアノとさりげない寂寥感を醸し出すフリューゲルホーンがフィーチャーされる場面も多く、それらはコンテンポラリージャズな音。
 入れ替わり立ち替わり入ってくる全ての楽器が音数を絞った静かな名演。
 そして全編を流れるほのかな哀しみ、懐かしさ。
 過去~現代、エスニック、ジャズ、ポップス、クラシックが交錯する音。
 そんな色合いの空間を泳ぐシルキーヴォイス。
 全部合わせて優しく美しく儚い音。
 センチメンタルなメロディたちとともにジワジワきます。
 鎮静剤、清涼剤としても、とてもよろしいかと。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Lontano” (2019) Anja Lechner, François Couturier

“Lontano” (2019) Anja Lechner, François Couturier

Anja Lechner (Cello) François Couturier (Piano)

Lontano
ECM Records
2020-10-16


 ドイツのチェロ奏者Anja LechnerとフランスのピアニストFrançois CouturierのDuo。
 “Nostalghia” (2005)などTarkovsky Quartetでの共演が続くコンビ。
 Duoでは“Moderato Cantablie” (2013)以来でしょうか。
 そちら、Anja Lechner の前作にあたるギターとのDuo“Franz Schubert: Die Nacht” (2018)はクラシックのECM New Seriesからでしたが、本作はECM Recordsから。
 クラシカルな色合いで静かに高音を敷き詰めていく美しいピアノ、それと絡み合うクールながらまろやかなチェロ。
 二人のオリジナル曲を中心にフランス、アルゼンチン、グルジア、さらにチュニジアのAnouar Brahem曲の再演など、多国籍、無国籍な楽曲群。
 いずれもセンチメンタルな表情。
 特に印象に残るのは序盤に収められたフォルクローレ?曲。
 二人の美しい音で奏でられていく南米的な哀愁、それも、穏やかでほのかに哀しいSaudade系ではなく、図らずとも涙腺が緩む胸締め付けられる系。
 哀感の強弱は付きつつも、それをピークとして、全編を包み込む哀し気な表情。
 とてもメロディアス。
 派手なインプロビゼーションはなく、深層を覗き込むような怖さ、現代音楽的な気難しさもありません。
 クールで淡々とした印象。
 が、とても哀しく美しいメロディと静かな抑揚、ジワジワくる系。
 François Couturier, Tarkovskyな不思議感、迷宮感よりも、ストレートな哀感が勝る本作。
 とてもセンチメンタル。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“La traverse” (2019) Matthieu Bordenave

“La traverse” (2019) Matthieu Bordenave

Matthieu Bordenave (Tenor Saxophone)
Florian Weber (Piano) Patrice Moret (Double Bass)

La traversée
Matthieu Bordenave
ECM
2020-09-25


 フランスのサックス奏者Matthieu Bordenave、ドラムレストリオ。
 日本人ドラマーのECMでのアルバム“For 2 Akis” (2017) Shinya Fukumoriに参加していた人。
 そちらと同様、とても繊細な音。
 サポートはドイツの名ピアニストFlorian Weberに、ベースはスイスのColin Vallon Trioの人。
 近年のECMの管楽器入りアルバム、オーソドックスなジャズな感じのモノも多い印象がありますが、本作は違うテイスト。
 静かでほどほど抽象的、フリー混じりのコンテンポラリージャズ。
 終始ゆったりした漂うようなビート。
 ドラムレスゆえの浮遊感と余白。
 ほどよいサブトーンを含んだ力みのないサックス、零れ落ちてくるピアノ、穏やかなベースの絡み合い。
 サックスはECMのCharles Lloydをさらに繊細に淡くした感じでしょうか。
 不思議感たっぷり、普通にメロディスな感じとは少しズレた感じの音の流れ。
 但し、極めて美しい音。
 最初から最後までゆったりと、美しい音が漂い、ときに軽やかに疾走しながら、サラサラと流れていきます。
 普通ではないながら気難しく聞こえないのは、美しい音と、個々のフレーズがメロディアスだからでしょうか。
 さわると壊れてしまいそうな繊細さ。
 集中して聴けば緊張感たっぷり。
 が、暗くなくない優しい音、サラサラした質感ゆえ、BGMとしてもいい感じ。
 白い壁の現代美術館で流れていそうな感じもしますが、それよりも温度、湿度高め、少々脂がのった人臭い音、そんなバランス。
 ジャケットもそんな感じですね。
 いずれにしても淡くて美しい時間。
 どう使うかはその時の気分次第。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Rivages” (2018) Jean-Louis Matinier

“Rivages” (2018) Jean-Louis Matinier

Jean-Louis Matinier (Accordion) Kevin Seddiki (Guitar)

Rivages
Jean-Louis Matinier, Kevin Seddiki
ECM
2020-05-29


 フランスのアコーディオン奏者Jean-Louis Matinier、同じくギタリストKevin SeddikiとのDuo。
 Jean-Louis Matinier、ECMレコードではAnouar BrahemFrançois Couturierの諸作に参加している人。
 それらの中近東~地中海エスニックでも、心の深層覗き込む系でもない、いわゆるミュゼットの雰囲気も混ざっているのでしょうか、いかにもフレンチな洒落たムード。
 但し、現代的で静かで哀しげ、落ち着いた音。
 ECMらしくひんやりとした感じも漂っていますが、気難しさはなく、わかりやすくメロディアス。
 オリジナル曲を中心に映画音楽、クラシック曲を加えたメロディは、穏やかで懐かしくて、少し哀しげ、そしてキャッチー。
 それらを奏でる揺らぐアコーディオン、キリッとしたガットギター。
 奇をてらったところのない、かつ過不足のないアンサンブル。
 控えめなインプロビゼーション、揺れ動くアコーディオンの音が消え入る瞬間に入ってくるオブリガードがいい感じ。
 ジャズとしては抑制的、ニューエイジ(死語?)としては揺らぎの多い音。
 これ見よがしではないそこはかとなく漂う懐かしい感じ、やるせないムード。
 ECMならではの美しい音、澄んだ空気感。
 全部含めて絶妙なバランス。
 何か懐かしいモノが見えてくるような心地よい音。
 ジャケットのポートレートもそんな感じ、近年出色のカッコよさ。
 これまたSaudade。
 ジワジワきます。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Remember me, my dear” (2014) Jan Garbarek, The Hilliard Ensemble

“Remember me, my dear” (2014) Jan Garbarek, The Hilliard Ensemble

Jan Garbarek (soprano saxophone)
The Hilliard Ensemble:
David James (countertenor) Rogers Covey-Crump, Steven Harrold (tenor) Gordon Jones (baritone)

Remember Me, My Dear
Hilliard Ensemble
Ecm
2019-10-18

 Jan Garbarek、The Hilliard Ensembleとの共演、2019年発表。
  “Officium Novum” (2010)後、“Officium Farewell”なるツアーの際のライブ録音、2014年。
 本作、先の三作に比べて、音がさらに広い空間に広がっていくイメージ。
 それも強烈に。
 リバーヴを伴いどこまで広がっていくソプラノサックス。
 気が付けば低く鳴っている静かなストリングスのようなコーラス。
 コーラスの音量が上がり、スキャットが言葉に代わる頃には周囲は別世界。
 ここまで美しいソプラノサックスの音は、他にあるのでしょうか。
 コーラスを含めてたっぷりのリバーブを残しながらゆっくりと動いていく柔らかな音。
 前三作ではスッキリとまとめられていた極めて完成度の高い音が、強い生気を伴ってゆっくりと動き出し、拡散し、周囲を包み込んでいく感じ。
 澄み渡った空気感は諸作と同様ですが、少し温度、湿度が上がった感じ、広大に広がる音は、ここまでの三作とは印象が異なります。
 コーラスとサックスは溶け合ったり、対峙したり、さまざまな表情、素晴らしいバランス。
 自然の成り行きで出来上がったモノなのか、そこまで含めてコントロールされたものなのかはわかりません。
 それら含めて生の音そのままなのか、一定の加工がなされたのかもわかりません。
 いずれにしてもおそろしいまでに豊かで、柔らかで、敬虔で、美しく、穏やかな世界。
 強烈な非日常感、別世界からの音。
 極めつけ。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Officium Novum” (2010) Jan Garbarek, The Hilliard Ensemble

“Officium Novum” (2010) Jan Garbarek, The Hilliard Ensemble

Jan Garbarek (Soprano, Tenor Saxophone)
The Hilliard Ensemble:
David James, Gordon Jones, Rogers Covey-Crump, Steven Harrold (Vocals)

Officium Novum
Hilliard Ensemble
Ecm Records
2010-10-05


 Jan Garbarek、The Hilliard Ensembleとのアンサンブル、“Officium” (1993)、“Mnemosyne” (1999)に続く第三作。
 前作から十年が経過しているようですが、ここまでの二作と同様に、静謐、清廉、敬虔な天上サウンド。
 第一作“Officium” (1993)では、コーラスとサックスが別の場所から聞こえるように、あるいは対峙しているように聞こえ、それが特別な緊張感を醸し出していたように感じました。
 本作、前作では、サックスの音量をわずかに落とし定位を調整したのか、サックスがコーラスの一部のように全体が溶け合う場面が増えたように感じます。
 元々極限までに洗練されていたようなサウンドが、さらに洗練され、熟成し、より柔らかくマイルドになったようにも感じます。
 が、それは聞いた際のこちらの気持ちの違いなのかもしれませんし、楽曲の違いに寄るところなのかもしれません。
 本作ではKomitasの楽曲が多く取り上げられ、アルメニアをテーマにしているのかもしれません。
 いずれにしても、キリリとしつつもまろやかなサックスの音とフワリとしたコーラスが一体化して周囲を包み込む、極上の音。
 哀しげでやるせない空気感、が、前向きで優しい音。
 ヨーロッパ近辺の人々にとっては、もっと深い捉え方ができる特別な音なのでしょう。
 歴史観、宗教観が全く異なる極東の現代人にとっても、最高の慈しみサウンド。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Mnemosyne” (1999) Jan Garbarek, The Hilliard Ensemble

“Mnemosyne” (1999) Jan Garbarek, The Hilliard Ensemble

Jan Garbarek (Soprano, Tenor Saxophone)
The Hilliard Ensemble:
David James, Gordon Jones, John Potter, Rogers Covey-Crump (Vocals)

Mnemosyne
Hilliard Ensemble
Ecm Import
1999-10-05


 Jan Garbarek、クラシックコーラス隊The Hilliard Ensembleとのアンサンブル、“Officium” (1993)に続く第二作、同じくECM New Seriesから。
 たっぷり二時間に近い大作。
 近い時期ECM Recordsからの“Rites” (1998) Jan Garbarekに並ぶ大作、敬虔な空気感も同様ですが、勇壮で沈痛なそちらに対して、静謐、清廉な本作。
 タイトルは記憶、あるいはそれにまつわる女神?とのこと。
 古楽、クラシックの楽曲にオリジナル曲を加えつつ、遠い記憶を呼び戻し、拾い集め・・・なストーリーが込められているのかもしれません。
 全編に流れる仄かな哀しみ、希望なのか落胆なのか絶望なのか、言葉がわからないだけにかえって想像力が掻き立てられる音。
 ともあれ、とても柔らかく優しい音、前作“Officium” (1993)と同じく天上の音。
 前作ではサックスとコーラスが別の位相から聞こえてくるような不思議なバランスでしたが、本作ではサックスとコーラスが同じ場所から聞こえてくる場面が増えたように感じます。
 その分、より自然に響いてくるように、リラックスして聴けるようにも感じます。
 いずれにしても周囲の空気、景色をガラリと変える特別な音、陶酔へと誘う静かな音。
 非日常、非現実への強烈なトリップミュージック。
 全編通して集中して聴くと、心身が浄化され、生まれ変われる・・・かも・・・


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Officium” (1993) Jan Garbarek, The Hilliard Ensemble

“Officium” (1993) Jan Garbarek, The Hilliard Ensemble

Jan Garbarek (Soprano, Tenor Saxophone)
The Hilliard Ensemble:
David James, Gordon Jones, John Potter, Rogers Covey-Crump (Vocals)

Officium
Ecm Records
1999-11-16


 ノルウェーの大御所Jan Garbarek、こちらもクラシックコーラス?の大御所The Hilliard Ensembleとの共演。
 ECM New Series、もちろんジャズではなくクラシック。
 この領域には疎く、古楽なのかクラシックなのか教会音楽なのかグレゴリオ聖歌なのか、聖歌コーラスとサックスの組み合わせが一般的な手法なのかどうか、その他諸々わかりません。
 とにもかくにも、ヴォイスアンサンブルとサックスが絡み合う、この世のものとは思えないほどの美しい世界。
 静謐、清廉、敬虔。
 ゆったりと静かに鳴るコーラスと、それに寄り添うようにオブリガードともソロともつかない音を奏でていくサックス。
 1970年代の刃物のような厳しさは和らぎ、同じく張り詰めた感じながらも優しい音。
 サックスが少しだけ前に出る感じ、あるいは別の場所から聞こえてくる感じ、コーラスと一体化するわけでも、かといって対峙するわけでもない不思議なバランス。
 その上での完璧なアンサンブル。
 部屋の天井が高くなり、面積が広大になったような、さらに周囲の空気が浄化され、湿度、温度が少し下がったような錯覚。
 そんな空間に残るサックスの残響音がとても心地よい・・・、なんて下衆な感覚がはばかられる、心洗われる美しい時間。
 全部含めて強烈な非現実感。
 天上の音。
・・・・・
 なお、ECMで一番売れたアルバムはこの作品とのこと。
 さすがヨーロッパ。
 さらに余談、これに続けて、近い時期の”Twelve Moons” (1992) Jan Garbarekを聞くと、類似するムード、同じく非現実的なほどに美しいのですが、デジタル混じりで少し現代の世俗に戻れた感じがして安心できます。
 それが最高に心地よかったりします。


  

posted by H.A.



【Disc Review】“Big Vicious” (2019) Avishai Cohen

“Big Vicious” (2019) Avishai Cohen

Avishai Cohen (Trumpet, Synthesizer Programming, Electro-acoustic Realization)
Uzi Ramirez Feinerman (Guitar) Yonatan Albalak (Bass Guitar, Guitar) Aviv Cohen (Drums) Ziv Ravitz (Drums, Synthesizer Programming)

Avishai Kohen Big Vicious
Avishai Cohen Big Vicious
ECM
2020-03-27


 イスラエルのトランペッターAvishai Cohenの新プロジェクト。
 ここまでのあくまでアコースティックなコンテンポラリージャズとがらりと変わって、エレキギターと電子音たっぷり、ポップな先端ロックテイスト。
 弾むエレキベースにツインドラムながらうるさくない軽めの8ビート。
 あくまでクリーントーンながらエフェクティングたっぷりエコーたっぷりのサイケなギター、Bill Frisell的なようなそうでもないような、ノスタルジック感と先端感が入り混じる不思議な音。
 気難しさなし、むしろポップにも聞こえながら、そこはかとない哀愁を湛えたようなメロディ、空気感。
 そんな音の上に乗ってくる、あくまでジャズジャズしたキリッとしたトランペット。
 一聴普通なようでポップなようで、とても不思議なテイスト、バランス。
 妖しく、あるいは軽く始まりつつジワジワと盛り上がり、気が付けばハイテンションな高揚の中。
 各曲ともにドラマチックな音の流れ。
 ジャズではない、ロックでもない、それらを経過した何か。
 但し、実験臭や気難しさを感じさせないポップネス。
 ポストロックなコンテンポラリージャズ、ってな感じでよろしいのでしょうか?
 なぜか間に挟まれたベートーベンもそんな空気の中に溶け込んで、これまた不思議。
 そのうえで微かに漂うエキゾチシズム。
 新しいんだか古いんだか、ジャズやらロックやらエスニックやら、そんなボーダーは今は昔、やはり新しい音。
 とても心地よくてよろしいのでは。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Here Be Dragons” (2019) Oded Tzur

“Here Be Dragons” (2019) Oded Tzur

Oded Tzur (tenor sax)
Nitai Hershkovits (piano) Petros Klampanis (double bass) Johnathan Blake (drums)

Here Be Dragons
Oded Tzur
ECM
2020-02-14


 イスラエルのサックス奏者Oded Tzur、ECMレコードでの第一作。
 ピアノトリオにサポートされたシンプルなカルテット編成。
 全編静かなジャズ。
 “Fish Out of Water” (1989) Charles Lloyd、近年では“Three Crowns” (2019) Maciej Obaraあたりに通じるECMなジャズサックス作品、もっと穏やかで淡い音。
 ECMレコードでのお約束、全編ルバートでのスローバラード、とまではいかずとも、そんな感じのゆったりとしたテンポが中心。
 淡い色合いの空気感の中、静かに零れ落ちるピアノ、力が抜けた漂うようなテナーサックス。
 どこか懐かしいメロディは欧米とは違う流れ、日本の童謡的、あるいは子守唄的な感じ。
 イスラエルの人のジャズにしばしば感じる穏やかなエキゾチシズム。
 日本人アーティストのECMレコード作品“For 2 Akis” (2017) Shinya Fukumoriに近い空気を感じるのは気のせいでしょうか。
 多少テンポが上がっても、抽象度が上がっても、尖がらずベタつかない、さらりとした音。
 静かで穏やかなムードは変わりません。
 全編そんな音の流れの中、締めはなぜかElvis Presleyのバラード。
 全体の空気感にフィットしているといえばそうなのですが、これがECMで演奏されるとは・・・
 さておき、近年のECMレコード、棘がない甘くもない淡く穏やかな音、あるいはこのレーベルにしてはジャズに寄った音が少なくないのですが、本作はその真ん中、前者寄り。
 さらに加わるほのかなエキゾチシズム。
 Saudadeなジャズ。


 

posted by H.A.


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