吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

European

【Disc Review】“The Zoo Is Far” (2006) Christian Wallumrod Ensemble

“The Zoo Is Far” (2006) Christian Wallumrod Ensemble
Christian Wallumrod (piano, harmonium, toy piano)
Gjermund Larsen (violin, Hardanger fiddle, viola) Tanja Orning (violoncello) Giovanna Pessi (Baroque harp) Per Oddvar Johansen (drums, percussion, glockenspiel)
Arve Henrkisen (trumpet)

[CD]CHRISTIAN WALLUMROD ENSEMBLE クリスティアン・ヴァルムルー・アンサンブル/ZOO IS TOO FAR【輸入盤】
[CD]CHRISTIAN WALLUMROD ENSEMBLE クリスティアン・ヴァルムルー・アンサンブル/ZOO IS TOO FAR【輸入盤】

 ノルウェーのピアニストChristian Wallumrødのとても静かな北欧コンテンポラリージャズ、あるいは室内楽風アンサンブル。
 “Sofienberg Variations” (2001)からメンバーが変わり、チェロ、ハープが加わっています。
 間々に挿入される一分前後のインタバールのような演奏を含めて全24曲。
 低く響くチェロによって、音楽の重心が下がったように、あるいはクラシック色が強くなったようにも感じます。
 ビートが定まり、メロディが明確な曲も多い分、“Sofienberg Variations” (2001)よりも音楽の輪郭は明確なのかもしれません。
 が、やはり不思議感120%の迷宮。
 さまざまな楽器が入れ代わり立ち代わりに現れては消え、哀し気で意外な方向に動くメロディを奏でる、妖しいアンサンブル。
 インプロビゼーションのスペースは限られ、フリージャズ的な不可解な音の流れ、後の“Outstairs” ‎(2013)のようなミニマル的なシンプルなフレーズの繰り返しもときおり登場します。
 繊細なガラス細工のような音の流れは、計算しつくされたアンサンブルなのでしょう。
 ときおり同胞のMathias Eick諸作のようなキャッチ―なメロディが出るのは、ノルウェーの伝統音楽の流れなのでしょうか?
 が、その時間は短く、徐々に時空が歪み、気がつけばまた迷宮へ・・・
 これまた不思議で非日常的な時間へのトリップミュージック。
 “動物園は遠い”・・・?
 一体何なのでしょう?
 不思議です・・・?




 posted by H.A.

【Disc Review】“Inland Sea” (2014-2016) Stephan Micus

“Inland Sea” (2014-2016) Stephan Micus
Stephan Micus (Lute, Nyckelharpa, Zither, Shakuhachi, Guitar, Guimbri, Voice)

MICUS, STEPHAN
STEPHAN MICUS
INLAND SEA
2017-06-16


 ドイツのマルチインスツルメンタリストStephan Micusの2017年時点での最近作。
 もちろんいつもと同じ、無国籍、ノンジャンルな、とても静かで穏やかな音。
 “East of the Night” (1985)、“Ocean” (1986)あたりは幽玄さが前面に出ていましたが、作品が進むにつれ音の輪郭がシャープに具体的に変わってきているように感じ。
 が、本作は幽玄な方向に戻ったような印象。
 おそらく、柔らかな弦の古楽器?中心だからでしょう。
 終始漂うような音の流れ。
 Zither, Lute, Nyckelharpaなど、遠い所、遠い時空から響いてくるようなさまざまな音が奏でる悲し気なメロディ。
 間に定番の尺八、ボイスをはさみながら進む、憂いを含んだ幻想的な音。
 “East of the Night” (1985)と近いムードのとても素晴らしいジャケット。
 そちらは全二曲の大作ですが、そのムードはそのままに、楽曲をコンパクトにまとめていったような印象。
 楽曲ごとに景色、空気感が変化していきます。
 どこの、あるいはいつの”内海”の描写なのかはわかりません。
 世界のどこか、いつの時代かの情景を集めたコラージュのようなアルバム。
 現代の都会の喧騒や慌ただしさから完全に隔離された音。
 とても静かで穏やかな気持ちに・・・なるかな?





 Stephan Micus作品群。
 たくさんは聞けていませんが、私が知る限りはどれも静謐なトリップミュージック。
 新しいほど楽器、音の流れのバリエーションが増えていると思いますが、私的な好みはシンプルな“East of the Night” (1985)、“Ocean” (1986)あたり。
 忘れたころに聞きたくなる、気持ちの清涼剤になる素晴らしい音。
 無国籍なエスニック感、さまざまな要素がフュージョンする音、空間が多い静謐な音など、これぞジャズ、クラシックではないECMの典型的な音、ってな感じでしょうね。

“Archaic Concerts” (1976)
“Implosions” (1977)
“Koan” (1977)
“Behind Eleven Deserts” (1978)
“Till the End of Time” (1978)
“Wings over Water” (1981)
“Listen to the Rain” (1983)
East of the Night” (1985)
Ocean” (1986)
“Twilight Fields” (1987)
“The Music of Stones” (1989)
“Darkness and Light” (1990)
Athos” (1994)
“The Garden of Mirrors” (1997)
Desert Poems” (2001)
Towards the Wind” (2002)
“Life” (2004)
“On the Wing” (2006)
“Snow” (2008)
“Bold as Light” (2010)
“Panagia” (2013)
“Nomad Songs” (2015)
Inland Sea” (2014-2016)


posted by H.A.


【Disc Review】“Towards the Wind” (1999-2001) Stephan Micus

“Towards the Wind” (1999-2001) Stephan Micus
Stephan Micus (Duduk, Kalimba, 3 Steel-String, 14-String Guitars, Guitar, Shakuhachi, Talking Drum, Strings, Voice)

Towards the Wind
Stephan Micus
Ecm Import
2002-08-06


 ドイツのマルチインスツルメンタリストStephan Micusのとても静かな無国籍ワールドミュージック。
 本作の主役は尺八とギターに加えて、DudukとKalimbaでしょうか。
 冒頭からバリトンサックスを柔らかく、丸くしたような音がとても美しいDudukで奏でられるセンチメンタルなメロディ。
 アジアなのか、中近東なのか、はたまた日本なのか・・・
 ・・・と思っていると、次はKalimbaのソロ。
 アフリカってよりも、やはりアジアな感じでしょうか。
 そんなDudukとKalimbaのソロ演奏の間にいつもの尺八とギターが絡み合う構成。
 Kalimbaのソロからスタートして、雅な雰囲気のビートとメロディを、アジア~中近東なDudukが奏でる・・・ってな感じで、なんだかよくわからない究極のフュージョンミュージック。
 珍しくアップビートのギターのストロークと尺八のインプロビゼーションが絡む勇壮系の演奏なども。
 あるいは、終盤に収めれらたギターのストロークにボーカルが載ってくるフォーキーなバラードは、あの時代のPat Methenyグループのムード、南米の山奥の空気感。
 そんなこんなで、アジアなのか、アフリカなのか、中近東なのか、南米なのか、日本の里山なのか、わからないトリップミュージック。
 初期の作品“East of the Night” (1985)などと比べると幻想的なムードは薄くなってきているのかもしれませんが、穏やかで優し気、懐かし気な空気感は同様。
 全編エスニックなのですが、なぜか西欧的に洗練された感じがするのは、ヨーロピアンの出す音ゆえでしょうか?
 その不思議なバランスがこの人の音の特色であり、魅力なのでしょう。




posted by H.A.


【Disc Review】“Desert Poems” (1997-2000) Stephan Micus

“Desert Poems” (1997-2000) Stephan Micus
Stephan Micus (Sarangi, Dilruba, Ngoni, Ney, Strings, Kalimba, Harp, Talking Drum, Steel Drums, Percussion, Voice)

Desert Poems
Stephan Micus
Ecm Import
2001-02-27


 ドイツのマルチインスツルメンタリストStephan Micus、ECMでの無国籍、ノンジャンルな静かな音。
 本作のテーマは砂漠なのでしょう。
 この人の作品、アルバム毎にメインの楽器が変わってくるように思いますが、本作のメインは、ギター的な弦楽器とカリンバ、さらにボイス。
 反響音が少ない乾いた弦の音、あるいはカリンバが、砂漠~中央アジア~中近東のイメージでしょうか。
 それらの響き、ルバートではなく淡々と定常に刻まれるビートと、何語かよくわからないボイスが瞑想へ誘う音。
 中近東的な感じとオリエンタルな感じ、中盤以降は日本的な感じが交錯する物悲しいメロディは、お経のように響きます。
 非日常感は120%。
 そのボイスの入り方で好みが分かれるのかもしれませんが、強い非日常感をお求めの向きにはいいんだろうなあ・・・と思う楽曲がいくつも。
 お約束?の尺八のソロでサムライ~侘び錆び風の風情でペースを変えながら、ゆったりとしたビートと乾いた弦、木管の音が響く、幻想的な時間が続きます。
 とても素敵なジャケットは、このレーベルにしては稀有な色鮮やかで灼熱な感じですが、音の方は穏やかで温かな感じ。
 相対的に温度感が高いかもしれませんし、湿度感もそこそこ。
 少々妖し気ながら、静かさ、穏やかさは同様。
 いつも変わらないこの人の作品の空気感、静謐なトリップミュージックです。




posted by H.A.


【Disc Review】“Athos” (1993-1994) Stephan Micus

“Athos” (1993-1994) Stephan Micus
Stephan Micus (Zither, Sattar Strings, Voice, Shakuhachi, Suling, Percussion, Flowerpots, Ney)


Athos
Stephan Micus
Ecm Import
2000-07-18


 ドイツのマルチインスツルメンタリストStephan Micusの厳かな作品。
 1980年代、“East of the Night” (1985)、“Ocean” (1986)あたりはアジアの空気感が強めでしたが、本作はヨーロッパ。  
 タイトル”Athos”、サブタイトル“A Journy to The Holy Mountain”の通り、ギリシャの聖地アトス山への巡礼?の旅を表現したのだと思います。
 本作の主役は半数の曲にフィーチャーされる聖歌のようなコーラスでしょう。
 荘厳といった感じまではいかずとも、とても厳か。
 私が知る限りの彼の作品の中では、沈痛度が高めなようにも感じます。
 スタートはヨーロッパ~中央アジア?の古い弦楽器のZither, Sattar。
 漂うような弦の音を背景にした、少々沈痛気味のメロディと、激情を包み込むようで隠しきれないような弦の響き。
 とても悲しい音。
 ECMではお馴染みのDavid Darlingのチェロを想い起こします。
 続くはオルガンような音を背景にした厳かなコーラス。
 そんなパートを挟みながら、尺八のソロ、竹のリード楽器などが交錯します。
 締めは冒頭と同じ減の響きとコーラスのドラマチックな絡み合い。
 宗教的な意味はわかりません。
 決して暗いわけではありませんが、少々重々しい事も否めません。
 が、この音が流れている時間は完全に別世界。
 心が洗われる・・・かどうかは、人それぞれなのでしょうが、いつもながらのトリップミュージック。
 古代~中世のヨーロッパにトランスできる・・・かな?
 ・・・にしても、ジャケットのポートレートがさり気ないながら深いなあ・・・




posted by H.A.


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