吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

Fusion

【Disc Review】“Street Dreams” (1988) Lyle Mays

“Street Dreams” (1988) Lyle Mays

Lyle Mays (Piano, Keyboards)
Bill Frisell (Guitar) Marc Johnson, Steve Rodby (Bass) Peter Erskine, Steve Gadd, Steve Jordan (Drums) Glen Velez, Vicki Randle (Percussion)
Dave Taylor (Bass Trombone) Bob Malach, Bob Mintzer (Tenor Saxophone, Flute) Chris Seiter, Dave Bargeron, Keith O'Quinn (Trombone) Laurie Frink, Randy Brecker, Bob Millikan (Trumpet) Emilia Barros (Voice) Vicki Randle (Vocoder) and strings

Street Dreams (Reis)
Lyle Mays
Warner Bros / Wea
1998-12-15


 Lyle Maysのリーダー作、第二弾。
 名作“Still Life (Talking) ” (1987)、これも名作”Letter from Home” (1989)の間での制作。
 前作“Lyle Mays” (1985)はPat Metheny Groupに近いサウンドでしたが、本作は少々面持ちが異なります。
 前半は、よりアメリカンフュージョンに近い色合い。
 ドラム、サックスを中心として、その系の人が多いからなのか、もっとわかりやすい音楽にしたかったのか、その時代のサウンドなのか、とにもかくにも明るいフュージョンサウンド。
 少々デジタル臭もするキッチリしたビートに、豪華でこれまたキッチリとしたホーンのアンサンブル。
 Pat Metheny人脈では珍しいブルージーなジャズの雰囲気の演奏もあったりして・・・
 といってもファンキーでもキメキメのフュージョンでもスムースジャズでもない、淡くて柔らかな雰囲気はLyle Maysの音楽。
 ピアノトリオとBill Frisellで演奏されるフワフワした”August”や、幻想的な”Before You Go”なんてとてもいい感じ。
 後半は組曲。
 エスニック色、あるいはオーケストラも交えながら、幻想と躍動、強烈なインプロビゼーションが交錯するとてもドラマチックな構成の力作。
 などなど含めて、いろんなテイストがてんこ盛り。
 それら合わせて後の”We Live Here” (1995)、さらに”Imaginary Day” (1997)、”The Way Up” (2003,2004)のような大作路線につながっていくのでしょうね。
 時期的にはちょっと遠いか・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Lyle Mays” (1985) Lyle Mays

“Lyle Mays” (1985) Lyle Mays

Lyle Mays (piano, synthesizer, autoharp)
Bill Frisell (guitar) Marc Johnson (acoustic bass) Alejandro N. Acuña (drums) Nana Vasconcelos (percussion) Billy Drewes (alto, soprano sax)







 現代のアルゼンチン、ブラジル勢からリスペクトされているのであろう、Pat Metheny Group、Lyle Maysのリーダー作。
 “Cruces” (2012) Andrés Beeuwsaert、”As Estacoes Na Cantareira” (2015) André Mehmariなどで、さり気なくカバーされていたり、近い空気感の場面がしばしば登場します。

 Pat Metheny共同名義で“As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls”(Sep.1980)がありましたが、単独では第一作目。
 ECM最終作 ”First Circle” (1984)とGeffen移籍第一作 “Still Life (Talking) ” (1987)との間の時期。
 ECMでの録音は、Pat Metheny関連と“Home” (1979) Steve Swallow、“Later That Evening” (1982) Eberhard Weberぐらいでしょうか?
 そちら系の人たちとリーダー作品を制作していると面白かったのでしょうが、なかなかうまくいきません。
 本参加のBill Frisellも“Rambler” (1984)を制作の後、ECMから移籍した時期と思われ、そういう時代だったのでしょう。
 柔らかなビート感、あの柔らかなシンセサイザー、リリカルなピアノの音の流れは、Pat Metheny Groupのサウンド。
 複雑に展開するドラマチックな構成もこれまたPat Metheny Groupと同様。
 さらに、柔らかなサウンド、明快なようでどことなく幻想的な空気感も含めて、やはりPat Metheny Groupサウンドは、Lyle Maysサウンドでもあるのでしょう。
 それはさておき、本作、”Mirror of the Heart”のような、ただただ美しいピアノソロでの演奏や、電子楽器とアコースティックな演奏、ジャズとロック、クラシック、エスニックまでが交錯する、幻想的な情景描写のような組曲”Alaskan Suite”などの独自路線もたっぷり。
 そして、最後に収められたバラード”Close to Home”のこの上もない美しさ。
 とてもドラマチックです。
 Pat Methenyの単独リーダー諸作からすると、Groupの作品の色合いはLyle Maysの色合いが強かったのだろうなあ・・・と勝手に思っているのですが、本作を聞くとやはりそうだったような、そうでもなかったような・・・?




posted by H.A.


【Disc Review】“Wear My Love” (2009) David T. Walker

“Wear My Love” (2009) David T. Walker
David T.Walker (Guitar)
Leon Ndugu Chancler (Drums, Percussion) Clarence McDonald (Piano, Synthesizer) Byron Miller (Bass) Barbara Morrison (Voice)

Wear My Love
Universal Music LLC
2009-11-18


 David T.Walkerのクリスマスアルバム。
 一番好きなギタリスト。
 全体のサウンドは、ちょっとキッチリし過ぎてポップに過ぎるフュージョンかな?
 でもまあ、この人のギターが鳴ればどうでもいいや。
 ソフトでメロウなクリスマスサウンドに映える激渋ギター。
 これ、最高。




posted by H.A.

【Disc Review】“Brazilian Soul” (2004) Azymuth

“Brazilian Soul” (2004) Azymuth
Jose Roberto Bertrami (Keyboards, Vocals) Alex Malheiros (Bass, Guitar, Vocals) Ivan Conti (Drums, Guitar, Vocals, Percussion) Dom Chacal (Percussion)

ブラジリアン・ソウル
アジムス
日本コロムビア
2004-08-25


 ブラジリアンフュージョンのAzymuthの21世紀に入ってのアルバム。
 “Light As A Feather” (1979)の頃とピアノトリオは同じメンバーそのまま。
 あの時代のディスコなビート感はなくなりましたが、それ以外の音はそのままでしょう。
 いかにもブラジルなウイスパー気味のボーカルを何曲かでフィーチャーして、AORと呼ぶのがいいのか、レアグルーヴと呼ぶのいいのか、全編そんなソフトでメローな音。
 中心となるのはもちろんあのエレピ。
 シンセサイザーの派手な使われ方もなくて、シンプルなエレクトリックピアノトリオ+αな編成。
 強いビートやキメも抑えられ、あくまで柔らかでしなやかなグルーヴ。
 21世紀のこの時代、こっちの方が馴染むし、和みます。
 楽曲はメンバーのオリジナル。
 ちょっとセンチメンタルでキャッチーなメロディが並びます。
 懐かしいような感じもあるし、現代風な感じもあるし。
 サウダージと呼ぶには、ちょっと洗練に振れていて、ほんの少しだけオシャレに過ぎる感じのバランス。
 が、派手でもゴージャスでもタイトでもなく、むしろ緩め。
 そんな感じの全編で漂う緩めなサンバな感じがとてもいい感じ。
 このくらいの加減が、一番ナチュラルでオシャレに聞こえる絶妙なバランスなように思います。
 ジャケットは1970年代のサイケデリック風味ですが、音はソフトなグルーヴのみを抜き出した感じ。
 それらが21世紀っぽいかどうかはさておき、とても心地よいので、よろしいのではないかと。
 柔らかなグルーヴとエレピの組み合わせ、最高。




 posted by H.A.


【Disc Review】“Light As a Feather” (1979) Azymuth

“Light As a Feather” (1979) Azymuth
José Roberto Bertrami (Keyboards, Percussion, Vocals) Alex Malheiros (Bass, Vocals) Ivan Conte (Drums, Synthesizer) Aleuda (Percussion)

ライト・アズ・ア・フェザー
アジムス
ビクターエンタテインメント
2008-08-20


 ソフトアンドメローなフュージョンシリーズ(ってこともないですが)、さらに七夕にピッタリな、ブラジリアンフュージョンのAzymuthの懐かしの人気作。
 一定の年齢以上の人にとっての聖典・・・かどうかはさておき、当時の多くの人が聞いたことがあるであろう”Fly over the Horizon”を収めた一作。
 ジャズマニアな私からしても、アルバムタイトル曲が大名作“Light as a Feather” (Oct.1972) Chick Corea and Return to Foreverのカバーであることすら忘れてしまっているほどの、その曲の圧倒的な存在感。
 少々時代を感じるシンセサイザーとシンセドラムの音。
 これが聞こえてくると妙に懐かしい気持ちになるのと、目が冴えてくるのはパブロフの犬状態。
 中盤の揺れるエレピのソロの間のシンセドラムには思わず笑ってしまうというか、何と申しましようか・・・
 とにもかくにも、5分強の至福の時間・・・
 冷静に考えると、”Fly over the Horizon”以外はあまり聞いていたかったりするのだけども、あの時代の懐かしいフュージョンの香りがてんこ盛り。
 跳ねまくるチョッパーベースに、やたらキメの多いあの時代のフュージョンビート、あるいはディスコビートな曲もちらほら。
 ノリノリのビートを背景に疾走するエレピ。
 この手の音も、ソフト&メロー、あるいはレアグルーヴな音に入るのかな?
 もろWeather Report風だったり、Return to Forever風だったりする場面がしばしばあるのもご愛敬。 
 ちょっとマニアックな“Mr. Gone”(1978) Weather Report風な場面もあるのは、時代の空気感なのでしょうか?
 “Light as a Feather”はちょっとポップに模様替えした感じのオシャレな演奏。
 さりげなくToninho Hortaのバラードも収録されていて、ブラジリアンフュージョンとしてカッコいい演奏がたくさん。
 全編で揺れ続けるエレピが最高。
 携帯電話もインターネットもSNSもYouTubeも無く、テレビとラジオとカセットテープの時代のノスタルジー。
 Jet Streamってのもありましたが、どんなんだったけ?
 Webを検索してみると、まだやっている・・・というか、JALご難の時期含めて続いていたようですね。
 当のCrossover11も限定復活していたようで・・・




 posted by H.A.


【Disc Review】“Funk Reaction” (1977) Lonnie Smith

“Funk Reaction” (1977) Lonnie Smith
Lonnie Smith (Organ, Synthesizer?)
Eddie Daniels (sax) Richie Hohenburger (guitar) Yaron Gershovsky (piano) and others

ファンク・リアクション
ロニー・スミス
Pヴァイン・レコード
2013-04-17


 Lonnie Smithの1970年代ソウルジャズ。
 Blue Noteでブルージーな演奏のイメージも強い人ですが、この期ではソウルジャズ~フュージョンな音。
 跳ねるベースにタイトなドラム、ファンキーなギターのカッティングとシンセサイザー。
 Herbie Hancockが “Head Hunters” (Sep.1973)、あるいは“Man-Child” (1974-75)あたりで確立した音なのでしょうか? 
 さらにソフト、ポップになって、ボーカルも乗せて・・・
 それでもいかにもなボーカル曲は最後と最後のみで、インプロビゼーションのスペースがたっぷり確保されているのが1970年代なバランス。
 冒頭から心地いいフェイザーが掛かったギターのカッティング。
 タイトな8ビートにフワフワとした音を出すフロント陣のバランスがとてもいい感じ。
 ディスコな感じのビートの演奏も少々ありますが、中心は柔らかで穏やかなグルーヴ。
 さらにちょっと切ないメロディ。
 その結晶が白眉の“It's Changed”。
 レアグルーヴなんて語感がピッタリな音。
 何のことはないミディアムテンポのソウルバラードなのかもしれませんが、これは染みます。
 ジャズなギターが奏でる切ないメロディに、静かに弾みながら後押しするような絶妙のベースライン、ちょっとあざとい感じのコーラスもいい感じの演出。
 さらに中盤からのシンセサイザーのソロのカッコいいこと、切ないこと。
 これだけ音数が少ないのにカッコいいインプロビゼーションはないのでは?
 少し変えると別の曲になってしまうような完成度の素晴らしさ。
 さすが、生粋のジャズメンLonnie Smith・・・かどうかはさておき、1960年代のコテコテな感じからは想像できないような洗練。
 胸がキュンとする、なんて言葉は気持ち悪くて使わないのですが、そんな音。
 その他含めて、心地よいソウルジャズ~フュージョンがたっぷりと。
 “Bitches Brew” (Aug.19-21,1969)を根っこにして、上記のHerbie Hancock諸作で整理され、確立し、本作もその流れの中の一作。
 あるいは、“Big Band Bossa Nova” (1962) Quincy Jonesあたりからあった、ポップなジャズが、時代の流行りの音と融合してできた音。
 さらに発展して、いきついたピークが“Winelight” (1980) Grover Washington Jr.あたり、ってな感じが私的な捉え方。
 ま、そんな野暮な話はさておいて、あの時代のノスタルジーと呼ぶにはあまりにも素敵な音ですねえ。




 posted by H.A.


【Disc Review】“Montreal Live 89” (Jul.3, 1989) Pat Metheny Group

“Montreal Live 89” (Jul.3, 1989) Pat Metheny Group
Pat Metheny (guitars)
Lyle Mays (keybords) Steve Rodby (bass) Paul Wertico (drums) Pedro Aznar (voice, guitar, percussion) Armand Marsal (percussion,voice)
 
Montreal Live 89
Pat Metheny
Hihat
2016-04-15
パット メセニー

 Pat Metheny Group、ラジオかテレビ音源からのブートレッグ、2016年リリース。
 “Letter from Home” (1989)の頃、私の最も好きな時期、ブラジル色を入れた時期のコンサートの音源。
 “The Road to You” (1991)といった近い時期のライブアルバム、DVDもあるのですが、そちらはCD一枚、一時間前後に圧縮されていたこともあり、全体が聞けると思うと、つい・・・
 予想に違わない素晴らしい演奏。
 音質も”The Road to You”とまではいかずとも、普通に十分に楽しめる音。

Disc1.
●Phase Dance
〇Have You Heard
 Every Summer Night
 Change Of Heart
〇Better Days Ahead
〇Last Train Home
〇First Circle
 Scrap Metal
 Slip Away
 If I Could
 Spring Ain’t Here
 
Disc2.
●Straight On Red
●Are You Going With Me?
 The Fields, The Sky
 Are We There Yet?
 (It’s Just) Talk
〇Letter From Home
〇Beat 70
 Miuano
〇Third Wind

 “Have You Heard”で始まり、”Third Wind”で締めるのは当時のお約束だったのかもしれませんが、オープニングに懐かしの” Phase Dance”、締めの前には“Still Life (Talking)” (1987)のオープニング曲” Miuano”。
 当時のライブを観た人、ブートレッグを聞いている人からすれば定番で当たり前の流れなのかもしれませんが、初めて当時のライブの全貌に振れる立場としては新鮮です。
 いわゆるブラジル三部作”First Circle” (1984), “Still Life (Talking)”, ”Letter from Home”(1989)の美味しい所を集めてきたような選曲。
 さらには“Travels” (1982)にしか収録されていない変則サンバの隠れた名曲”Straight On Red”やら、”Question and Answer” (1989) 収録曲やら、その他諸々。
 “The Road to You”との重複は上の〇、“Travels” (1982)とは●。
 ”Phase Dance”、”Straight On Red”など、”Travels”の方がスッキリしているかもしれないけども、こちらの方がハイテンション、凄まじいまでの熱感、疾走感。
 目くるめくような名曲名演の連続。
 柔らかくしなやかで、ヒタヒタと迫ってくるようなビート、少し湿り気と哀感があるサウンド。
 私的には一番好きな時期、一番好きなメンバーのPat Metheny Groupがぎっしり詰まっています。
 音楽の密度としては、各々の作品、”The Road to You”の方が高いのかもしれないけども、それらを全部まとめて楽しめる一作として、よろしいのでは。
 ブートレッグながら、無人島アルバムになる・・・かな?

 Pat Metheny Groupの活動は”The Way Up” (2003,2004)で事実上停止しているのだと思いますが、そろそろ復活しないでしょうかね。
 超大作“The Way Up”でやり切った・・・、懐メロはやらない・・・、と言われてしまうと納得してしまうところではあるのですが・・・
 いずれにしても、もうこの頃の音には戻れないのでしょうね。
 
 


posted by H.A.

【Disc Review】“New York November 1979” (Nov.1979) Pat Metheny Group

“New York November 1979” (Nov.1979) Pat Metheny Group
Pat Metheny (guitars) 
Lyle Mays (piano, oberheim, autoharp, organ) Mark Egan (bass) Dan Gottlieb (drums)
 
New York November 1979
Pat Metheny
Hi Hat
2017-01-20
パット メセニー

 Pat Metheny Group、“American Garage” (1979)直後のラジオかテレビ音源からのブートレッグ、2017年リリース(なのだと思います)。
 ブートレッグにはあまり手を出さない(出さなかった)のですが、先に入手した“Montreal Live 89” (Jul.3, 1989)があまりにも素晴らしかったので、グループ結成前の“Boston Jazz Workshop, September 1976” (Sep.21.1976)、さらにMark Egan、Dan Gottlieb時代のライブも聞いてみたくなり入手。
 “Travels” (1982)ではもうSteve Rodbyに交代していたし、どのくらい印象が違うのか気にもなる時期。
 まだ普通にフュージョンっぽいバンドサウンド、ロックっぽさもありますが、この頃から柔らかなこのバンド独自のビート感と、艶のある丸いクリーントーンで突っ走るギター。
 “Boston Jazz Workshop, September 1976” (Sep.21.1976)の疾走感はそのままに、粗っぽさが消え、よりまとまった完璧な演奏、音質もまずまず。
 “Pat Metheny Group” (1978)、“American Garage” (1979)をそのまま再現したようなステージ構成。
ライブながら一糸乱れない完璧な演奏からすれば、初期のこのグループのアルバムはこれだけ持っとけば・・・なんてのは言い過ぎですが、そんなステージ構成、演奏。
  “Phase Dance”で始まるのは後々までのお約束として、”April Joy”、“Jaco”、“Cross The Heartland”、 “American Garage”、”James”など、公式のライブアルバムで聞けない名曲のライブバージョンが聞けるのが嬉しいところ。

Disc1.
 Phase Dance
 Airstream
 April Joy
 Unity Village~The House Of The Rising Sun~The Windup
 The Epic

Disc2.
 James
 Old Folks
 Jaco
 The Magicians Theater
 San Lorenzo
 Cross The Heartland
 American Garage

 “Travels” (1982)と比べると元気な印象の本作。
 やはりMark Eganがベースだからでしょうかね。
 ” April Joy”、”Jaco”のベースソロはこの人のいる時期ならでは。
 終盤は、公式アルバムでは収録されていない、あちこちのオリジナル曲を合わせたようなサンバっぽいチューン“The Magicians Theater”でドーカンと盛り上がって、名曲”San Lorenzo”で締め。
 アンコールはあの”Cross The Heartland”~”American Garage”。
 完璧なステージ構成。
 好みからすれば“Montreal Live 89” (Jul.3, 1989)頃のサウンドがベストなのですが、シンプルで明るい心地よさがあるのはこちら、その中間が“Travels”ってな感じでしょう。
 いい感じで進化しているようなこの時期のPat Metheny Group。
 過渡期と呼ぶには適当ではない完成度・・・というよりも、爽やかで明るく元気なアメリカンフュージョンのPat Metheny Groupの第一期が完成したのがこの時期なのでしょう。
 アメリカンなフュージョンのステージですが、柔らかさしなやかさは特別。

 この後”80/81”(May.1980)、”As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls” (Sep.1980)などのソロ作品、”Toninho Horta” (1980)などへの客演などを経て、Steve Rodby、Nana Vasconcelosを迎えた新展開、”Offramp”(Oct.1981)へ。
 ブラジル色が入り、私にとってはベストな音が始まる一歩手前。
 が、このステージも別のテイストながら最高です。

※近い時期のステージから。


posted by H.A.

【Disc Review】“Boston Jazz Workshop, September 1976” (Sep.21.1976) Pat Metheny

“Boston Jazz Workshop, September 1976” (Sep.21.1976) Pat Metheny
Pat Metheny (guitar)
Lyle Mays (piano) Mike Richmond (bass) Dan Gottlieb (drums)
 
BOSTON JAZZ WORKSHOP
PAT METHENY
HIHAT
2016-09-16
パット メセニー

 Pat Metheny、“Bright Size Life”(Dec.1975)と”Watercolors”(Feb.1977)の間、 “Passengers” (Nov.1976) Gary Burtonセッション の二か月前、放送音源からのブートレッグ。
 これは前から出回っていたのでしょうか?私が初めて聞いたのは2016年。
 Jaco Pastriusはもちろん、Eberhard Weber、Mark Eganの参加もありませんが、ここから半年後の”Watercolors”のサウンドが出来かかっています。
 初期のPat Methenyの柔らかでしなやかなビート感、サウンドはEberhard Weberの影響、透明度の高い美しい音はECMレーベルの色合いと思っていましたが、このアルバムを聞く限り、Pat Metheny自身、あるいはLyle Maysとのコンビの色合いと考えた方が適当なのでしょうね。
 音質はよくはないですが、ま、十分に楽しめます。
 冒頭、Lyle Maysのピアノが入った”Bright Size Life”なんて、ありそうでない演奏。 
 全編でピアノがキレまくっています。
 オリジナルよりもハイテンション。
 続く名曲“River Quay”、ちょっとベースが暴れ気味なのはご愛敬、後のPat Metheny Groupのお三方はこの時点で完璧。
 ギターはもちろん出来上がったPat Metheny サウンド、さらに盛り上がってしまうLyle Maysのピアノのソロがとてもカッコいい。
 さらにはジャズスタンダード“There Will Never Be Another You”。
 ちょっと変わった質感ではありますが、きちんと4ビート、バース交換までしているのが微笑ましいというか、何というか。
 これまたLyle Maysのジャズピアニスト振りがカッコいいけど、ちょっとベースの人、飛ばし過ぎ。
 続く“Watercolors”で突っ走るギター。
 やっぱりこの人は4ビートよりこっちだなあ。
 “Passengers”収録の二曲を経て、“Watercolors”収録の”Ice Fire”、“Bright Size Life”収録の“Unquity Road”から、珍しい直球なラテン曲で締め。
 やはりEberhard Weberがいるといないとでは印象は異なり、荒っぽい場面も少なくないのですが、いかにも”Watercolors”が生まれる空気感は十分。
 ま、半年前ですから当然ですか。
 “Bright Size Life”でもない、“Watercolors”でもない、”Pat Metheny Group” (Jan.1978)でもない、過渡期のPat Metheny & Lyle Maysサウンド、少々普通のジャズ・フュージョン寄り。
 が、柔らかでしなやかなビートと、明るくて爽やか、透明感のある音。
 やはり特別です。
 
 


posted by H.A.


【Disc Review】“This Is This!” (1986) Weather Report

This Is This! (1986) Weather Report
Josef Zawinul (Keyboards) Wayne Shorter (Saxophones) Victor Bailey (Bass) Mino Cinelu (Percussion, Vocals) Peter Erskine, Omar Hakim (Drums)
Carlos Santana (Guitar) Marva Barnes, Colleen Coil, Siedah Garrett, Darryl Phinnessee (Vocals) 
 
This is this
Weather Report
MUSIC ON CD
ウェザー・リポート


 Weather Report、最終作。
 前作“Sportin' Life” (1985)のポップ路線踏襲。
 サックスが似合いそうなバラードでシンセサイザーが使われていたり、本作にもいかにもWeather Reportな高速な未来的4ビート曲がありカッコいいのですが、最後までWayne Shorterは出てこなかったり、Omar Hakimは一曲にしか参加していなかったり、バンドとしては事実上解散状態だったのでしょう。
 冒頭からクラッピングが効いたポップなビートにSantanaのロックギター。
 SantataとはドラマーLeon Chanclerが共通で、“Tale Spinnin'” (1975)あたりで共演していてもよかったんでしょうが、それから10年、やっと実現。
 デジタルっぽくてポップで明るい演奏はかつてのWeather Reportっぽくはありませんし、参加二曲のうち冒頭曲にはWayne Shorterは出てきません。
 が、もう一曲での弾むベースにロックな泣きのギターに続くサックスの絡みはやはりカッコいい。
 それでもやっぱりこのバンドで一番カッコいいのは、疾走する未来的4ビートの”Update”、と思うのは古い感覚のジャズファンなのでしょうか?
 1980年代も半ば。
 おりしもフュージョン全盛期が終わりそうな時期。
 このバンドの解散はそれを象徴するような出来事だったのかもしれません。
 総本山Miles Davisは、同時期“You're Under Arrest” (Jan.1984–Jan.1985)でポップなファンクフュージョンから次の作戦、Marcus Millerとのコラボレーションに移行中。
 次の世代の人の代表の一人、Pat Metheny は”First Circle” (1984)が同時期で、ここから一気に加速する時期。
 “Bitches Brew” (Aug19-21,1969) Miles Davisあたりを端緒としたジャズ・ロック・ファンクフュージョンの終着点の一つ。
 その第一世代が終わり、次の世代の次の音楽に移る時期、その象徴的な作品なのかもしれません。
 



 フュージョン、コンテンポラリージャズのベースとなる“In a Silent Way” (Feb.1969)、“Bitches Brew” (Aug19-21,1969) Miles Davisを作ったのは、MilesとJoe Zawinulなのだろうし、以降も両者が抜きつ抜かれつしながら、常に前に進んでいたように思います。
 Miles諸作と同様に、時系列で聞くと少しずつ音を変えて行っているのが見える流れ。
 4ビートへのこだわりはJoe Zawinulの方が強かったようにも思えるのも面白いところ。
 それにしても、Miroslav Vitous、Alphonso Johnson、Jaco Pastorius、Victor Baileyと続くスーパーベーシストの系譜は凄いなあ。

※“Bitches Brew”的ファンクジャズ
 (Aug.6-12.1970) “Zawinul” Joe Zawinul 
 (Feb-Mar.1971) “Weather Report
 (1972) “Live in Tokyo” 
 (1972) “I Sing the Body Electric

※ファンクフュージョン
 (1973) “Sweetnighter
 (1974) “Mysterious Traveller

※楽園ファンクフュージョン
 (1974) “Native Dancer” Wayne Shorter with Milton Nascimento
 (1975) “Tale Spinnin'
 (1976) “Black Market
 (1977) “Heavy Weather

※ファンクフュージョン+未来的4ビート
 (1978) “Mr. Gone
 (1979) “8:30” 
 (1980) “Night Passage
 (1982) “Weather Report
 (1983) “Procession

※ポップなファンクフュージョン
 (1984) “Domino Theory” 
 (1985) “Sportin' Life” 
 (1986) “This Is This!” 


posted by H.A.
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