吉祥寺JazzSyndicate

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【Disc Review】“The Gabby Pahinui Hawaiian Band Volume 1” (1975) The Gabby Pahinui Hawaiian Band

“The Gabby Pahinui Hawaiian Band Volume 1” (1975) The Gabby Pahinui Hawaiian Band

Gabby Pahinui (Steel Guitar, 12string Guitar, Bass)
Leland "Atta" Isaacs, Bla Pahinui, Sonny Chillingworth (Guitar, Vocals) Ry Cooder (Mandolin, Tiple) Cyril Pahinui, Randy Lorenzo (Bass, Guitar, Vocals) Manuel "Joe Gang" Kapahu (Bass) Milt Holland (Drums) Gabby Pahinui (Percussion) Nick DeCaro (Accordion) Keli‘i Tau‘a (Chanter)

Gabby Pahinui Hawaiian Band Vol.1
Gabby Pahinui ギャビーハピヌイ
Panini
1996-10-27


 ハワイのスチールギターを中心としたアーティストGabby Pahinui、ハワイアン・アコースティック・フォークなんて言葉が似合いそうな音。
 あのRy Cooderの名作 “Chicken Skin Music” (1976)に参加していた人。
 それに漂うハワイなムードはもちろんこの人の色合い。
 ギター中心とした弦楽器の絡み合い、さらにいかにもハワイな余裕たっぷり、裏声たっぷりなテノールヴォイスがフューチャーされます。
 ホテルのラウンジで流れていそうな洗練されたイージーリスニング系ではなく、ネイティブな感じもたっぷり。
 もちろん全編楽園ムード。
 のほほんとしたメロディに、ゆるーくてワイワイとした賑わい。
 そんな音の流れの中にテローンと響くスチールギターが心地よいこと、この上なし。
 Ryさんも数曲に参加、“Chicken Skin Music” (1976)っぽい感じもそこかしこ、というか、ここからの流れだったのでしょうね。
 あるいは後の“Buena Vista Social Club” (1996) のハワイ版ってな感じもしますかね。
 とてもエレガント。




posted by H.A.


【Disc Review】“Tuki” (2003-2005) Miki N'Doye

“Tuki” (2003-2005) Miki N'Doye


Miki N'Doye (Kalimba, Talking Drum, Percussion, Bongos, Vocals)
Jon Balke (Keyboards, Piano) Helge-Andreas Norbakken (Percussion) Per Jørgensen (Trumpet, Vocals) Aulay Sosseh, Lie Jallow (Vocals)

 西アフリカ・ガンビア出身のパーカッション奏者Miki N'Doyeのリーダー作、ECMでの制作。
 ノルウェーに在住?、JonBalkeと縁が深いようで、"Nonsentration” (1990) Oslo 13、“Statements” (2003, 2004) Batagrafなどに参加しています。
 後者のセッションに合わせて録音された作品でしょうか。
 同じフレーズをひたすら繰り返すカリンバの静かな響き。
 祈りのような、眠りを誘うような音の流れ。
 そんな音を背景にして、漂うようなウイスパーヴォイス、そして要所で遠くから聞こえてくるようなシンセサイザー、トランペットの現代の音が、断片的に、時に具体にコラージュされていきます。
 とても平和な過去からの音のように聞こえるし、未来からの音のようにも響きます。
 いずれにしても人間的な音。
 それら含めてとても静かです。
 時代、場所、時間、空間が徐々に曖昧になっていくような、心地よい時間・・・
 さすがECMのアフリカンミュージック。
 と思っていたらプロデューサーはJon Balke, Miki N'Doyeで、Eicherさんは絡んでいないようです・・・
 とにもかくにもこれまた非日常、異空間へのトリップミュージック。


※別のバンドでの演奏から。


posted by H.A.


【Disc Review】“The Rain” (2001) Ghazal

“The Rain” (2001) Ghazal


Kayhan Kalhor (kamancheh) Shujaat Husain Khan (vocal, sitar) Sandeep Das (tabla)

Rain
Ghazal
Ecm Records
2003-08-26


 イランのkamancheh(ケマンチェ)奏者Kayhan Kalhor、インドのシタール奏者Shujaat Husain Khan、同じくタブラ奏者Sandeep Dasのトリオによるインド~ペルシャのフュージョン“Ghazal”なる音楽、あるいは演奏スタイルの一作、スイスでのライブ録音、ECM制作。
 kamancheh(ケマンチェ)はペルシャの伝統楽器、バイオリンの前身?哀しげな音色。
 インドから中近東の色合いが混ざり合う音楽。
 “The Rain”と題された本作、“Fire”, “Dawn”, “Eternity”と題されたいかにもそれらしい深淵な楽曲、各曲10分を超える長尺な演奏。
 淡々と刻まれるインドなビートに中近東色の哀し気なメロディ。
 どちらが前に出るわけでもなく漂うように絡み合うケマンチェとシタール、時折の妖し気な囁きヴォイス。
 内省的で沈んだ感じの空気感は敬虔でもあり、音量が上がってくると激情とやるせなさが交錯するような複雑な色合い。
 長尺な演奏の中でグラデーションをつけながらさまざまな表情が現れては消えていきます。
 どの時代のどの場所なのかわからない空気感、しばらくすると周囲は異空間・・・
 そんな音の連続の後、最後は明るく前向き、テンポと音量を上げつつ数分間同じパターンの繰り返し。
 ゴスペルやサンバ、あるいは一時期のKeith Jarrett諸作のクライマックスのあの感じ。
 あくまで静かですが、ジワジワくる高揚感~陶酔感で頭がクラクラしてきます。
 諸々含めて強烈な非日常感。
 どこかよくわからない世界にトランスさせてくれるトリップミュージック。




posted by H.A.


【Disc Review】“Resonante” (2011) Luis Chavez Chavez

“Resonante” (2011) Luis Chavez Chavez

Luis Chávez Chávez (guitar)
Antonio Restucci (mandolin) Fernando Silva (cello, bass) Luciano Cuviello (drums) José Luis Viggiano (perccusión)
Carlos Aguirre (accordion) Sebastián Macchi (piano, Rhose) Juan Falú (guitar) Luis Barbiero (flute)
Ramiro Gallo (violin) Francisco Lo Vuolo (piano) Eugenio Zeppa (clarinet, claron) Leandro Drago (keyboard) Nahuel Ramallo, Gonzalo Díaz (perccusión)

 

 チリのギタリストLuis Chávez Chávezによる現代フォルクローレ・・・ではなさそうで、南米ジャズとも違って・・・何と申しましょうか・・・まあ、クラシック系・・・
 とにもかくにも、静かでメロディアスながら不思議感たっぷり。
 強い寂寥感と静けさに凄味すら漂う作品。
 Carlos AguirreSebastian Macchi , Fernando Silvaなどの有名どころを含めて、たくさんの人が参加していますが、基本的にはギターと楽曲ごとに入れ替わる少人数のサポートで進む、少し沈んだ感じの音。
 冒頭はギターとチェロが漂いながら絡み合う、静かながらハイテンション、哀し気なコンテンポラリージャズ風。
 続くは優雅で流麗なCarlos AguirreのアコーディオンとのDuo、切なげなSebastian Macchi, Fernando Silvaとのトリオ、寂しげなギターDuoのワルツ、穏やかな木管との絡み、Astor Piazzola的なバイオリンが唸るタンゴな演奏、などなど、さまざまな編成、さまざまな表情の演奏が続きます。
 いずれもキャッチーなメロディ、とても優雅な演奏なのですが、沈んだムードの音の流れ。
 そんな流れをそのまま引き継いで、後半は組曲”Rayuela”。
 そのタイトル曲、わずか三分半のワルツが凄い。
 今にも止まりそうなスローテンポ、遅れ気味に美しいメロディを置いていくギター、つつましやかにカウンターをあてるチェロと、これまた聞こえないほどにつつましやかなエレピと電子音。
 それだけ。
 それだけで数十作分の価値がありそうな素晴らしい演奏。
 これは鳥肌もの・・・
 クラシカル、ノスタルジックなようで、先端的。
 名作です。




posted by H.A.


【Disc Review】“Templanza” (2010-2012) Francesca Ancarola

“Templanza” (2010-2012) Francesca Ancarola


Francesca Ancarola (voice, guitar)
Carlos Aguirre (keyboards, piano) Federico Dannemann, Simón Schriever (guitar) Antonio Restucci (guitar, mandolim) Rodrigo Galarce (bass) Carlos Cortés (drums, percussion) Oscar Arce (percussion) Claudio Rubio (sax) Christián Gutierrez (cello)
Teco Cardoso (sax) Léa Freire (flute) Andrés Beeuwsaert (keyboards) Fernando Demarco (bass) Edu Ribeiro (drums) and others



 チリの女性ボーカリストFrancesca Ancarolaの現代フォルクローレ、あるいは南米ポップス。

 Carlos AguirreのレーベルShagrada Medraから。
 少々アバンギャルド風味、ロック風味もあった前作“Lonquen” (2010)から毒気が抜けて、アコースティックな現代フォルクローレの色合いが強くなった感じでしょうか。
 全体のサウンドを含めて華やか系、ボーカルも少々強い系でありつつも、明るく穏やかな方向に振れたイメージ。
 ジャジーですがポップス度も高め。
 オリジナル曲中心、全てキャッチーなメロディ揃い。
 1980年代のAORやブリティッシュソウルのムードでしょうかね?
 ・・・と思っていたら、マンドリンやらガットギターやらチェロやらが鳴り出して、やはりアルゼンチンと共通する音の流れ。
 ブラジル、サンパウロ系とも繋がっているようで、タイトル曲はゲストで参加している“Arraial” (2017) Vento em Madeira のLéa Freireのセンチメンタルなメロディ。
 確かにAndre Mehmariあたりとも繋がる空気感です。
 それとCarlos Aguirreの雰囲気、さらにスパニッシュテイストを混ぜて、ポップス方向に振った感じ。
 ジャケットのムードと同様に、少々ダークな“Lonquen” (2010)に対して、明るくオシャレなムードの本作。
 ・・・などなど含めて、全編前向きで爽やか、それでいてセンチメンタル、郷愁感たっぷり。
 とても素敵なジャジー南米ポップス、華やか系。
 これは名作。





posted by H.A.


【Disc Review】“Lonquen” (2010) Francesca Ancarola

“Lonquen” (2010) Francesca Ancarola

Francesca Ancarola (voice, guitar)
Federico Dannemannv (guitar, cuatro) Juan Antonio Sanchez (guitar) Antonio Restucci (guitar, mandolim) Carlos Aguirre (keyboards, piano) Rodrigo Galarce (bass) Daniel Rodriguez (percussion, drums) Elizabeth Morris, Jose Seves (Cajones)

Lonquén - Tributo A Victor Jara
Francesca Ancarola
M & M
2015-12-27


 チリの女性ボーカリストFrancesca Ancarolaのエスニックでジャジーなフォークロック、あるいは南米ポップス。
 Carlos AguirreとDuoで静かな子守歌集“Arrullos” (2008)を制作した人。

 が、本作は強烈なパーカッションを含めてビートが強く、ボーカルもシャウト気味。

 アフリカンなパーカッションに、ウッドベースが弾むファンクなビートに、ロックなギター。
 ジャズファンクっぽくもあり、ロックっぽくもあり、複雑な展開、シャウトするボイス含めて、そこそこアヴァンギャルドな感じ。
 このレーベルとしては異色な質感かもしれません。
 そんな演奏が目立ちつつも、いかにもフォルクローレな優し気な曲、あるいは悲し気な曲も何曲か。
 Carlos Aguirreが入る曲は、あの零れ落ちるような繊細なピアノが生える音作りなのですが、アフリカンなパーカッションが響くエスニックなファンクの方が印象に残ります。
 ってな感じでいろんな色合いが交錯する少々強めの音には少々面食らうのかもしれません。
 この感じの方が現代的だし、少々硬派な感じをお求めの向きにはこの方がよいのかもしれません。
 ジャジーで少々アヴァンギャルド、少々ダークなムード、現代的で先進的な南米サウンド。
 そんな感じのポップス。
 もちろん上質です。


 


posted by H.A.


【Disc Review】"Arco Iris" (2010) Amina Alaoui

"Arco Iris" (2010) Amina Alaoui
Amina Alaoui (Vocals, Percussion)
José Luis Montón (Guitar) Eduardo Miranda (Mandolin) Sofiane Negra (Oud) Idriss Agnel (Percussion) Saïfallah Ben Abderrazak (Violin)

Arco Iris
Amina Alaoui
Ecm Records
2011-06-28


 モロッコの女性ボーカリストAmina Alaouiの北アフリカ~南スペイン~アラブなエスニックミュージック。
 ノルウェーの名ピアニストJon Balkeと“Siwan” (2009)を制作した人。
 少し低音に振れた、朗々としながらも、ミステリアスなボイス。
 おそらくは伝統曲なのであろう、聞き慣れないアラブな音階、物悲しいメロディ。
 北アフリカなのか、スペインなのか、ポルトガルなのか、あるいは中近東なのか、どこなのかはわかりません。
 冒頭のアカペラからどこか遠い場所、遠い時代にトリップするような非日常的な空気感。
 “Siwan” (2009)と同様に弦の中心の背景なのですが、大きな違いはスパニッシュJosé Luis Montónのギターが大きなスペースを占めること。
 ECM独特のリバーブと透明感。
 断言はできないけども、私が知る限り、ECMのアコースティックギター系では本作が一番美しい音かもしれません。
 さらにマンドリン、ウード、バイオリンが絡み合う、とても静かな天上のようなサウンド。
 弦が絡み合う空間の中に漂うミステリアスなボイス。
 ドキッとするような美しさと緊張感。
 ジャケットの素晴らしいポートレートは、モロッコの海? 
 対岸はスペインの地中海、あるいはポルトガル、はたまた遠くキューバ~アメリカ大陸を望む大西洋なのかもしれません。
 が、そのイメージの陽光は少なく、少し曇った哀し気な海。
 とても静かで優し気ですが、そんな音。
 ECMのエスニック・トリップ・ミュージック、北アフリカ版。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Blue Maqams” (2017) Anouar Brahem

“Blue Maqams” (2017) Anouar Brahem
Anouar Brahem (oud)
Django Bates (piano) Dave Holland (bass) Jack De Johnette (drums)

Blue Maqams
Anouar Brahem
Ecm Records
2017-10-13


 チュニジアのウード奏者Anouar Brahem、ジャズのメンバーとの共演。
 ここまでピアニストFrançois Couturierを中心としたフランス系かアラブ系の人との共演が多く、アメリカンなジャズの人だけとは“Thimar” (1998)以来でしょうか?
 過激なイギリス人ピアニストDjango BatesエレクトリックMilesのリズム隊。
 普通に考えると、ぶっ飛んだ激しい系のピアノトリオ。
 確かにジャズなビート感の演奏が多くなってはいますが、あくまでAnouar Brahemの静かで穏やかな寂寥の世界。
 淡々と刻まれるビートに、美しいピアノの響き。
 それを背景に、ゆったりと、訥々と、語るように奏でられるウード。
 ベース、ドラムは、あの時代のジャズのように強烈にフロント陣を煽ることはしません。
 強力な推進力ながら、あくまで抑制的な静かなビート、穏やかなグルーヴ。
 それでも時間が進むにつれ、徐々にテンションは上がっていきます。
 そのジャズ的な高揚感とともに静かに熱を帯びていくウード。
 寂寥感、やるせなく哀し気なムードはそのままですが、いつもとは違う感覚の音の流れ。
 Django Batesはいつもイメージとは異なる、音数、音量を抑えた音使い。
 たっぷりのエコーに、零れ落ちるような、儚げな、ECMな音。
 フレーズの端々に感じられる静かな凄み。
 長い時間ではありませんが、ピアノトリオの場面は恐ろしいほどに美しく、静かで流麗なジャズ。
 物悲しいメロディをベースにしたウードとのDuoの場面は、漂うような空白の多い時間。
 その他、ウードのソロ、ドラムとのDuoなど多彩な構成。
 北アフリカ~地中海沿岸~アラブの色合いに加えて、北海側ヨーロッパ、あるいはアメリカ大陸までが混ざり合う音。
 ゆっくりと周囲の景色が変わっていくような音の流れ、寂寥感はいつものこの人の作品通り。
 さらに上質、上品なジャズ的な洗練が加わった音。
 Anouar Brahemにとってもチェンジオブペース。
 一番ジャズなAnouar Brahemはこのアルバムでしょう。
 一聴、普通なようで、何度か聞いているとジワジワ来るなあ・・・




posted by H.A.

【Disc Review】“Conte De L'Incroyable Amour” (1991) Anouar Brahem

“Conte De L'Incroyable Amour” (1991) Anouar Brahem
Anouar Brahem (Oud)
Kudsi Erguner (Ney)

Conte De L'Incroyable Amour
Anouar Brahem
Ecm Records
2000-04-11


 チュニジアのウード奏者Anouar Brahem、“Barzakh” (1990)に続くECMでの第二作。
 本作もウードのソロ演奏を中心、楽曲によって木管楽器、パーカションが加わります。
 静謐で幽玄な音。
 静かでゆったりとした楽曲が多い分、前作よりも寂しさ、哀しさが強いかもしれません。
 冒頭から静かな空間に響く、エコーがたっぷりと効いた木管楽器の音。
 寂寥の世界。
 途中から入るウードの音がより哀し気に聞こえます。
 とても温かな音だと思いますが、なぜか感じる寂寥感、孤独感、やるせなさ。
 強烈な人間臭ささ。
 感情を吐露するわけでも爆発させるわけでもなく、抑制しつつも、内面の心情がにじみ出てきているような雰囲気。
 それがアラブ、あるいはチュニジアの空気感なのかどうかはわかりません。
 その複雑な感情表現を含めて、非日常的なトリップミュージック。
 この後、ECMではジャズ系の人脈とのセッション、Jan Garbarekとの共作“Madar” (1992)を経て、フランス人脈の“Khomsa” (1994)へと続いていきます。
 それら洗練されたヨーロピアンの音とフュージョンする前、生のチュニジア、Anouar Brahemの音。




posted by H.A.


【Disc Review】“Barzakh” (1990) Anouar Brahem

“Barzakh” (1990) Anouar Brahem
Anouar Brahem (Oud)
Bechir Selmi (Violin) Lassad Hosni (Percussion)

 チュニジアのウード奏者Anouar BrahemのECMでの第一作
 ウードのソロ演奏を中心として、半数ほどの楽曲でバイオリン、パーカションが加わります。
 悲し気なメロディ。
 やるせなく、どこか悟ったような哀し気な音。
 インド、スペイン、その他が混ざり合うような、アラブ~中東の空気感。
 テンポを落とすとなぜか日本の子守歌、童謡、あるいは演歌にも通じる音の流れ、弦の響きは琴のようにも聞こえます。
 どこか繋がっているのでしょう。
 高速なフレーズもどこか哀しく寂し気。
 遠くから聞こえてくるようなパーカッションと、クラシックのように優雅ではなく、複雑な情念がこもったようなバイオリンの響き。
 ノスタルジックというよりも、確かに「悠久」といった言葉が似合いそうな音でしょう。
 人肌な温かさと、それでいてなぜか孤独な空気感。
 ヨーロッパとアジア、北アフリカ、また、過去と現代を繋ぐ音。
 それがなぜ、こんなに寂しく響くのでしょう・・・?




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