“Uma Elmo” (2020) Jakob Bro

Jakob Bro (guitar)
Arve Henriksen (trumpet) Jorge Rossy (drums)

Uma Elmo
Jakob Bro
ECM
2021-02-12


 デンマークのギタリストJakob Bro、ECMレコードでの第四作。
 ECMではトリオ二作にワンホーンカルテットときて、本作はベースレス、トランペットとドラムとの変則トリオ。
 トランペットはECM御用達、ノルウェーの寂寥感の塊の人。
 顔ぶれ通り、静かで幻想的な音。
 全編ゆったりとしたテンポ、フリー、あるいはアルペジオが作る線の細いビート、自由にアクセントをつける静かなドラム。
 リバーヴに包まれたクリーントーンのギターが作るフワフワとした空気。
 そんな空間を漂う、サブトーンたっぷり、すすり泣くようなトランペットが奏でる物悲しいメロディ。
 前作“Returnings” (2018)と似た編成ですが、質感は異なります。
 トリオでの生暖かい感じから、温度、湿度が下がった印象の前作よりもさらに温度、湿度が下がった感じ。
 トランペットがデンマークの人からノルウェーの人に北上したからか、ベースのまろやかな支えがないからか、それとも激情な場面はわずかのみ、抽象的な時間が増えたからでしょうか。
 いずれにしても、乳濁色な感じが薄らぎ、シャープになった印象。
 哀しく懐かしい空気感、静かにゆったりと進む時間はそのまま。
 そしていつもながらにドラマチックな展開。
 静かに立ち上がる序盤。
 混沌~緊張の中盤。
 安堵したような、あるいはやるせないような、複雑な結末の終盤。
 これまたいつもながらに哀しくも懐かしい映画の世界。
 ひんやりとした空気感と幻想、いかにも北欧な感じの空気感。
 そんな一作。


 

posted by H.A.