“Dans la Nuit” (2000) Louis Sclavis
Louis Sclavis (clarinet, bass clarinet)
Jean-Louis Matinier (accordion) François Merville (percussion, marimba)
Dominique Pifarély (violin) Vincent Courtois (cello)
フランスのクラリネット奏者Louis Sclavis、無声映画の仮想?サウンドトラック。
そもそも不可解、理不尽な映画、演劇のような諸作からすれば、本領発揮なアルバム、なのでしょう。
サポートはパーカッションに弦楽器、アコーディオン。
ダークなムードで幕を開け、明るいのか暗いのか、すっとぼけてるのか沈痛なのかわからない、それらが交錯する展開。
緊張感を煽る役回りのバイオリンとチェロ。
雰囲気を和ませ安堵感を醸し出す役回りのアコーディオン。
ときおり幻想を加えるマリンバ。
それらに囲まれながら優雅にメロディを奏でるクラリネット。
強烈な疾走は抑制し、あくまでアンサンブルの一員としての立ち振る舞い。
ジャズな感じは薄く、室内楽クラシック、ミュゼット混じりな感じでしょうか。
不思議感たっぷりですが、難解ではありません。
少々の迷宮感、でも出口のない感じではありません。
むしろメロディアスで展開も明確。
激しい場面や強烈に悲しい場面があるわけではなく、かといって安らぎや希望に満ちた感じでもありません。
淡々と進む音。
感情を抑えて、諦観しつつ彷徨うようなムード。
そんな映画なのかどうかはわかりません。
タイトル通り「夜」、そんな感じ。
摩訶不思議な夜。
※たぶんこの映像だと思うのですが・・・そんな音です。

posted by H.A.