“Looking At Sounds” (2019) Michel Benita

Michel Benita (Double Bass, Samples)
Jozef Dumoulin (Rhodes) Philippe Garcia (Drums, Samples) Matthieu Michel (Flugelhorn)

Looking At Sounds
Michel Benita
ECM
2020-09-18


 フランスのベーシスト、大御所なのでしょうMichel Benita、フリューゲルホーンをフロントに立てたワンホーンカルテット作品。
 少し前、同じくECMレコードからの“River Silver” (2015)のバンドから先端ギターと箏が抜け、エレピが加わるオーソドックスなジャズの編成。
 が、ボリュームペタルを駆使するエレキギターのような音が鳴っていて、これはホントにエレピなのでしょうか?、オーソドックスなジャズではありません。
 心地いいフワフワとした電気な音。
 そんな音に包まれた柔らかなコンテンポラリージャズ。
 どこか哀しみを湛えたような、が、暗くはない空気感と、どこか懐かしさを感じるメロディ。
 上品なグルーヴを伴った強い推進力のビート。
 サラサラと流れていく力みなくクールなフリューゲルホーン。
 柔らかで心地よい音が揃い、メロディアスで気難しさ無し。
 “In a Silent Way” (Feb.1969) Miles Davisを徹底的にスムーズにして、現代的にして、わかりやすくした、そんな感じの洗練。
 そんな中で各曲終盤に向けての穏やかな高揚感、キツくない緊張感、ときおりの疾走、あるいは中盤に収められたルバートなスローバラード、穏やかな混沌、幻想がとてもカッコいい。
 脂っこくなく、気難しくなく、明るすぎず暗すぎず、軽すぎず重すぎず、冷たすぎず暖かすぎず、古すぎず新しすぎず・・・
 ありそうでない、絶妙なバランス。
 柔らかくて心地いい、スタイリッシュな現代ジャズ。


 

posted by H.A.