“Big Vicious” (2019) Avishai Cohen

Avishai Cohen (Trumpet, Synthesizer Programming, Electro-acoustic Realization)
Uzi Ramirez Feinerman (Guitar) Yonatan Albalak (Bass Guitar, Guitar) Aviv Cohen (Drums) Ziv Ravitz (Drums, Synthesizer Programming)

Avishai Kohen Big Vicious
Avishai Cohen Big Vicious
ECM
2020-03-27


 イスラエルのトランペッターAvishai Cohenの新プロジェクト。
 ここまでのあくまでアコースティックなコンテンポラリージャズとがらりと変わって、エレキギターと電子音たっぷり、ポップな先端ロックテイスト。
 弾むエレキベースにツインドラムながらうるさくない軽めの8ビート。
 あくまでクリーントーンながらエフェクティングたっぷりエコーたっぷりのサイケなギター、Bill Frisell的なようなそうでもないような、ノスタルジック感と先端感が入り混じる不思議な音。
 気難しさなし、むしろポップにも聞こえながら、そこはかとない哀愁を湛えたようなメロディ、空気感。
 そんな音の上に乗ってくる、あくまでジャズジャズしたキリッとしたトランペット。
 一聴普通なようでポップなようで、とても不思議なテイスト、バランス。
 妖しく、あるいは軽く始まりつつジワジワと盛り上がり、気が付けばハイテンションな高揚の中。
 各曲ともにドラマチックな音の流れ。
 ジャズではない、ロックでもない、それらを経過した何か。
 但し、実験臭や気難しさを感じさせないポップネス。
 ポストロックなコンテンポラリージャズ、ってな感じでよろしいのでしょうか?
 なぜか間に挟まれたベートーベンもそんな空気の中に溶け込んで、これまた不思議。
 そのうえで微かに漂うエキゾチシズム。
 新しいんだか古いんだか、ジャズやらロックやらエスニックやら、そんなボーダーは今は昔、やはり新しい音。
 とても心地よくてよろしいのでは。


 

posted by H.A.