“Triplicate” (1988) Dave Holland
Dave Holland (bass)
Marvin "Smitty" Smith (drums)
Steve Coleman (alto sax)
Dave Holland、1988年作。
しばらく続いた三管ピアノレスクインテットから、Steve Colemanだけ残し、ドラムにエレクトリックMiles時代の盟友を迎えたサックストリオ編成。
分厚かったサウンドが削り取られ、研ぎ澄まされシャープになった音。
諸作よりもジャズな感じがするのは、Jack DeJohnetteのドラムゆえでしょうか。
ホーンのアンサンブルの中に隠れていいたベース、ドラムの動きが余白を含めて明確になりました。
装飾なしの空間に響くアルトサックス。
変な音を出すわけではないのになぜか不思議感たっぷり、変幻自在。
グニョグニョしながら起承転結があるんだか無いんだかよくわからない節回し、太いんだか細いんだかわからない、でも綺麗な音。
アルトが引いた時間のベースとドラムのみの飾り気のない時間が、これまたハードボイルド。
ジャズスタンダードが少々加わっていますが、中心となるオリジナル曲は複雑で愛想のないメロディ。
それがクールでハードボイルドといえばその通り。
加えて、少人数での張り詰めた演奏が醸し出す緊張感。
危機一髪とか、寄らば切るとか、タイトロープとか、そんな感じ。
甘さや愛嬌なし。
うるさくないので、大音量で聞いて心地よい音。
クールでハードボイルドなDave Hollandのジャズ、真骨頂、ってな感じでよろしいのでは。

posted by H.A.