“Not Far From Here” (2019) Julia Hülsmann
Julia Hülsmann (Piano)
Marc Muellbauer (Double Bass), Heinrich Köbberling (Drums)
Uli Kempendorff (Tenor Saxophone)
ドイツのピアニストJulia Hülsmann、2019年作。
レギュラーなのであろうトリオにサックスを迎えたカルテット編成。
本作もこの人らしい質感の落ち着いたコンテンポラリージャズ。
いかにも現代のヨーロピアンジャズ、明るい系。
オーソドックスにスッキリと聞こえながらも凝りまくったアレンジ、展開。
ときおり混沌に突っ込むか・・・、あるいは漂い続けるか・・・、沈痛系か・・・、と思わせながらも、そうはなりません。
サックスも同じような動き、神経質な音の流れ、あるいは激情系か、と思わせながら、あくまで上品にまとまっていきます。
いかにも近年のECMレコードのサックスらしい、艶やかで美しい音。
いつもながらに美しいピアノの音との絡みがこれまた美しい。
天井が高い空間で鳴っているような極上のリバーブが効いた美しい録音。
天井が高い空間で鳴っているような極上のリバーブが効いた美しい録音。
楽曲、演奏を含めてダークさはなし、明度高め。
いかにも女性らしい、あるいはかつてのECMらしくない優しい音ですが、繊細というよりは骨太な感じでしょうか。
いろんな新たな仕掛けや奇をてらった作品も多い中(そうゆうのを好んで探しているのではありますが・・・)、スッキリとしたヨーロピアンジャズらしいジャズ。
とても安心して聞ける一作、ってな感じがよろしいのでは。
posted by H.A.